認知症の環境因子・・酸素不足 | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 「アルツハイマー型認知症」の発症原因は、記憶の司令塔とも言える重要な器官される海馬が、酸素不足やストレスによって傷害されることにあります。
  細胞内のミトコンドリアは酸素と糖を使って生きるためのエネルギーを作り出します。
  酸素不足はミトコンドリアの代謝異常を招きます。
  アルツハイマー型認知症になると、最初にダメージを受ける場所、それが海馬です。酸素不足で脳がダメージを受けると、最初に海馬あたりから死んでいくといわれています。


  米国カリフォルニア大学の調査研究によると、1993年から2000年までの期間の1年間に平均で224億トンの酸素が減少しているそうです。
 産業革命以後、化石燃料を燃やし続けた結果、確実に酸素濃度は減っていると思われます。このように、酸素は私たちが生きていく上でなくてはならない大切なものですが、最近、大気の酸素濃度が下がってきているのを皆さんはご存知でしょうか?


 また森林や海上と比較しても、都市の酸素濃度は下がっているのです。
 江戸時代は酸素濃度が29%くらいあったと考えられています。
 また、昭和30年代でも26%はあったと考えられています。
 現在では、東京都内では20.6%位です。
 江戸時代と比べると、いまの都会は低酸素状態と言えるほどです。


 酸素濃度 20% 手足の痺れがでる人もあらわれる
 酸素濃度 19% 動悸、息切れ、めまい
 酸素濃度 18% 安全な限界 思考能力の低下、計算能力の低下

             高山病の症状


□身近な場所での酸欠空間 3LDKの一般家庭で調査


  窓を開けて換気が行き届いた状態  21.0%
  窓を閉め、冷暖房をつけた状態で10分後  20.3%
  その部屋で3人の人が1時間過ごしたところ  18.0%
  キッチンで換気扇を止め、3つのガスコンロを使用  18.0%』


 酸素濃度は江戸時代に29%で昭和30年代に26%になり、2012年の都内では20.6%。5年後の2017年ではもっと低下しているでしょう。
 さらに10年後、20年後はどこまで下がっているでしょうか?
 手足の痺れや、動悸、息切れ、めまいが日常化するレベルまで下がるかもしれません。
 植物が酸素を作り、動物が酸素を消費して地球上の酸素濃度はバランスを取ってきました。
 産業革命以降、森林の伐採が進み、工場で化石燃料をバカみたいに燃やし、自動車が何億台も走っているのだから、それは酸素濃度は下がるでしょうね。
 酸素を吸っている人間も爆発的に増えていますし。
 江戸時代に29%というのはよくわかりませんが、もし本当だとすれば8%以上も下がった事になります。
 これから酸素濃度が上がる要素はまったくありませんから、下がる一方です。


 ミトコンドリアは酸素を利用してATP(生体エネルギー)を作りますから、酸素不足が最も恐ろしい病因です。
 都会の高層マンションに住んでいる人の流産の確率は、普通の暮らしの人たちの10倍以上という研究結果もあるようです。
 20階以上の高層マンションなどは、かなり酸素が薄くなるでしょう。
 閉め切った高気密住宅で5人が暮らしている環境、などでは軽い酸素不足状態かもしれません。やはり換気は大切です。
 そして深呼吸の回数を増やし、正しい呼吸法も身につけた方が良さそうです。


  人間が生き続けるためには、ミトコンドリアがATPを作り続けなければなりません。
  それには酸素と水素(電子)が必要不可欠です。
  補酵素として、ビタミンやミネラルやビタミン様物質やクエン酸なども必要です。
  しかし何が1番必要かと言えば、やはり酸素です。
  酸素不足にならない方法を見つけなければなりません。
  森林に住むのも良いかもしれません。

 
   このような酸素不足を引き起こした最大の要因は、大気汚染の問題があります。

 
大気汚染がアルツハイマー病などの認知症につながる可能性

 
 大気汚染物質によって健康が害されることが知られていますが、アメリカの研究で大気汚染によって高齢女性の認知症リスクが高まる可能性が指摘されています。


  アメリカの南カリフォルニア大学(USC)のジゥチュアン・チェン准教授らの研究チームは、「大気汚染物質が脳に与える影響が認知障害に寄与しているのではないか」という仮説を立て、これを調べるためにアメリカ48州の65歳から79歳の高齢女性3647人のデータを分析しました。なお、調査開始時に認知症にかかっていない女性が被験者に選ばれており、地理的・人種的・教育的・社会的要因による潜在的な偏りは排除した上で調査は行われたとのこと。


