認知症を予防の基本的な考え方・・腸内環境を整える | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

腸内環境を整える食物繊維


 食物繊維とは、炭水化物の一種で、人の消化酵素では分解されない食物の成分です。発酵食品とともに、おもに腸内環境を整えるための重要な役割を果たしています。
 食物繊維には水溶性と不溶性があり、どちらも大切です。以下のように、とても多くの健康にいい働きがあります。


●整腸作用がある(腸内有用菌群を増やす)
●便秘を解消する(便をやわらかくする、容量を増やす、排泄を促進する)
●大腸がん、直腸がんを予防する
●血糖値が安定する(糖の吸収をコントロールする)
●コレステロールの吸収を抑制する(胆汁酸を排出する)
●ミネラルの吸収を促進する
●満腹感を維持する
●よく噛む必要がある(唾液の分泌が増え、消化・吸収を促進する)
●解毒作用がある(農薬、発がん性物質、放射能などの毒物を吸着する)
●消化管の免疫が増強される
●活性酸素が減少する(活性酸素は病気の85~90%に関与している)


 ちなみに、食物繊維の摂取は、成人女性で1日17g以上、男性で19g以上が目標量ですが、現代人のほとんどは摂取量が足リていません。足りない最大の理由は、主食が玄米から白米にかわったためです。また、やわらかくて□あたりのいい食べものが増えたことも理由のひとつです。
 食物繊維を意識してとるようにしましょう。


 〈食物繊維の多い食べものの例〉


  穀物(玄米、玄麦、ひえ、あわ)、豆(大豆、とくに納豆)、根菜(ごぼう、にんじん、大根、こんにやく)、いも類(さつまいも、里いも)、海藻(ひじき、わかめ、ふのり)、その他(きのこ類、ごま、たけのこ、おから、オクラ、かぼちや、とうもろこし、ブロッコリー、ブルーベリー)など


砂糖は百害あって、一利なし


砂糖がからだにもたらす悪い影響


 現代は、甘いものにあふれており、現代人は、砂糖類をとりすぎています。
 人類の歴史のなかで一度にこれほど多くの砂糖をとる習慣はなく、からだはその変化に対応できていません。食べもののなかで、砂糖はもっとも健康に悪い影響をおよぼし、驚くほど多くの病気に関係しています。具体的に見ていきましょう。


①血糖値の急激な上昇(→膵臓の疲弊)


 砂糖を大量にとると、血糖値が急上昇し、降臓は血糖値を下げるホルモンであるインスリンを急いで大量に出します。これをくり返すことにより、眸臓が疲弊します。降臓が疲れきった状態になったのが糖尿病です。糖尿病は降臓だけの病気ではなく、じつは血管の病気です。
 全身の血管がぼろぼろになることにより、糖尿病以外にも、高血圧、肥満、脂質異常症、脂肪肝、動脈硬化、がん、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、腎臓病、肝障害、神経疾患、白内障、緑内障、認知症、アルツハイマー症、認知症など、あらゆる病気の原因となります。


②血糖値の急激な下降(→低血糖と副腎の疲弊)


  急速に上昇した血糖値は、インスリンが大量に分泌されることによって今度は急速に低下し、その結果、下がりすぎる状態になり、低血糖を引きおこします。低血糖は緊急事態であり、血糖を上昇させるホルモンであるアドレナリンが副腎から分泌されます。これをくり返すことにより、副腎が疲弊した状態「アドレナルファティーグ」になり、たとえば低血糖症、精神疾患(うつ病、ヒステリー、パニック障害、統合失調症など)、子どもの情緒異常(落ち着きがない、大声、奇声、どなる、たたく、キレる、暴力的、夜泣きなど)、疲労、頭痛、不眠など、多くの症状を引きおこします。


③ビタミン・ミネラルの欠乏


  砂糖は精製食品の代表であり、ビタミン(とくにビタミンB群)やミネラル(とくにカル シウム)が不足するため、骨やほかの臓器からこれらを奪うことになります。糖を細胞で利用するときにも、大量のビタミンーミネラルを消費します。欠乏すると、さまざまな体調不良の原因になります。


④からだを冷やす


 砂糖は、東洋医学の陰陽論において、もっともからだを冷やす作用が強いと言われています。
 冷えは万病のもとであり、たとえば、冷え症、アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、花 粉症、喘息、じんましんなど)、自己免疫疾患(リウマチ、SLE・全身性エリテマトーデス、関節炎など)、婦人科疾患(子宮筋腫、月経困難症、子宮内膜症、不妊、流産、奇形児など)、耳鼻科疾患(めまい、耳なり、難聴、中耳炎、副鼻腔炎など)、骨粗しょう症、便秘、痔、脱毛などの原因になります。


①感染症がおこりやすくなる


 血糖値が高い状態では、からだを防御する白血球の活動が低下します。そのため、さまざまな炎症がおこりやすくなります。たとえば、かぜ、中耳炎、気管支炎、肺炎、胃腸炎、膀胱炎、眸炎、肝炎、結核、水虫、歯槽膿漏などです。


