エプソムCに、「アルバイトで競馬記者をやっていた調教師」の勝負気配が… | 元JRA調教師・山田要一のブログ

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厩舎OBという立場から、パーフェクトホースマンズの一員としてファンの皆様と違う視点で競馬のことを掘り下げたいと思います。

こんばんは。

元JRA調教師で、今は、「パーフェクトホースマンズ」の「調教師情報部」に所属している山田要一です。

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前走のみちのくSを勝ってオープン入りした、田村康仁厩舎のキルロード(セ6歳・父ロードカナロア)は、次走の予定が6月27日(日)のパラダイスSです。

前にも何度かこのブログで紹介していますので、知っている方も多いと思いますけど、この馬を管理している田村君は、1986年のセントライト記念や、1988年のアルゼンチン共和国杯を勝ったレジェンドテイオーなどを管理していた田村駿仁(しゅんじ)さんの息子さんで、お祖父さんは1939年の中山牝馬特別を勝ったソールレデイなどを管理していた田村仁三郎(にさぶろう)さんという、「筋金入りの競馬一家」で育ちました。

1962年の天皇賞・春と有馬記念を勝ったオンスロートなどを育てた中村広さんの厩舎で厩務員をやって、その後、1965年のオークスを勝ったベロナなどを育てた田中和夫さんの厩舎で調教助手をやっていた田村君は、1997年に32歳という若さで調教師の試験に受かっています。

そして1998年に自分の厩舎を開業してからは、その年が5勝でしたけど、次の年からは、1999年が8勝、2000年が15勝と、順調に勝ち星を伸ばしていましたし、ルゼルを使った2001年の青葉賞で初めて重賞を勝っていて、2016年は、メジャーエンブレムでNHKマイルCを勝つなど、今までで一番多い「5億1175万円」の賞金を稼いでいました。

ただ、その後の4年間は、

2017年→3億3095万円
2018年→4億9058万円
2019年→3億8180万円
2020年→4億7721万円

という形で数字が伸び悩んでいましたし、今年も、先週までに稼いだ賞金が「2億0354万円」と、去年の同じ時期(6月7日【日】まで)の「2億3263万円」を下回っていますから、今の田村君は「賞金の高いレースを勝って、巻き返しのきっかけにしたい」と考えているのでしょう。

そこで、1着賞金が2500万円のパラダイスSに向けて、キルロードをどう仕上げてくるのか、キッチリ確認して馬券に生かしたいと考えています。

そしてここからは、小手川準(ひとし)厩舎がエプソムCに使うヒュミドールについて、私の頼もしい仲間の一人、「元調教師のOさん」から届いた報告を紹介しておきますね。

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東京都出身の小手川準君は、競馬とは縁のない環境で育っています。

でも、ミスターシービーが三冠を勝った1983年頃に競馬を見始めていて、その頃の彼は、GIをいくつも勝つような強い馬よりも、1985年のダービーと菊花賞で2着だったスダホークのような馬が好きだったそうです。

駒場東邦高校から一橋大学の社会学部に進んだ小手川君は、大学に通っている時、アルバイトで夕刊紙の競馬記者をやったことがきっかけで、「この世界で働きたい」と思うようになって、結局、大学を中退して、しばらく牧場で働いた後、27歳だった1998年の1月に、競馬学校の厩務員課程に入りました。

その年の7月に、諏訪富三厩舎の厩務員になった彼は、10月に浅野洋一郎厩舎に移って、ここで調教助手と調教厩務員をやって、2001年の1月に小桧山悟厩舎の調教厩務員になって、2011年の3月からここの調教助手をやっていたんですよ。

30代の間は持ち乗りの仕事に夢中だったそうですが、40歳を過ぎたくらいで、師匠の小桧山君から勧められたのがきっかけで、前から憧れていた調教師を目指すことにしたそうです。

そして小手川君は、2018年、5回目の挑戦で調教師の試験に合格していて、去年の3月に自分の厩舎を開業しています。

ちなみに、厩舎を開業した時には、「ゼンノ」の冠名でお馴染みの大迫久美子オーナーや、「テソーロ」の冠名でお馴染みの了徳寺健二オーナーなど、多くの馬主さん達から、お祝いの胡蝶蘭が届いていましたよ。

ミニオンペールを使った7月12日(日)の函館8Rで初勝利を上げた小手川君は、年末までに6勝を上げて、稼いだ賞金は「1億3676万円」と、1年目としてはまずまずの成績を残していました。

もちろん、今年の小手川君は、「去年よりもっといい成績を残したい」と気合いを入れているのでしょうし、実際、先週までに4勝を上げて、稼いだ賞金は「8342万円」と、去年のペースを上回っています。

ただ、小手川君と同期の調教師は、吉岡辰弥君と宮田敬介君と新谷功一君の3人がいて、先週までは、

吉岡辰弥厩舎→14勝・獲得賞金2億2774万円
宮田敬介厩舎→5勝・獲得賞金1億4449万円
新谷功一厩舎→5勝・獲得賞金9031万円

と書けば分かる通り、3人とも、小手川君よりいい成績を残していますから、きっと今の彼は、「同期に負けないよう、賞金の高いレースを勝ちたい」と考えているのでしょう。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円のエプソムCにヒュミドールを使いますので、「勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際、私のところに届いている最終追い切りについての報告が、

「昨日、南ウッドに入れられて、5Fが68秒2、終いの1Fが11秒9という時計を馬なりで出していました。馬場が渋っていたので、時計は平凡でしたけど、身体を大きく使って最後まで集中して走れていましたし、追い切った後もどっしり落ち着いていましたよ」

というものでしたから、いい競馬が期待できそうです。

それに、小手川君の厩舎は、まだ重賞を勝てていませんので、今回は、「ここで初めての重賞勝ちを」という思いも込められている筈です。

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小手川準厩舎がエプソムCに使うヒュミドールについて、「元調教師のOさん」から届いた報告は以上です。

さて、話は変わりますが、私が所属している「パーフェクトホースマンズ」では、ホームページや、いくつかのブログの中で、「馬券に欠かせない情報」を包み隠さずに公開していますので、「正確な情報を知って、馬券に活かしたい」と考えている方には、こまめに確認することをお勧めしておきますよ。

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今日は、ここまでにしておきます。

それではまた。