昨年12月17日午前、大阪市北区の繁華街・北新地にある雑居ビル4階の心療内科・精神科の医療機関「西梅田こころとからだのクリニック」で起きた放火事件。
この事件に関連して、これまでも
マスコミで報道されない事実・・
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12716680470.html
を肇として、いろいろな角度から述べて参りました。多くの読者にとっては、私の考えるようなことは全く無関心で、ブログで幾ら小遣い稼ぎをするか、ブログの内容を如何にして世間に徹底しようか、といった本来の趣旨とは異なる方々しか興味をひかず、逆に、こうした方々の格好の餌食に成り下がってしまったようです。
考えようでは、こうした世間常識しかないが故に、今回のような事件が起きたのかもしれません。
このような泣き言を言っている場面ではありませんので、本筋に戻します。それは、患者と医師の関係は、どのようにあるべきなのか、についての考察です。
本来、医師と患者の関係は、患者さんが病気になったときに相談する先が医師です。この場合、病気の種類で異なるためなのでしょうか、ガンであればどこの病院、単なる風邪であれば、どこのクリニックか、・・といったように無意識のうちに選択しています。
ところが・・ところがです。「頭痛」の場合、脳神経外科のクリニックを受診されたり、神経内科もしくは心療内科を受診されます。裕福な方々では「頭痛外来」を受診されます。お金のない貧乏人は、整骨院・カイロでお茶を濁される方もおられます。しかし、このように通院されたからといって、必ず、好くなる保証はどこにもありません。治しもしないのに高額な医療費だけは毟り取る施設もあります。なかには、生活習慣を見直すだけで、「頭痛」を治す医療機関も多く出てくるようになりました。
このように、ただ単に「頭痛」だけでも、このような状況に置かれています。
それでは、今回被害に遭われた医療機関の先生というか医師は、どういった先生だったのでしょうか。先程の記事でも院長の西沢先生を悪く言う患者さんはいないようです。皆さん口を揃えて、大変評判のよい先生ということです。問題は、精神科・心療内科を取り巻く医療環境がどのような医療状況に置かれているのかは、これまで、マスコミでは報道されず、薬物依存、麻薬中毒との関連、等々一変して犯罪組織の恥部へと直結していきます。こうしたなかで、評判のよい先生ほど、必ず”ウラがあります”。
いずれにしても、精神科・心療内科で、患者受けのする医師像とはどのようなものなのでしょうか? それは、医師の立場から医学的知識を患者さんに押しつけないことが鉄則と思われます。このようなやり方は、”上から目線”とされ、最も忌み嫌われている診療方針とされています。このことをまず、確認しておく必要があります。
マスコミで報道されない事実・・
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12716680470.html
その上で、患者さん自身のブログを熟読して下さい。それは・・
「適応障害と鳴りやまない耳鳴り日記」 博多くまさん
https://ameblo.jp/remindsounds/entry-12376734140.html
このブログは博多くまさんが「うつ寄りの適応障害」と診断され、この治療経過を綴ったものです。私の眼からみれば、全経過中にくまさんを悩ませた「耳鳴り」は「脳過敏」のなせるワザであり、絶えず出没する「頭痛」は「脳内セロトニンの低下」によるものです。
「不眠」は、セロトニンやメラトニンというホルモンが関与しています。
昼夜逆転の生活をしていたり、日中部屋の中にばかりいると、セロトニンとメラトニンの分泌のバランスが崩れ、「不眠症」になったり、「片頭痛」が起きやすくしてしまうのです。
太陽の光(のような非常に強い光・明かり)を浴びると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌がストップし、代わりに脳の覚醒を促すセロトニンの分泌が活発化されるのです。
毎朝日光を浴びる行為は、セロトニンを鍛えるだけで無く、生活リズムを整えることにもつながります。以下、下の記事をご覧下さい。
その8 睡眠の役割
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12258603600.html
このような睡眠の機序について医学的に指導すれば、一挙にすべてが解決するはずでありながら、くまさんの主治医はこうしたことは指導することなく、すべて本人任せです。なぜなのでしょうか??