血糖値の上がりやすさを示すGI値


 GI値とは、「グリセミックーインデックスの略で、食品を食べたあとの血糖値の上がりやすさを示した値です。ブドウ糖を摂取したときの上昇率を100とした相対値で、GI値が低いほど血糖値の上昇が遅く、インスリンの分泌もおさえられます。つまり、分泌をつかさどる膵臓に負担をかけにくいと言えます。
 おもな食品のGI値を下の表に示します。
 白砂糖は110で、ブドウ糖そのものよりも血糖値が上がります。白砂糖の害は広く認識されてきており、かわりに黒砂糖やほかの糖を使用しているという話をよく聞きます。
しかしG-値を見ると、黒砂糖は99、はちみつは88と、糖類はすべて高い値を示し、血糖値を上昇させる作用はどれも同じように強いことになります。ただし、黒砂糖やはちみつにビタミンやミネラルが含まれている点は、白砂糖よりはいいことになります。
  ほかにも、精白米は84、食パンは91、うどんは80とGI値がかなり高いいっぽう、玄米は56、ライ麦パンは58、全粒粉パンは50、そばは59と、精製されていない食品のGI値は低く、からだに負担をかけないことがわかります。
  砂糖を大量に含む清涼飲料水やスイーツをとると血糖値が急上昇し、膵臓から大量のインスリンが分泌されます。
 その結果、血糖値はちょうどいい値で止まらずに、下がりすぎることになります。高血糖よりも低血糖のほうがいのちにかかわる重大な事態ですので、副腎からアドレナリンを出して血糖値を上げることで対応します。1日に何度も甘いものをとると、そのたびに膵臓と副腎に大きな負担をかけることになり、糖尿病やアドレナルファティーグなどの深刻な病気をつくっていくことになります。

 

牛乳はあらゆる病気の要因になる


牛乳が引きおこす病気について


 牛乳は、牛の赤ちゃんの飲みものです。すべての哺乳類のなかで、違う種類の動物の乳を飲むのは人以外にありませんし、離乳期をすぎて乳を飲む動物も人だけです。牛乳を飲むことは、自然に反しています。
 敗戦直後の栄養の行き届いていなかった人や子どもたちにとって、一時的な栄養源となったことはたしかかもしれません。しかし、なぜ日本人はいまだに牛乳を大量にとリ続けているのか。
 牛乳の是非を議論する前に、その背景を知ることが大切だと思います。
 まず、牛乳が人間のからだに合わない理由をあげてみます。


●日本人の多くは、牛乳に大量に含まれる乳糖を分解できないために、下痢や腹痛をおこす
●牛乳には多くのカルシウムが含まれるにもかかわらず、最終的には逆に、カルシウムは体外へ排出され、これにより骨、歯はもろくなる
●牛乳は、妊娠中の牛からも搾乳されているため、女性ホルモンが含まれる。さらに強力に成長を促すインスリン様成長因子1(IGF-1)も大量に含まれる。これらは、がん、早熟・早老、不妊の原因となる
●飼料に問題がある(飼料に含まれる遺伝子組み換え作物、農薬、化学肥料、放射能など)
●牛乳のたんぱく質(カゼイン)は、人のものと異なる異種たんぱく質であるため、消化管を傷つけたり、アレルギー性疾患などの原因となる
●牛の乳脂肪は動物性脂肪であるため、動脈硬化を引きおこし、脳出血、心臓病などの原因となる
●高温殺菌されており、たんぱく質やビタミンなどの栄養素の変性、分解がおこっている
●脂肪が分離しないように「ポモジェナイス(均一化)」されていることにより、酸化を早めたり、牛乳脂肪の変成がおきたりしている


 これらの要因の複合により、牛乳は、以下にあげるさまざまな病気との関連があります。乳糖不耐症(下痢、腹痛)、アレルギー性疾患、がん、動脈硬化(脳卒中、心筋梗塞)、自己免疫疾患耳や鼻の病気(中耳炎、副鼻腔炎)、精神疾患(不眠、うつ病)、難病(ネフローゼ、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症)、その他(貧血、自閉症、多動性障害、白内障、慢性疲労)などです。
  多少高価になっても、信頼のおける農家からの地産地消で、牛にもやさしく、付加価値のある牛乳の生産が望まれます。理想を言えば、自然妊娠であること、適度な運動をし、農薬、遺伝子組み換え作物、放射能フリーの牧草を食べた乳牛の飼育であること。妊娠中の牛からの牛乳の供給を控えること。さらに牛乳は、低温殺菌でポモジェナイスされていないこと。こうした牛乳を流通のシステムにのせたうえで、安心安全なものを現代のように供給し続けることはできるのでしょうか。酪農家の方々のことも考えると、現状はすぐには変えられないでしょう。でも、未来の子どもたちの本当の健康のことを考えるとどうでしょうか。牛乳はできるだけとらないこと、とったとしても嗜好品の範囲内が望ましいと考えます。
 問題なのは、学校給食で牛乳が毎日出されることでしょう。厚生労働省によるカルシウムの摂取基準の決め方にも問題があります。給食に牛乳をつけるかどうかは任意ですので、気になる人は、学校の校長先生や保育園・幼稚園の園長先生と相談されて決めるのがいいと思います。その際に、アレルギー性疾患などの書類の提出も本来は必要ありません。