 その結果、アメリカ合衆国環境保護庁の指定する微粒子状物質基準を上回る地域に住む高齢の女性は、認知機能低下のリスクが81%、アルツハイマー病を含む認知症発生のリスクが92%高いことが判明。このリスク水準を全米の人口にあてはめると、認知症の症例全体の21%が大気汚染が原因となっている可能性があると結論づけています。


 USCレオナルドデービス校のケーブル・フィンチ教授は、「化石燃料を燃やすことで大気に発生する微小粒子状物質(PM2.5)は、鼻から吸い込まれて直接、脳に届きます。脳細胞は微小粒子状物質を異物として扱い炎症反応が起こります。そして、時間の経過とともにアルツハイマー病が悪化すると考えられます。大気汚染がアルツハイマー病に悪影響を与えるというのは新しい知見かもしれませんが、タバコの煙のような汚染された空気が脳を老化させる危険があることはよく知られています」と述べています。


 世界保健機関(WHO)によると、世界で認知症に苦しむ人は4800万人おり、毎年770万人の患者が増えているとのこと。今回の研究で大気汚染と認知症の関係性が示唆されましたが、この因果関係を確かなものにし、大気汚染物質が脳に入りこんで悪影響を及ぼすメカニズムを調べるために、より正確でより多くの研究の必要性が訴えられています。


大気汚染で認知症になりやすくなる?PM2.5に要注意


 PM2.5による体への悪影響についてのいくつかの論文と、PM2.5と認知症発症のリスクについての論文をご紹介します。


 PM2.5とは


 大気汚染の原因物質として、PM2.5という名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。PM2.5とは直径2.5μm(マイクロメートル)の粒子状物質のことで、PMは粒子状物質を英語にしたParticulate Matterの頭文字をとっています。

 PM2.5は、物の燃焼によって直接発生する場合と大気中でさまざまな物質が化学反応を起こすことによって生成される場合があります。例えば、ボイラーや焼却炉、自動車や航空機、海洋や火山の噴煙などから直接発生したり、火力発電や工場、自動車などから燃料の燃焼によって排出される化学物質などが大気中で光やオゾンと反応して生成されたりします。


  PM2.5が大気汚染物質として問題にされている理由は、粒子の大きさがとても小さいため肺の奥深くに入り込んで体に悪影響を与えるといわれているからです。どれくらい小さいかというと、ヒトの髪の毛が直径約70μm、海岸の砂が約90μmといわれているので比べてみるとよくわかります。PM2.5は、粒径が2.5μmなので髪の毛よりも砂よりもはるかに小さいということです


PM2.5による体への悪影響


  PM2.5はとても小さい粒子なので肺の奥深くに容易に入り込んでしまうため、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器系の症状を起こしやすいと考えられていました。特に小児や高齢者は、PM2.5による悪影響を受けやすいのではないかと心配されています。


  一方で、PM2.5による呼吸器以外の体への悪影響に関する報告が世界各国から発表されています。


 2015年のアメリカからの研究では、PM2.5にさらされると不安を感じやすくなることを明らかにしており、PM2.5と精神疾患との関連を報告しています。
 また、同年にイタリアの研究チームから、長期間PM2.5などの大気汚染物質にさらされると心筋梗塞などの心血管疾患の発症リスクが上昇することが報告されています。
 2016年には、中国の研究チームから、PM2.5に長い期間さらされていると膜性腎症とよばれる腎臓の病気の発症リスクが上昇することが明らかにされています。

 2015年にアメリカの研究チームは、大気汚染の改善に取り組んだ南カリフォルニア地域において、過去数十年の対策によってPM2.5などの大気汚染物質を大幅に減少させた結果、小児の肺機能の改善を認めたことを報告しています。


PM2.5によって認知症の発症リスクが高くなる原因とは


 アメリカの研究チームは、PM2.5を長期間吸い込むことによって脳のサイズが小さくなることを2015年5月に「Stroke」誌に発表しました。

 すでに、PM2.5によって認知機能低下が早まることは今回の研究チームとは別のアメリカの研究チームによって2012年に報告されていました。
 しかし、PM2.5が直接脳にどのような異常をもたらすのかという点は明らかになっていませんでした。

