頭痛 あれこれ -4ページ目

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 先日、50種類ものお薬を苦しみながら服用する母親の姿をみかねて息子さんが母親を殺すといった痛ましい事件が報道されていました。
 当初、”50種類???”と不思議な思いに駆られましたが、しかしこれが現実のようです。以前から、特別養護老人ホームに、パーキンソニズム、認知症で寝たきりとなって、胃瘻を造設して入所されておられる方に、注入食と同時に、抗パーキンソン剤が5種類、抗認知症薬が2種類を主としてさまざまな薬剤が合計30種類余り少量ずつ処方されているのをみて驚かされました。既に、寝たきりとなって注入食を入れている謂わば「植物状態」に至っているにも関わらず、このように30種類もの薬剤が必要なのだろうかと常々疑問に思っていたところに、今回の50種類です。
 しかし、これが現在の医療機関では、きわめて常識的なようです。とくに、糖尿病専門医の処方される抗糖尿病薬は4,5種類は当たり前のような時代です。
 このような方々だけではありません。以下のような例もあります。


 薬漬け医療は悪循環 (多くの病院で行われている薬漬け医療とは)


  ある70歳の老婦人が健康診断で血圧が高い事がわかりました。
  しかし、簡易血圧計を買って自宅で計ると血圧は高くありません。
  念のため病院で診察を受けると、高い数値を示します。
  血液検査の結果、コレステロール値が「240mg/dl]と少々高いことも判明して、担当医は血圧を下げる薬とコレステロールを下げる薬を処方しました。
  しばらく内服していると、二つの薬の副作用で頭痛とめまいが起こるようになりました。
  老婦人がそのことを訴えると、担当医は薬を止めたり減らしたり換えたりせず、頭痛薬とめまいの薬を追加して処方しました。
  さらにしばらくすると、今度は頭痛の薬の副作用で胃潰瘍が併発し、この老婦人はとうとう胃潰瘍の薬まで飲む事になってしまいました。
  さて、この老婦人の血圧ですが、家では正常で、病院では高くなります。
  これは、医師や看護婦の前だと緊張して血圧が上がる白衣高血圧という症状で、本来なら血圧の薬は不要なのです。
  さらに、「240mg/dl]という血中コレステロールの数値ですが、70歳という年齢を考えれば、体のほかの部分に負担をかける薬を投与してまで下げる必要はありません。
  いってみれば、病院で計った血圧が高かったため、薬を原因とする頭痛とめまい、胃潰瘍を「患わされてしまった」ことになります。
  本当は治療の必要がなかったにも関わらず、病人にされてしまいました。


  このような例は、日本の医療現場ではよく見られる事です。


高齢者の服薬 多剤併用の弊害 どう防ぐか


 “多すぎる薬”という問題に厚生労働省が本腰を入れて取り組み始めました。


  複数の種類の薬を処方された高齢者が、副作用によって体調を崩すケースが相次いでいます。このため、医師や薬剤師などによる厚労省の有識者会議が検討を開始しました。


  多くの薬を日常的に服用している高齢者は珍しくありません。実態把握に努め、的確な対策につなげてほしいと訴えています。


  厚労省によると、高血圧症や糖尿病など二つ以上の慢性疾患を抱える高齢者には、平均で約6種類の薬が処方されています。一方、処方薬が6種類以上になると「ふらつき・転倒」「物忘れ」などの副作用を起こす割合が特に増加するとの研究もあります。重症化すれば、命に危険が及びかねません。
  高齢者は高血圧、糖尿病、心不全など、1人で多くの病気を持っています。各診療科にかかると、それぞれから薬が出て、いつの間にか15~20種類の多剤併用になります。 作用が真逆の薬が出ていたり、薬の影響で他の薬の効果が過剰になったり効かなかったり。薬の副作用を抑える薬が、さらに別の副作用を招くケースもあります。
  加齢により体内で薬を分解する働きが低下することも、副作用が増える原因の一つとされます。服薬数が多いほど飲み間違えや飲み忘れの可能性も高くなります。認知機能が低下してくればなおさらです。


こうした「多剤併用」による健康被害をどう防ぐか。


  参考になるのが、日本老年医学会の「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」です。多剤併用に関して慎重な投与が必要な薬のリストをまとめています。厚労省も16年度の診療報酬改定で、医療機関に対し不必要な薬を減らせば診療報酬が加算される仕組みを導入しています。

 ただ効果はまだ十分ではありません。実際、有識者会議でも、複数の診療科から同じ効果の薬を別々に処方されたり、効き目が感じられない薬を処方され続けたという事例が報告されています。


 こうした現状を踏まえれば、副作用の実態のさらなる把握に加え、医薬機関への情報提供のあり方や医師と薬剤師の連携強化、かかりつけ医の活用による処方薬の一括管理などを有識者会議の主な論点としていることは妥当といえます。厚労省は多剤併用の弊害を防ぐための指針を18年度末までに策定する方針です。


 当面、行政や医療機関は意識啓発を強めるべきです。「複数の病院を受診する際は他に使っている薬を伝える」「お薬手帳は1冊にまとめる」「自己判断で薬を中断しない」など、薬との正しい付き合い方の周知徹底が欠かせません。


 このような対策がとられているものの、効果がみられないのは、処方薬の数が増えれば増えるだけ診療点数が上がるため、まず医者は薬の数を減らすことはありません。


 つい先日も、他医院で診てもらっている高齢者が歩行障害で来院され、薬剤性パーキンソニズムの診断で、現在処方してもらっている薬剤を指摘して、この薬剤を他剤に変更してもらうようにお勧め致しました。ところが、後日、再度来院され確認すれば、抗パーキンソン剤が追加されているだけで原因となる薬剤はそのまま継続されていました。
 このように薬剤の副作用が出たとしても、これを治療するためと称して、薬を追加することしか頭にないのが実情です。

 このようにすれば処方医はさらに儲かる仕組みになっていることが最大の問題です。このような保険診療の仕組みがある以上は、薬の数は減ることはなく、増えるだけのことでしかありません。

 このような誰がみてもおかしいことが罷り通るのが現実の医療の世界であり、どのように医学的に間違ったことをしようとも、保険医療の担当規則さえ遵守している限りは罰則すらない世界です。このように、馬鹿な医者ほど儲かる仕組みがあることを私達は忘れてはなりません。


ミトコンドリアの障害や機能不全をどのように防ぐか・・


 ミトコンドリアの障害や機能不全は、神経変性状態(筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病など)、てんかんや自閉症、心臓血管系や肝臓、腎臓の疾患、がんや糖尿病などさまざまな病気の重要な要因として認識されるようになっています。
  このように、極めて多くの病気に幅広い影響を及ぼしているミトコンドリアは、各種治療薬を開発する際の重要な標的となっています。


  また、さまざまな疾病の治療に用いられる薬剤がミトコンドリアにとって好ましくない毒性を発揮する場合もあり、創薬や医薬品開発に携わっている研究者にとって、化学物がもたらすこの深刻な副作用を予測し、防ぐための対策は極めて重要です。


 ミトコンドリアの障害や機能不全が、アルツハイマー・てんかん・自閉症・心臓疾患・肝臓疾患・腎臓疾患・ガン・糖尿病・骨粗鬆症・動脈硬化などの根本原因です。
 ミトコンドリアが活動できない状況を作れば、様々な現代病を発症します。
 ミトコンドリアがATPを作れない細胞が増えれば増えるほど、ガン・慢性病になるのです。
 そしてミトコンドリア機能不全の大きな原因の1つが、ワクチンや医薬品によるものです。
 薬の副作用でミトコンドリア病になる人が増えています。


 子宮頸がんワクチンを打たれた人は、かなりの人数が後天性ミトコンドリア病になっています。
 毒ワクチンによってミトコンドリア機能不全細胞が増加し、乳酸アシドーシスになって身体中に障害が出ます。
 インフルエンザワクチンによって、ギラン・バレー症候群になる人も多いです。
 ギラン・バレー症候群も後天性ミトコンドリア病であり、ワクチンや医薬品の副作用で引き起こされます。
 筋肉や神経が麻痺し、疲れやすい、ダルイ、身体に力が入らない、思考力が低下するなど、恐ろしい症状が襲います。
 ワクチンや医薬品で後天性ミトコンドリア病になっても、普通の医者は原因不明の難病として扱います。
 自分たちがワクチンや医薬品で重病人を大量生産している事実を、決して認めようとしません。
 患者の被害を食い止めるよりも、自己保身の原理が働き、責任回避に全力を傾けます。