牛乳とがんとの関係


 世界40か国の「牛乳・乳製品の摂取量と乳がん発生率を分析した国際比較研究」では、牛乳・乳製品と乳がんの発生率との間に比例関係が見られることがあきらかになりました。
 牛乳ががん(とくに乳がんと前立腺がん)と関係する理論的根拠は、牛乳に含まれる「ホルモン」です。牛乳には、がんと関係する3つの重要なホルモンが含まれています。女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)と、インスリン様成長因子1(IGF‐1)です。
  現代の乳牛は、遺伝的に改良された牛(ホルスタイン)で、多くは人工授精により妊娠をくり返し、妊娠中も搾乳されています。これにより、牛乳には人がとるにはあまりにも多い量の女性ホルモンが含まれることになります。牛乳中の女性ホルモンは、120~130度の現行の高熱滅菌では分解されません。そのままの状態で、多量に含まれることになるエストロゲン、プロゲステロンは、ともに人のものとまったく同一のアミノ酸配列です。市販の牛乳中の女性ホルモン(エストロゲン)に発がん作用を認めたという報告もあります。
 牛乳中のもうひとつの重要なホルモンが、成長ホルモンの働きにより肝臓から分泌されるインスリン様成長因子1(IGF-1)で、妊娠の有無にかかわらず分泌されています。牛の赤ちゃんは、1日に1㎏以上体重を増やすこともありますが、IGF-1は、これを支えるミルクのなかでもっとも強力な成長因子です。成長ホルモンは牛と人で少し異なりますが、IGF-1は牛と人でまったく同一のアミノ酸配列で、加熱にも強いことがわかっています。つまりこれらのホルモンは、生の牛乳以外のあらゆる加工食品(クリーム、バター、チーズ、脱脂粉乳、ヨーグルトなど)にも、分解されずに含まれていることになります。
  近年、生理不順に悩む女性や、男性不妊などが増加しています。これらの要因としても、牛乳に含まれる女性ホルモンが関係しているかもしれません。


牛乳と骨との関係


  牛乳・乳製品をとればカルシウムが補えると思われていますが、それらの摂取量にほぼ比例して骨粗鬆症が多くなることが、「カルシウムーパラドックス」として知られるようになりました。
  アメリカーハーバード大学による約10万人を22年間追跡調査した最新の研究でも、「10代のときに、コップー杯の牛乳を飲むごとに、大腿骨骨折のリスクが9%ずつ増加する」という衝撃的なデータが発表されています。
  牛乳には大量のカルシウムが含まれているにもかかわらず、牛乳をとればとるほど骨はもろくなるということですが、どうしてこのようなことがおこるのでしょうか。学会ではさまざまな説明がされていますが、私か有力と考えている理由をふたつ紹介します。
①牛乳にはリンが比較的多く含まれているため、カルシウムが排出される(体内でリンが減ればカルシウムが増え、逆にリンが増えるとカルシウムは減るというように、リンとカルシウムはおおむね逆に働く)。リンが多いとカルシウムの吸収を妨げたり、排出されたりするため、これを補うために、骨からカルシウムが溶け出すことになる。
②砂糖の摂取により低血糖がおこるのと同じで、牛乳に含まれる大量のカルシウムの摂取は、カルシウムの排出を促し、排出しすぎることによりカルシウムが失われる。
  次に、牛乳の摂取と身長の関係ですが、これも事実をもとに結論を言うと、牛乳の摂取により身長がのびることはありません。人の最終身長は遺伝子(設計図)により決まっているため、栄養が十分であれば、設計図の範囲内でのびるということです。
  牛乳をほとんど飲んでいない1950年と、ほぼ全員が牛乳を飲んでいる2015年の平均身長を比較してみましょう。
  男子の6歳では7・9㎝ (1950年108・6㎝→2015年116・5㎝ 以下同様)身長がのびています。17歳では8・9㎝ (161・8㎝→170・7㎝)です。6歳から17歳までの身長ののび幅は、65年間でわずかに1・O㎝になります。女子の6歳では7・7㎝(107・8㎝→115・5㎝)身長がのびています。17歳では5・2㎝(152・7㎝→157・9㎝)です。6歳から□歳までの身長ののび幅は、65年間で2・5㎝減っています。
  つまり、6歳までの身長ののびが、最終身長の差としてあらわれているだけで、小・中・高校生が学校給食などで牛乳を飲んでも身長をのばすことはないのです。戦前以前の日本人の身長が低かったのは、ただ単に栄養の絶対量が不足していたためと考えられます。


