本気のIQ検査は、本気で大変!」からの続きです。⇒

 

数値で示されるIQは分かりやすいし、もし高いのなら「私の戦闘力は53万です」みたいで格好いいですよね。「IQ130以上でメンサ会員(MENSA)です!」なんて聞けば、誰もが分かりやすく「天才! すごい!」って反応するはずです。
でも、療育のIQ検査は、ちょっと目的が違います。具体的には何が分かるんでしょうか? 発達検査(田中ビネー知能検査)を受けて数日後、いよいよ結果の説明をしてもらいます。

ゆうくんの結果は、IQ120ちょい。

一般的にIQ70~130が「普通の子」と定義されています。つまり、ゆうくんはその枠内に収まっていました。むしろ平均よりは、ちょっとだけ良いみたいです。おや? もしかしてゆうくんは、発達グレーじゃなかったりする?

って、そんな訳あるかーーーーいッ! ぬいぐるみ経由でないとテストが成立しない時点で、「ちょっと変わっている子」な事実からは、逃れようがありません。
発達障害(グレーゾーン)のタイプにもよりますが、実は、全特性を合わせた平均値ってあまり重要じゃないです。凸凹具合の方が、ずっと大事だったりします。その凸凹を把握して、療育のメニューに活かそうというのが、療育におけるIQ検査の目的です。

ゆうくんの凸凹は、次のような結果でした。

① 同世代の子より凹んでいた特性
・ 模倣によるひもとおし

 お手本通りに、ビーズに紐を通すテスト。自分なりに効率を考えて行動し、その方法にこだわった結果、かえって効率が悪くなって不通過。
・ 絵の不合理
 描かれている絵の不自然な箇所を説明するテスト。わかっている様子だが、言葉にできずに不通過。
・ テスト中の様子
 ぬいぐるみを通して話させたり、「~なんだけど」という言い方が多い。「(僕が)~したい」といった、ゆうくん自身の気持ちを話せない。

② 同世代の子より凸っていた特性
・ ボール探し

 広場に落ちてるボールを探すため、どのルートで探せば見落としがないか線を引くテスト。自分なりに合理的に考えて、計画を立てて進めることは得意。
・ 単語の列挙
 知っている単語を列挙するテスト。アウトプット(自分の言葉で話すこと)が出来ないだけで、頭の中にある知識量は問題なし。

ひとことで表すなら、合理的だけどコミュ障。パパであるボクの特性そっくりです。残念ながら持って生まれた特性が、変わることは極めて稀です。その特性でも上手く折り合いをつけながら、楽に生きていく方法を学ばせてもらう。それが療育です。
機会があって経済的にも余裕があれば、我が子の特性を知っておくことも損ではないと思います。

 

⇒「療育って、何してくれるの?」に続きます。

 

最初から読む◆ 「中学受験」に療育っ子がチャレンジ!
◆ 「家庭学習」で四谷大塚の授業に追いつきたい!
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