頭痛 あれこれ -9ページ目

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これまで報道された部分の抜けた部分をまず、補足しておきます。


家族と住んだ家で1人、事件の準備 61歳の孤独と困窮 放火1カ月

 

 大阪市北区の雑居ビル4階のクリニックで25人が犠牲になった放火殺人事件は17日、発生から1カ月を迎えた。大阪府警が殺人と現住建造物等放火容疑で捜査している谷本盛雄容疑者(61)は事件後、事情聴取ができないまま死亡し、動機などの全容解明は困難になった。あの日、何が起きたのか。


 クリニックから西へ約3・5キロ。大阪市西淀川区の淀川沿いに3階建て住宅が立つ。1987年春、結婚して2年の谷本容疑者が約1200万円のローンを組み、新築で購入した家だ。


 府警などによると、谷本容疑者は板金工として働き、看護師の妻と息子2人とともに約20年間、この家で暮らした。

 転居後の谷本容疑者が一人暮らしになったのは、2008年9月に離婚してからだ。09年9月ごろに元妻に復縁を申し込んだが断られた。10年には勤める工場に連絡なく姿を消した。


 11年4月、元妻宅で長男を出刃包丁で殺そうとし、府警に殺人未遂容疑で逮捕された。包丁計3本や催涙スプレー、ハンマーなどを持ち込んでいた。


 確定した大阪地裁判決は、「寂しさを募らせて孤独感などから自殺を考えるように」なり、「死ぬのが怖くてなかなか自殺に踏み切れなかったため、誰かを殺せば死ねるのではないか」と考えたと認定。懲役4年の実刑判決を受けた。


 判決は社会復帰後について、「当面は孤独な生活をしなければならない可能性」を指摘しながら、「家族以外との関わりを持つことができれば、更生することは十分可能」とした。だが、出所後の社会とのつながりは浮かばない。


■社会とのつながり見えず 大量殺傷事件に関心


 更生保護施設を経て、17年2月に父親から相続した大阪市此花区の住宅に移り、3月に現場となったクリニックに通い始めた。「夜眠れない」などと相談していたという。昨年1月に口座残高がゼロになり、5月に電気やガスを止められて家を出ると6月、かつて暮らした西淀川区の住宅に戻ってきた。


 その頃からスマートフォンのアプリに犯行計画とみられるメモを残し始める。「人がいるか確認」「ガソリンを買う」。大量殺傷事件に関する論文も保存していった。現場周辺の防犯カメラには、事件前夜に谷本容疑者とみられる男がコインロッカーにガソリン入りとみられるポリタンクを入れる姿が映っていた。


 昨年12月17日午前9時47分。西淀川区の谷本容疑者の住宅で「煙が出ている」と119番通報があった。府警は、谷本容疑者が家に火を付け、直後に自転車で出たとみている。ガソリンを入れたとみられるポリタンクを積んでいた。


 クリニックまで約1・5キロの商店街の防犯カメラに同9時50分ごろ、谷本容疑者らしき男が映っていた。黒のジャケットにベージュのパンツ姿。マスクを着け、自転車で走る。


 府警によると、男はコインロッカーで隠していたポリタンクを取り出し、計二つに。ビル前で自転車を止め、タンクの紙袋を手に中へ入った。同10時15分、クリニックがある4階で、両手に二つの紙袋を持ってエレベーターから下りた。


■「逃げさせない」周到な動き 院内のカメラに男


 クリニックの出入り口はエレベーターと、階段につながる非常口の2カ所。男は紙袋をエレベーター前で傾け、ガソリンにライターで火をつけた。もう一つの紙袋を非常口付近に投げて避難路を塞いだ。


 炎を逃れようと人々は窓のないクリニックの奥へ向かう。突き当たりの外壁には窓枠とはしごがあるが、室内からは開口部が確認できないという。男は出入り口に向かう男性に体当たりし、避難を阻んだ。


 同10時18分に「火が出ている」と119番通報が入る。繁華街での火災に、通報は多数あった。救助隊が駆けつけると、出入り口に最も近い場所で谷本容疑者が倒れ、心肺停止で搬送された他の26人全員が、クリニック中央部の閉じられた扉の奥にいた。亡くなった25人と谷本容疑者の死因はいずれも一酸化炭素中毒だった。山田常圭(ときよし)・元東京大特任教授(火災安全工学)のシミュレーションでは、出火から数分で死に至る状況だったという。


■事件の記事、コーキング剤、刃物 10年前の事件との関連は


 事件後に府警は谷本容疑者宅を家宅捜索し、事件の計画性が浮かんだ。

 西淀川区の住宅では、21年3月に起きた徳島市の雑居ビル放火事件の新聞記事や、36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件から2年に関する21年7月の記事を発見、押収した。両事件ともガソリンを使った放火だった。


 「放火殺人」「消火栓をぬる」と書かれたメモや、隙間を埋めるコーキング剤も押収。クリニック内の消火栓の扉は開かぬよう工作されていた。防犯カメラ映像から、事件2週間前の最後の受診時に容疑者がコーキングしたと府警はみる。


 クリニックの現場検証では、非常口近くで刃物が見つかった。西淀川区の住宅にあったナイフのさやと一致。府警は谷本容疑者が確実に計画を実行できるよう持ち込んだとみている。容疑者のポケットから催涙スプレー2本も見つかった。


 半年にわたって計画されたとみられる事件に、複数の府警幹部は10年前の長男殺害未遂事件との関連を指摘する。谷本容疑者が、多くの人を巻き添えにして自らの命を絶とうとした可能性があるとみている。


家賃収入途絶え預金ゼロに 生活保護も受給できず 大阪ビル放火、谷本容疑者


 大阪市北区の雑居ビルに入るクリニックで25人が犠牲となった放火殺人事件で、火を付けたとされる谷本盛雄容疑者(61)=死亡=の銀行口座残高が昨年1月にゼロとなっていたことが15日、大阪府警天満署捜査本部への取材で分かった。


 土地、建物を所有していたが家賃収入は前年に途絶えており、生活保護も認められなかった。府警は谷本容疑者が事件当時、生活に困窮していたとみて詳しい動機を調べている。


 府警によると、過去に差し押さえられた時期があったものの、谷本容疑者は大阪市の西淀川と此花の両区内に土地と建物を所有。家賃収入があったが、2020年9月末で賃貸契約が終了した。


 府警が谷本容疑者の銀行口座を調べたところ、15年1月時点で約150万円あった残高は昨年1月にゼロになった。


 谷本容疑者は10年以上、定職に就いていなかったとみられている。17年2月と昨年5月に此花区に生活保護を申請したが受給できておらず、事件当時は生活に困窮していた可能性がある。


 現場ビル1階のごみ箱から、同容疑者が所有する家屋や自転車などの鍵の束が見つかっていたことも新たに判明。4階のクリニックで火を付ける直前に自ら捨てたとみられる。


 また、此花区内にある谷本容疑者の両親の墓から骨つぼが無くなっていたことも分かった。事件3日前の21年12月14日、谷本容疑者の親族から府警に通報があった。事件当日には、墓石が倒されたとの連絡が府警に寄せられていた。同容疑者のスマートフォンには、同12日に墓参りをするなどした記録が残されており、府警が関連を調べている。


 事件は同17日に発生し、25人が死亡、1人が重篤。谷本容疑者も心肺停止状態で搬送され、蘇生したが同30日に死亡した。 


容疑者死亡も続く捜査 大阪府警、真相究明へ ビル放火殺人17日で1カ月


 大阪市北区の雑居ビルで25人が犠牲となった放火殺人事件は、17日で発生から1カ月となる。


 容疑者は死亡したが、大阪府警天満署捜査本部は被害者や遺族の心情に配慮し、真相究明に向けた捜査を続けている。年度内にも、容疑者死亡のまま殺人などの疑いで書類送検する方針。


 谷本盛雄容疑者(61)は現場のクリニックから心肺停止状態で搬送され、蘇生したものの一度も意識を取り戻すことなく、事件から約2週間後の昨年12月30日に死亡。直接動機を聞き出すことはできなくなった。


 府警によると、谷本容疑者は長男に対する殺人未遂事件で服役後、更生保護施設などを経て2017年2月、父親から相続した大阪市此花区の住宅に転居。翌月に「夜眠れない」などとクリニックを初めて訪れ、受診回数は112回に上った。


 所持品のスマートフォンには、事件当日と同じ金曜日に下見したとみられる「診療内科 9時58分までに合計22人一気に入ってきた」との記録のほか、「日本史上最悪な凶悪事件」を検索した形跡もあった。動機につながるような記載は見つかっていない。アドレス帳に知人の連絡先は皆無で、架電先は電気やガスの業者だけ。交友関係をたどる捜査も難航している。


 昨年1月には銀行口座の残高がゼロに。同年5月に2回目の生活保護を申請したが、受給には至らなかった。府警は、谷本容疑者が孤立を深め経済的にも困窮し、多くの患者らを大量殺人に巻き込もうとしたとみて調べている。


スマートフォンに詳細記録 半年前から計画か―大阪ビル放火容疑者


 大阪市北区の雑居ビルに入るクリニックで25人が犠牲となった放火殺人事件で、火を付けたとされる谷本盛雄容疑者(61)=死亡=のスマートフォンに、ガソリンの購入計画やクリニック院長の退勤時間などが詳細に記録されていたことが14日、分かった。事件発生から1カ月となるのを前に、大阪府警天満署捜査本部が明らかにした。


死因は蘇生後脳症 大阪ビル放火の容疑者―府警


 記録は昨年6月から始まっており、府警は事件の約半年前から本格的に計画を始めたとみて調べている。
 府警によると、谷本容疑者のスマホは昨年5月に契約されたもので、事件後にクリニック内で発見された。データを調べたところ、6月14日から始まっているスケジュールアプリに、ビル清掃員の有無や扉の寸法などの確認事項が記されていた。9月には「20時54分踊り場ドアが閉まった」「21時13分先生が1階出入り口から出てきた」、12月には「20リットル携行缶にガソリンを買った」などの記載があった。
  スマホには「大量殺傷犯人の属性と行動パターン」などダウンロードされたファイルが残されており、京都アニメーション放火殺人事件や千日デパート火災、「死ぬときぐらい注目されたい」などの語句を検索した形跡もあった。
  防犯カメラには事件の2週間前、院内の消火栓の扉に細工するような様子が映っていた。事件前夜には、ビルから約500メートル離れたコインロッカーを利用する姿や、ビルの非常階段の扉に細工するような音が記録されていたという。
 事件は昨年12月17日午前10時20分ごろ発生。27人が心肺停止状態で病院に搬送され、25人が死亡、1人が重篤。谷本容疑者も搬送後に蘇生したが、同月30日に死亡した。


容疑者、クリニックへの通院100回超 「眠れない」訴え 大阪・北新地ビル火災


 25人が犠牲になった大阪市北区曽根崎新地のクリニック放火殺人事件で、死亡した谷本盛雄容疑者(61)が平成29年3月に初めてクリニックを受診していたことが14日、大阪府警天満署捜査本部への取材で分かった。「眠れない」など訴え、通院は100回超に及んでいた。昨年12月の事件直前に通院していたことも確認され、捜査本部は谷本容疑者とクリニックの関係を調べている。

 捜査本部がクリニックの電子カルテを解析。谷本容疑者は「夜眠れない」「体がだるい」と訴えて29年3月に初めてクリニックを受診。それから事件直前の昨年12月3日まで、5年近くにわたって計112回通院していた。クリニック側との大きなトラブルは確認されていないという。