小麦を主食にしないこと


 農林水産省「平成24年度食料需給表」によると、日本人ひとりあたりの年間米消費量は56.3㎏、年間小麦粉消費量は32.9㎏であり、小麦粉は今や米と並んで、日本人の主食と言ってもよい状態になっています。しかし、小麦粉やそれを使った食べもの(パン、パスタ、うどん、お菓子など)の害を強調する意見も増えてきています。
  小麦粉に関してどのように考えたらいいでしょうか。
  小麦は、乾燥していて少し寒い地域で栽培される作物です。「身土不二」の原則から考えると、日本人は主食にしないほうがいいでしょう。パンやパスタは、私かあまりおすすめしていない洋食の代表ですし、小麦粉を使ったお菓子の多くには、こちらもおすすめしていない砂糖、牛乳、卵、バター、チーズなどがたっぷり加えられています。
  東洋思想の陰陽で考えると、小麦粉自体は中庸(バランスがとれていること)ですが、パンになると膨らませる作業が入りますので、陰性(からだを冷やす食べもの)として扱われます。とくにパンは、膨らませる作用の強いイースト菌のほうが、天然酵母よりも陰性が強くなると考えられています。パスタの場合、日本人が利用しているほとんどは乾燥パスタですが、多くは高温乾燥のため、たんぱく質などの栄養素が変性してしまっています。
 一物全体食、GI値(血糖値の上がりやすさ)の観点から見ると、精白された小麦粉よりも、全粒粉のほうが血糖を上げる作用が弱く、膵臓にも負担が少なくなるため、からだにいいと言えます。
 さらに、小麦粉になる前の小麦自体の種類や栽培法も重要です。古代小麦は、本来の人のからだに合った栄養素をもち、ビタミンやミネラルも豊富に含むとされていますが、現代の小麦は遺伝子組み換えまではいかなくても、人にとって都合のいいように改良を重ねた品種であるため、含まれるたんぱく質や糖質が人のからだに合っていない可能性があります。これにより腸壁を傷つけ、アレルギー性疾患や認知症など、あらゆる病気の原因となっているという意見があります。
 さらに、農業における農薬や化学肥料の使用や、輸出にともなうポストハーベスト(大量の農薬や防腐剤の使用など)の問題なども見逃せません。
 まとめると、日本人は小麦粉を使った食品の摂取は、あくまで嗜好品の範囲にとどめること。オーガニックや自然農の小麦で、できるだけ全粒粉を混ぜ、パンの場合は天然酵母、パスタの場合は低温乾燥のものや生パスタを選ぶといいでしょう。アレルギー性疾患や体調不良に悩む人は、古代小麦を試してみるのもいいかもしれません。


農業や環境にもよくない遺伝子組み換え作物


 遺伝子組み換え作物は、もっとも不自然な食べものであり、人の健康にとってあきらかに有害であるだけではなく、農業や環境にも深刻な被害をもたらします。
 遺伝子は一部を組み換えると、その組み換えた部分だけに変化がおこると考えられていました。
 しかし、じつはそうではなく、ほかの多くの遺伝子にも影響を与え、最終的にどのような結果(発がんやさまざまな健康被害)になるかは、まったく予想がつかないものだったのです。
  遺伝子組み換え作物の安全性試験は適切に行われているとは言えず、動物実験ではすでに多くの健康障害が報告されています。なかでも関係が強いとされているのは、がんや白血病の発生、臓器障害(とくに肝臓や腎臓)、寿命の短縮、不妊などです。
 遺伝子組み換え作物は、少数の巨大メーカーが開発し、特許を独占しています。たとえば、種にも特許があり、栽培した作物から種をとることができないため、毎年新たな種を購入しなければなりません。問題なのは、強力な除草剤と、それに耐性をもつ遺伝子を組み込んだ種のセット販売です。すぐにあらゆる除草剤や防虫剤が効かないスーパー雑草やスーパー害虫が登場し、さらに強力な除草剤や防虫剤が必要になります。
  遺伝子組み換え作物の最大の問題は、環境への影響です。一度環境に拡散すると、封じ込めも、回収も、除去も不可能で、在来の作物は育てられなくなります。汚染は半永久的に続き、何世代にもわたり、ほかの生物にも広かっていくことになります。
  遺伝子組み換え作物に対する評価は、米国と欧州でまったく反対の流れになってきています。
  欧州では排除する動きが強く、米国では規制をなくし、表示まで廃止する方向に動いています。
  日本においては規制がないも同然で、遺伝子組み換え作物はすでにたくさん入ってきており、知らず知らず、加工品などから大量に摂取しています。
 遺伝子組み換え作物の年間輸入量は1600万tで、これは国内の米消費量の約2倍に相当します。さらに、家畜のえさは、ほぼ遺伝子組み換えになっているのが現実です。消費者が食べている実感がないのは、日本の表示制度に問題があります。多くの加工食品では検出できないため表示義務はない、表示の対象が上位3品目に限られる、5%までの混入は表示不要……こういった例外規定が多すぎて、ほとんどの食品には表示しなくてもいいことになっています。
  TPP(環太平洋パートナーシップ)への参加により、現在の表示さえなくなる可能性もあります。
  今後、農作物は自分でつくるか、自然農や有機農でつくっている地元の生産者と顔の見える関係を築いて購入するなど、対策が必要になってくるでしょう。