ここに、医師と患者さんの本来の関係があるようです。
ただ単に「寄り添っているだけ」です。これが本来のあり方とでも申されるようです。あたかも、「頭痛」領域と全く同様の対応をされます。
ところが、これとは別に、某心療内科・精神科医は以下のように述べ、診療方針を明確にされる先生もおられます。
うつ状態、うつ病について
うつ状態、うつ病は「ガス欠状態の車」によく例えられます。
これは、どういったことなのでしょうか。
うつ状態とは、無理を重ねることによって、私達の体が作ることのできるエネルギー以上の作業を強いられることによって、エネルギー不足に陥っている状態を意味しています。
これを車に例えて言いますと、以下のようになります。
自動車は、ガソリンを使ってエンジンを動かします。ガソリンに相当するのが食事のグルコース・脂質で、エンジンに相当するのがミトコンドリアです。
ガソリンを使ってエンジンを動かしたら、排気ガスが出ます。
同じように、ミトコンドリアも、エネルギーを作り出したら、排気ガスと同じようなものが出てしまうのです。それが、活性酸素です。
例えば、360ccの軽自動車をブンブンふかしていたのではダメで、エンジンを大きくして(=ミトコンドリアを増やして)少ないガソリンで効率よくエネルギーを出し、排気ガス(活性酸素)の少ない良質なエンジンを積んでおくことが重要になってきます。
生活環境の影響や年齢を重ねると、このミトコンドリアの数が減少していき、さらにミトコンドリアの働きも低下していきます。ガソリンばかり食ってあまりエネルギーが出ないような質の悪いエンジンになってしまうわけです。
細胞内小器官である「ミトコンドリア」は私達に生きるエネルギーを与えてくれますが、反面、活性酸素を最も多く発生する細胞内小器官でもあります。
ミトコンドリアを増やすと、体全体のエネルギー発生量を増やすことができます。ミトコンドリアを増やし、活性化させると、エネルギー合成時に発生する活性酸素の消去する機能も高まります。
しかし、弱ったミトコンドリアの活性酸素を消去する機能は低く過剰の活性酸素が発生し、その活性酸素によってミトコンドリアがさらに弱っていくという悪循環が始まります。
このように、活性酸素によってミトコンドリアがさらに弱っていくことになります。
ストレスの多い生活環境の影響で、このミトコンドリアの数が減少していき、さらにミトコンドリアの働きも低下することによって、エネルギー産生が十分に行われなくなることによって、”ガス欠の状態”、「ガス欠状態の車」になって、うつ状態・うつ病を発症させることになります。
このように、うつ状態・うつ病発症の根本的な原因は、ミトコンドリアの働きが低下することにあります。
ミトコンドリアの機能を悪化させる要因として、以下のものがあります。
1.生活環境の問題
活性酸素・・抗酸化食品の摂取不足
有害物質の摂取・・デトックスを怠る
2.生活習慣の問題
睡眠不足・・睡眠の重要性
運動不足
食べ過ぎ・過食
インスリン過分泌・・早食い・ドカ喰い
薬剤による影響・・とくに市販の鎮痛薬
3.食生活の問題
マグネシウム不足・・マグネシウムの重要性
鉄不足
必須脂肪酸の摂取のアンバランス
「健康的な生活を送る」ためには
「健康的な生活を送る」ためには、”ミトコンドリア”が重要な”鍵”となり、生命の根源ともなるべき役割を果たしています。
すなわち、ミトコンドリアは、私達の体を構成する細胞の中にあり、食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出しています。エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。
私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
「セロトニン神経系」の神経核は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
セロトニン神経系は、”大脳皮質を覚醒させ、意識のレベルを調節する、自律神経を調節する、筋肉へ働きかける、痛みの感覚を抑制する、心のバランスを保つ”などの重要な働きをし、「健康的な生活」を送るためには欠かせない働きをしています。
こういったことから、うつ状態になることによって、セロトニン神経系の機能は必然的に低下することになります。
「健康的な生活」とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。