 事件は、社会復帰を目指す「リワークプログラム」の参加者が来院している時間帯に発生。火災による被害拡大を狙ってか、クリニックの消火栓や非常扉に細工がされていた。捜査本部は、谷本容疑者がクリニックの構造や患者が多く集まる時間帯について知っていたとみて、クリニックとの接点や通院歴を調べていた。


遺族らの心境に変化も 周囲に求められる「話を聞く」 北新地ビル放火殺人1カ月


 大阪市北区曽根崎新地のビルで25人が犠牲になった放火殺人事件は、17日で発生から1カ月を迎える。認定NPO法人「大阪被害者支援アドボカシーセンター」は、事件の被害者や遺族らの支援にあたっている。事件から時間がたつにつれて遺族らの心境に変化が表れることもあり、一人一人に寄り添ったサポートを進める方針だ。


 同センターは、大阪府警と連携し、被害者支援制度に必要な手続きのサポートやカウンセリングなどを担当している。センターによると、一般的に遺族らは事件直後は感覚がまひして怒りや悲しみを感じにくいが、1カ月程度たってから次第に感情が表面化するケースが多い。今回の事件では、昨年12月30日に谷本盛雄容疑者(61)が死亡して以降、容疑者本人の口から真相が聞けなくなったことに対する怒りを訴える遺族が出てきたという。

 木村弘子事務局長は「被害者や遺族は、事件について周囲から遠巻きにされたり、根掘り葉掘り聞かれたりするのが非常につらいはずだ」とした上で、「周囲の人には極力普段通り接してほしいが、もし被害者や遺族に強い怒りや悲しみなど話したいことが生まれれば、しっかり聞いてほしい」と呼び掛けている。


患者に慕われた院長 「素顔」に募る妹の悲しみ 北新地ビル放火殺人1カ月


 25人が犠牲になった大阪市北区曽根崎新地の放火殺人事件は、17日で発生から1カ月。犠牲者の一人である現場クリニックの院長は生前、自身のことを周囲にあまり語らず、感情をあらわにすることは少なかったという。だが実際は、患者の言葉一つ一つにしっかりと耳を傾け、誠実に向き合う人だった。遺族は亡くなってから新たな一面を知り、悲しみを一層募らせている。


《来年には医師の免許とって?お兄ちゃんなら必ずがんばって受かると信じている》


 かわいらしいクマのキャラクターがあしらわれた便箋には、医師国家試験を控えた兄を気遣う妹の言葉がつづられている。約25年前、当時医大生だった「西梅田こころとからだのクリニック」の院長、西澤弘太郎さん(49)に宛てた妹(45)の手紙だ。


■兄が漏らした心の内


 「まだ保管してくれていたなんてね」。妹はうつむきながら、静かにほほ笑んだ。手紙を見つけたのは、事件から2週間が過ぎた昨年末。兄の存在を感じたくて、兄がかつて使っていた大阪府松原市の実家の部屋に久しぶりに足を踏み入れた。勉強机や棚の引き出しを調べると、ファイルの中に何通もの手紙が丁寧に仕舞われていた。


 当時離れて暮らしていた兄宛てに、月に1度手紙を書いていた。返事が返ってきたことはなく、とうに捨てられたとばかり思っていた。手紙の端はところどころ折れ曲がり、何度か読み直した跡があった。「自分の本心を表現するのが苦手だったのかもしれない。会えなくなってから知ることがあまりにも多い」


 医師の家系に生まれ、子供のころから医師の道を志していた兄。ここ数年は診療のため、実家の病院と自身が開業した北新地のクリニックをせわしなく行き来し、いつも忙しそうだった。穏やかで人の話を客観的に聞くことができる兄に対し、「精神科医に向いている」と感心しながらも、「そこまで働かなくても」との思いも頭をもたげていた。


  「働き盛りの人も心の病気にかかることは多いから」。普段は自身のことをあまり語らない兄が、数年前にぽつりと漏らした。仕事に邁進(まいしん)する心の内に触れたのは、それが最初で最後だった。


■患者との「絆」


 それだけに、事件後に報道や会員制交流サイト(SNS)にあふれた、兄を悼む患者らの言葉は少し意外だった。《先生には人生を救っていただいた》《不安なときに電話をかけるといつも丁寧に応じてくれた》-。「もっと淡々としている印象だった。こんなに思ってもらえて、愛のある診療をしていたんですね」とつぶやく。


 最後に兄を見かけたのは事件の2週間前。兄が北新地のクリニックから実家の病院に車で帰ってきたところだった。運転席で患者のカルテを熱心にめくっていた。こちらには気付いておらず、邪魔をしないように声をかけるのをやめた。いつもの兄らしい姿だった。


 「誰よりも患者さんを思い、救いたかった兄だからこそ、事件を悔やみきれないはずだ」。兄の無念を感じるたび、痛いほど強く思う。「同じ悲しみを決して繰り返してはならない」


大阪ビル放火殺人、口座残高ゼロ 17日で発生1カ月、拡大自殺か


 25人が犠牲となった大阪・北新地のビル放火殺人事件で、殺人と現住建造物等放火の疑いが持たれている谷本盛雄容疑者(61)=昨年12月30日に死亡=の口座には1円の残高もなかったことが16日、捜査関係者への取材で分かった。所持金もわずかで、生活が困窮し交友関係も乏しい中、大勢を巻き込む「拡大自殺」を図ったとみられる。


 事件は17日で発生から1カ月。容疑者から供述を得る機会は失われ、動機解明は難しいが、大阪府警は生活実態などの捜査を尽くし、年度内にも書類送検する方針。ただ、犠牲者が多く遺族らへの捜査結果の説明には時間がかかりそうだ。


北新地の放火殺人 「国が十分な補償を」


 大阪・北新地の放火殺人事件について、犯罪被害者らの団体が補償について国に要望する方針で動き始めている。


 12月17日、大阪・北新地のクリニックで起きた放火殺人事件では、院長や患者など25人が亡くなった。


 事件から1か月を前に15日、会合を開いたのは「犯罪被害補償を求める会」のメンバーや支援者たち。


 事件の遺族らに対する国の給付金支給制度などについて議論し、メンバーからは「北新地の事件では家族のために再び働くことを目指した人も犠牲となり、遺族への支援は欠かせない」といった意見が出た。


 また、支給金額の拡充や条件の緩和などの必要性があるとして、今後、国に要望していくことなどを確認した。


大阪北新地の放火殺人事件 犯罪被害者は泣き寝入りしかないのか


 昨年12月、大阪・北新地の心療内科クリニックで25人もの方々が亡くなる放火殺人事件。被疑者男性が同月30日夜、入院先の病院で死亡しました。


 本来、被疑者の男性の犯行動機や経緯などが刑事裁判で明らかになり、クリニック院長など被害者の方々のご遺族の処罰感情を反映させ、刑事責任が問えるのであれば相応の刑罰が科されたはずです。
 さらにご遺族は、法律上、放火殺人という不法行為を行った被疑者男性から高額な損害賠償を受けられたはずです。
 しかし、被疑者男性死亡により刑事裁判が開かれることはなくなりました。そして、被疑者男性の資産状況はわかりませんが、その資産で、25人もの死亡賠償金、その他の被害者の治療費、同じビルの他のテナントへの賠償、ビル損傷の賠償など全額を支払うことはおそらく難しいでしょう。また、被疑者男性の親族は相続放棄をするでしょうから、これらの賠償責任を引き継ぐことも考えられません。


 つまり、加害者が死亡し、その親族が相続放棄をしてしまえば、被害者の方やご遺族は、加害者側に対して何も請求できないことになります。さらにビルの火災保険は建物や備品の賠償はしますが、通常は人の被害の賠償はしてくれません。まったく納得のできない結論ですが、これは法律上仕方がないとしかいいようがありません。このような事態は多くの重大事件で起きています。


 では補償はないのかといえば、「犯罪被害給付制度」があります。これは故意の犯罪により死亡や重傷を負われた犯罪被害者やその家族の損害を補填する国の事業です。亡くなられた方の年齢や収入、後遺症の程度などにより、多い場合で数千万円の給付金が受けられます。とはいえ裁判などで認められる損害賠償額よりは、低い水準といわざるを得ません。


 今回の事件を受けて、犯罪の被害に遭わない対策も大事ですが、貯蓄や投資、生命保険といった自分が被害を受けた場合の備えを考えるきっかけにしていただきたいです。


大阪ビル放火殺人、容疑者死亡で真相は闇の中「動機が分からないまま書類送検」小川泰平氏が解説


大阪ビル放火殺人、容疑者死亡で真相は闇の中「動機が分からないまま書類送検」小川泰平氏が解説


 25人が犠牲となった昨年12月17日の大阪・北新地のビル放火殺人事件で、殺人と現住建造物等放火の疑いが持たれていた谷本盛雄容疑者(61)=住所職業不詳=が意識を回復しないまま同30日に死亡した。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は年が明けた2日、当サイトの取材に対し、「容疑者の動機が分からず、真相解明はできなくなった」と解説した。


 捜査関係者によると、火災現場の心療内科クリニックから心肺停止状態で搬送された谷本容疑者は30日午後7時5分に大阪市内の病院で死亡した。顔や手にやけどを負い、重度の一酸化炭素(CO)中毒や気道熱傷もあった。集中治療を施されて蘇生したものの、危険な状態が続いており、一時心肺停止になったことで脳が損傷し、心肺機能も衰えて死亡した。死因は重度のCO中毒による蘇生後脳症だったという。
 谷本容疑者が逮捕されることなく、意識不明のまま死亡したことにより、今後どのような扱いになっていくのだろうか。


 小川氏は「被疑者死亡で、殺人と現住建造物等放火容疑などで書類送検し、大阪地検が不起訴とします。書類送検で立件はできても、本人の供述がなく、本当の動機が分からないままの書類送検となります」と解説した。


 同容疑者の自宅とみられる大阪市内の住宅からは、2019年の京都アニメーション事件から2年になることを報じた今年7月の新聞記事や「放火殺人」などと書かれたメモが見つかり、事前にガソリンを購入したことも判明しているが、すべての行動についての真相は闇の中となる。


 小川氏は「事情聴取ができないまま容疑者が死亡したことで、取り調べが不可能になり、動機など事件の真相究明は極めて困難になる。容疑者が自分に当てたメモがあり、犯行準備をしていたことが分かっていても、1番重要な動機が分からない。なぜ、そのような犯罪行為に至ったかは解明できなくなった」と指摘。「被害者の方やその遺族はやりきれないと思います」と見解を語った。

 

 大阪・北新地のビル放火殺人事件の前日に現場となった心療内科クリニックの非常口の扉に、外側から粘着テープが「目張り」のように貼られていたことが判明したことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は21日、当サイトの取材に対し、計画的な犯行に含まれる行為である可能性を指摘した。

 17日午前に発生した火災で、大阪府警は現住建造物等放火と殺人の疑いで、意識不明の重体となっている住所職業不詳・谷本盛雄容疑者(61)を特定。事件当日に24人の死亡が確認されたが、府警は21日、新たに20代とみられる女性1人が死亡したと発表したことで、犠牲者は25人となった。生存している2人には谷本容疑者が含まれている。