健康に悪いだけでなく、味覚も破壊する食品添加物


 天然の食品添加物は、紀元前から使われてきました。合成添加物は、1851年、ロンドンの第1回万博に出品された「酢酸エチルエステル」がはじまりとされています。
 現在、厚生労働省の定めた食品添加物は804品目。添加物がこれほど多く存在する理由は、つくる人、売る人、食べる人のすべてにとって一見メリットがあるからです。
 安い、簡単、便利、見た目がいい、おいしい(濃厚な味)、保存期間がのびるなどの点がよしとされ、現在の外食産業や加工食品業界を支えています。現代社会は、安全性よりも経済性や効率、利便性が優先されがちです。これだけ病気が増えているなか、自分たちにとってなにをメリットと考えるのか、優先順位を考えなおさなければいけない時期にきていると言えるでしょう。
  添加物の種類はあまりにも多く、ひとつひとつの添加物の毒性の知識を覚えて食品を選ぶのは無理なので、ここでは原則だけを述べることにします。
  添加物は、インスタント食品、ファストフード、加工食品(缶詰、瓶詰、冷凍食品、レトルト食品)、デパ地下、清涼飲料水、スナックなどの菓子類などに多量に使われています。 たとえばコンビニのおにぎりには20~30種類、幕の内弁当には約200種類もの添加物が含まれます。
 いつまでたっても腐らない、味が変わらない、色もつやも落ちない、のりはパリパリ……。自分でつくったものでそのような食べものはないはずです。いかに不自然な食べものであるかがわかります。
 添加物の問題点は、いまだ安全性が確認されていないことです。安全性試験は1種類ずつ、おもに動物実験でたしかめられますが、複数の種類での実験はされていません。人によっては、1日に数百種類をとっていることも多々あります。それなのに、とくに合成添加物(化学物質)が人体にどのような影響をおよぼすのかはまったく予想できません。不自然なものをからだは毒物と認識し、おもな解毒器官である肝臓や腎臓に大きな負担をかけることになり、冷えの原因になります。さらに、人の健康にとって重要な腸内細菌にも大きな影響を与えます。
 もうひとつの大きな問題としては、味覚の破壊があります。添加物に慣れてしまえば濃厚な添加物の味にしかおいしさを感じなくなってしまいます。とくに子どもたちは、小さいうちから自然の味がわかる味覚を育てることが大事です。
 対策として、まずは食品を選ぶ際に表示のラペルを確認して、添加物が少ないものを選択しましょう。しかし、表示にも大きな問題があり、同じ用途の添加物の一括表示や原材料に含まれているものの表示免除など、抜け道がいくつもあります。健康にとっていい食の基本は、自然食。手間ひまはかかりますが、調味料や食材を選んで自分でつくるのがいちばんなのです。


栄養はサプリメントで補わないこと


 栄養素にはおもに以下の種類があり、それぞれに重要な役割があります。
  

 ●糖質……エネルギー源になる。糖鎖(細胞間の接着や情報伝達に重要)の原料にもなる
 ●たんぱく質……からだの構成成分になる。酵素・生理活性物質の原料にもなる
 ●脂質……からだの構成成分、エネルギー源になる。エネルギーの貯蔵をし、ホルモンやビタミンの原料にもなる
 ●ビタミン……栄養素の働きを助ける機能がある
 ●ミネラル……血液や体液の恒常性や機能を保つ
 ●食物繊維……腸の状態改善に重要。人は消化できない
 ●フィトケミカル……力一7 キン、リコピンなど、植物に含まれる化学物質。抗酸化力がある


 人類の長い歴史のなかで、かつては3大栄養素である糖質、たんぱく質、脂質が不足するという飢餓の状態=「従来型の栄養失調」でした。ところが、日本を含む現代の先進国では「飽食の状態」を迎えています。3大栄養素は足りており、むしろとりすぎているいっぽう、それ以外のビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルが相対的に不足するのが「現代型の栄養失調」です。このことが、現代病を引きおこす重大な要因になっています。
  現代型の栄養失調がおこりやすい理由として、以下のことが考えられます。


