エプソムCでは、「仙台育英高校を出ている調教師の管理馬」に注目です | 元JRA調教師・山田要一のブログ

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厩舎OBという立場から、パーフェクトホースマンズの一員としてファンの皆様と違う視点で競馬のことを掘り下げたいと思います。

こんにちは。

元JRA調教師で、今は、「パーフェクトホースマンズ」の「調教師情報部」に所属している山田要一です。

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今日は、デビューが近い2歳馬の中から、私が注目している一頭を紹介しておきましょう。

それは、木村哲也厩舎のオンナ馬、コラリン(父ダイワメジャー、母モルジアナ)です。

この馬は、叔父に、一昨年の阪神大賞典など重賞を3勝したシャケトラがいる血統で、デビューが3歳の6月だったシャケトラと違って仕上がりが早く、3月26日(金)のゲート試験に合格しました。

その後は、成長を促すために、4月3日(土)から「ノーザンファーム天栄」(福島県岩瀬郡天栄村)で放牧されて、5月13日(木)に美浦トレセンに戻っていて、それから坂路と南ウッドで念入りに乗り込まれています。

この馬を管理している木村君は、家族や親戚に関係者がいた訳ではなく、お父さんがサラリーマンだったので、元々、競馬の世界に進むつもりはなくて、神奈川大学の工学部建築学科を出ていますし、馬に乗った経験も全くなかったそうです。

でも、急に馬と関わる仕事がしたくなって、一人で北海道に行って牧場で働いて、その後は、アイルランドに行って馬のことを学んでいたんですよ。

2000年の4月に競馬学校の厩務員課程に入った彼は、その年の10月から、1980年の中山記念を勝ったヨシノスキーや、1985年のクイーンSを勝ったアサクサスケールなどを管理していた、佐藤征助厩舎で厩務員をやって、次の年の5月からは、高橋裕(ゆたか)厩舎で調教助手をやっていました。

その後は、勢司和浩厩舎で調教助手と厩務員をやって、中川公成(ただしげ)厩舎で調教助手をやって、2010年に調教師の試験に受かると、次の年の6月に自分の厩舎を開業しています。

初めの年は、「6勝・獲得賞金5941万円」という成績でしたけど、2年目は9勝、3年目は16勝と順調に数字を伸ばしていて、去年までの5年間も、

2016年→37勝・獲得賞金5億4819万円
2017年→33勝・獲得賞金5億8982万円
2018年→48勝・獲得賞金9億3209万円
2019年→36勝・獲得賞金6億4672万円
2020年→34勝・獲得賞金7億1030万円

と、順調に実績を積み重ねていましたし、特に2018年は、プリモシーンでフェアリーSと関屋記念を勝って、ステルヴィオでスプリングSとマイルCSを勝つなど、勝ち星と賞金のどっちも開業してから一番の成績で、「最高勝率調教師」も受賞していました。

それに、木村君の厩舎は、去年、2歳戦だけで11勝を上げていて、このことから分かるように、若駒の扱いが上手なんですよ。

ですから、木村君が、デビュー戦に向けてコラリンをどう仕上げてくるのか目が離せません。

ちなみに、この馬は、6月13日(日)の札幌5Rに組まれている芝1200mの新馬戦でデビューすることになっていて、鞍上は横山武史君の予定です。

そしてここからは、尾形和幸厩舎がエプソムCに登録しているヤシャマルについて、私の頼もしい仲間の一人、「元調教師のNさん」から届いた報告を紹介しておきますね。

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宮城県出身の尾形和幸君は、中学1年生の時に馬術を始めて、仙台育英高校に進んで馬術部に入ると、3年生の時に全日本馬術選手権で優勝していましたし、中央大学に進んだ後も、馬術部の中心メンバーとして活躍していたんですよ。

大学を卒業してからは、2003年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月から加藤征弘厩舎で厩務員をやって、8月には調教助手として久保田貴士厩舎に移って、2012年の12月に調教師の試験に受かるまで、ずっと久保田厩舎に所属していました。

尾形君がいた頃の久保田厩舎には、2008年の根岸Sなど、重賞を3勝したワイルドワンダーや、2009年のラジオNIKKEI賞を勝ったストロングガルーダなどがいましたから、こういった走る馬を間近で見られたのは、彼にとっていい経験になった筈です。

そして、2013年の3月に自分の厩舎を開業した尾形君は、カラダレジェンドを使った京王杯2歳Sで初めて重賞を勝つなど、その年は暮れまでに、「10勝・獲得賞金1億3346万円」という成績を残していましたし、その後も、2年目は12勝、3年目は15勝と、順調に勝ち星を伸ばしていて、4年目だった2016年は、「23勝・獲得賞金3億5134万円」という、開業してから一番の成績を残していたんですよ。

でも、それからは伸び悩んでいて、去年までの4年間は、

2017年→11勝・獲得賞金2億2820万円
2018年→10勝・獲得賞金1億5878万円
2019年→11勝・獲得賞金1億7765万円
2020年→11勝・獲得賞金1億8053万円

という形で物足りない数字でしたし、今年に入ってからも悪い流れは続いていて、先週までが「6勝・獲得賞金8343万円」という成績で、2016年の同じ時期(6月5日【日】まで)の「9勝・獲得賞金1億5710万円」を大きく下回っていますから、今の尾形君は、「賞金の高いレースを勝って、巻き返しのきっかけにしたい」と考えている筈です。

こういった中、今週は、1着賞金が4100万円のエプソムCにヤシャマルを登録していますので、「勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に尾形君がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。

それに、尾形君の厩舎は、2017年にブラゾンドゥリスを使った地方交流重賞の黒船賞を勝っていますけど、JRAの重賞は、カラダレジェンドを使った2013年の京王杯2歳Sから、7年半以上も勝てていませんので、ヤシャマルには、「ここで久々に大きいレースを勝ちたい」という思いも込められているのでしょう。

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尾形和幸厩舎がエプソムCに登録しているヤシャマルについて、「元調教師のNさん」から届いた報告は以上です。

さて、話は変わりますが、私が所属している「パーフェクトホースマンズ」では、ホームページや、いくつかのブログの中で、「馬券に欠かせない情報」を包み隠さずに公開していますので、「正確な情報を知って、馬券に活かしたい」と考えている方には、こまめに確認することをお勧めしておきますよ。

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今日は、ここまでにしておきます。

それではまた。