 同容疑者の自宅とみられる大阪市内の住宅からは、2019年の京都アニメーション事件から2年になることを報じた今年7月の新聞記事が見つかっていた。小川氏は「どこまで参考にしたか分かりませんが、その記事をわざわざ保管していたということは、その記事を読んで、どういった犯行だったかということを谷本容疑者は知っていたということが言える」と指摘した。
 また、この住宅からは「放火殺人」と書かれたメモが見つかっていたという。本人が書いたとは断定できていないが、小川氏は「容疑者がインターネットをやっていたかは分かりませんが、そういった事件の経緯などを調べていた可能性はあると思います」と付け加えた。

 さらに、捜査関係者によると事件前日の16日、非常階段につながる扉に粘着テープが貼られていたことも分かった。犠牲になった院長の西沢弘太郎さん(49)も確認し、当日までにはがしたという。

 小川氏は「ガソリンを約1カ月前に購入するなど、容疑者には入念な計画性があり、その中で、ドアが開かないようにではなく、扉の隙間から煙が逃げないよう、煙が内部に充満すするようにするために目張りをしていた可能性はある」と推測。その上で、同氏は「目張りに関して、本人がやったと明らかになれば、多人数を無差別的に殺害することを前提に犯行に及んだ可能性が考えられる」と見解を示した。

 

 


 以上のように事件後の補償の問題が問われてきていますが、どなたも、こうした事件を再発ささないような方法を提言される方はいらっしゃいません。そして、この事件をこのブログとしては場違いなテーマとして「報道されない事実」として取り上げました。
 今回の事件が起きた際に、真っ先に標的となったクリニックの院長の人柄のよさ、患者から極めて評判がよいということでした。私にとっては、真っ先に違和感を覚えたがために、ブログで取り上げました。そもそも、精神科・心療内科専門のクリニックで、患者さんに慕われ、よい医師とは、どのような医者なのか、老朽化した頭脳を振り絞って考えてみました。そうすることで、ある事実に気が付きました。それは、よい医師とは、患者さんにとって、極めて”都合のよい”医師であることが絶対的な条件のようです。
 精神科・心療内科領域の病気とは、謂わば「障害者」なのです。健康人が病気になるのではなく、精神科・心療内科領域の病気とは、生まれつき障害を抱えた存在であり、病気を克服することは、自分の障害に見合った職業を見付けることである。これが原則です。
 確かに、発達障害の場合は、こうした考え方が通例であるかもしれませんが、それでは、うつ病の場合、このような対処の仕方が正しいのでしょうか。うつ病を患者さんの希望するまま、自由に経過を診ていれば、どのようになるのでしょうか。


    うつ病治療の考え方
     
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12720518931.html


 うつ病の治療方針は、最近では、この方針が一般的になっているようです。
 ということは、患者さんが、自由気ままにするに任せれば、治るものもなおりません。
   精神科・心療内科領域の病気は、現在、いろいろなものが形を変えて出てくるようになりました。このため、一般的な医師には到底理解出来ない疾患も多々あります。卑近な例では、「医者になれないから、殺人を犯す」「自殺するために道連れを・・」等々、およそ理解不能な理屈で殺人を正当化しようとする人間もでてきました。こうした方々にも評判を気にされ、迎合してまで診療されるのでしょうか。


   マスコミで報道されない事実・・
    
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12716680470.html


 において指摘しましたが、クリニックを開設する際の場所の選定です。医院という組織は、院長だけが好ければ済む問題ではありません。医院をサポートしてくれる従業員は当然必要であり、医院の財源ともなる患者さんの身の安全には当然配慮しなくてはなりません。院長自身の安全はどうでもよいといった”博愛精神”だけでは医院の開設は当然のこととして無理な話です。ということは、従業員・患者さん・自分自身の身の安全が確保できて初めて、医院としての診療が成り立つはずのものです。こうした3つのうちのひとつでも欠ければ、患者さんに好評なクリニックとはなりえません。今回の院長には、このような基本的な知識そのものが欠如していることになります。こうした点は若い医師にありがちですが・・

 我が身を省みずに診療に当たることが如何にも崇高のように報道されていますが、このような考えが、如何に身勝手なものかを考える必要があります。消防法上は問題もなく、保健所の認可にも問題がなく、崇高な精神で診療が行われていたにも関わらず、悲惨な事故が現実に起きたわけです。となれば、どこかに問題が無ければ、事故は起きなかったはずです。こういったことから保健所の認可における不備、第三者の身の安全に対する配慮が欠如していたため起きたということです。このようなことは国の責任であることから、一切、不問に付されているということです。まさに、無責任、極まりないということです。以前から、こうしたことは、医院を開設する医師の責任を見越して、認可されていたということを忘れてはなりません。ということは、現在の医師にはこうした責任すら自覚していない”輩”が、無節操に開設の申請を提出し、大事故を引き起こしたに過ぎず、責任の所在を曖昧にさせる目的で、『崇高なお医者さん』という美辞麗句がどうしても必要であり、最後はお涙頂戴式に幕引きを考えたということです。
 さらに、その上で、医学的に診て最先端の、それも、患者第一に考える医療そのものを提供する必要があります。特に、うつ病では、確実に・最短距離で治す治療をめざす必要があります。ここでは、患者さんに迎合するような治療などあり得ない話です。患者さんのための医療と、患者さんに迎合する医療を混同しています。患者さんに迎合する医療が、崇高な医療と煽てられ、患者さんの言いなりになっている医師が、精神科・心療内科では如何に多いかを知っておく必要があります。ここに、精神科・心療内科の医学的知識がまったく無くても、大手を振って診療できるようになっています。ということは、抗精神薬に副作用に関する知識など、あろうはずもありません。このような医師に国が精神科・心療内科医療を認めているということです。このため、ベンゾジアゼピン依存症の患者さんは、患者さんの言いなりの診療を行っているために、次から次へと量産され、こうした薬剤の離脱症候群の地獄へ陥れられることになっています。ですから、私達は、自分の身は自分で守らなくてはなりません。国は一切、こうしたことを取り締まることはありませんから・・・


 問題の谷本容疑者は、「夜眠れない」「体がだるい」と訴えて29年3月に初めてクリニックを受診。それから事件直前の昨年12月3日まで、5年近くにわたって計112回通院していたとのことです。電子カルテの解析結果はここまでしか明らかにされていませんが、果たして「不眠治療」を根本的に行っていたのでしょうか? 仮に、行っていたとすれば、このような長期に渡って通院する必要はなかったはずです。となれば、途中で、このような記載がカリテ上に残されているはずです。ないところをみれば、睡眠剤の投与だけで済ましていたことになり、5年間の長期間このようにすれば、どのようになるのか想像できなくはありません。そうです。ベンゾジアゼピン依存症を作ってしまうことです。
 詳しくは、以下をもう一度ご覧下さい。


     ビル火災の事件を取り巻く様々な見解 その2
       https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12717210162.html


 ということは、西沢院長が誰もから慕われる医師であったということが、私にとって ???? でしかありません。


  谷本容疑者は仲間と自転車で居酒屋にやってきたという。

「最初は競馬の新聞を見ながら『惜しかった』『アクシデントがなければ』と和気あいあいと残念会のように語り合っていた。谷本容疑者はタニさんと呼ばれていましたね。酒が入って1時間ほど経過すると、急に谷本容疑者がブチ切れた。『騎手が悪い。それで大損したじゃないか』などと言い出した。飲み仲間がなだめて、いったんは収まった。しかし、また怒り出して、立ち上がり、椅子を手にし、『くそー』などと暴れそうになった。私も他のお客様に迷惑になるので『まあまあ』と割って入った。しばらくすると、谷本容疑者は白い錠剤を手に持っていた。たぶん、10錠くらいあったと思う。それを口に含んで、焼酎で流し込んだ。気づいた飲み仲間が『やばい、また暴れるぞ』と谷本容疑者を店の外に出し、どこかに連れて行った」(Aさん)

 それから1週間ほどして、飲み仲間がAさんの店にやってきた。

「あの夜はタニさんがクスリと酒を飲んで切れてしまって手が付けられず、えらいことになったとぼやいていました。谷本容疑者がうちの店でも酒を飲んで暴れ、悪態をつくことが、2、3回あった」(同前)

 記者は谷本容疑者と場外馬券売り場に一緒に行っていた飲み仲間のBさんもこう証言する。
「タニさん、ここ1、2年くらいは昼から飲んでいた。放火した心療内科に通い、『クスリを飲んでも治らない』と精神科医の文句を言っていた。こんなとんでもない犯行に及んだのは、クスリを酒で流し込んでブチ切れてしまったのではないかと思う。タニさんは気に入らないことがあると、クスリを取り出して、ビールや焼酎と一緒に飲む。当然、その後はとんでもないことになる。酒を飲まなければ、気のいいおっちゃんで、放火殺人なんて大それたことなどできるように見えない。
  こういった事実をどのように捉えるのか・・ということです。


 結局、精神科・心療内科を標榜して、今回のような雑居ビルでクリニックの開設を一切認可しなければ済むことです。これを止めないことには再発は防ぐことは不可能です。
 精神科・心療内科を標榜して開設する医者は、医者の吹き溜まりのようなものであり、諸悪の根源にもなっていることを忘れてはなりません。私の同級生も、精神科・心療内科を自己流で学び 精神科・心療内科を標榜して、和歌山県下の総合病院で80歳にもなってなお、精神科を詐称し、診療しています。これが現実の姿です。
 なぜ、可能なのかは、患者さんに望まれる医療さえすれば、患者さんの言いなりになりさえすれば、「患者さんに慕われる医師」として迎え入れられるからでしかありません。
 この際には、精神科学的知識の優劣は一切問われていないということです。そして、このようなペテン師の医師は、腰が低く、口も達者で、悩める患者さんは赤子の手をひねるようにイチコロで騙される寸法になっています。
  精神科・心療内科を標榜して開設する医者は、管轄する保健所が厳重に、従業員および受診患者さんのみの安全が担保されているかどうかを点検し、申請医師の身元確認を行った上で認可すべきです。
 そうでもしなければ、薬物依存の問題は何時になっても解決しないからです。素人には認可すべきではありません。


 また、最近の自殺願望者の供述では「医者になるために、東大に入ることを目指していたが、1年前から成績が振るわなくなり、自信をなくした。勉強が嫌になり、事件を起こして死のうと思った」とあります。医者になろうとする高校生の段階から、この有り様ですので、医者の値打ちもオチに墜ちたもので、私達はやりきれない思いがします。
 このことは、社会全体の問題として考えていく必要があります。

 前回も述べましたように、うつ病・パニック障害に関連して、 脳梗塞が、これまで片頭痛発作時にトリプタン製剤を服用していないと、起こりやすいとか、片頭痛の発作が激しい人ほど起こりやすいといったこと、さらにトリプタン製剤は、不必要に脳の血管が炎症で損傷することも防いでくれるため、結果として、将来、脳梗塞に陥ることをある程度防いでくれることも明らかになっていると「脳過敏症候群」を提唱される”偉い先生方は述べていました。このように、「脳過敏症候群」を提唱される先生方はテレビや書籍において大々的に述べられ、これがあたかも真実のように私達に教え込まれ、片頭痛発作時には必ずトリプタン製剤を服用することによって、発作頻度を減少・軽減させるべきと主張されています。

 しかし、このことが果たして真実なのでしょうか? 