 ●精製食品を多くとっている
 ●農薬や食品添加物の摂取により、解毒のため体内でビタミンやミネラルが消費されている
 ●腸内細菌がダメージを受けており、体内のビタミン、ミネラルの量が減少している
 ●地元で収穫された旬の野菜をとらなくなった
 ●化学肥料や農薬を使用しているため、植物に含まれるビタミンやミネラルの量が激減した
 

 最近では、現代型の栄養失調に対して、サプリメントで補うという考えがあります。日本でも、さまざまな種類が販売されるようになってきました。
  しかし、サプリメントの多くが薬と同様に精製されたひとつの化学物質であり、製造過程にも不自然なものがたくさん使用されています。体調不良に対して、一時的にとることはいいでしょうが、現代の栄養失調に対しては、なによりも腸内環境をととのえることが大切です。そして栄養素は原則として、食べものから工夫してとることをおすすめします。


シャワーのときの塩素の害は、 飲むときの100倍


  日本の水道水には、殺菌のための塩素が含まれています。塩素は、大腸菌をO・lppm(1リットルに0・1mgの塩素が入った状態)で15分、O・2ppmなら一瞬で死滅させるとされており、その濃度が高くなればなるほど、人体にも深刻な影響を与えます。プールから上がったあとに、目が充血し、肌がカサつき、髪の毛がごわごわするなどの経験は、だれにでもありますよね。
 日本の水道水の塩素濃度基準は、家庭の蛇口でO・lppm以上であることとされていますが、問題は上限がないことです。世界的に見ても、上限が定められていない国は日本だけです。実際に日本各地の水道永の塩素濃度を測定すると、ほとんどがlppm以上で、諸外国の5~15倍にもなります。
 塩素はほかの分子と結合しやすく、人工的に酸素と結合すると、次亜塩素酸となります。これは消毒剤であり、漂白剤として使用されているものです。また、メタンなど水中の有機物と反応すると、トリハロメタンとなります。これは、発がん性物質として知られ、催奇形性(妊娠中の女性が服用したときに胎児に奇形がおこる危険性)もあります。
  塩素による健康被害として、胃腸障害、アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息)、動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞)、がん、奇形などが報告されています。
 塩素は、25度でガス化し、拡散するため、飲み水としての害以上に、密閉した浴室での害が大きいとされています。とくにシャワーの使用は、多量の水滴から気化するため、皮膚からの塩素の吸収は、飲んだときの100倍にも相当します。15分のシャワーを浴びると、水1召を飲んだときの塩素量に相当するという報告もあります。
  また、近年のアトピー性皮膚炎の増加のI因に、水道水の関与が強く疑われています。正常な皮膚の常在菌は、約10種類存在し、なかでも表皮ブドウ球菌とアクネ菌がおもなものとなります。
 これらは、皮脂や老廃物を食べ、脂肪酸を分泌し、皮膚を弱酸性に保つことにより、病原菌から守る役割を果たしています。ところが、水道水には塩素が含まれていて殺菌の力が強く、水そのものも弱アルカリ性に調節されていることが多いため、皮膚の常在菌にとって大きなダメージとなります。皮膚の常在菌が減ってしまい、バリア機能が破綻することにより、アトピー性皮膚炎が発症する原因になります。
  塩素の害を減らすためにも、台所の蛇口だけではなく、浴室のシャワーヘッドにも浄水器をつけましよう。浴槽には、自然の入浴剤である薬草、お茶の葉、天然塩、重曹、米ぬか、日本酒、かんきつ類、備長炭、木酢液などを加えるのもいいですね。


フッ素による健康被害や環境汚染が問題視されている


 虫歯予防のためにフツ素を使うことは、今や常識になりつつあります。現在では、歯磨き粉に添加されていたり、歯科医院で塗布したり、乳幼児への塗布を無料で行っている自治体も少なくありません。しかし、フツ素は本当に安全なものであり、虫歯予防に有効だと言いきれるのでしょうか? フツ素の問題点について考えてみたいと思います。
  一般的に「フツ素」と呼ばれているものは、非常に反応性の強い物質で、通常は単体では存在しません。さまざまな物質と結びつき、「フツ素化合物」として存在しています。
  フツ素は、自然の食べものにもごく微量ですが含まれています。しかし、からだにまったく必須なものではなく、むしろできるだけ摂取しないほうがいいのです。フツ素の害について、多くの研究者もしくは機関が、以下のように指摘しています。


  ●フツ素化合物は、植物と動物の両方の細胞内で遺伝子損傷(がんの原因)を引きおこす可能性がある(アメリカ合衆国環境保護庁・ウィリアムーハーズィ博士)
  ●フツ素の添加は、いかなる化学物質より早く、多くのがんによる死者をうみ出す原因となるアメリカ国立がん研究所所長・ディーンーバーク博士/連邦議会議事録 1976年7月21日)
  ●大気中のすべての汚染物質のなかで、世界中の動物に害を与えてきたものはフツ素である(アメリカ農務省)
  ●あらゆる大気汚染物質のなかで、農業に害を与える可能性として、フツ素がもっとも疑わしい(アメリカコーネル大学・レナードーウェインスタイッ博士)