この「生体のリズム」は「ホメオスターシス」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。
ホメオスターシス・恒常性には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっており、3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角」と呼ばれます。
ホメオスターシスはストレスなどに大きく影響されます。例えば自律神経を失調させるストレスは内分泌を乱し、免疫力も低下させてしまいます。
この3つのバランスが崩れてホメオスターシス機能が保てない状態になると、先述のような、”うつ状態”が現れることになります。
一方「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの、自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系は”ホルモン”と”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めています。
”セロトニン神経系”の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
「脳内セロトニンが低下」することによって、うつ状態・うつ病の際に現れる多彩な症状を形成してきます。例えば、痛みを感じやすいといった症状・「頭痛」です。「脳過敏」のためとされる「耳鳴り」です。
内分泌ホルモンに相当する”生理活性物質”のひとつのエイコサノイドは、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6で作られ、この摂取バランスがよくないと、局所ホルモンのエイコサノイド・プロスタグランジンのバランスを乱すことになります。
必須脂肪酸は生体膜(細胞膜)を構成しており、オメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、ミトコンドリアの機能・セロトニン神経系の機能にも影響を及ぼし、結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。
”腸内環境”は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。
また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。
腸内環境が悪くなれば、セロトニンの産生が低下してきます。
それは、脳に存在し、精神を安定させる神経伝達物質、セロトニンの95%が腸で作られることが指摘されています。
常在細菌もトリプトファンからナイアシン(ビタミンB3)をつくってくれるからです。常在細菌がナイアシンをたくさんつくってくれれば、その分を体内でつくる必要がなくなって、脳内セロトニン用の材料となるトリプトファンを余分に確保できるのです。
このように、「ホメオスターシス三角」を構成する”この3つ”は、生活習慣とくに食生活・ストレス等によって影響を受けています。
このため、「健康的な生活を送る」ためには自然治癒力を高めることが重要で、このためには「ホメオスターシス三角」を構成する”この3つ”を「健全化」させておくことが大切になり、特に食生活に配慮する必要があります。
「姿勢への関与」・・「耳鳴り」との関与で重要です
ミトコンドリアは、全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ「抗重力筋群」に多く存在し、ミトコンドリアの働きが悪くなれば当然のこととして「体の歪み(ストレートネック)」引き起こしてきます。
セロトニン神経は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることによって、重力に対して姿勢を保つために働く筋肉に働きかけていることから、セロトニンが不足してきますと、セロトニン本来の働きである「正しい姿勢の保持」が困難となり、「体の歪み」を招来し、結果的に「ストレートネック」を引き起こします。
私達の生活環境は活性酸素に満ち溢れており、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、生活習慣の問題により引き起こされた「脳内セロトニン低下」と相まって、体の歪み(ストレートネック)を引き起こしやすい状況にあります。すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