 このようなトリプタン製剤を服用することで、果たして、脳梗塞が予防可能なのでしょうか。


 「国際頭痛分類 第3版β版」の片頭痛の分類のなかで、片頭痛の合併症として、片頭痛性脳梗塞が分類されています。
 このように片頭痛から脳梗塞へと進展するものが存在することが記載されています。


  最近、片頭痛の人は、一般人と比べて脳梗塞を起こしやすいことが分かってきました。 片頭痛の発作を起こすたび、脳血管の内皮細胞に損傷を起こし、繰り返す頭痛で血管ダメージが蓄積し、脳梗塞を引き起こすのです。発症倍率は、単純な片頭痛がある方で2 倍、キラキラした光が見える片頭痛の方で6 倍、片頭痛がありタバコを吸うと10 倍、片頭痛があり低用量ピルを飲むと2 倍、片頭痛がありタバコを吸い、低用量ピルを飲むとなんと34 倍です。
 このため、日本頭痛学会では前兆のある片頭痛を持っている患者に対してピルを服用させるのは禁忌、前兆がない場合でもピルの服用は慎重にすべきと定めています。
 その背景にはピルによって片頭痛が悪化したり、もともとは頭痛がなかった人に頭痛が出てくる可能性があるからです。


 低用量ピルの副作用は、血管の中で血液が固まってしまって、血液が流れなくなる、エコノミー症候群と呼ばれる”血栓症”というものがもっとも危険な副作用と考えられます。
 通常の場合はその副作用は非常に稀です。例えばタバコを1日に1箱吸う方は、吸わない人に比べて5倍も血栓症のリスクが増えますが、低用量ピルでは2倍にしかなりません。
  低用量ピルは酸化ストレスを増加させます(International J Preventive Medicine, 2013)
 低用量ピルを飲むと、活性酸素は飲まない人の2倍になることが示されています。


 参考までに、活性酸素は片頭痛を引き起こす引き金になるものです。


 今回は、「片頭痛と脳梗塞」について考えてみましょう。


はじめに


 脳梗塞の診断は、CTの画像診断がなかった時代には、文部省研究班の診断基準や一部の施設では「脳血管撮影の所見」に基づいて行われておりました。
 このような「脳血管撮影」を基にした診断基準によった場合、6割前後は血管撮影上閉塞所見が確認されますが、あとの4割前後が閉塞所見を確認できず、この意味合いをどのように考えるかが問題になっておりました。
 ところが、急性期脳卒中診療に、CTという画像診断が導入されることによって、このような閉塞所見のない脳梗塞をCTで撮影しますと、ラクーネが確認されるようになりました。こうしたラクーネは、大半は、基底核・内包領域に限られていました。
 この点は勝木、朝長らが大脳基底核は中および前大脳動脈からの外側線状体動脈および Heubner の動脈など典型的な逆行性分枝を示す血管で養われており、このことが基底核領域に脳血管病変を生じる理由とされていました。
 このような血管構築学的特性と、病理学的にこの血管に高血圧性病変が最も起こりやすいことで説明づけられておりました。
 このようにして「ラクナ梗塞」の概念が確立されました。当然、このようなラクナ梗塞の基礎疾患として、高血圧症・糖尿病・高脂血症の存在が必須と考えられていました。
 その後、MRIが導入されることによって、基底核領域以外の放線冠領域にも、CTでは描出不可能なラクネが見つかるように至りました。


MRIで描出される「白質病変」


 脳は表層の皮質と深部の白質から成ります。白質病変では、いくつかの疾患や病態が考えられますが、中高年者においてコンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)検査で偶然見つかる病変のほとんどは、部分的に血液が行き渡らなくなる虚血性病変です。代表的なものは、先程から述べている小さな脳梗塞で、「ラクナ梗塞」と言います。 ほかに、広範囲に及んだり、深部にできたりする白質病変もあります。場所によっては、全く神経症状を呈することなく、「脳ドック」などで偶然発見される病変です。
 所謂、隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)のことをさしています。
 その大部分は、細い血管が詰まってできる小血管病に分類されます。白質病変が数個のうちは多くは症状が出ず、無自覚です。進行して白質病変が増えると、ふらつきや、ちょこちょこと少しずつしか足が前に出ないような歩行の異常、声がうまく出せない、認知機能の低下などの神経症状が起こりやすくなります。
 危険因子は高血圧や糖尿病、不整脈の心房細動などですが、高血圧が最もよくありません。白質病変を進行させないためには、日ごろの血圧管理をはじめ、持病の悪化を防ぐ生活習慣の見直しが大切です。
 危険因子がほとんどない人は、悪化の危険性は低いと考えます。無症状なら特に心配する必要がないと思いますが、定期検査をして、白質病変の状態をきちんと評価するのが望ましいでしょう。こうした観点から、従来、高血圧・糖尿病・高脂血症のような基礎疾患がない場合、”あくまでも偶然、見つかったもの”として、殆ど問題にされてきませんでした。


片頭痛で見られる「白質病変」


 ところが、片頭痛患者さんをMRIで脳を検査しますと、このような「白質病変」が多くみつかるようになり、一部の「頭痛研究者」では重要視されるに至っております。

 そして、このような頭痛研究者は「片頭痛は脳梗塞予備軍」と言って、以下のように忠告されます。というか脅迫めいたことを言われます。


 片頭痛は2~3日我慢すればそのうち消えて終わる、と考えていませんか?  最近、片頭痛の人は、一般人と比べて脳梗塞を起こしやすいことが分かってきました。 片頭痛の発作を起こすたび、脳血管の内皮細胞に損傷を起こし、繰り返す頭痛で血管ダメージが蓄積し、脳梗塞を引き起こすのです。発症倍率は、単純な片頭痛がある方で2倍、キラキラした光が見える片頭痛の方で6倍、片頭痛がありタバコを吸うと10倍、片頭痛があり低用量ピルを飲むと2倍、片頭痛がありタバコを吸い、低用量ピルを飲むとなんと34倍です。片頭痛は注意が必要な症状なのです。


 そして、トリプタン製剤を服用しておれば、このようなことが予防されると申されておられます。さらに、トリプタン製剤の全く効かない「トリプタン・ノンレスポンダー」も効かなくても服用すべきと強要されます。
 このようなトリプタン製剤が効かない場合、忠告・脅迫されるように、頭痛の発作を起こすたび、脳血管の内皮細胞に損傷を起こし、繰り返す頭痛で血管ダメージが蓄積しているはずであり、果たして「脳梗塞予防効果がある」と言えるのでしょうか?


 これよりも、最も問題にすべきことは、このような「白質病変」であるラクナは、大半が高血圧を基盤として生じてくるという考え方が一般的でした。
 ところが、片頭痛の方々は、高血圧を合併される頻度は極めて少なく、大半は「もともと、低血圧」の人であるという事実をどのように考えるかということです。
 どうして、このような低血圧の人に「白質病変」を起こしてくるのでしょうか?


片頭痛におけるラクナ梗塞の発生機序


動脈硬化は血管内皮から


  では、血管の狭窄や閉塞はなぜ起きるのでしょうか? 
  その多くは血管の動脈硬化を基にして発症します。動脈硬化は多くの因子が長年にわたり積み重なった結果として起きてきます。危険因子のうち、加齢、心臓病・脳卒中の家族歴、男性、閉経(女性の場合)は残念ながら自分では避けられない危険因子です。
  一方、喫煙、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症は、生活習慣の改善と適切な薬物療法で解決ないし是正が可能な危険因子です。年齢を重ねるにつれ動脈硬化は進行します。加えて危険因子が放置されていると実際の年齢よりも早く動脈硬化が進行することになります。
  少し専門的な話になりますが、血管の内側は血管内皮細胞という薄い1層の膜のような細胞で覆われています。この内皮細胞には2つの働きがあります。1つは「血液と血管壁が接触して血液が固まる」ことを防ぐバリアーとしての働き(抗血栓作用)です。もう一つは血管を拡張させる物質を産生して血液の流れを調節する働き(血流調節作用)です。 動脈硬化はまずこの血管内皮細胞が傷害されるところから始まります。傷ついた血管の内側には、傷を修復しようとしていろいろな細胞が集まります。場合によっては血の固まり(血栓)もできるでしょう。すり傷を思い出してみて下さい。案外よく似た現象が血管の中に起きているのかも知れません。血管壁に付着した悪玉コレステロールはマクロファージという細胞に食べられますが、泡沫細胞として血管壁に残り、動脈硬化の基ができあがります。


  ここで必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスが重要になってきます。


  生体膜は、リン脂質やコレステロールといった脂肪酸やタンパク質などでつくられていますが、この脂肪酸は活性酸素で酸化されやすい性質を持っています。
  生体膜をつくっている脂肪酸が活性酸素などで酸化される、つまり過酸化脂質となり劣化します。
  この過酸化脂質とは、血液中にあるLDL(悪玉コレステロール)のことです。コレステロールは、リポ蛋白といわれる特別な膜に覆われていますが、この膜も生体膜と同じ性質をもっています。脂肪を過剰摂取するなどにより、血中でLDLの増加が続くと、LDLは活性酸素に出くわすチャンスも多くなり、SODなどの抗酸化酵素や膜にあるビタミンEなどでは間に合わなくなり、酸化LDLつまり過酸化脂質となるのです。
 酸化LDL(悪玉コレステロールの酸化物)が引き起こすマクロファージの食べカス(アテローム)が、泡沫細胞として血管壁に貼り付くコブとなり次第に血管を狭めていきます。アテローム性動脈硬化の始まりです。
  このように、血管に過酸化脂質が貯まると、血行障害や動脈硬化を招きやすくなります。


●内皮細胞の“バリア機能”と”活性化機能”


 血管病変のメカニズムを知ると、血圧や血糖値、LDLコレステロール値が高い人は、「このままでは危ないかも・・・」と、不安な気分になってしまうかもしれません。
 しかし、血管は、若返りが可能な器官です。疲れて老化しかけた血管も、セルフケアで強く蘇(よみが)えさせることができ、それによって怖い血管病変も防げるのです。
 その生まれ変わりの鍵を握るのが”内皮細胞”です。血管壁の最も内部に位置する内皮細胞は、一層の細胞だけが並ぶ薄い層ですが、血管内腔との境にあるので、血管内を流れる血液に常に接しています。その為、血液と血管壁の仲介者の様な役割を持ち、血管を守り、強くするよう働いているのです。
 内皮細胞の主な役割は、“バリア機能”と”活性化機能”の二つに分かれます。バリア機能は「防壁機能」とも呼べるもので、血液中に存在する成分が血管壁内に侵入するのを防いでいます。血液の循環を川の流れに例えると、内皮細胞は川の水が溢れないように保ち、よどみない流れを促す堤防の様なものです。
  一方、活性化機能は、内皮細胞自身が作る物質に関係しています。内皮細胞は防壁となって血管壁を守るだけでなく、血管を健康に保つ為の物質を自らが産み出し、活用しているのです。その主な物質が”NO(一酸化窒素)”です。人の体内で産み出される"NO”はとても良い働きをします。これは血管壁に良い刺激を与え、血管壁を広げる働きをします。 すると血圧が下がり、血管の負担が減ってきます。また、NOが血液中に放出されると血液が固まりにくくなり、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になる血栓ができにくくなります。 その為、内皮細胞が生き生きしていると、血管自体も若さと強さを保てます。逆に、内皮細胞が疲れていると、本来の役割を果たせなくなり、血管の老化が早まって、40代、50代でも血管病変に襲われます。
 つまり、内皮細胞をどうケアするかが、血管ケアの最大のカギとなるのです。では、内皮細胞の働きによって血管はどう強くなり、血管病変を防げばよいのでしょうか?