  

 実際に、中国で「フツ化ナトリウム」は、農薬として使用されています。また、WHO(世界保健機関)のデータにおいて、水道水にフツ素添加している少数の先進国と添加していない大部分の先進国とで、虫歯の罹患率に明確な違いは認められていません。つまり、虫歯予防に水道水へのフツ素添加は関係ないということです。
  フツ素の害としては、松果体(脳内に存在する内分泌器官)、脳、甲状腺、骨への影響が考えられており、歯牙フツ素症、アルツハイマー病、動脈硬化、不妊、奇形、糖尿病、がん、認知症、知能の低下、甲状腺疾患、骨疾患などとの関連が疑われています。
  日本弁護士連合会は、学校などの集団的に実施されているフツ素洗口・塗布に関して、安全性、有効性、環境汚染のいずれの面からも、その必要性、合理性には重大な疑問があるとして、厚生労働省、文部科学省、各地方自治体および各学校長などに対し、中止を求めています。


化学物質が経皮毒を引きおこし、環境も汚染する


 経皮毒とは、日常品に含まれる化学物質が皮膚を経由して毒性を引きおこすものです。私たちの生活は便利で快適になりましたが、いつのまにか非常に多くの化学物質にまみれています。
  たとえば、合成石けん、歯磨き粉、ヘアケア用品、スキンケア用品、化粧品、日焼け止め、髪染め、ティッシュ、消臭剤、芳香剤、蚊取り線香、虫よけ、洗剤、プラスチックの食器、テフロン加工の鍋、ゴム手袋、入浴剤など。さらに、建材、紙オムツ、生理用品、衣服、寝具、畳、カーペット、フローリングなど、あらゆるところに化学物質が使われており、まさに毒物に囲まれて生活していると言っていいでしょう。
  経皮毒が問題になる理由は、①吸収されると分解や排出がされにくい ②種類が多く複合的な因果作用はまったくわからない ③すぐには影響が出ずに毎日少しずつ蓄積して害となる ④毒性は子、孫、未来の子孫へと引き継がれる、の4つです。
  経皮毒は、新生児がもっとも大きな影響を受けることがわかっており、小児、高齢者、成人の順に続きます。入浴時などの皮膚温が高いときほど浸透しやすく、湿疹やアトピー性皮膚炎など皮膚に病気や傷のある場合ほど、吸収率がぐっと上がります。また、界面活性剤や乳化剤は簡単に皮膚の角質層のバリアを通過するという特徴があります。
  経皮毒の健康障害として代表的なものは、脳機能の異常です。原因となる化学物質の多くは石油からつくられているため脂肪に溶けやすく、血液脳関門を通ったのちに、自閉症、多動性障害、学習障害、行動異常、アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病などに影響を与えている可能性があります。そのほか、アレルギー性疾患、がん、冷え症、心疾患、婦人科疾患(子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がん、乳がん、月経異常)との関連も疑われています。
  経皮毒の影響をできるだけ受けないために、プラスチック製ではなく、木や陶磁器、ガラス製の食器類を使いましょう。石けんや洗剤類は、純石けん、重曹、酢、クェン酸などを活用します。
 EM菌(人間や環境にやさしい微生物の集まり)やアクリルたわしもいいでしょう。防虫剤、芳香剤、防腐剤、入浴剤、日焼け止めなどは、薬草、ハープ、アロマオイルなど、自然なものを利用することをおすすめします。
  私たちが使っている化学物質は、排水口から流れたり、見えなくなったら終わりではありません。すべて環境汚染につながります。可能な限り自然のものを利用し、ひとつでも多くの経皮毒を減らしていく必要があります。子、孫、未来の子孫たち、そして、地球上のすべての生物のために、利便性だけではなく、地球環境にとっていいものを選択しましょう。実践してみると、それらのほうが、安全かつシンプルなうえ経済的で、効果も大きいことに気がつくはずです。