  ミトコンドリアが活動できない細胞を増やせば、人間は必ず病気になります。
  ミトコンドリアの活動に最も必要なのは酸素です。
  酸素が無ければ全身のミトコンドリアの活動が止まり、人間はすぐに死にます。
  ミトコンドリアが活動できる環境は、弱アルカリ性の環境です。
  pH7未満の酸性環境では、ミトコンドリアは活動できません。
  酸性環境では電子を奪われるため、ミトコンドリア機能不全になります。
  ビタミン・ビタミン様物質・ミネラル・アミノ酸などが欠乏しても、ミトコンドリアは活動できません。
  補酵素が充分にないと、ミトコンドリアはATPを作れないのです。
  水銀やアクリルアミドなどの有害物質が蓄積しても、ミトコンドリアは活動できません。


  現代病の多くは、後天性ミトコンドリア病です。
  精製糖質の過剰摂取も、ミトコンドリア病の大きな原因です。
  そして医薬品も、ミトコンドリア病の大きな原因です。
  ワクチンや医薬品を止めれば、ミトコンドリア病は激減するという発想にはなりません。
  人工的に作られた新たな物質は、ミトコンドリアにとって毒です。
  自然界で作られたビタミンやミネラルこそが、ミトコンドリアの活動を支援するのです。
  特許の取れない栄養素でしか、ミトコンドリアは救えないのです。
  医学界は、製薬業界が毒を撒き散らしているという事実から、目を背けています。


  白米も白砂糖も味の素も、人間が作り出した不自然なモノです。
  覚醒剤と同じ様に、不純物を削り取り、高度に精製します。
  これらが私達の代謝をおかしくさせます。
  様々な栄養素が協力しあってこそ、人間は栄養を代謝してエネルギーに変えられるのです。
  人工的に手が加えられた食品・医薬品が、現代人の身体を蝕み続けています。
  ミトコンドリアが望む環境を作らなければ、人間は間違いなく病気になります。
  ミトコンドリアと人間は、一蓮托生です。


  このように、高齢者に止まることなく多剤併用を行う現状も認知症増加の一因と考えておく必要があります。


  ここで、太田成男先生が興味あることを述べておられます。


食品が医薬品よりも効果効能があったら、どうなる?:食薬区分の話


  現在の日本のシステムでは、病人と健康人に区分されています。

 健康人というよりも、正確には、「疾病に羅患していない人」(機能性表示における定義)です。そうすると、疲労困憊の人も健康な人ですし、ストレスを抱えた人も、便秘がちの人も健康な人ですし、肌荒れの人も健康な人となります。また、二日酔いでは健康な状態とは言えないけれど、健康人です。
  また、糖尿病予備軍(境界型糖尿病)や軽度認知障害(軽度認知症)、メタボ(メタボリック症候群)、高血圧前状態の人は、健康な人に分類されたり、病人として医師が対応したりします。
 病気の人に対しては医師が、効果効能が明確に認められた医薬品を使って治療することになります。
 一方、健康人の不調に対しては個人の判断で食品、運動や休息で対応することになります。最近は、特保(特定保健用食品)や機能性表示食品という分類ができてきて、効果効能は言えないけれど、それなりの示唆することが言えることになりました。これを薬食区分といいます。この区分では、食品は医薬品よりも効果効能がないことが前提となっています。
  現在の水素(H2)の位置づけは、医薬品でも健康食品でもなく食品の範疇です。
  しかし、現在までの動物実験の結果や臨床試験のパイロット研究、私が知っている未発表の研究結果から判断すると、水素は、水素ガス、水素水、水素点滴液は、従来の医薬品よりも効果効能が顕著であると思わざるを得ないのです。
  薬食区分では、「医薬品的効能効果を標榜しない限り医薬品と判断しない成分本質」という区分もあります。しかし、同時に「一般人の間に存在する医薬品及び食品に対する概念を崩壊させ、医薬品の正しい使用が損われ、ひいては、医薬品に対する不信感を生じさせる」という懸念も表明されています。
  某新聞社のonlineニュースには、「太田氏は『健康食品としての水素水』の議論に『病人の治療に有効』という主張を持ち込むという誤りを犯した。」と私を非難する記事がでています。私はこのようなことを主張しているわけではないと思っていますが、非常に興味深い内容です。というのは、食品である水素水が病人の治療に有効という科学的なエビデンスが未発表データではすでに手元にありますし、さらに出てくるだろうと予測しているからです。
 ついでに言えば、効果効能がいくら顕著であっても医薬品として認可されるわけではありません。製薬会社が巨額の費用を負担して申請しない限り医薬品(保険薬)として認可される訳ではないのです。水素は独占できないのですから、製薬会社が医薬品として開発する見込みはほとんどありません。
  水素という食品の範疇のものが、病人の治療に有効であるということが科学的に証明されたとき、つまり現在の区分や前提を覆したとき、どのようなことが生じるか早めに対応を考えなければならないな、と真剣に考えているこの頃です。


コエンザイムQ10を摂取してもATPは増えません


 コエンザイムQ10という言葉、皆さんもCMなどで一度は耳にしたことがあると思います。正式にはユビキノン、ビタミンQといい生体の細胞内で重要な役割を担っています。 コエンザイムQ10は、ミトコンドリア内で細胞のエネルギー源として極めて重要なアデノシン三リン酸、いわゆるATPを合成するのに欠かせない物質です。

 コエンザイムQ10は体内で合成される物質であり、原則あえて摂取する必要がありません。


  では何故需要があるのでしょうか。それは美容及びアンチエイジングに有効だとされている為です。理由は簡単、より多くとればそれだけ多くのATPが生成され、効果が期待できるだろうという考えです。

 しかし残念ながらそのようなアンチエイジング効果は期待できないというのが正式な答えです。

 臨床試験を行った結果、プラシーボ効果いわゆる偽薬効果と統計学的な有意差が見られなかったためです。以前はうっ血性心不全の治療薬として医薬品に分類されていましたが、プラシーボ効果との比較を行った結果、有意差がみられず、医薬品から医薬部外品へと変更されています。


  そこに目を付けたのが日本の各製薬会社です。大々的に医薬部外品として売り出し始めたのです。各会社は競うようにユビキノンをコエンザイムQ10として売り出し始めました。 科学的に怪しい部分を効能ありとして宣伝した結果、大ヒット商品の1つにまで売れることになりました。疲労回復からがん予防、美容にまでそれは多岐にわたっています。しかしコエンザイムQ10を1つの商品として販売しているのは、日本の5社だけです。


  海外では科学的に根拠のないものとして販売すらされていません。

 日本の製薬会社の販売戦略と日本人の国民性が見事にマッチングした結果なのです。しかし、イワシの頭も信心からというようにありがたいものとして売り出せば、プラシーボ効果で本当に良くなる人達もでることは科学的に証明されています。故にそのままにしておくという事も大人の対応です。

 

 
高齢者「薬漬け」国が初指針
 
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12338763416.html

 

 「アルツハイマー型認知症」の発症原因は、記憶の司令塔とも言える重要な器官される海馬が、酸素不足やストレスによって傷害されることにあります。
  細胞内のミトコンドリアは酸素と糖を使って生きるためのエネルギーを作り出します。
  酸素不足はミトコンドリアの代謝異常を招きます。
  アルツハイマー型認知症になると、最初にダメージを受ける場所、それが海馬です。酸素不足で脳がダメージを受けると、最初に海馬あたりから死んでいくといわれています。


  米国カリフォルニア大学の調査研究によると、1993年から2000年までの期間の1年間に平均で224億トンの酸素が減少しているそうです。
 産業革命以後、化石燃料を燃やし続けた結果、確実に酸素濃度は減っていると思われます。このように、酸素は私たちが生きていく上でなくてはならない大切なものですが、最近、大気の酸素濃度が下がってきているのを皆さんはご存知でしょうか?