強いバリア機能が回復すると、プラークを形成する


 LDLコレステロール等の悪者が血管内壁に入り込みにくくなります。このような状態が整うと、動脈硬化の初期段階くらいまでであれば、プラークが”退縮”して 小さくなり、元の生き生きと弾力に富む血管が蘇えってくるのです。更に、動脈硬化がある程度進んでいる段階でも、内皮細胞が再び強いバリア機能を持ち始めると、血管内面の傷が“修復”されて、血管が強く蘇えってきます。すると、プラークが退縮しないとしても、その表面を内皮細胞の強いバリアが覆っている為、プラークが壊れにくくなり、脳卒中や心筋梗塞の危険がかなり軽減するのです。また、内皮細胞が若返ると、NOの放出量が増え、血管が拡張して血圧が下がり、血栓もできにくくなり、血管の健康度がますます高まるのです。 太い動脈の内皮細胞のケアは、細い動脈の若返りにも有効です。細い動脈は、太い動脈から枝分かれして臓器の中になどを通っていますが、直径が0.5mm以下と細い為、血管内部にプラークができるのではなく、血管壁自体が厚く硬くなって老化が進行します。
  太い動脈の内皮細胞をケアすると、その効果が細い動脈にも及び、老化がかなり進行している段階でなければ、血管壁が元の厚さに戻って柔軟になり、血管自体が若さを取り戻してくるのです。


具体的には・・


 ビタミンEは、その強力な抗酸化作用で細胞や細胞内にある核などを包んでいる膜(生体膜)の劣化を防ぎ、細胞や細胞小器官などが破壊されないようにしています。
 ビタミンEは、活性酸素を素早く消去(還元)するように働くと、自身は酸化されてしまい、活性酸素を消去する働きが無くなってしまします。
 しかし、 ビタミンCがあると、これが酸化したビタミンEを還元し、再び抗酸化作用を持つことができます。強力な抗酸化作用を持つビタミンEは、ビタミンCと同時摂取することで、さらに高い相乗効果が期待できまるのです。
 このような関係は、ビタミンA、セレン、L-システインとの間でもおこなわれ、抗酸化ネットワークの要の1つとなっています。


ビタミンB12は脳に効くビタミン


 脳に効くビタミン食品とは、ビタミンB12とビタミンB1を中心に含む栄養補助食品です。とくにビタミンB12は、「脳のビタミン」「神経のビタミン」と呼ばれ、脳神経系の働きに深くかかわることが知られています。


 厚生労働省が定めた日本人の栄養所要量によると、ビタミンB12の必要量は、成人で一日2.4マイクログラム(1マイクログラムは百万分の1g)です。しかし、これは欠乏症である悪性貧血や神経障害を起こさないための最低量です。


 最近では、こうした所要量とはケタ違いに大量のビタミンB12を摂取することで、脳神経系にさまざまな効果が認められることがわかってきました。


  脳に効くビタミン食品は、ビタミンB12を大量摂取するために作られた食品です。その含有量は、一包中に1500マイクログラムです。ちなみに、ビタミンB12を大量にとっても、副作用などはないことが確認されています。
  それどころか、大量のビタミンB12をとることで、人体へのさまざまな効用が得られます。たとえば、腰痛や、神経痛、手足の痛み、しびれ、うつ状態、不眠、自律神経失調症の改善などです。

 その一つに、隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)もあげられます。ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
 同時に、動脈硬化の原因となる活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
 つまり、脳に効くビタミン食品は、二重三重の意味で、隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)の予防や改善に役立ってくれるのです。


●NOと酸化ストレス


 一酸化窒素(NO)は、血管内皮で産生される血管拡張因子として見出されましたが、その後の研究で、きわめて多彩な生理活性作用を有することが明らかにされました.特に、血管に対しては血管拡張作用ばかりでなく、血小板凝集、平滑筋増殖、内皮細胞への白血球の接着を抑制することによって抗動脈硬化作用を発揮します。
  酸化ストレスは、生体における酸化と抗酸化のバランスが破綻し酸化に傾いた状態と定義されます。生体において酸化反応を担う主要分子は、スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカルなどの活性酸素です。
  NOもラジカルの一種であり、スーパーオキシドと同様に不対電子を有しています。NOの作用は・スーパーオキシドによつて消去されるため、血管壁においてはスーパーオキシドの産生を制御することがNOの血管保護作用の保持にきわめて重要です.
  NOは、ミトコンドリア電子伝達系を障害し、・スーパーオキシドの産生を増加させます。 一方、最近、血管壁NOは・スーパーオキシドを消去する細胞外スーパーオキシドジスムターゼを増加させ、NO自身が・スーパーオキシドによる不活性化を抑制するフイードフォワード機構を有していることも明らかにされました。(日医雑誌 2000;124:1570 からの抜粋)


  以上まとめますと、人が老いることを老化していくと一般的には捉えられていますが、年を一年一年積み重ねることが果たして老いるということでしょうか?
  そうではなくて実は血管が老化することなのです。
  この血管が老化していくことに活性酸素が深く関わっているのです。
  活性酸素によって血管が酸化され硬くなり、脆くなる。しかも、活性酸素によって酸化されたコレステロールや中性脂肪がたまって血管を狭くしてしまうのです。
  そこを血栓(血の塊)が詰まれば一巻の終わりです。心臓の動脈が詰まれば狭心症や心筋梗塞を引き起こします。また、脳で動脈が詰まれば脳梗塞であり、血管が破れれば脳出血です。
  このような血管が老化するという現象は中高年に多く見受けられましたが、昨今は、若い世代でも活性酸素を体の中にたくさん作るような生活が習慣化されて、早くから血管が老化しているのです。従って、20 代30 代で既に40代50 代の血管になっている若者が、非常に増加しているのです。まさに老化がこの世代から始まっているのです。

 このことから現在、日本は長寿社会かもしれませんが、これから先10年もすれば日本の平均寿命は70 代に下がっているかもしれないと予測されるのです。
  人は空気を吸って、体内に酸素を取り入れています。その酸素を使って食物を体内で代謝させることによってエネルギーをつくり出しているのです。
  その役割を果たしているのが細胞内のミトコンドリアです。
  ミトコンドリアが酸素を使ってエネルギーを作り出すときに、酸素の一部が活性酸素になります。
  私達の体は60 兆個の細胞から成り立っています。ですから、この一つ一つの細胞が酸素を使って栄養を代謝するたびに活性酸素を発生させているということになります。ということは、人間は生きている限り、活性酸素から逃れることはできないということです。


片頭痛の治療のありかた


 片頭痛の治療は、自律神経のセンターである視床下部、自律神経、頭の血管内皮細胞のミトコンドリアを活性化することがすべてです。

 片頭痛の原因となる酸化ストレスによって引き起こされる炎症反応は、感染や異物などの外因性のストレスに対しての攻撃機構として活躍します。しかし、内因性の酸化ストレスが増加・持続するとその炎症が慢性化します。慢性炎症は自分自身の細胞も傷つけてしまいます。(「酸化ストレス・炎症体質」の形成を意味します)
  ですから、酸化ストレスを減らすことも大切なのですが、一度起こってしまった慢性炎症(炎症体質)を止める作業も必要となります。これは一度起こった火事は、その火事の原因をストップすることも大切ですが、今燃え盛っている火そのものも消さないことには、私たちの細胞が燃えつくされてしまうのと同じです。


片頭痛治療の概要は、


1. 酸化ストレスを軽減し、炎症体質をストップする
2. 生活習慣、環境要因を整えることで酸化ストレスに耐性をつくる。
3. ミトコンドリアを活性化する


 この治療方針は片頭痛のゴールデンスタンダードです。時間をかけてゆっくりと「酸化ストレス・炎症体質」を抑え、ミトコンドリア機能異常を正していくという自然治療は、体に優しい、自己治癒力を引き出す片頭痛の根本治療です。


  要約しますと、血管内皮細胞は、微小循環を円滑に維持しています。
  ミトコンドリアの活性低下により、酸化ストレスが増加しますと、血管内皮細胞が障害され、NOの産生が低下し、血管が収縮し易く、炎症を起こし易く、血栓が形成され易い体質になります。  


 以上のように「片頭痛と脳梗塞」の関連を考えるべきであり、ミトコンドリアの活性低下が根本的に関与しており、「トリプタン製剤服用」とは全く、無関係であり、あくまでもこのようなことは、”現象”にすぎないということです。
  現実に、現在、白質病変を指摘されておられたとしても、これまで記載した事項を遵守されれ限りは、トリプタン製剤を服用されるかどうかは別の問題として、改善され、将来、脳梗塞に至る危険性は全く存在しないということを理解してもらうのが目的です。


 結局のところ、片頭痛発症の原点は「ミトコンドリアの活性低下」にあることを示された分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の”慧眼”に感服しております。

 この点を、「脳過敏症候群」を提唱される方々は、虚心坦懐に自分の「論理」の見直しを図るべきと思っております。


 動脈硬化を防ぐには・・


 最近、片頭痛の人は、一般人と比べて脳梗塞を起こしやすいことが分かってきました。
  片頭痛の発作を起こすたび、脳血管の内皮細胞に損傷を起こし、繰り返す頭痛で血管ダメージが蓄積し、脳梗塞を引き起こすのです。


  このように学会を主導される方々は申されます。しかし、片頭痛発作とは関係なく、動脈硬化を引き起こす要因が、もともと潜行しており、これらは片頭痛発症と共通する要因と考えるべきものです。


  発症倍率は、単純な片頭痛がある方で2 倍、キラキラした光が見える片頭痛の方で6 倍、片頭痛がありタバコを吸うと10 倍、片頭痛があり低用量ピルを飲むと2 倍、片頭痛がありタバコを吸い、低用量ピルを飲むとなんと34 倍です。
  このため、日本頭痛学会では前兆のある片頭痛を持っている患者に対してピルを服用させるのは禁忌、前兆がない場合でもピルの服用は慎重にすべきと定めています。
  その背景にはピルによって片頭痛が悪化したり、もともとは頭痛がなかった人に頭痛が出てくる可能性があるからです。


  低用量ピルの副作用は、血管の中で血液が固まってしまって、血液が流れなくなる、エコノミー症候群と呼ばれる”血栓症”というものがもっとも危険な副作用と考えられます。
  通常の場合はその副作用は非常に稀です。例えばタバコを1日に1箱吸う方は、吸わない人に比べて5倍も血栓症のリスクが増えますが、低用量ピルでは2倍にしかなりません。
  低用量ピルは酸化ストレスを増加させます(International J Preventive Medicine, 2013)
 低用量ピルを飲むと、活性酸素は飲まない人の2倍になることが示されています。

 
動脈硬化と活性酸素


  活性酸素は、動脈硬化を促進させます。


  活性酸素とは、活性化された酸素のことで、酸化力の強い酸素です。つねにある程度の量の活性酸素が体内に存在して、ウイルスなどの侵入物を退治するという重要な働きをしています。
  ただ、活性酸素も量が多すぎてしまうと、細胞を酸化させて傷つけ、血管の老化を早くしたり、血液の中の余分なコレステロールを酸化させたりすることで、動脈硬化の発生する危険を高くしてしまいます。