こういったことから、うつ状態・うつ病になりますと、姿勢が悪くなってきます。・・・耳鳴りに進展する以前に対処すべきです。
うつ状態とは”未病”の段階にある
このような、うつ状態は、東洋医学では、本来、”未病”ともいうべき範疇にあるものです。
”未病”の段階にある、このようなうつ状態とは「健康的な生活」を送ることを阻害する”生活習慣”に根本的な原因があるということです。
このため「うつ状態」を改善させるためには「健康的な生活」を送ることを阻害する”生活習慣”を改善することが重要になってきます。
憂うつ、うつ状態、うつ病の相違点
普通の人間であれば誰でも、失敗したり、思いがけない事態に遭遇したりすると、辛くなり、悲しくなり、落ち込んで憂うつになり、悲哀を感じます。感じる心の痛みの程度は、人によっても異なり、出来事の大小や強弱によっても違ってきます。こうした心の所作が日々刻々、日常茶飯であることを考えるとき、人間はこの抑うつから逃れられない存在ともいえます。問題は、その抑うつがどこまで「普通の憂うつ感」なのか、どこからが「病的なうつ状態」なのかが問われていると言えます。しかし実際には、この二つのうつは連続性のあるものであって、これを明確に区別することは難しいことです。
「普通の憂うつ」と「うつ状態」の違い
①普通の憂うつの場合、大きなストレスや嫌なことがあると、憂うつになり、気分が滅入ったり落ち込んだり、やる気をなくしたり、夜眠れなかったり、食欲もなくなったり、疲労感や倦怠感を抱くことがあります。しかし、それは耐えられる範囲ですが、これがうつ状態になると、憂うつの程度がもっと強くなり、苦しみも激しくなり、耐える事が困難になってきます。
②憂うつの持続時間ですが、普通の憂うつはそれほど長く続きませんが、うつ状態になると、かなり長時間にわたって苦しむことになります。
③日常生活に与える影響ですが、普通の憂うつですと、仕事や生活、対人関係については何とか維持できますが、うつ状態になるとそれらを維持することが困難になってきます。
④うつになった理由や原因について、普通の憂うつでは理解できますが、うつ状態になると、ある程度は理解できても「なぜ自分はこんなにひどく落ち込むのか?」「なぜこんなに長く苦しむのか?」が理解できません。自分はどうしてよいのか分からなくなって、それがまたうつ状態を進行させる原因になります。
⑤憂うつ気分になっても、普通の憂うつでは、何か気晴らしになることをしたり、友達と会話をするなどして気分転換をはかれば、気持ちが楽になることがありますが、うつ状態ではそんなことで気分転換にはなりません。逆に気晴らしをしようとすると息苦しくなり、人に会うことがひどく苦痛に感じられます。
⑥悲しみや苦痛があっても、普通の憂うつではそれを受け入れて味わうこともできますが、うつ状態では悲哀を受け入れられないどころか、自分自身が悲しめない、悲しんでいる自分がわからない、さらには悲哀さえ感じられなくなります。
⑦悲哀や苦悩があっても、普通の憂うつでは、その出来事の重要性を味わったり、自分自身を取り巻く人間関係や社会を見直したりして、自分の成長の機会にすることができます。ところが、うつ状態では苦しみにがんじがらめになって苦しみがさらに増殖し、自身の発展性や生産性にはつながりません。
⑧普通の憂うつの場合、自分の力で、また周囲の人の助けによって解決していけますが、うつ状態になると自力でも、他人が助けることも難しくなります。励ましたり同情したりすると、かえって悪化することもあります。
「うつ状態」と「うつ病」の違い
「うつ状態とうつ病とはどう違うのか?」といった患者の質問がよくあります。患者心理からすれば、自分の状態はどちらなのか、問題はどこにあり、どうすれば治るのかを知りたがっているのです。
しかし、「うつ状態」と「うつ病」の区別も明確にできるものではありません。またその区別にこだわっても、治療的な意味はそれほどないのです。
うつ状態とはどのような状態か
それまで主婦として何の問題も無くやれていた人が、家事などが思うようにできなくなる、有能な会社員が、仕事ができなくなり、自分が無能になったように感じるなど、うつ状態の時にはよく見られることです。
それではうつ状態とはどのような状態なのでしょうか。
本人たちが思っているように、これらの人たちは本当に能力が落ちてだめになってしまったのでしょうか。
結論から先に言えば、無能になったのでもだめになったのでもありません。
ただ精神的なエネルギーが低下してしまったのです。