 また森林や海上と比較しても、都市の酸素濃度は下がっているのです。
 江戸時代は酸素濃度が29%くらいあったと考えられています。
 また、昭和30年代でも26%はあったと考えられています。
 現在では、東京都内では20.6%位です。
 江戸時代と比べると、いまの都会は低酸素状態と言えるほどです。


 酸素濃度 20% 手足の痺れがでる人もあらわれる
 酸素濃度 19% 動悸、息切れ、めまい
 酸素濃度 18% 安全な限界 思考能力の低下、計算能力の低下

             高山病の症状


□身近な場所での酸欠空間 3LDKの一般家庭で調査


  窓を開けて換気が行き届いた状態  21.0%
  窓を閉め、冷暖房をつけた状態で10分後  20.3%
  その部屋で3人の人が1時間過ごしたところ  18.0%
  キッチンで換気扇を止め、3つのガスコンロを使用  18.0%』


 酸素濃度は江戸時代に29%で昭和30年代に26%になり、2012年の都内では20.6%。5年後の2017年ではもっと低下しているでしょう。
 さらに10年後、20年後はどこまで下がっているでしょうか?
 手足の痺れや、動悸、息切れ、めまいが日常化するレベルまで下がるかもしれません。
 植物が酸素を作り、動物が酸素を消費して地球上の酸素濃度はバランスを取ってきました。
 産業革命以降、森林の伐採が進み、工場で化石燃料をバカみたいに燃やし、自動車が何億台も走っているのだから、それは酸素濃度は下がるでしょうね。
 酸素を吸っている人間も爆発的に増えていますし。
 江戸時代に29%というのはよくわかりませんが、もし本当だとすれば8%以上も下がった事になります。
 これから酸素濃度が上がる要素はまったくありませんから、下がる一方です。


 ミトコンドリアは酸素を利用してATP(生体エネルギー)を作りますから、酸素不足が最も恐ろしい病因です。
 都会の高層マンションに住んでいる人の流産の確率は、普通の暮らしの人たちの10倍以上という研究結果もあるようです。
 20階以上の高層マンションなどは、かなり酸素が薄くなるでしょう。
 閉め切った高気密住宅で5人が暮らしている環境、などでは軽い酸素不足状態かもしれません。やはり換気は大切です。
 そして深呼吸の回数を増やし、正しい呼吸法も身につけた方が良さそうです。


  人間が生き続けるためには、ミトコンドリアがATPを作り続けなければなりません。
  それには酸素と水素(電子)が必要不可欠です。
  補酵素として、ビタミンやミネラルやビタミン様物質やクエン酸なども必要です。
  しかし何が1番必要かと言えば、やはり酸素です。
  酸素不足にならない方法を見つけなければなりません。
  森林に住むのも良いかもしれません。

 
   このような酸素不足を引き起こした最大の要因は、大気汚染の問題があります。

 
大気汚染がアルツハイマー病などの認知症につながる可能性

 
 大気汚染物質によって健康が害されることが知られていますが、アメリカの研究で大気汚染によって高齢女性の認知症リスクが高まる可能性が指摘されています。


  アメリカの南カリフォルニア大学(USC)のジゥチュアン・チェン准教授らの研究チームは、「大気汚染物質が脳に与える影響が認知障害に寄与しているのではないか」という仮説を立て、これを調べるためにアメリカ48州の65歳から79歳の高齢女性3647人のデータを分析しました。なお、調査開始時に認知症にかかっていない女性が被験者に選ばれており、地理的・人種的・教育的・社会的要因による潜在的な偏りは排除した上で調査は行われたとのこと。


 その結果、アメリカ合衆国環境保護庁の指定する微粒子状物質基準を上回る地域に住む高齢の女性は、認知機能低下のリスクが81%、アルツハイマー病を含む認知症発生のリスクが92%高いことが判明。このリスク水準を全米の人口にあてはめると、認知症の症例全体の21%が大気汚染が原因となっている可能性があると結論づけています。


 USCレオナルドデービス校のケーブル・フィンチ教授は、「化石燃料を燃やすことで大気に発生する微小粒子状物質(PM2.5)は、鼻から吸い込まれて直接、脳に届きます。脳細胞は微小粒子状物質を異物として扱い炎症反応が起こります。そして、時間の経過とともにアルツハイマー病が悪化すると考えられます。大気汚染がアルツハイマー病に悪影響を与えるというのは新しい知見かもしれませんが、タバコの煙のような汚染された空気が脳を老化させる危険があることはよく知られています」と述べています。


 世界保健機関(WHO)によると、世界で認知症に苦しむ人は4800万人おり、毎年770万人の患者が増えているとのこと。今回の研究で大気汚染と認知症の関係性が示唆されましたが、この因果関係を確かなものにし、大気汚染物質が脳に入りこんで悪影響を及ぼすメカニズムを調べるために、より正確でより多くの研究の必要性が訴えられています。


大気汚染で認知症になりやすくなる?PM2.5に要注意


 PM2.5による体への悪影響についてのいくつかの論文と、PM2.5と認知症発症のリスクについての論文をご紹介します。


 PM2.5とは


 大気汚染の原因物質として、PM2.5という名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。PM2.5とは直径2.5μm(マイクロメートル)の粒子状物質のことで、PMは粒子状物質を英語にしたParticulate Matterの頭文字をとっています。

 PM2.5は、物の燃焼によって直接発生する場合と大気中でさまざまな物質が化学反応を起こすことによって生成される場合があります。例えば、ボイラーや焼却炉、自動車や航空機、海洋や火山の噴煙などから直接発生したり、火力発電や工場、自動車などから燃料の燃焼によって排出される化学物質などが大気中で光やオゾンと反応して生成されたりします。


  PM2.5が大気汚染物質として問題にされている理由は、粒子の大きさがとても小さいため肺の奥深くに入り込んで体に悪影響を与えるといわれているからです。どれくらい小さいかというと、ヒトの髪の毛が直径約70μm、海岸の砂が約90μmといわれているので比べてみるとよくわかります。PM2.5は、粒径が2.5μmなので髪の毛よりも砂よりもはるかに小さいということです


PM2.5による体への悪影響


  PM2.5はとても小さい粒子なので肺の奥深くに容易に入り込んでしまうため、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器系の症状を起こしやすいと考えられていました。特に小児や高齢者は、PM2.5による悪影響を受けやすいのではないかと心配されています。


  一方で、PM2.5による呼吸器以外の体への悪影響に関する報告が世界各国から発表されています。


 2015年のアメリカからの研究では、PM2.5にさらされると不安を感じやすくなることを明らかにしており、PM2.5と精神疾患との関連を報告しています。
 また、同年にイタリアの研究チームから、長期間PM2.5などの大気汚染物質にさらされると心筋梗塞などの心血管疾患の発症リスクが上昇することが報告されています。
 2016年には、中国の研究チームから、PM2.5に長い期間さらされていると膜性腎症とよばれる腎臓の病気の発症リスクが上昇することが明らかにされています。

 2015年にアメリカの研究チームは、大気汚染の改善に取り組んだ南カリフォルニア地域において、過去数十年の対策によってPM2.5などの大気汚染物質を大幅に減少させた結果、小児の肺機能の改善を認めたことを報告しています。


PM2.5によって認知症の発症リスクが高くなる原因とは


 アメリカの研究チームは、PM2.5を長期間吸い込むことによって脳のサイズが小さくなることを2015年5月に「Stroke」誌に発表しました。

 すでに、PM2.5によって認知機能低下が早まることは今回の研究チームとは別のアメリカの研究チームによって2012年に報告されていました。
 しかし、PM2.5が直接脳にどのような異常をもたらすのかという点は明らかになっていませんでした。

 
 今回、研究チームは60歳以上の認知症や脳血管障害のない900名以上を対象に、居住区におけるPM2.5の量と研究参加者の脳のMRI検査結果を解析しました。MRI検査は放射線ではなく磁場を利用して撮影する画像検査で、脳の内部の構造変化を確認したい時に病院で使用されることが多いです。

 結果としては、PM2.5の濃度が高い地域の住民は、PM2.5の濃度が高くない地域の住民に比べて、大脳の容積が小さくなっていることが明らかになりました。つまり、大気汚染物質に長期間さらされていると大脳が萎縮するため、認知症を発症するリスクがあがるのではないかということがわかりました。

 PM2.5は非常に小さい粒子なので、鼻から吸引して神経を通ってそのまま脳に到達するといわれています。日本においてもPM2.5の濃度が高い地域では、マスクをするなどの対策が推奨されています。


大気汚染は認知症やアルツハイマー病を誘発するおそれがある


 田舎暮らしの勧め?