 ですから、活性酸素を体内に増やしすぎないようにすることは、動脈硬化の予防につながります。
  活性酸素が増えてしまう原因は、喫煙(たばこ)、ストレス、アルコール(飲酒)、大気汚染(排気ガス)、強い紫外線、激しい運動、残留農薬、病原菌、などです。
 また、呼吸によって体内に入る酸素の約 2%が、エネルギー発生の時に活性化して活性酸素になると言われています。


  参考までに、活性酸素は片頭痛を引き起こす引き金になるものです。
 

 人が老いることを老化していくと一般的には捉えられていますが、年を一年一年積み重ねることが果たして老いるということでしょうか?
  そうではなくて実は血管が老化することなのです。
  この血管が老化していくことに活性酸素が深く関わっているのです。
  活性酸素によって血管が酸化され硬くなり、脆くなる。しかも、活性酸素によって酸化されたコレステロールや中性脂肪がたまって血管を狭くしてしまうのです。
  そこを血栓(血の塊)が詰まれば一巻の終わりです。心臓の動脈が詰まれば狭心症や心筋梗塞を引き起こします。また、脳で動脈が詰まれば脳梗塞であり、血管が破れれば脳出血です。
 このような血管が老化するという現象は中高年に多く見受けられましたが、昨今は、若い世代でも活性酸素を体の中にたくさん作るような生活が習慣化されて、早くから血管が老化しているのです。従って、20 代30 代で既に40代50 代の血管になっている若者が、非常に増加しているのです。まさに老化がこの世代から始まっているのです。
 
 このことから現在、日本は長寿社会かもしれませんが、これから先10年もすれば日本の平均寿命は70 代に下がっているかもしれないと予測されるのです。
  人は空気を吸って、体内に酸素を取り入れています。その酸素を使って食物を体内で代謝させることによってエネルギーをつくり出しているのです。
  その役割を果たしているのが細胞内のミトコンドリアです。
  ミトコンドリアが酸素を使ってエネルギーを作り出すときに、酸素の一部が活性酸素になります。
 私達の体は60 兆個の細胞から成り立っています。ですから、この一つ一つの細胞が酸素を使って栄養を代謝するたびに活性酸素を発生させているということになります。ということは、人間は生きている限り、活性酸素から逃れることはできないということです。


 このように片頭痛とは活性酸素との関連から考えるべきものです。
 
  ですから、片頭痛の発作頻度が多かったり、発作の程度も激しい人程、脳梗塞になる方々が多いということが納得されたはずです。
 しかし、このために、脳梗塞予防のためにトリプタン製剤を服用しましょう、というのでは、まさに的外れとしか言えないはずであることが納得できるはずです。
  このように「脳過敏症候群」を提唱される方々は”短絡的”に考えているということです。もっと別にするべきことがあるはずです。


 さらに、”物忘れ”が気になる人に・・
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12576934050.html


 そして、ガンについて
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12278898908.html


 そして、糖尿病については・・
    病院治療で糖尿病がよくならない本当の理由 医者は口にできない
      後藤日出夫   健康ジャーナル社


”メタボ検診”って、結局 な~に??
   
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12714711107.html


 これらの疾患はすべて、「ミトコンドリアの視点から・・」から考察されるべきです。
        
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12720518931.html


 すなわち、「病気の90%は活性酸素が関与」しているということです。
 現在では人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると言われ、感染症以外の、ほとんどの現代病である生活習慣病(動脈硬化、ガン、認知症を含めて)うつ病は、活性酸素が原因と考えられています。
 ほとんどの現代病である生活習慣病(動脈硬化、ガン、認知症を含めて)うつ病は、「後天性ミトコンドリア病」と考えられております。

 

 

 片頭痛は摩訶不思議な全身の疾患???
  
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12361985931.html

といった論説が頭痛専門医から公然と、恥も外聞もなく発表されていることを見れば、頭痛専門医の頭の程度はどの程度なのでしょうか??

 

 ただ、専門医達が、「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および頭痛研究の”絶対的な基準”とするカルト教団のような学会の場で、まともな議論すらされていない現状を如実に示してているだけのことであり、学会の主導者の指導性が問われて然るべきです。いずれにしても、学会の本来の姿に1日も早く戻すべきです。一般の素人の方々に知られれば、馬鹿にされるだけのことです。自浄作用を失った学会の末期をみる思いしかなく、反対派からは既に見捨てられてしまっていることを認識すべきです。

 前回と同じ様なことの繰り返しではありますが、このことは極めて重要な点でもあり、また私のブログの難解な点とも関係しており、改めて指摘しておきます。


 脳の検査で異常がないと、脳に異常がないとされるだけでなく、精神的なものと考えられやすく、実際に精神科や心療内科を受診して、パニック障害、うつ病、適応障害などの診断を受け、その治療を受けることもあります。片頭痛の診断と治療にたどり着くのに遠回りする人が少なくないのが現状です。

  基本的に、片頭痛発作時には、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下しており、片頭痛発作の時に、脳内セロトニン様作用をもつトリプタンを投与することによって、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップ(補填)しています。
 こういったことから、片頭痛の”適切な治療”とはトリプタン製剤を服用することであるとされています。このため、このように適切に治療しておりさえすれば、片頭痛が治ると同時にうつ病、うつ状態、パニック障害までが改善できるとされています。
 ところが、頭痛の専門家がされる片頭痛の”適切な治療”とはトリプタン製剤を服用することだけです。このようにトリプタン製剤を服用することだけでことで、うつ病、うつ状態、パニック障害が治るのでしょうか。となれば、トリプタン製剤は抗うつ薬として販売されてもよいはずですが、これは許されないことのようです。


 それなら、仮に、あなたが片頭痛を治療中にうつ病・パニック障害に罹った場合、どのようにされますか。頭痛の専門家が申されるように、そのままトリプタン製剤を服用することだけで片頭痛が治ると同時にうつ病、うつ状態、パニック障害までが改善できるとされていることから、片頭痛が治ると同時にうつ病、うつ状態、パニック障害までが改善されるまでじっと待たれるのでしょうか?
    それとも、精神科・心療内科を改めて受診され、うつ病・パニック障害の専門家に治療を委ねるのでしょうか?

 

 頭痛の専門家が申されるように、これまで、片頭痛の共存症として,うつ病,パニック障害,不安障害などの精神科・心療内科領域の疾患が挙げられておりました。
 そうであれば、セロトニンを中心とした共通の生物学的な要因を背景として、頭痛とうつ病が共存していると考えるのが一般的な考え方であり、セロトニンを中心に治療を進めるのが原則であるはずでありながら、決してこのようにはされません。
 ところが、精神科・心療内科の専門家ですら、こうしたセロトニンを中心に治療を進めることはほとんどありません。大半は、抗うつ薬を投与して経過をみているだけです。なぜなのでしょうか?


 このようなことを私が敢えて言うまでもなく、現実に、あなたが片頭痛を治療中にうつ病・パニック障害に罹った場合、どのようにされているのかを直視することです。
 そのためには、大規模な疫学調査しか、この現実を明らかにすることはできません。


脳は悲鳴を上げている!!

 頭痛、めまい、耳鳴り、不眠は「脳過敏症候群」が原因だった????
  

  片頭痛の起こったときに、一般的には市販の頭痛薬を使う人が多いと思います。
  市販の頭痛薬や痛み止めの大部分は”みかけの痛み”のみを取り払い、水面下で起こっている脳の神経細胞の興奮症状を置き去りにしています。
  当然、毎回の片頭痛発作のたびに起きている脳の血管周囲の炎症に関しても放置されたままになっています。
  この興奮状態の放置により、片頭痛の回数や程度がだんだんとひどくなってきて、市販の頭痛薬の用法や用量の規定範囲を超えるようになってきたり、飲む回数が増えてきます。


 トリプタン製剤は、通常の頭痛薬とは異なり、片頭痛発作の際に脳の血管周囲に張り巡らされた三叉神経から、炎症たんぱくが放出されるのをブロックすると同時に、膨れあがった脳の血管を元の大きさに戻す作用を持ち合わせる、いわば根本から片頭痛を断ち切る薬です。
  また、トリプタン製剤は、不必要に脳の血管が炎症で損傷することも防いでくれるため、結果として、将来、脳梗塞に陥ることをある程度防いでくれることも明らかになっています。
  このような神経の炎症物質がばらまかれ、脳が片頭痛のたびに異常な興奮を繰り返すことを放置していると、脳の血管損傷の他にも、将来、よからぬことが起こるのです。
 それは、歳を取って片頭痛の痛みを忘れた頃に、突如襲ってくる、しつこいめまいや耳鳴り、さらには性格の変化です。
  片頭痛の発作のたびに脳が異常な興奮を繰り返していると、歳を取ってからは脳がちょっとした刺激で簡単に興奮するようになり、さらには常時、興奮状態が続くような状態に陥ってしまいます。このために、めまいや耳鳴りなどの症状が出るようになるのです。
  めまいは片頭痛のように吐き気を伴い、しかし長くとも3日は続かず、また体を動かすと強くなるなど、頭痛がしない以外は片頭痛と同じような症状を呈します。
  さらに、脳が常時興奮するような状態になると、耳鳴りが止まらなくなります。この耳鳴りは、耳に異常があって起こるのではなく、大脳にある側頭葉という、聴覚の中枢のある部分が興奮することによって起こる症状で、正確な医学用語では「頭鳴」といいます。
  このような状態になってからでも、脳の興奮症状を抑えるような抗てんかん薬を服用することで、ある程度は治療可能です。しかし、長年の間にこびりついた”お焦げ”をはがすには、相当時間がかかりますし、完全に取り払うことは不可能なことも多いです。
  このような結果に至らなくするためには、頭痛は単に痛みを抑えればよい、もしくは頭痛は我慢すべき病だという間違った考えを捨てるべきです。


  こうしたことから、いわば根本から片頭痛を断ち切る薬・痛みと興奮症状を両方おさめられる”トリプタン製剤”を服用すべきとされています。
  さもなくば、常時、興奮状態が続くような状態に陥ってしまうからです。
  「片頭痛を悪化させる大きな原因は、市販の頭痛薬を飲み続けること」です。
  片頭痛に対して適切な対処をしていないと、頭痛の度に脳血管に微細な損傷を残し、脳過敏症候群になってしまいますので、ちゃんと治療しましょう。
  頭痛の原因は「脳の興奮」にあるとされ、興奮状態にある脳が、血管や神経を刺激して痛みを生むのであり、それを一時的に鎮痛剤で押さえつけることでは何も解決せず、それどころかかえって、ますます脳が興奮しやすくなり、慢性化してしまいます。
 「抑うつ・パニック症状」と頭痛に因果関係があり、これも頭痛=脳の興奮状態と関連があり、セロトニンをコントロールすることで脳の興奮を抑え、ひいてはそれがパニック症状の改善につながっていく可能性があります。
 ここでいうセロトニンとは、セロトニン様の作用をするトリプタン製剤をさしています。
  基本的に、片頭痛発作時には、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下しており、片頭痛発作の時に、脳内セロトニン様作用をもつトリプタンを投与することによって、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップしています。
  このことから、「抑うつ・パニック症状」がトリプタン製剤で改善されます。
  

 このような奇妙奇天烈なことが、ネット上では極めて当たり前のように・まことしやかに流布しています。果たして、このようなことが真実なのでしょうか。


  このことに関して述べる前に、某大学の精神科学教授は、頭痛と離れて、以下のように睡眠障害について述べておられます。まさに示唆的ですのでまず、こちらから・・


眠れない脳が悲鳴を上げる?  睡眠障害による国内の経済損失は3.5兆円!