 
 今回、研究チームは60歳以上の認知症や脳血管障害のない900名以上を対象に、居住区におけるPM2.5の量と研究参加者の脳のMRI検査結果を解析しました。MRI検査は放射線ではなく磁場を利用して撮影する画像検査で、脳の内部の構造変化を確認したい時に病院で使用されることが多いです。

 結果としては、PM2.5の濃度が高い地域の住民は、PM2.5の濃度が高くない地域の住民に比べて、大脳の容積が小さくなっていることが明らかになりました。つまり、大気汚染物質に長期間さらされていると大脳が萎縮するため、認知症を発症するリスクがあがるのではないかということがわかりました。

 PM2.5は非常に小さい粒子なので、鼻から吸引して神経を通ってそのまま脳に到達するといわれています。日本においてもPM2.5の濃度が高い地域では、マスクをするなどの対策が推奨されています。


大気汚染は認知症やアルツハイマー病を誘発するおそれがある


 田舎暮らしの勧め?


 微小粒子状物質(PM2.5)の濃度が環境基準を突破し、数メートル先も見えないスモッグに覆われた世界各国の大都市。これは大気汚染の極端な例ですけど、そこまで深刻ではなくても自動車の排ガスなどに日々さらされるだけで、実は脳に重大なダメージが蓄積されていっている危険性があるそうです。Scienceより、このほど新たな警鐘が鳴らされました。


  PM2.5などが喘息、肺がん、心臓病などを引き起こすことは広く知られてきました。とはいえ、近年の研究で懸念されているのは、認知症やアルツハイマー病と大気汚染の関連性です。


 古くは2000年代初頭のメキシコシティーにて、市内でも大気汚染のひどいエリアに居住していた犬たちに起こった症状。老いとともに精神錯乱に陥って、方向感覚を失ったり、自分の飼い主すら認識できなくなったりすることが相次いでいると指摘がありました。
 モンタナ大学の神経学者のLilian Calderon-Garciduenas氏は、同症状で死亡した犬たちを解剖し、脳内にアルツハイマー病との関連性が疑われるアミロイドβタンパク質の蓄積が見られると発表。物議を醸したものの、これだけでは大気汚染が脳におよぼす影響を特定できないとの意見も相次ぎました。


 しかしながら、このほど南カリフォルニア大学の研究チームは、交通量の多い高速道路から排ガスを収集し、人の髪の毛の細さの200分の1以下というレベルの小さな汚染物質を摘出。実験室のマウスに数週間にわたって浴びせ続け、脳に生じる変化を調査しました。


 すると、先のメキシコシティーの犬のケースと同様に、クリーンな空気で生活したマウスと比較して、汚染物質を浴びせられたマウスの脳内にアミロイドβタンパク質の蓄積量が異常に多くなることを発見。また、記憶の喪失と関連づけられる脳の炎症なども認められました。PM2.5の環境基準でも測定できない、もっと微粒子の汚染物質は、鼻から吸い込むと、ひどい場合はダイレクトに脳神経まで達するので、こうした現象を引き起こしている可能性が高いと発表されています!


 今後は人間に同じような作用が生じるのかを中心に、研究調査が進められていく予定です。とはいえ、明確な科学実験データこそそろってはいないものの、大気汚染と認知症やアルツハイマー病との関連性は、各所で疑われてきました。一部では、タバコの煙と大気汚染の両方にさらされると、さらに発症の危険性が高まるとの指摘まで出ています。


 こうした研究結果を受けて、カナダのトロント大学では、オンタリオ州に住む人々の認知症の発症率を試算。主要道路から50メートル以内のエリアに居住する人は、主要道路から200メートル以上離れたエリアに居住する人と比べて、認知症になる確率が12%アップするとのデータを発表しています。大都会での暮らしは便利ですけど、空気のきれいな山里などで生活するほうが、やはり長く健康に生きられるのかもしれません…。


 このように、酸素不足が原因というよりは、PM2.5などの微粒子の汚染物質が関与していると考えられているようです。

 
 いずれにしても、大気汚染の問題は今後とも改善する見込みは少なくとも考えられません。こういったことから、必然的に、アルツハイマー型認知症は増加する一方ということのようです。