 微小粒子状物質(PM2.5)の濃度が環境基準を突破し、数メートル先も見えないスモッグに覆われた世界各国の大都市。これは大気汚染の極端な例ですけど、そこまで深刻ではなくても自動車の排ガスなどに日々さらされるだけで、実は脳に重大なダメージが蓄積されていっている危険性があるそうです。Scienceより、このほど新たな警鐘が鳴らされました。


  PM2.5などが喘息、肺がん、心臓病などを引き起こすことは広く知られてきました。とはいえ、近年の研究で懸念されているのは、認知症やアルツハイマー病と大気汚染の関連性です。


 古くは2000年代初頭のメキシコシティーにて、市内でも大気汚染のひどいエリアに居住していた犬たちに起こった症状。老いとともに精神錯乱に陥って、方向感覚を失ったり、自分の飼い主すら認識できなくなったりすることが相次いでいると指摘がありました。
 モンタナ大学の神経学者のLilian Calderon-Garciduenas氏は、同症状で死亡した犬たちを解剖し、脳内にアルツハイマー病との関連性が疑われるアミロイドβタンパク質の蓄積が見られると発表。物議を醸したものの、これだけでは大気汚染が脳におよぼす影響を特定できないとの意見も相次ぎました。


 しかしながら、このほど南カリフォルニア大学の研究チームは、交通量の多い高速道路から排ガスを収集し、人の髪の毛の細さの200分の1以下というレベルの小さな汚染物質を摘出。実験室のマウスに数週間にわたって浴びせ続け、脳に生じる変化を調査しました。


 すると、先のメキシコシティーの犬のケースと同様に、クリーンな空気で生活したマウスと比較して、汚染物質を浴びせられたマウスの脳内にアミロイドβタンパク質の蓄積量が異常に多くなることを発見。また、記憶の喪失と関連づけられる脳の炎症なども認められました。PM2.5の環境基準でも測定できない、もっと微粒子の汚染物質は、鼻から吸い込むと、ひどい場合はダイレクトに脳神経まで達するので、こうした現象を引き起こしている可能性が高いと発表されています!


 今後は人間に同じような作用が生じるのかを中心に、研究調査が進められていく予定です。とはいえ、明確な科学実験データこそそろってはいないものの、大気汚染と認知症やアルツハイマー病との関連性は、各所で疑われてきました。一部では、タバコの煙と大気汚染の両方にさらされると、さらに発症の危険性が高まるとの指摘まで出ています。


 こうした研究結果を受けて、カナダのトロント大学では、オンタリオ州に住む人々の認知症の発症率を試算。主要道路から50メートル以内のエリアに居住する人は、主要道路から200メートル以上離れたエリアに居住する人と比べて、認知症になる確率が12%アップするとのデータを発表しています。大都会での暮らしは便利ですけど、空気のきれいな山里などで生活するほうが、やはり長く健康に生きられるのかもしれません…。


 このように、酸素不足が原因というよりは、PM2.5などの微粒子の汚染物質が関与していると考えられているようです。

 
 いずれにしても、大気汚染の問題は今後とも改善する見込みは少なくとも考えられません。こういったことから、必然的に、アルツハイマー型認知症は増加する一方ということのようです。

 

腸内環境を整える食物繊維


 食物繊維とは、炭水化物の一種で、人の消化酵素では分解されない食物の成分です。発酵食品とともに、おもに腸内環境を整えるための重要な役割を果たしています。
 食物繊維には水溶性と不溶性があり、どちらも大切です。以下のように、とても多くの健康にいい働きがあります。


●整腸作用がある(腸内有用菌群を増やす)
●便秘を解消する(便をやわらかくする、容量を増やす、排泄を促進する)
●大腸がん、直腸がんを予防する
●血糖値が安定する(糖の吸収をコントロールする)
●コレステロールの吸収を抑制する(胆汁酸を排出する)
●ミネラルの吸収を促進する
●満腹感を維持する
●よく噛む必要がある(唾液の分泌が増え、消化・吸収を促進する)
●解毒作用がある(農薬、発がん性物質、放射能などの毒物を吸着する)
●消化管の免疫が増強される
●活性酸素が減少する(活性酸素は病気の85~90%に関与している)


 ちなみに、食物繊維の摂取は、成人女性で1日17g以上、男性で19g以上が目標量ですが、現代人のほとんどは摂取量が足リていません。足りない最大の理由は、主食が玄米から白米にかわったためです。また、やわらかくて□あたりのいい食べものが増えたことも理由のひとつです。
 食物繊維を意識してとるようにしましょう。


 〈食物繊維の多い食べものの例〉


  穀物(玄米、玄麦、ひえ、あわ)、豆(大豆、とくに納豆)、根菜(ごぼう、にんじん、大根、こんにやく)、いも類(さつまいも、里いも)、海藻(ひじき、わかめ、ふのり)、その他(きのこ類、ごま、たけのこ、おから、オクラ、かぼちや、とうもろこし、ブロッコリー、ブルーベリー)など


砂糖は百害あって、一利なし


砂糖がからだにもたらす悪い影響


 現代は、甘いものにあふれており、現代人は、砂糖類をとりすぎています。
 人類の歴史のなかで一度にこれほど多くの砂糖をとる習慣はなく、からだはその変化に対応できていません。食べもののなかで、砂糖はもっとも健康に悪い影響をおよぼし、驚くほど多くの病気に関係しています。具体的に見ていきましょう。


①血糖値の急激な上昇(→膵臓の疲弊)


 砂糖を大量にとると、血糖値が急上昇し、降臓は血糖値を下げるホルモンであるインスリンを急いで大量に出します。これをくり返すことにより、眸臓が疲弊します。降臓が疲れきった状態になったのが糖尿病です。糖尿病は降臓だけの病気ではなく、じつは血管の病気です。
 全身の血管がぼろぼろになることにより、糖尿病以外にも、高血圧、肥満、脂質異常症、脂肪肝、動脈硬化、がん、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、腎臓病、肝障害、神経疾患、白内障、緑内障、認知症、アルツハイマー症、認知症など、あらゆる病気の原因となります。


②血糖値の急激な下降(→低血糖と副腎の疲弊)


  急速に上昇した血糖値は、インスリンが大量に分泌されることによって今度は急速に低下し、その結果、下がりすぎる状態になり、低血糖を引きおこします。低血糖は緊急事態であり、血糖を上昇させるホルモンであるアドレナリンが副腎から分泌されます。これをくり返すことにより、副腎が疲弊した状態「アドレナルファティーグ」になり、たとえば低血糖症、精神疾患(うつ病、ヒステリー、パニック障害、統合失調症など)、子どもの情緒異常(落ち着きがない、大声、奇声、どなる、たたく、キレる、暴力的、夜泣きなど)、疲労、頭痛、不眠など、多くの症状を引きおこします。


③ビタミン・ミネラルの欠乏


  砂糖は精製食品の代表であり、ビタミン(とくにビタミンB群)やミネラル(とくにカル シウム)が不足するため、骨やほかの臓器からこれらを奪うことになります。糖を細胞で利用するときにも、大量のビタミンーミネラルを消費します。欠乏すると、さまざまな体調不良の原因になります。


④からだを冷やす


 砂糖は、東洋医学の陰陽論において、もっともからだを冷やす作用が強いと言われています。
 冷えは万病のもとであり、たとえば、冷え症、アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、花 粉症、喘息、じんましんなど)、自己免疫疾患(リウマチ、SLE・全身性エリテマトーデス、関節炎など)、婦人科疾患(子宮筋腫、月経困難症、子宮内膜症、不妊、流産、奇形児など)、耳鼻科疾患(めまい、耳なり、難聴、中耳炎、副鼻腔炎など)、骨粗しょう症、便秘、痔、脱毛などの原因になります。


①感染症がおこりやすくなる


 血糖値が高い状態では、からだを防御する白血球の活動が低下します。そのため、さまざまな炎症がおこりやすくなります。たとえば、かぜ、中耳炎、気管支炎、肺炎、胃腸炎、膀胱炎、眸炎、肝炎、結核、水虫、歯槽膿漏などです。