  ゲームやネットに夢中になり、あっという間に深夜。あげくの果てにベッドに入っても寝付けない。リズムの崩れた生活で脳をいじめ、仕事や日常生活に支障をきたしていないでしょうか?
 睡眠不足がもたらす、こんなセンセーショナルな調査があります。某大学医学部の教授は、勤労者の不眠症など睡眠に関わる問題が日本経済に及ぼす損失を弾き出しました。


  調査は、大阪の化学企業の従業員3075人(有効回答)を対象に、睡眠や日中の眠気による作業効率の低下、交通事故などをアンケート調査しました。それをもとに賃金、交通事故の保険金など、公的データを合わせながら推計しました。その結果、日本経済の損失は、年間で約3.5兆円に上ることを初めて明らかにしました。


 内訳は、作業効率の低下が3兆665億円、欠勤731億円、遅刻810億円、早退75億円、交通事故2413億円、しめて3兆4693億円。調査には睡眠障害が引き起こす健康被害の損失が含まれていないといいますから、これを加えたらさらに巨大な損失になるはずです。  

企業も「スリープマネジメント」に乗り出した
 

  睡眠不足による経済損失がストレートに懸念される深夜バスや物流関係の会社のなかには、すでに睡眠障害に目を向けるところがあります。


  某観光バス会社では、運輸業界で増加している睡眠不足が原因で起こる交通事故の削減に乗り出し、「睡眠セミナー」を開催。事故減少に向けての睡眠アンケート調査を実施したり、ドライバーと運転管理者がスマホや携帯を通して情報を共有したり、常に健康状態や生活習慣をチェックする「スリープマネジメント」に取り組んでいます。


"眠れない脳"の行きつく先はうつ病?

 
 睡眠不足の原因は、何も職業によるとは限りません。悩み事、深夜に及ぶパソコン操作、スマホやタブレット閲覧などさまざまです。脳が"反乱"を起こす前にやめればよいのですが、のめり込んでしまいやすいのもこの手の趣味の特徴です。


  ところで、本来眠るべき時間に、脳が"電脳ラッシュ"にさらされるとどうなるのでしょうか?


 「入眠時には副交感神経が優位になり、緊張を解いて心身を休息させる状態が始まります。しかし、ベッドに入ってからも携帯やスマホなどを操作していたらどうなるでしょう。画面の光や情報内容による刺激が交感神経を刺激して、脳を覚醒させて入眠を妨げます。また、夜中に何度も着信があるとそのたびに起きて睡眠が浅くなります。疲労が蓄積され、ストレスの行きつく先がうつ病ということにもなりかねません」


 こう警鐘を鳴らすのは某クリニックの医師です。対策は、ネットやゲームを早めに切り上げることのほか、「深夜にメールをしない、電話をかけない。例えば22時以降は電源を切り、メールチェックは朝起きてからにする。昔は夜9時過ぎの電話は控えなさいと言われたものですが、携帯やスマホにも同様のマナーがあっても良いはず」とアドバイスをしています。


  ヒトの体は、地球の自転による24時間周期に合わせて、体温や血圧、ホルモンの分泌などの働きを変化させています。この生物に備わるサーカディアンリズム(概日リズム)の狂いが、肥満や生活習慣病、がんの発症などとも関係することが指摘されています。睡眠の質の担保はパフォーマンスの発揮にも影響する、ビジネスパーソンにとって不可欠なマネジメントだと言えます。
 

 このように、生物に備わるサーカディアンリズム(概日リズム)の狂いが、肥満や生活習慣病、がんの発症などとも関係することが指摘されています。
 この生体のリズムは「ホメオスターシス」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。


 話をもとに戻します。頭痛、めまい、耳鳴り、不眠は「脳過敏症候群」が原因とされ、それも片頭痛発作時にトリプタン製剤を服用して適切に対処すべきとされます。
  一時的に市販の鎮痛剤で頭痛を押さえつけることでは何も解決せず、それどころかかえって、ますます脳が興奮しやすくなり、慢性化してしまうとされます。

 

 このような対処が勧められていたにも関わらずどのような結果になっているでしょうか。


 片頭痛は、約3割が自然に治癒し、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪してくるとされています。これが現実です。このように3割の方々が慢性化してくるという事実を、専門家はひた隠しに隠してきました。
 ということは、専門家の申されるように片頭痛に対してトリプタン製剤で対処したとしてもこのような結末に至ることを私達は忘れてはなりません。


 これまでも再三再四述べていますように、片頭痛はミトコンドリアの機能低下による頭痛です。ミトコンドリアの働きが悪ければ、当然、同時にセロトニン神経系の機能も低下します。ここに生活習慣の問題が加われば、脳内セロトニンの低下が引き起こされます。
  生体のリズムは「ホメオスターシス」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。
  不規則な生活をすれば、体内時計が乱れ、「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」の機能にも影響を及ぼすことになります。
  睡眠は日中活動している間に傷ついたミトコンドリアを修復させています。ところが不眠が持続すれば、修復されないため、ミトコンドリアの機能は悪化し、これに伴ってセロトニン神経系の機能を低下させ、ここに諸々の生活習慣の問題点が加わることによって、脳内セロトニンは低下することになり、このため脳内セロトニンの低下により睡眠障害に拍車をかけてくることになります。このような悪循環を繰り返すことになります。


  ミトコンドリアは、全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ「抗重力筋群」に多く存在し、ミトコンドリアの働きが悪くなれば当然のこととして「体の歪み(ストレートネック)」引き起こしてきます。
  セロトニン神経は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることによって、重力に対して姿勢を保つために働く筋肉に働きかけていることから、セロトニンが不足してきますと、セロトニン本来の働きである「正しい姿勢の保持」が、困難となり、「体の歪み」を招来し、結果的に「ストレートネック」を引き起こします。
  このように両者によって「体の歪み(ストレートネック)」が引き起こされます。


  ミトコンドリアの働きは、私達の生活環境は活性酸素で満ちあふれており、腸内環境の悪化でも活性酸素が増加し、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスが悪ければ、さらにミトコンドリアの働きは悪くなります。さらに有害物質の摂取は避けられないことから日頃からデトックスを怠れば、さらにミトコンドリアの働きは悪くなります。
  このようなことが積み重なることで、「酸化ストレス・炎症体質」が形成され、これに対して適切な対処をされませんと「酸化ストレス・炎症体質」が増強してくることになります。ですから、片頭痛発作時にトリプタン製剤をいくら毎回服用されようとも、「酸化ストレス・炎症体質」は改善させることは不可能であり、このため片頭痛は慢性化してくることになります。


 「脳が興奮しやすくなる」理由ですが、確かに市販の鎮痛薬は関与するかも知れませんが、その作用機序を考える必要があります。
  こうした薬剤すべては、人体にとっては害(有害なもの)になるのです。これらを解毒する際に、活性酸素が発生し、このためにミトコンドリアの働きを悪くさせることによって、片頭痛を増強させます。
  また、これら薬剤はいずれも”化学的ストレス”となって、脳内セロトニンを低下させ、”痛みの閾値”を下げるため痛みを感じやすくさせます。
  このように、本家本元のミトコンドリアの働きを悪くし、脳内セロトニンを低下させることに問題があります。


  さらに、脳過敏は、ミトコンドリアの働きの悪いところにマグネシウムが不足することによって起きてくるのが原因のひとつです。
 さらに ”セロトニン神経系”の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされ、これも脳過敏の要因になっています。 
  さらに、「体の歪み(ストレートネック)」が長期間持続することによって、脳過敏の原因にもなり、片頭痛を慢性化させる原因にもなっています。


  この3つの原因で次第に「脳が興奮しやすく」なってきます。

 ここに原因があり、市販の鎮痛薬を服用したことだけが原因にはなっていません。


 基本的に、片頭痛発作時には、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下しており、片頭痛発作の時に、脳内セロトニン様作用をもつトリプタンを投与することによって、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップしています。
  このように、発作時にだけトリプタン製剤を服用したからといって、機能低下状態に陥っているセロトニンを”一時的に”補填しているに過ぎないものです。
  片頭痛患者さんの根底には、「脳内セロトニンの低下状態」が存在し、このような状況をトリプタン製剤だけで是正・改善できるはずはありません。例えて言えば、”線香花火”のようなものでしかありません。このような脳内セロトニンの低下状態は、根気強い「セロトニン生活」や食事によってうまく工夫してトリプトファンを摂取し続けなければ改善は到底不可能であり、これまでの経験では最低3カ月は必要とされます。
  こうしたことからトリプタン製剤を服用されたからといって、「抑うつ・パニック症状」「不眠」が改善されることは、あり得ない話です。このようなことで改善されれば、誰も苦労はないはずです。皆さんのなかにも、「抑うつ・パニック症状」、「不眠」を伴い、苦労されておられる方々が多いと思いますが、果たしてトリプタン製剤で改善したでしょうか?
  このようなことで「抑うつ・パニック症状」、「不眠」が改善されるのであれば、どなたも苦労はなく、それこそ専門医などは必要とされなくなるはずです。


  それにも増して、片頭痛発症の根幹には「酸化ストレス・炎症体質」というものが存在し、このために、活性酸素や遊離脂肪酸が過剰に産生されやすく、このため血小板凝集が引き起こされ、これが引き金となって血小板から”生理活性物質”であるセロトニンが放出されることによって、片頭痛発作につながっていきます。
  苦しい頭痛という痛みだけをトリプタン製剤で取り除いていますと、その根底にある病態は次第に増悪してくることになります。このため、自然と服用回数が増えてくることは避けることができません。このため、必然的に服用回数が増加して最終的には「トリプタン製剤による”薬剤乱用頭痛”」に至ります。
  このようになれば、現時点では”対処が極めて困難な状態”になりかねません。
  ということは、市販の鎮痛薬に限らず、トリプタン製剤でもあてはまることです。
  このように考えるべきものです。


  しかし、「脳過敏症候群」といった馬鹿な話が罷り通っている世界です。


  次は「めまい、耳鳴り」ですが、これは、「体の歪み(ストレートネック)」が長期間持続した結果に過ぎません。以前から、東京脳神経センターの松井孝嘉先生が提唱されておられる「頸性神経筋症候群」そのものを意味しています。
  脳過敏症候群の診断基準として挙げられる脳波異常は、片頭痛のみならず長期間持続した慢性化した緊張型頭痛でも日常茶飯事に認められる所見です。決して、片頭痛だけの特異的な所見ではありません。
  「体の歪み(ストレートネック)」が存在すれば、胸鎖乳突筋に影響が及び「耳鳴り」の原因となるとカイロプラクターの方々は申されます。
 さらに、めまいを引き起こす最大の原因にもなってきます。
 しかし、「脳過敏症候群」を提唱される”偉い”先生方は、この「体の歪み(ストレートネック)」の存在を認めず、眼中にはありません。
  こうしたことから、「脳過敏症候群」の発生機序に関する論議は成り立たないことになります。


  以上のように、”偉い”先生方とズブの素人との間には歴然とした見解の相違があります。


 最も問題とすべきことは、”偉い”先生方は、片頭痛がミトコンドリアの機能低下によって引き起こされた頭痛とはまったく考えていないことです。
  先程挙げた、「脳過敏」「慢性化」の要因の3つは、すべてミトコンドリアに関連したものです。ここに根本的な相違点が存在します。