先述しましたように、車を例にして模式的に述べてみましょう。うつ状態の人間を車にたとえると、「ガス欠状態の車」であるといえます。車自体はどこも壊れていませんし、修理も必要ありません。必要なのはガソリンを入れてあげることです。
「ガス欠状態の車」をイメージすると、どうしてうつ状態になったのか、どのようにすれば回復できるのかが理解しやすくなります。
どうしてうつ状態になるのでしょうか
うつ状態になる人の元々の性格としてメランコリー親和型性格の人が多いといわれています。これは内向的、まじめ、几帳面、人の和を大切にして我を張らない、責任感が強い、人からの評価を気にするなどの特徴があります。
この性格特徴をまとめると、物事をきちんとしておきたいという「秩序愛」と、自分のことよりも他者の気持ちを優先するという「他者配慮性」の二つの大きな傾向を取り出すことができます。
なおそれぞれの対概念としては「ずぼら」「自己中心性」でしょうか。
このような性格の人が状況の変化があったときに、うまく対応できず、おかしな悪循環にはまり込み、心身の疲労が積み重なってうつ状態になることが多いと思われます。
例えば、昇進をして、人から指示される立場から、上司からは指示され部下には指示をするという中間管理職となり、その役割をうまく果たせず、何とかしようともがく中で疲弊していく場合です。
ここで大切なのは、新しい役割が果たせず、うまくやれなかったときの取る行動です。
うまくやれず、どのようにやればいいのか分からない時に、この人は周りの人にうまくSOSを出すことができません。上司に聞くなり、同じような立場の同僚に相談することも無く、一人でどうすれば良いのか思い悩んでしまいます。弱音を見せたり、人に頼ったりすることが苦手なのです。そうしてしだいしだに疲労が心身に蓄積されていきます。
仕事に対して負担を感じ、疲労も感じるようになり、以前よりも仕事の能率が落ちていくことになります。
次に大切なことは、この疲れて能率の落ちた時にとったうつ状態になる人の行動です。
普通であれば疲れたら休みます。ペースを落とすなりして負担を減らすものです。
しかしうつ状態になる人は自分の疲れは省みず、落ちた能率だけをみてそれを何とかしようとします。
うつ状態になる人の性格傾向を考えてください。責任感が強いので手を抜くことはできません。自分のことよりも他者のことを優先するので、自分の疲労など二の次で会社の期待などを優先させてしまいます。結果は、休むのと逆に、今まで以上の努力をすることで落ちた能率を何とかしようとしたのです。
そのため更なる疲弊状態をもたらし、能率はさらに落ちてしまいます。
そしてより落ちた能率を何とかしようとして更なる努力をして・・・
そのような悪循環の果てに限界に達し、うつ状態となってしまうのです。
無理に無理を重ねてきて、もう余力は残っていません。
マラソンの42.195キロを全力で走りきった後のランナーのようなものです。
これ以上走ること、努力するエネルギーは残っていません。
これがうつ状態、「ガス欠状態の車」です。
うつ状態の原因は
このように、うつ状態の原因は、身体的・精神的・外部生活環境からくる様々なストレスです。
ホメオスターシス・恒常性には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっており、3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角」と呼ばれます。
ホメオスターシスは、こうしたストレスなどに大きく影響されます。例えば自律神経を失調させるストレスは内分泌を乱し、免疫力も低下させてしまいます。
この3つのバランスが崩れてホメオスターシス機能が保てない状態になると、”うつ状態”を始めとするいろいろな”未病の状態”が現れることになります。
そして、ストレスが長期間持続してきますと、マグネシウムが枯渇し、さらに活性酸素が過剰に産生されてきます。これらは全てミトコンドリアの働きを悪化させます。
日常的にストレスの多い忙しい生き方が続いていると、交感神経刺激により血管は収縮し血流障害と低体温を招きます。つまり、低酸素と低体温です。ミトコンドリアは十分機能できず、白血球の働きが低下してしまいます。感染症の病原体に敗北したりしてしまいます。本来からだを守るべき白血球が働けない、危機的状態になっているのです。
このようにして、ミトコンドリアの機能が低下してくることになります。
ミトコンドリアの働きが低下すれば、同時に、セロトニン神経系の働きも低下し、脳内セロトニンの低下が引き起こされてくることになります。