血糖値の上がりやすさを示すGI値


 GI値とは、「グリセミックーインデックスの略で、食品を食べたあとの血糖値の上がりやすさを示した値です。ブドウ糖を摂取したときの上昇率を100とした相対値で、GI値が低いほど血糖値の上昇が遅く、インスリンの分泌もおさえられます。つまり、分泌をつかさどる膵臓に負担をかけにくいと言えます。
 おもな食品のGI値を下の表に示します。
 白砂糖は110で、ブドウ糖そのものよりも血糖値が上がります。白砂糖の害は広く認識されてきており、かわりに黒砂糖やほかの糖を使用しているという話をよく聞きます。
しかしG-値を見ると、黒砂糖は99、はちみつは88と、糖類はすべて高い値を示し、血糖値を上昇させる作用はどれも同じように強いことになります。ただし、黒砂糖やはちみつにビタミンやミネラルが含まれている点は、白砂糖よりはいいことになります。
  ほかにも、精白米は84、食パンは91、うどんは80とGI値がかなり高いいっぽう、玄米は56、ライ麦パンは58、全粒粉パンは50、そばは59と、精製されていない食品のGI値は低く、からだに負担をかけないことがわかります。
  砂糖を大量に含む清涼飲料水やスイーツをとると血糖値が急上昇し、膵臓から大量のインスリンが分泌されます。
 その結果、血糖値はちょうどいい値で止まらずに、下がりすぎることになります。高血糖よりも低血糖のほうがいのちにかかわる重大な事態ですので、副腎からアドレナリンを出して血糖値を上げることで対応します。1日に何度も甘いものをとると、そのたびに膵臓と副腎に大きな負担をかけることになり、糖尿病やアドレナルファティーグなどの深刻な病気をつくっていくことになります。

 

牛乳はあらゆる病気の要因になる


牛乳が引きおこす病気について


 牛乳は、牛の赤ちゃんの飲みものです。すべての哺乳類のなかで、違う種類の動物の乳を飲むのは人以外にありませんし、離乳期をすぎて乳を飲む動物も人だけです。牛乳を飲むことは、自然に反しています。
 敗戦直後の栄養の行き届いていなかった人や子どもたちにとって、一時的な栄養源となったことはたしかかもしれません。しかし、なぜ日本人はいまだに牛乳を大量にとリ続けているのか。
 牛乳の是非を議論する前に、その背景を知ることが大切だと思います。
 まず、牛乳が人間のからだに合わない理由をあげてみます。


●日本人の多くは、牛乳に大量に含まれる乳糖を分解できないために、下痢や腹痛をおこす
●牛乳には多くのカルシウムが含まれるにもかかわらず、最終的には逆に、カルシウムは体外へ排出され、これにより骨、歯はもろくなる
●牛乳は、妊娠中の牛からも搾乳されているため、女性ホルモンが含まれる。さらに強力に成長を促すインスリン様成長因子1(IGF-1)も大量に含まれる。これらは、がん、早熟・早老、不妊の原因となる
●飼料に問題がある(飼料に含まれる遺伝子組み換え作物、農薬、化学肥料、放射能など)
●牛乳のたんぱく質(カゼイン)は、人のものと異なる異種たんぱく質であるため、消化管を傷つけたり、アレルギー性疾患などの原因となる
●牛の乳脂肪は動物性脂肪であるため、動脈硬化を引きおこし、脳出血、心臓病などの原因となる
●高温殺菌されており、たんぱく質やビタミンなどの栄養素の変性、分解がおこっている
●脂肪が分離しないように「ポモジェナイス(均一化)」されていることにより、酸化を早めたり、牛乳脂肪の変成がおきたりしている


 これらの要因の複合により、牛乳は、以下にあげるさまざまな病気との関連があります。乳糖不耐症(下痢、腹痛)、アレルギー性疾患、がん、動脈硬化(脳卒中、心筋梗塞)、自己免疫疾患耳や鼻の病気(中耳炎、副鼻腔炎)、精神疾患(不眠、うつ病)、難病(ネフローゼ、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症)、その他(貧血、自閉症、多動性障害、白内障、慢性疲労)などです。
  多少高価になっても、信頼のおける農家からの地産地消で、牛にもやさしく、付加価値のある牛乳の生産が望まれます。理想を言えば、自然妊娠であること、適度な運動をし、農薬、遺伝子組み換え作物、放射能フリーの牧草を食べた乳牛の飼育であること。妊娠中の牛からの牛乳の供給を控えること。さらに牛乳は、低温殺菌でポモジェナイスされていないこと。こうした牛乳を流通のシステムにのせたうえで、安心安全なものを現代のように供給し続けることはできるのでしょうか。酪農家の方々のことも考えると、現状はすぐには変えられないでしょう。でも、未来の子どもたちの本当の健康のことを考えるとどうでしょうか。牛乳はできるだけとらないこと、とったとしても嗜好品の範囲内が望ましいと考えます。
 問題なのは、学校給食で牛乳が毎日出されることでしょう。厚生労働省によるカルシウムの摂取基準の決め方にも問題があります。給食に牛乳をつけるかどうかは任意ですので、気になる人は、学校の校長先生や保育園・幼稚園の園長先生と相談されて決めるのがいいと思います。その際に、アレルギー性疾患などの書類の提出も本来は必要ありません。


牛乳とがんとの関係


 世界40か国の「牛乳・乳製品の摂取量と乳がん発生率を分析した国際比較研究」では、牛乳・乳製品と乳がんの発生率との間に比例関係が見られることがあきらかになりました。
 牛乳ががん(とくに乳がんと前立腺がん)と関係する理論的根拠は、牛乳に含まれる「ホルモン」です。牛乳には、がんと関係する3つの重要なホルモンが含まれています。女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)と、インスリン様成長因子1(IGF‐1)です。
  現代の乳牛は、遺伝的に改良された牛(ホルスタイン)で、多くは人工授精により妊娠をくり返し、妊娠中も搾乳されています。これにより、牛乳には人がとるにはあまりにも多い量の女性ホルモンが含まれることになります。牛乳中の女性ホルモンは、120~130度の現行の高熱滅菌では分解されません。そのままの状態で、多量に含まれることになるエストロゲン、プロゲステロンは、ともに人のものとまったく同一のアミノ酸配列です。市販の牛乳中の女性ホルモン(エストロゲン)に発がん作用を認めたという報告もあります。
 牛乳中のもうひとつの重要なホルモンが、成長ホルモンの働きにより肝臓から分泌されるインスリン様成長因子1(IGF-1)で、妊娠の有無にかかわらず分泌されています。牛の赤ちゃんは、1日に1㎏以上体重を増やすこともありますが、IGF-1は、これを支えるミルクのなかでもっとも強力な成長因子です。成長ホルモンは牛と人で少し異なりますが、IGF-1は牛と人でまったく同一のアミノ酸配列で、加熱にも強いことがわかっています。つまりこれらのホルモンは、生の牛乳以外のあらゆる加工食品(クリーム、バター、チーズ、脱脂粉乳、ヨーグルトなど)にも、分解されずに含まれていることになります。
  近年、生理不順に悩む女性や、男性不妊などが増加しています。これらの要因としても、牛乳に含まれる女性ホルモンが関係しているかもしれません。


牛乳と骨との関係


  牛乳・乳製品をとればカルシウムが補えると思われていますが、それらの摂取量にほぼ比例して骨粗鬆症が多くなることが、「カルシウムーパラドックス」として知られるようになりました。
  アメリカーハーバード大学による約10万人を22年間追跡調査した最新の研究でも、「10代のときに、コップー杯の牛乳を飲むごとに、大腿骨骨折のリスクが9%ずつ増加する」という衝撃的なデータが発表されています。
  牛乳には大量のカルシウムが含まれているにもかかわらず、牛乳をとればとるほど骨はもろくなるということですが、どうしてこのようなことがおこるのでしょうか。学会ではさまざまな説明がされていますが、私か有力と考えている理由をふたつ紹介します。
①牛乳にはリンが比較的多く含まれているため、カルシウムが排出される(体内でリンが減ればカルシウムが増え、逆にリンが増えるとカルシウムは減るというように、リンとカルシウムはおおむね逆に働く)。リンが多いとカルシウムの吸収を妨げたり、排出されたりするため、これを補うために、骨からカルシウムが溶け出すことになる。
②砂糖の摂取により低血糖がおこるのと同じで、牛乳に含まれる大量のカルシウムの摂取は、カルシウムの排出を促し、排出しすぎることによりカルシウムが失われる。
  次に、牛乳の摂取と身長の関係ですが、これも事実をもとに結論を言うと、牛乳の摂取により身長がのびることはありません。人の最終身長は遺伝子(設計図)により決まっているため、栄養が十分であれば、設計図の範囲内でのびるということです。
  牛乳をほとんど飲んでいない1950年と、ほぼ全員が牛乳を飲んでいる2015年の平均身長を比較してみましょう。
  男子の6歳では7・9㎝ (1950年108・6㎝→2015年116・5㎝ 以下同様)身長がのびています。17歳では8・9㎝ (161・8㎝→170・7㎝)です。6歳から17歳までの身長ののび幅は、65年間でわずかに1・O㎝になります。女子の6歳では7・7㎝(107・8㎝→115・5㎝)身長がのびています。17歳では5・2㎝(152・7㎝→157・9㎝)です。6歳から□歳までの身長ののび幅は、65年間で2・5㎝減っています。
  つまり、6歳までの身長ののびが、最終身長の差としてあらわれているだけで、小・中・高校生が学校給食などで牛乳を飲んでも身長をのばすことはないのです。戦前以前の日本人の身長が低かったのは、ただ単に栄養の絶対量が不足していたためと考えられます。