 

 結局、片頭痛を「後天性ミトコンドリア病」と考えれば、すべて理解されることです。
 

      http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12177569015.html 


「市販の頭痛薬」の弊害


 「脳過敏症候群」を提唱される”偉い先生方”は、片頭痛に対して、「市販の頭痛薬」を服用することの弊害を警告されます。
 その要点は、市販の頭痛薬や痛み止めの大部分は”みかけの痛み”のみを取り払い、水面下で起こっている脳の神経細胞の興奮症状を置き去りにしています。
 当然、毎回の片頭痛発作のたびに起きている脳の血管周囲の炎症に関しても放置されたままになっています。
  この興奮状態の放置により、片頭痛の回数や程度がだんだんとひどくなってきて、市販の頭痛薬の用法や用量の規定範囲を超えるようになってきたり、飲む回数が増えてきます。
  トリプタン製剤は、通常の頭痛薬とは異なり、片頭痛発作の際に脳の血管周囲に張り巡らされた三叉神経から、炎症たんぱくが放出されるのをブロックすると同時に、膨れあがった脳の血管を元の大きさに戻す作用を持ち合わせる、いわば根本から片頭痛を断ち切る薬です。
  また、トリプタン製剤は、不必要に脳の血管が炎症で損傷することも防いでくれるため、結果として、将来、脳梗塞に陥ることをある程度防いでくれることも明らかになっています。
  このような神経の炎症物質がばらまかれ、脳が片頭痛のたびに異常な興奮を繰り返すことを放置していると、脳の血管損傷の他にも、将来、「脳過敏症候群」、「脳梗塞」を引き起こしてくることになると警鐘を鳴らしておられます。
  これを防止するためには、片頭痛の発作時には必ず、トリプタン製剤を服用すべきであるとされ、まさにトリプタン製薬メーカーが聞けば泣いて喜ぶような論理を展開されます。
  結局、片頭痛治療のすべては、トリプタン製剤の服用にあるとされます。
  しかし、このような論点が如何に我田引水的なものかを、2回に渡って指摘しました。
  このようなトリプタン製剤を服用しなくても、「脳梗塞」や「脳過敏症候群」は防止可能なことを明らかにしてきました。いや、このようなトリプタン製剤を服用したからといって、決して「脳梗塞」や「脳過敏症候群」は防ぐことはできないことを明らかにさせました。

 
  ここで最も問題とすべきことは、”片頭痛”に市販の鎮痛薬を服用することとされていることです。私達が、「頭痛」を感じた際に「市販の鎮痛薬」を服用します。
  このように市販の鎮痛薬を服用される方々すべてが、自分の頭痛が片頭痛と思っておられるのでしょうか? そのようなことは、絶対にあり得ないことです。もし、このようなことが可能であれば、現在のような頭痛専門医が診療されている「頭痛外来」などは必要とされないことになります。
 これまで、専門家は口を揃えて、医療機関ですら、片頭痛は”正確に”診断されていない、と述べています。
  頭痛専門医ですら、片頭痛の正診率の低さを指摘される程、困難なものとされている段階において、患者さん自身がどのようにして、片頭痛と診断されるのでしょうか?
  ここに「脳過敏症候群」を提唱される方々の論理的な矛盾が存在します。
  逆に言えば、”患者集め”のために、頭痛を自覚すれば全て、「頭痛外来」を受診して、専門医によって診断を仰ぎ、正確に「片頭痛」と診断してもらった上で、トリプタン製剤を処方してもらいましょう、ということが本音なのかもしれません。


  私達が、市販の鎮痛薬を服用するのは、自分が片頭痛と思って服用される方はどなたもいらっしゃらないはずであり、片頭痛と考えれば、現在ではトリプタン製剤という特効薬があるとマスコミ・ネット上で宣伝されているため、まず医療機関を受診されるはずです。


 しかし、「日常的に感じる極く軽度の頭痛」が再三に渡って繰り返され、日常生活が円滑に行えないがために、服用しているはずです。


  例えば、ゲームやネットに夢中になり、あっという間に深夜。あげくの果てにベッドに入っても寝付けない。リズムの崩れた生活で脳をいじめ、仕事や日常生活に支障をきたしていないでしょうか? このようなリズムの崩れた生活をすることで、不眠となり同時に頭痛を引き起こされる方々も多いのではないでしょうか?
  また、業績第一と考え仕事に専念し、職場の人間関係からもストレスを感じて頭痛を起こされる方もいらっしゃるはずです。
  生体のリズムは「ホメオスターシス」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。
  不規則な生活をすれば、体内時計が乱れ、「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」の機能にも影響を及ぼすことになります。
  睡眠は日中活動している間に傷ついたミトコンドリアを修復させています。ところが不眠が持続すれば、修復されないため、ミトコンドリアの機能は悪化し、これに伴ってセロトニン神経系の機能を低下させ、ここに諸々の生活習慣の問題点が加わることによって、脳内セロトニンは低下することになり、このため脳内セロトニンの低下により睡眠障害に拍車をかけてくることになります。このような悪循環を繰り返すことになります。
  このようにして、ミトコンドリアの機能を悪化させ、このためにセロトニン神経系もこれに伴って機能低下させることになります。ここに生活習慣の問題点が追加されることによって脳内セロトニンが低下することになります。
  慢性頭痛とは、健康的な生活が行えていないことに原因があります。健康的な生活を送るためには、ミトコンドリアがまともに働き、セロトニン神経系が正常に機能していることが最低限の条件になっています。

 
 ミトコンドリアは、全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ「抗重力筋群」に多く存在し、ミトコンドリアの働きが悪くなれば当然のこととして「体の歪み(ストレートネック)」引き起こしてきます。
 セロトニン神経は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることによって、重力に対して姿勢を保つために働く筋肉に働きかけていることから、セロトニンが不足してきますと、セロトニン本来の働きである「正しい姿勢の保持」が、困難となり、「体の歪み」を招来し、結果的に「ストレートネック」を引き起こします。
   このように両者によって「体の歪み(ストレートネック)」が引き起こされます。 

 

 私達の生活環境は、前屈みの姿勢を強制される生活環境・作業環境にあり、さらに仕事が終われば、四六時中スマホに没頭しているのが大半であり、この前屈みの姿勢が、日常的に感じる極く軽度の頭痛の原因ともなり、上記のことが重なることによって、「体の歪み(ストレートネック)」を形成させ、さらに頭痛を増強させてきます。
 

 このような「日常的に感じる極く軽度の頭痛」に対して、市販の鎮痛薬を連用すれば、こうした薬剤すべては、人体にとっては害(有害なもの)になるのです。これらを解毒する際に、活性酸素が発生し、このためにミトコンドリアの働きを悪くさせることによって、頭痛を増強させます。
  また、これら薬剤はいずれも”化学的ストレス”となって、脳内セロトニンを低下させ、”痛みの閾値”を下げるため痛みを感じやすくさせるために、難治性の頭痛を引き起こしてくることになります。
  このようにして、健康的な生活を送ることを阻害してくることによって、頭痛を引き起こしてくることになります。


  そして、ここにご家族に片頭痛の方がいらっしゃれば、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”を受け継いでいることから、これらミトコンドリアの働きの悪さや脳内セロトニンの低下の影響をモロに受けることによって、「日常的に感じる極く軽度の頭痛」から片頭痛へと進展していくことになります。


  片頭痛患者さんの根底には、「脳内セロトニンの低下状態」が必ず存在し、このため、「抑うつ・パニック症状」、「不眠」を訴える方もみられることになります。
  こうしたことから、「抑うつ・パニック症状」、「不眠」を改善させるためには、「脳内セロトニン」を増やすしか解決策はありません。このため根気強い「セロトニン生活」や食事によってうまく工夫してトリプトファンを摂取し続けなければ改善は到底不可能であり、これまでの経験では最低3カ月は必要とされます。
  このような状況をトリプタン製剤だけで是正・改善できるはずはありません。例えて言えば、”線香花火”のようなものでしかありません。
  基本的に、片頭痛発作時には、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下しており、片頭痛発作の時に、脳内セロトニン様作用をもつトリプタンを投与することによって、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップしています。
  「脳過敏症候群」を提唱される先生方が申されるように、発作時にだけトリプタン製剤を服用したからといって、機能低下状態に陥っているセロトニンを”一時的に”補填しているに過ぎないものです。このようなトリプタン製剤だけで是正・改善できるはずはありません。


  それにも増して、片頭痛発症の根幹には「酸化ストレス・炎症体質」というものが存在し、このために、活性酸素や遊離脂肪酸が過剰に産生されやすく、このため血小板凝集が引き起こされ、これが引き金となって血小板から”生理活性物質”であるセロトニンが放出されることによって、片頭痛発作につながっていきます。
  苦しい頭痛という痛みだけをトリプタン製剤で取り除いていますと、その根底にある病態は次第に増悪してくることになります。このため、自然と服用回数が増えてくることは避けることができません。このため、必然的に服用回数が増加して最終的には「トリプタン製剤による”薬剤乱用頭痛”」に至ります。
  このようになれば、現時点では”対処が極めて困難な状態”になりかねません。
  ということは、市販の鎮痛薬に限らず、トリプタン製剤でもあてはまることです。


 ということは、「脳過敏症候群」を提唱される先生方が申されるように、トリプタン製剤を服用していたからといって何も解決はされないということです。


  それならどうすれば、よいのでしょうか?


  諸悪の根源は、最初の起こり始めの「日常的に感じる極く軽度の頭痛」に対して、市販の鎮痛薬を”安易に”服用することにあります。


 このため、「日常的に感じる極く軽度の頭痛」を繰り返して感じる場合、その場凌ぎで市販の鎮痛薬を服用することはやむを得ませんが、これを連用することなく、「日常的に感じる極く軽度の頭痛」要因がどこにあるのかを考えてみることです。
  置かれている生活状況・環境を点検すればどこかに問題があるはずです。前屈みの姿勢を強要される作業環境に置かれていないかどうか、ストレスなどの生体の恒常性維持機構の「ホメオスターシス」を乱すような状況にないかを確認することです。
  仮に、ストレスであれば、その対策として「セロトニン生活」の励行が勧められます。
  前屈みの作業環境に置かれておれば、長時間にわたる前屈みの姿勢をとり続けることに原因があることを自覚し、30分に1回は、首を後方へ反らす体勢をとる配慮が必要とされ、さらに毎日、就寝前に「背骨伸ばしのストレッチ」を1回3分間行うことです。
  これだけのことで、市販の鎮痛薬を服用することなく、「日常的に感じる極く軽度の頭痛」は無くしてしまうことができます。
  このような配慮をされませんと、次々と、いろいろな要因が追加されてくることによって、頭痛がさらに複雑化してくることになります。
  そして、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”があれば、片頭痛へと移行してしまう、という不幸な結末を迎えることにもなりかねません。


 このように考えてみれば、「脳過敏症候群」を提唱される先生方の論点は何なのでしょうか? 片頭痛治療には、トリプタン製剤という有効な薬剤があり、これを服用すれば、将来、脳過敏症候群や脳梗塞に至ることはなく、「抑うつ・パニック症状」、「不眠」までが改善されると言いたいのでしょうか? それとも片頭痛患者さん”集め”を目的としたものなのでしょうか?  何が言いたいのでしょうか?


  いずれにしても歯切れの悪い論理としか言えないようです。