身の回りには電磁波がいっぱい


 電磁波とは、空間の電場と磁場の変化により形成される波動のこと。大別すると「電波」(ラジオ、テレビなど長周波の電波、電子レンジや携帯電話などのマイクロ波など)、「光」(赤外線、可視光線、紫外線)、「×線」、「r線」に分類されます。
  いまだ研究途中ですが、電磁波の有害性を示す報告は一貫して続いており、人体に悪影響をおよぼすことはあきらかです。欧米では、いち早く電磁波防護基準の法制化や測定方法の規格化が行われていますが、日本ではその取り組みが大きく遅れています。アメリカのいくつかの州では、送電線から400m以内は学校などを建設できません。イギリスでは、16歳以下の携帯電話の使用が禁止されています。ロシアでは、1976年に電子レンジの使用が禁止になりました。
  電磁波の健康被害の例で有名なのは、1979年に出されたアメリカのコロラド大学のウェルトハイマー博士による「送電線や変電所の近くに住む人の小児白血病の発症率が一般の2・98倍、脳腫瘍が2・4倍になる」という報告です。その後も、白血病や脳腫瘍などのがんが増加することが、くリ返し報告されています。また、アメリカのウイリアムーレイ博士は「電磁波過敏症」を指摘しています。症状は多岐にわたり、目、皮膚、顔、鼻、口、歯、粘膜の異常から、頭痛、疲労、うつ病、めまい、動悸、肩こり、しびれ、呼吸困難などで、スペインやスウェーデンでは病気として認定されています。
  電磁波の影響は、「1日の被ばく量=被ばくの強さ×時間」として計算されます。被ばくの強さは、距離の2乗に反比例して小さくなりますので、簡単な対策としては、強い発生源からは距離をおくこと、なるべく短い時間の使用にとどめることです。
  電磁波の発生源は、屋外では高圧送電線、変電所など、屋内ではあらゆる家電製品になります。
 家電製品のなかで強い電磁波を発生するものは、電磁調理器、電子レンジ、電気ストーブ、テレビ、そうじ機など。電気毛布、電気カーペット、電気こたつは長時間の密着による被ばくが、携帯電話、ドライヤーなどは頭部への被ばくが問題になります。
  まずは住居ですが、高圧送電線から200m以上離れると安全と言われます。屋内においては、家電にはアースをつける、不使用時はコンセントを抜く、電磁波対策ずみのものを選ぶ、そうじ機などの強力なモーターの製品は最低限の使用とする、などを心かけてみましょう。そのほか、電磁波は食品の質を変成させる点にも要注意。電子レンジや電磁調理器は、極力使用しないことをおすすめします。さらに、テレビは2m以上、パソコンのモニターは70㎝以上離す、携帯電話は耳から3㎝離すなどの対策も有効です。寝室は、長時間移動しない場所なので、せめて休んでいる間だけでも、携帯電話や家電製品をなるべく排除し、配線にも注意しましょう。


腸内細菌を整えることも放射能対策になる


 放射能とは、放射線(おもにα線、β線、γ線)を出す能力のことで、放射性物質が放射線を出しています。放射線を体外(地面や空気中)の放射性物質から受ける被ばくを「外部被ばく」と言い、食べものや呼吸を通じて体内に入った放射性物質からの被ばくを「内部被ばく」と言います。福島第一原子力発電所の事故の被災地に近い場所では外部被ばくと内部被ばくの両方が、遠い場所ではおもに内部被ばくが問題になります。
  からだにとリ込まれた放射性物質は、「物理的半減期」(放射性物質が自然に半分になっていく期間)と「生物学的半減期」(代謝や排出によりからだから出て半分になった期間)の両方で減っていきます。   放射線の害では、体内にとり込まれる放射線の人への影響量である「シーベルト」が重要ですが、あくまで推計値であり非科学的な値です。内部被ばく量は、放射線の量である「ベクレル」から計算されますが、この数値は、評価する機関によって大きく異なり、実際に「ひどく危険である」あるいは「ほとんど問題ない」という意見の違いになっています。国際基準値はICRP(国際放射線防護委員会)が出しており、日本政府やおもな専門家もこれに準じていますが、この値は不当に低いという意見もあり、放射線被害を非常に過小評価している可能性があります。また、事故後の福島県の子どもの甲状腺がんの発生率は、全国平均に比べて約30~120倍に増えており、放射能と無関係とは考えられません。
  放射線が害となる理由は、細胞内のDNA(遺伝子情報)が傷つく、活性酸素の発生、細胞膜や細胞内器官に対する障害、の3つがあげられます。さらに、がん、白血病、流産、低体重児、奇形、発達障害、心臓・神経・呼吸器・消化器疾患など、あらゆる病気を引きおこします。放射線は、年齢が若いほど影響が大きくなり、とくに胎児(妊婦) への影響が最大で、妊娠可能な年齢の女性も注意しなければなりません。
  放射線対策は、まずは被爆を避ける努力を最大限にすること。できれば、発生源から遠ざかるといいでしょう。次に、住環境、食べもの、日常的に子どもが遊ぶ場所などの放射線量を知っておくこと。さらに重要なのは、自然に沿った暮らしをし、腸内細菌をととのえ、免疫力、解毒力、排出力を上げることで、とり込んでしまった放射性物質をすぐに体外に出すことです。
  原子力発電所は一時の電力を得るために、その後、数万年間の管理を必要とします。ひとたび事故をおこすと、放射能を制御することはまったく不可能であり、健康や環境に与える影響は多大なのです。原子力発電所以上に不自然なことは、ないのではないでしょうか。「自分は若くないから」、「この土地を離れられないから」、「経済的発展のために必要」などの理由で現状に目を閉ざし、受け止めるしかない……というようなレベルの話ではないと思います。