小麦を主食にしないこと


 農林水産省「平成24年度食料需給表」によると、日本人ひとりあたりの年間米消費量は56.3㎏、年間小麦粉消費量は32.9㎏であり、小麦粉は今や米と並んで、日本人の主食と言ってもよい状態になっています。しかし、小麦粉やそれを使った食べもの(パン、パスタ、うどん、お菓子など)の害を強調する意見も増えてきています。
  小麦粉に関してどのように考えたらいいでしょうか。
  小麦は、乾燥していて少し寒い地域で栽培される作物です。「身土不二」の原則から考えると、日本人は主食にしないほうがいいでしょう。パンやパスタは、私かあまりおすすめしていない洋食の代表ですし、小麦粉を使ったお菓子の多くには、こちらもおすすめしていない砂糖、牛乳、卵、バター、チーズなどがたっぷり加えられています。
  東洋思想の陰陽で考えると、小麦粉自体は中庸(バランスがとれていること)ですが、パンになると膨らませる作業が入りますので、陰性(からだを冷やす食べもの)として扱われます。とくにパンは、膨らませる作用の強いイースト菌のほうが、天然酵母よりも陰性が強くなると考えられています。パスタの場合、日本人が利用しているほとんどは乾燥パスタですが、多くは高温乾燥のため、たんぱく質などの栄養素が変性してしまっています。
 一物全体食、GI値(血糖値の上がりやすさ)の観点から見ると、精白された小麦粉よりも、全粒粉のほうが血糖を上げる作用が弱く、膵臓にも負担が少なくなるため、からだにいいと言えます。
 さらに、小麦粉になる前の小麦自体の種類や栽培法も重要です。古代小麦は、本来の人のからだに合った栄養素をもち、ビタミンやミネラルも豊富に含むとされていますが、現代の小麦は遺伝子組み換えまではいかなくても、人にとって都合のいいように改良を重ねた品種であるため、含まれるたんぱく質や糖質が人のからだに合っていない可能性があります。これにより腸壁を傷つけ、アレルギー性疾患や認知症など、あらゆる病気の原因となっているという意見があります。
 さらに、農業における農薬や化学肥料の使用や、輸出にともなうポストハーベスト(大量の農薬や防腐剤の使用など)の問題なども見逃せません。
 まとめると、日本人は小麦粉を使った食品の摂取は、あくまで嗜好品の範囲にとどめること。オーガニックや自然農の小麦で、できるだけ全粒粉を混ぜ、パンの場合は天然酵母、パスタの場合は低温乾燥のものや生パスタを選ぶといいでしょう。アレルギー性疾患や体調不良に悩む人は、古代小麦を試してみるのもいいかもしれません。


農業や環境にもよくない遺伝子組み換え作物


 遺伝子組み換え作物は、もっとも不自然な食べものであり、人の健康にとってあきらかに有害であるだけではなく、農業や環境にも深刻な被害をもたらします。
 遺伝子は一部を組み換えると、その組み換えた部分だけに変化がおこると考えられていました。
 しかし、じつはそうではなく、ほかの多くの遺伝子にも影響を与え、最終的にどのような結果(発がんやさまざまな健康被害)になるかは、まったく予想がつかないものだったのです。
  遺伝子組み換え作物の安全性試験は適切に行われているとは言えず、動物実験ではすでに多くの健康障害が報告されています。なかでも関係が強いとされているのは、がんや白血病の発生、臓器障害(とくに肝臓や腎臓)、寿命の短縮、不妊などです。
 遺伝子組み換え作物は、少数の巨大メーカーが開発し、特許を独占しています。たとえば、種にも特許があり、栽培した作物から種をとることができないため、毎年新たな種を購入しなければなりません。問題なのは、強力な除草剤と、それに耐性をもつ遺伝子を組み込んだ種のセット販売です。すぐにあらゆる除草剤や防虫剤が効かないスーパー雑草やスーパー害虫が登場し、さらに強力な除草剤や防虫剤が必要になります。
  遺伝子組み換え作物の最大の問題は、環境への影響です。一度環境に拡散すると、封じ込めも、回収も、除去も不可能で、在来の作物は育てられなくなります。汚染は半永久的に続き、何世代にもわたり、ほかの生物にも広かっていくことになります。
  遺伝子組み換え作物に対する評価は、米国と欧州でまったく反対の流れになってきています。
  欧州では排除する動きが強く、米国では規制をなくし、表示まで廃止する方向に動いています。
  日本においては規制がないも同然で、遺伝子組み換え作物はすでにたくさん入ってきており、知らず知らず、加工品などから大量に摂取しています。
 遺伝子組み換え作物の年間輸入量は1600万tで、これは国内の米消費量の約2倍に相当します。さらに、家畜のえさは、ほぼ遺伝子組み換えになっているのが現実です。消費者が食べている実感がないのは、日本の表示制度に問題があります。多くの加工食品では検出できないため表示義務はない、表示の対象が上位3品目に限られる、5%までの混入は表示不要……こういった例外規定が多すぎて、ほとんどの食品には表示しなくてもいいことになっています。
  TPP(環太平洋パートナーシップ)への参加により、現在の表示さえなくなる可能性もあります。
  今後、農作物は自分でつくるか、自然農や有機農でつくっている地元の生産者と顔の見える関係を築いて購入するなど、対策が必要になってくるでしょう。


健康に悪いだけでなく、味覚も破壊する食品添加物


 天然の食品添加物は、紀元前から使われてきました。合成添加物は、1851年、ロンドンの第1回万博に出品された「酢酸エチルエステル」がはじまりとされています。
 現在、厚生労働省の定めた食品添加物は804品目。添加物がこれほど多く存在する理由は、つくる人、売る人、食べる人のすべてにとって一見メリットがあるからです。
 安い、簡単、便利、見た目がいい、おいしい(濃厚な味)、保存期間がのびるなどの点がよしとされ、現在の外食産業や加工食品業界を支えています。現代社会は、安全性よりも経済性や効率、利便性が優先されがちです。これだけ病気が増えているなか、自分たちにとってなにをメリットと考えるのか、優先順位を考えなおさなければいけない時期にきていると言えるでしょう。
  添加物の種類はあまりにも多く、ひとつひとつの添加物の毒性の知識を覚えて食品を選ぶのは無理なので、ここでは原則だけを述べることにします。
  添加物は、インスタント食品、ファストフード、加工食品(缶詰、瓶詰、冷凍食品、レトルト食品)、デパ地下、清涼飲料水、スナックなどの菓子類などに多量に使われています。 たとえばコンビニのおにぎりには20~30種類、幕の内弁当には約200種類もの添加物が含まれます。
 いつまでたっても腐らない、味が変わらない、色もつやも落ちない、のりはパリパリ……。自分でつくったものでそのような食べものはないはずです。いかに不自然な食べものであるかがわかります。
 添加物の問題点は、いまだ安全性が確認されていないことです。安全性試験は1種類ずつ、おもに動物実験でたしかめられますが、複数の種類での実験はされていません。人によっては、1日に数百種類をとっていることも多々あります。それなのに、とくに合成添加物(化学物質)が人体にどのような影響をおよぼすのかはまったく予想できません。不自然なものをからだは毒物と認識し、おもな解毒器官である肝臓や腎臓に大きな負担をかけることになり、冷えの原因になります。さらに、人の健康にとって重要な腸内細菌にも大きな影響を与えます。
 もうひとつの大きな問題としては、味覚の破壊があります。添加物に慣れてしまえば濃厚な添加物の味にしかおいしさを感じなくなってしまいます。とくに子どもたちは、小さいうちから自然の味がわかる味覚を育てることが大事です。
 対策として、まずは食品を選ぶ際に表示のラペルを確認して、添加物が少ないものを選択しましょう。しかし、表示にも大きな問題があり、同じ用途の添加物の一括表示や原材料に含まれているものの表示免除など、抜け道がいくつもあります。健康にとっていい食の基本は、自然食。手間ひまはかかりますが、調味料や食材を選んで自分でつくるのがいちばんなのです。