マグネシウム低下が精神機能に影響
生体内のマグネシウムは精神的ストレスにより量的に低下することから, 中枢神経機能においても重要な役割を担っていることが知られています。
マグネシウムの低下がうつ病や月経前不快気分障害に関与していることや, 大うつ症状の代表的な症状である自殺企図が現れている患者の脳脊髄液においてマグネシウムが低下しているなど, マグネシウムと情動障害の関連について様々な報告があります。また, 双極性のうつ病患者にマグネシウム(アスパラギン酸マグネシウム塩酸塩として) を投与すると情動面において有効性が認められたという報告があります。
マグネシウムは日常の食生活により体内に必要な量を十分に維持できるといわれています。しかし, 過剰なアルコール摂取や利尿薬の長期投与などによりマグネシウム不足が生じること, さらに, 精神的ストレスにより生体内のマグネシウムが量的に低下することが知られています。ストレス社会といわれる現代は, マグネシウムの低下を起こしやすい環境にあります。
また, 基礎的研究においても, マグネシウムの低下がうつ様症状や不安症状などの精神障害の成因に関わっている可能性が考えられています。低マグネシウム含有食で飼育したマウスにおいて不安様, うつ様症状を発現することや, マグネシウムを投与が, 抗不安, 抗うつ作用を認めたことが行動薬理学的試験により示されました。
したがって, マグネシウムの低下が精神障害の成因に関わっている可能性が考えられます。
脳がきちんと働いているように見える時でも、マグネシウム不足によって、イライラ・怒りの他、落ち込み、鬱など、感情のコントロールが出来なくなります。これは、脳の神経細胞(ニューロン)同士の電気信号の漏れをマグネシウムが防いでいるのですが、マグネシウムは神経細胞にあるストレスホルモンの受容体を普段は覆ってストレス信号の量を調節しているのですが、マグネシウムが不足すると、この覆いが外れてストレス信号が脳内を駆け巡るような漏電状態になり、脳の彼方此方に不必要に伝達されて、ヒステリーなど、感情の暴走が止まらなくなるわけです。これがマグネシウム不足による現代人の最も深刻な問題(8割が該当)で、その原因は人類の農耕開始時から現代へ至る食生活の大幅な変化です。この数年、欧米を中心に狩猟採取時代の食材を取り入れたパレオ食事法 (Paleo diet) が流行っていますが、炭水化物をタンパク質・脂質に置き換えるだけでなく、こういったミネラル不足を補う事も大きな目的なのです。
また、この際に(あるいは感情をコントロール出来ている人でも)脳内の抗ストレスホルモンであるコルチゾールが多量に分泌されます。このコルチゾール、脳内の炎症を起こし、放っておくと神経細胞を次々に死滅させていくのですが、その最たるものが、短期記憶(ワーキングメモリー)を司る海馬です。このため、マグネシウム不足に限らず、ストレスを受けやすい状態を放置しておくと、海馬がだんだん萎縮し、短期記憶力が低下し(もの忘れが増え)、海馬が使い物にならなくなります。海馬は記憶に白黒のラベリングをする事により、ストレスをコントロールする器官なので、放っておくと、更に感情に翻弄されやすく、他人の言動に対して敏感・ネガティブになります。これが慢性的ストレス・疲労感の大きな要因の1つです。
マグネシウムは、副交感神経を優位にしてリラックスさせるため、特に睡眠全般の質の改善(寝付き・寝入りが悪い、睡眠が浅い、早朝に目覚めてしまうなど)に効果があります。就寝前に亜鉛なと摂取すると更に効果があります。
また、このリラックス効果や睡眠改善効果、心身の疲労感削減効果により、鬱への改善効果があります。摂取をきちんと続けていると、数日で気分・ムードが大分良くなってきます。
うつ病になった時の脳の状態とは?
うつ病が発生している時の脳の状態は、エネルギーが欠乏して働きが弱くなっている、と言えます。外部からのストレスにより、脳の視床下部(自律神経をつかさどる部分)が刺激を受け、体を危険に備えさせますが、ストレスが長期にわたって続いた場合、視床下部は刺激を受け続けて過剰に働いてしまい、これがうつ病を引き起こすといわれています。 こうしたストレスによる脳の反応をストレス反応といい、セロトニンやノルアドレナリンなどのホルモン分泌のバランスを崩してしまいます。短期であれば問題はなく、むしろ脳にとって必要なことなのですが、限度が過ぎてしまうと疲労し、長期の休息が必要になってしまいます。
うつ病の脳を近赤外線でみると…?
