ダニーバグは炎上で敵だらけでも無敵の負け犬バンドだった(「今夜ステージで!」感想&レビュー) | とかげ日記

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今年の1月、僕の好きなバンド"ダニーバグ"がプチ炎上した。

《ある方のツイート》
【バンドマンへの告知】
一般人からみた売れないバンドマンへの認識







《ダニーバグ・すぎもとさんのリプライ》
そんな売れないバンドマンの僕の曲です。
良かったら聴いてください。




《クリトリック・リスさんのツイート》
バンドマンは売れる事より自分達の音楽や演奏を追求してる。好きな事のためにアルバイトするも悪くない。夢見れない人が夢みてる人をひがんでるんだ。こんなこと言われてんのに「僕たちが売れないバンドマンです」って、開き直ってリプにリンク付けて告知してる奴、片っ端から動画に低評価つけにいくぞ

《クリトリック・リスさんに対する僕のツイート》
自分達の音楽や演奏を追求するのと同時に、売れるという夢もあって良いじゃないですか。多くの人々に自分の音楽を聴かれるということは幸せなことですよ。

最初にリプでリンクを貼ったバンド"ダニーバグ"をお聴きになりましたか? 一発でぶちのめされるくらい良いですよ。みんな必死なんです。

ダニーバグを聴けば、理想の音楽を追求しようとする姿に素直に感服するよ。その上で売れたい気持ちに誰がケチをつけられる?

彼らは"負け犬"の反抗をテーマに音楽を作っている。先ほどの動画付きリプは、人々から負け犬扱いされてもそれでも立ち上がろう、売れてやろうとする姿を感じ取れて感動した。

ある程度名前が売れた人はいいよな、好き勝手言えて。あの発言で実際に低評価ボタン押した人が何人いると思っているんだ。



そんな無敵の負け犬バンド・ダニーバグが4週間前に新曲のMVをYouTube上で発表した。


ダニーバグ「今夜ステージで!」MV

とっても開放的で自分をさらけ出すような曲。

このMVを受けて僕はこうツイートした。

感動したい方がいたら聴いてみて。UKというよりはアメリカンな、ゴキゲンなこの曲に胸を震わせろ。

自分の音楽的語彙の無さをさらすツイートで恥ずかしいのだが、ダニーバグのすぎもとさん御本人の裏アカにRTしていただき、大変恐縮で光栄な思いでいる。

今このツイートを見ても、曖昧な表現すぎて何を伝えようとしているのか自分でも分からなくなるのだが、ブリティッシュ・ビートの紳士的で閉塞的なイメージ(その割には露悪的で変態的だったりもするのだけど)というよりも、アメリカのロックの開放的なイメージの方がこの曲に近いと思ったのだろう。(もちろん、ローリング・ストーンズのように、ルーズで開放的なUKのバンドもいる。)

そして、この曲のように開放的に自分をさらけ出す曲は、コロナでSTAY HOME週間である閉塞した今にこそ求められている曲ではないか。

本曲「今夜ステージで!」には、一人のバンドマンのリアルとロマンが詰まっている。

歌詞にあるアデノイドとは、辞書を引いてみるとリンパ系の組織のことみたいで、何を言っているのか分からない。だが、「聴こえるかい? 俺は真性アデノイド・ベイベー/曝け出したい そう全ての感情を君へ」と畳みかけられるように歌われると、語感が新鮮で快く響き、とてもリリカルに聴こえる。音楽性は全く違うが、UKのバンド"リバティーンズ"のように、畳みかけるようなリアルなリリカルさがある。ダニーバグの音楽のリアルとロマンは、このリアルなリリカルさがもたらしていると思う。

ミュージシャンがステージに立てない今、ミュージシャンもリスナーも鬱憤がたまって爆発しそうだ。あなたの時間が4分あるなら、ぜひこの曲を聴いてみてほしい。ステージで自らの感情の全てを観客に伝えたいというすぎもとさんの思いは、鬱憤をいくらかでも解消してくれると思う。


【追記 2020.5.4.】
その後、アデノイドについて、すぎもとさん御本人から説明がありました。ありがとうございます!

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ちなみに、
「今夜ステージで!」
に出てくる「アデノイド」は
アデノイド顔貌の僕の事です。
アデノイド顔貌は口呼吸中心の人に多い顔の形で、
アデノイドが肥大して
コンプレックスになりやすい特徴的な横顔になります

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