栄養はサプリメントで補わないこと


 栄養素にはおもに以下の種類があり、それぞれに重要な役割があります。
  

 ●糖質……エネルギー源になる。糖鎖(細胞間の接着や情報伝達に重要)の原料にもなる
 ●たんぱく質……からだの構成成分になる。酵素・生理活性物質の原料にもなる
 ●脂質……からだの構成成分、エネルギー源になる。エネルギーの貯蔵をし、ホルモンやビタミンの原料にもなる
 ●ビタミン……栄養素の働きを助ける機能がある
 ●ミネラル……血液や体液の恒常性や機能を保つ
 ●食物繊維……腸の状態改善に重要。人は消化できない
 ●フィトケミカル……力一7 キン、リコピンなど、植物に含まれる化学物質。抗酸化力がある


 人類の長い歴史のなかで、かつては3大栄養素である糖質、たんぱく質、脂質が不足するという飢餓の状態=「従来型の栄養失調」でした。ところが、日本を含む現代の先進国では「飽食の状態」を迎えています。3大栄養素は足りており、むしろとりすぎているいっぽう、それ以外のビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルが相対的に不足するのが「現代型の栄養失調」です。このことが、現代病を引きおこす重大な要因になっています。
  現代型の栄養失調がおこりやすい理由として、以下のことが考えられます。


 ●精製食品を多くとっている
 ●農薬や食品添加物の摂取により、解毒のため体内でビタミンやミネラルが消費されている
 ●腸内細菌がダメージを受けており、体内のビタミン、ミネラルの量が減少している
 ●地元で収穫された旬の野菜をとらなくなった
 ●化学肥料や農薬を使用しているため、植物に含まれるビタミンやミネラルの量が激減した
 

 最近では、現代型の栄養失調に対して、サプリメントで補うという考えがあります。日本でも、さまざまな種類が販売されるようになってきました。
  しかし、サプリメントの多くが薬と同様に精製されたひとつの化学物質であり、製造過程にも不自然なものがたくさん使用されています。体調不良に対して、一時的にとることはいいでしょうが、現代の栄養失調に対しては、なによりも腸内環境をととのえることが大切です。そして栄養素は原則として、食べものから工夫してとることをおすすめします。


シャワーのときの塩素の害は、 飲むときの100倍


  日本の水道水には、殺菌のための塩素が含まれています。塩素は、大腸菌をO・lppm(1リットルに0・1mgの塩素が入った状態)で15分、O・2ppmなら一瞬で死滅させるとされており、その濃度が高くなればなるほど、人体にも深刻な影響を与えます。プールから上がったあとに、目が充血し、肌がカサつき、髪の毛がごわごわするなどの経験は、だれにでもありますよね。
 日本の水道水の塩素濃度基準は、家庭の蛇口でO・lppm以上であることとされていますが、問題は上限がないことです。世界的に見ても、上限が定められていない国は日本だけです。実際に日本各地の水道永の塩素濃度を測定すると、ほとんどがlppm以上で、諸外国の5~15倍にもなります。
 塩素はほかの分子と結合しやすく、人工的に酸素と結合すると、次亜塩素酸となります。これは消毒剤であり、漂白剤として使用されているものです。また、メタンなど水中の有機物と反応すると、トリハロメタンとなります。これは、発がん性物質として知られ、催奇形性(妊娠中の女性が服用したときに胎児に奇形がおこる危険性)もあります。
  塩素による健康被害として、胃腸障害、アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息)、動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞)、がん、奇形などが報告されています。
 塩素は、25度でガス化し、拡散するため、飲み水としての害以上に、密閉した浴室での害が大きいとされています。とくにシャワーの使用は、多量の水滴から気化するため、皮膚からの塩素の吸収は、飲んだときの100倍にも相当します。15分のシャワーを浴びると、水1召を飲んだときの塩素量に相当するという報告もあります。
  また、近年のアトピー性皮膚炎の増加のI因に、水道水の関与が強く疑われています。正常な皮膚の常在菌は、約10種類存在し、なかでも表皮ブドウ球菌とアクネ菌がおもなものとなります。
 これらは、皮脂や老廃物を食べ、脂肪酸を分泌し、皮膚を弱酸性に保つことにより、病原菌から守る役割を果たしています。ところが、水道水には塩素が含まれていて殺菌の力が強く、水そのものも弱アルカリ性に調節されていることが多いため、皮膚の常在菌にとって大きなダメージとなります。皮膚の常在菌が減ってしまい、バリア機能が破綻することにより、アトピー性皮膚炎が発症する原因になります。
  塩素の害を減らすためにも、台所の蛇口だけではなく、浴室のシャワーヘッドにも浄水器をつけましよう。浴槽には、自然の入浴剤である薬草、お茶の葉、天然塩、重曹、米ぬか、日本酒、かんきつ類、備長炭、木酢液などを加えるのもいいですね。


フッ素による健康被害や環境汚染が問題視されている


 虫歯予防のためにフツ素を使うことは、今や常識になりつつあります。現在では、歯磨き粉に添加されていたり、歯科医院で塗布したり、乳幼児への塗布を無料で行っている自治体も少なくありません。しかし、フツ素は本当に安全なものであり、虫歯予防に有効だと言いきれるのでしょうか? フツ素の問題点について考えてみたいと思います。
  一般的に「フツ素」と呼ばれているものは、非常に反応性の強い物質で、通常は単体では存在しません。さまざまな物質と結びつき、「フツ素化合物」として存在しています。
  フツ素は、自然の食べものにもごく微量ですが含まれています。しかし、からだにまったく必須なものではなく、むしろできるだけ摂取しないほうがいいのです。フツ素の害について、多くの研究者もしくは機関が、以下のように指摘しています。


  ●フツ素化合物は、植物と動物の両方の細胞内で遺伝子損傷(がんの原因)を引きおこす可能性がある(アメリカ合衆国環境保護庁・ウィリアムーハーズィ博士)
  ●フツ素の添加は、いかなる化学物質より早く、多くのがんによる死者をうみ出す原因となるアメリカ国立がん研究所所長・ディーンーバーク博士/連邦議会議事録 1976年7月21日)
  ●大気中のすべての汚染物質のなかで、世界中の動物に害を与えてきたものはフツ素である(アメリカ農務省)
  ●あらゆる大気汚染物質のなかで、農業に害を与える可能性として、フツ素がもっとも疑わしい(アメリカコーネル大学・レナードーウェインスタイッ博士)

  

 実際に、中国で「フツ化ナトリウム」は、農薬として使用されています。また、WHO(世界保健機関)のデータにおいて、水道水にフツ素添加している少数の先進国と添加していない大部分の先進国とで、虫歯の罹患率に明確な違いは認められていません。つまり、虫歯予防に水道水へのフツ素添加は関係ないということです。
  フツ素の害としては、松果体(脳内に存在する内分泌器官)、脳、甲状腺、骨への影響が考えられており、歯牙フツ素症、アルツハイマー病、動脈硬化、不妊、奇形、糖尿病、がん、認知症、知能の低下、甲状腺疾患、骨疾患などとの関連が疑われています。
  日本弁護士連合会は、学校などの集団的に実施されているフツ素洗口・塗布に関して、安全性、有効性、環境汚染のいずれの面からも、その必要性、合理性には重大な疑問があるとして、厚生労働省、文部科学省、各地方自治体および各学校長などに対し、中止を求めています。