近赤外線を使うと、脳内の血流量が分かります。ちなみに人体に害はありません。脳は何かを考えるとき、血流が良くなるのですが、うつ病の人の脳を近赤外線で調べると、血流が悪くなっていることが分かります。
うつ病の状態では脳の働きが悪くなっているため、集中力に欠けたりうっかりミスをしやすくなったり、話し方や行動がゆっくりになったりします。
その他の脳の特徴
うつ病が発症している時の脳は、前頭前野と海馬の血流が減り、萎縮が見られることがあります。するとどんなことに支障が出てくるのか、それぞれの脳の働きを列挙したいと思います。
前頭前野
集中力、注意力、思考力、コミュニケーション能力、感情の制御、行動の制御、意思決定、判断、記憶のコントロールなど。
海馬
一時的な記憶をつかさどっている部分です。昔のことは思い出せてもたった今のことが思い出せない、ということが起こります。同時に2つ以上のことができなかったり、簡単な計算ができなくなったりします。
脳が萎縮する、と聞くと元に戻るのかどうか心配になってしまうかと思いますが、脳は萎縮してもうつ病が治れば元に戻ります。安心してください。
このような脳の変化は認知症に共通してみられる変化です。こうしたことから、認知症とうつ病の病像が似通ってくる理由になっています。
うつ状態改善のための基本的な考え方
このため、うつ状態から脱するためには、ミトコンドリアの機能を改善させると同時に、脳内セロトニンを増やすことが大切になってきます。
脳内セロトニンを増やすためには、最低でも3カ月は必要とされます。
さらに、ミトコンドリアの機能を改善させるためにも、気長に行うことが必要となりますが、うつ状態で特に注意すべきことは、ここまでに至った原因となったミトコンドリアの機能をさらに悪化させないことが必要になってきます。
このため「ガス欠状態」を改善させていくためには、当初”一時的”に抗うつ薬を使いながら「長期間の十分な休養」が必要となってきます。
こういったことから、長期間にわたって抗うつ薬だけで対処していけば、抗うつ薬によって、さらにミトコンドリアの機能をさらに悪化させることになってしまいます。
そのため、うつ病を益々、悪化させることになってしまいます。
こういったことから、未病の段階のうつ状態の段階から早期に対処しなくてはなりません。すべきことは、これまで述べてきましたような未病への対策と同様に考えて行っていく必要があります。この詳細は、これまでも繰り返し述べてきたことですので、ここでは述べません。
以下で、それぞれの項目を参照して下さい。主として行うべきことは、ミトコンドリアの機能をこれ以上悪化させないことと、ミトコンドリアの機能をよくすることと同時に「脳内セロトニンを増やす」ことです。
このためには、先程も述べましたように、最低3カ月は必要とされます。じっくり腰を据えて、気長に根気強く行っていく必要があります。
このように、「長期間の十分な休養」をとっている間には、ただ単に、”のほほんと”無為に寝てばかりの休養をとっておればよいということではありません。
特に、うつ病まで移行してしまっておれば、相当な覚悟をもって対処しなくてはなりません。抗うつ薬だけでは到底改善は望めないことを念頭におく必要があります。
これまで、どれだけ多くの方々が薬漬けにされ廃人同様になってきたのかを直視する必要があります。
こういったことから、未病の段階にある「うつ状態」で、極力早期に対処する必要があります。
片頭痛には、こうしたうつ状態・パニック障害を同時に併発してくることが多いのは、こうした共通の要因が存在するからです。
頭痛の専門家のなかには、片頭痛に合併した、こうした「うつ状態・パニック障害」までもが、トリプタン製剤を服用しておれば、改善されるといった馬鹿げたことを申されますが、このようなことでは改善されるはずはないことは容易に理解されたはずです。
参考記事
第11章 ミトコンドリアの機能を回復させる
その1 https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12443390894.html
その2 https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12443397113.html
その3 https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12443399347.html
第12章 脳内セロトニンを増やす
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12443405075.html
6.「うつ」「不眠症」も腸内フローラを整えれば治る!?
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12320934899.html
ベンゾの怖さ 向精神薬減薬の難しさ!!
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12701022156.html
ベンゾの恐怖から逃れるために・・
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12703964302.html
ストレスはなぜよくないの???
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12641170617.html
医師や薬に頼らない!すべての不調は自分で治せる 藤川徳美
以上のように、博多くまさんの主治医とは、考え方は全く別物であり「上から目線」といった患者さんからの批判は全く無視されます。
このように、医師それぞれのようで、一般化された方式はないようです。
ということは、どなたがよいとか、悪いといった問題ではなさそうです。この際、皆さんのコメントをお待ちします。但し、野次馬根性での冷やかしだけは謹んで下さい。それは、今回、犠牲になられた西沢院長を冒涜することにも繋がります。二度と、このような事件を繰り返さないためにも、厳に慎んで下さい。是非とも、ご意見を・・・