化学物質が経皮毒を引きおこし、環境も汚染する


 経皮毒とは、日常品に含まれる化学物質が皮膚を経由して毒性を引きおこすものです。私たちの生活は便利で快適になりましたが、いつのまにか非常に多くの化学物質にまみれています。
  たとえば、合成石けん、歯磨き粉、ヘアケア用品、スキンケア用品、化粧品、日焼け止め、髪染め、ティッシュ、消臭剤、芳香剤、蚊取り線香、虫よけ、洗剤、プラスチックの食器、テフロン加工の鍋、ゴム手袋、入浴剤など。さらに、建材、紙オムツ、生理用品、衣服、寝具、畳、カーペット、フローリングなど、あらゆるところに化学物質が使われており、まさに毒物に囲まれて生活していると言っていいでしょう。
  経皮毒が問題になる理由は、①吸収されると分解や排出がされにくい ②種類が多く複合的な因果作用はまったくわからない ③すぐには影響が出ずに毎日少しずつ蓄積して害となる ④毒性は子、孫、未来の子孫へと引き継がれる、の4つです。
  経皮毒は、新生児がもっとも大きな影響を受けることがわかっており、小児、高齢者、成人の順に続きます。入浴時などの皮膚温が高いときほど浸透しやすく、湿疹やアトピー性皮膚炎など皮膚に病気や傷のある場合ほど、吸収率がぐっと上がります。また、界面活性剤や乳化剤は簡単に皮膚の角質層のバリアを通過するという特徴があります。
  経皮毒の健康障害として代表的なものは、脳機能の異常です。原因となる化学物質の多くは石油からつくられているため脂肪に溶けやすく、血液脳関門を通ったのちに、自閉症、多動性障害、学習障害、行動異常、アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病などに影響を与えている可能性があります。そのほか、アレルギー性疾患、がん、冷え症、心疾患、婦人科疾患(子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がん、乳がん、月経異常)との関連も疑われています。
  経皮毒の影響をできるだけ受けないために、プラスチック製ではなく、木や陶磁器、ガラス製の食器類を使いましょう。石けんや洗剤類は、純石けん、重曹、酢、クェン酸などを活用します。
 EM菌(人間や環境にやさしい微生物の集まり)やアクリルたわしもいいでしょう。防虫剤、芳香剤、防腐剤、入浴剤、日焼け止めなどは、薬草、ハープ、アロマオイルなど、自然なものを利用することをおすすめします。
  私たちが使っている化学物質は、排水口から流れたり、見えなくなったら終わりではありません。すべて環境汚染につながります。可能な限り自然のものを利用し、ひとつでも多くの経皮毒を減らしていく必要があります。子、孫、未来の子孫たち、そして、地球上のすべての生物のために、利便性だけではなく、地球環境にとっていいものを選択しましょう。実践してみると、それらのほうが、安全かつシンプルなうえ経済的で、効果も大きいことに気がつくはずです。


身の回りには電磁波がいっぱい


 電磁波とは、空間の電場と磁場の変化により形成される波動のこと。大別すると「電波」(ラジオ、テレビなど長周波の電波、電子レンジや携帯電話などのマイクロ波など)、「光」(赤外線、可視光線、紫外線)、「×線」、「r線」に分類されます。
  いまだ研究途中ですが、電磁波の有害性を示す報告は一貫して続いており、人体に悪影響をおよぼすことはあきらかです。欧米では、いち早く電磁波防護基準の法制化や測定方法の規格化が行われていますが、日本ではその取り組みが大きく遅れています。アメリカのいくつかの州では、送電線から400m以内は学校などを建設できません。イギリスでは、16歳以下の携帯電話の使用が禁止されています。ロシアでは、1976年に電子レンジの使用が禁止になりました。
  電磁波の健康被害の例で有名なのは、1979年に出されたアメリカのコロラド大学のウェルトハイマー博士による「送電線や変電所の近くに住む人の小児白血病の発症率が一般の2・98倍、脳腫瘍が2・4倍になる」という報告です。その後も、白血病や脳腫瘍などのがんが増加することが、くリ返し報告されています。また、アメリカのウイリアムーレイ博士は「電磁波過敏症」を指摘しています。症状は多岐にわたり、目、皮膚、顔、鼻、口、歯、粘膜の異常から、頭痛、疲労、うつ病、めまい、動悸、肩こり、しびれ、呼吸困難などで、スペインやスウェーデンでは病気として認定されています。
  電磁波の影響は、「1日の被ばく量=被ばくの強さ×時間」として計算されます。被ばくの強さは、距離の2乗に反比例して小さくなりますので、簡単な対策としては、強い発生源からは距離をおくこと、なるべく短い時間の使用にとどめることです。
  電磁波の発生源は、屋外では高圧送電線、変電所など、屋内ではあらゆる家電製品になります。
 家電製品のなかで強い電磁波を発生するものは、電磁調理器、電子レンジ、電気ストーブ、テレビ、そうじ機など。電気毛布、電気カーペット、電気こたつは長時間の密着による被ばくが、携帯電話、ドライヤーなどは頭部への被ばくが問題になります。
  まずは住居ですが、高圧送電線から200m以上離れると安全と言われます。屋内においては、家電にはアースをつける、不使用時はコンセントを抜く、電磁波対策ずみのものを選ぶ、そうじ機などの強力なモーターの製品は最低限の使用とする、などを心かけてみましょう。そのほか、電磁波は食品の質を変成させる点にも要注意。電子レンジや電磁調理器は、極力使用しないことをおすすめします。さらに、テレビは2m以上、パソコンのモニターは70㎝以上離す、携帯電話は耳から3㎝離すなどの対策も有効です。寝室は、長時間移動しない場所なので、せめて休んでいる間だけでも、携帯電話や家電製品をなるべく排除し、配線にも注意しましょう。


腸内細菌を整えることも放射能対策になる


 放射能とは、放射線(おもにα線、β線、γ線)を出す能力のことで、放射性物質が放射線を出しています。放射線を体外(地面や空気中)の放射性物質から受ける被ばくを「外部被ばく」と言い、食べものや呼吸を通じて体内に入った放射性物質からの被ばくを「内部被ばく」と言います。福島第一原子力発電所の事故の被災地に近い場所では外部被ばくと内部被ばくの両方が、遠い場所ではおもに内部被ばくが問題になります。
  からだにとリ込まれた放射性物質は、「物理的半減期」(放射性物質が自然に半分になっていく期間)と「生物学的半減期」(代謝や排出によりからだから出て半分になった期間)の両方で減っていきます。   放射線の害では、体内にとり込まれる放射線の人への影響量である「シーベルト」が重要ですが、あくまで推計値であり非科学的な値です。内部被ばく量は、放射線の量である「ベクレル」から計算されますが、この数値は、評価する機関によって大きく異なり、実際に「ひどく危険である」あるいは「ほとんど問題ない」という意見の違いになっています。国際基準値はICRP(国際放射線防護委員会)が出しており、日本政府やおもな専門家もこれに準じていますが、この値は不当に低いという意見もあり、放射線被害を非常に過小評価している可能性があります。また、事故後の福島県の子どもの甲状腺がんの発生率は、全国平均に比べて約30~120倍に増えており、放射能と無関係とは考えられません。
  放射線が害となる理由は、細胞内のDNA(遺伝子情報)が傷つく、活性酸素の発生、細胞膜や細胞内器官に対する障害、の3つがあげられます。さらに、がん、白血病、流産、低体重児、奇形、発達障害、心臓・神経・呼吸器・消化器疾患など、あらゆる病気を引きおこします。放射線は、年齢が若いほど影響が大きくなり、とくに胎児(妊婦) への影響が最大で、妊娠可能な年齢の女性も注意しなければなりません。
  放射線対策は、まずは被爆を避ける努力を最大限にすること。できれば、発生源から遠ざかるといいでしょう。次に、住環境、食べもの、日常的に子どもが遊ぶ場所などの放射線量を知っておくこと。さらに重要なのは、自然に沿った暮らしをし、腸内細菌をととのえ、免疫力、解毒力、排出力を上げることで、とり込んでしまった放射性物質をすぐに体外に出すことです。
  原子力発電所は一時の電力を得るために、その後、数万年間の管理を必要とします。ひとたび事故をおこすと、放射能を制御することはまったく不可能であり、健康や環境に与える影響は多大なのです。原子力発電所以上に不自然なことは、ないのではないでしょうか。「自分は若くないから」、「この土地を離れられないから」、「経済的発展のために必要」などの理由で現状に目を閉ざし、受け止めるしかない……というようなレベルの話ではないと思います。