よそうかい - トレーダーの独り言 2 -6ページ目

ドル軟調は数日続く

為替は対円を中心にドルが軟調。

イランの核開発を巡る情勢不安や、今週発表される米経済指標が
弱含むとの不安からドル売りが膨らんだ。

本日はイランの核開発を巡る情勢不安や米経済の先行きが不透明な
ことを理由にドルが売られる展開となった。国連安保理常任理事国と
ドイツの6ヶ国はロンドンで外相級協議が開いたが、外交的手段での
解決を図ることで一致した模様。米経済では明日発表される
耐久財受注が前月から落ち込むとの見方があるほか、
明後日のGDP改定値が大幅下方修正されるとの予想が出ており、
積極的にドルを買いにくい状況だ。

その上、年後半のリセッションを予想するグリーンスパン発言まで
飛び出したからたまらない。この先数日はドルが軟調の展開が続くだろう。


指数ファンドが穀物市場を押し上げる

シカゴ小麦、コーンは続伸。

新たな買い材料が出たわけではなかったが、商品市場全体が
上昇したことを好感、テクニカルな買いも加わり全面高の展開となった。
小麦は年初来の高値、コーンは限月最高値を更新。

昨日今日のように相場上昇に勢いが付いてきた時に、買われた理由を
あれこれと挙げるのも野暮な話だが、商品全体が上昇したことや、
コーンや大豆に比べ小麦の上げ幅が大きかったことを考えれば、
商品指数系のファンドがかなりの資金を突っ込んできた可能性が高い。

小麦はCBOTで取引されている規模の割には商品指数における
構成比率が高いので、指数ファンドが買いを進める時はどうしても
値上がりがきつくなってしまう。株や債券が下がったことまでを
その理由にするのはやや乱暴すぎるが、本格的に商品市場への
資金流入が再開した兆候ではないだろうか。

もしそうならば、しばらくは放っておいても値上がりが続くだろう。


原油反発

NY原油は反発。

製油所やパイプラインのトラブルを受けガソリン主導で買い進まれ、
期近ベースでは今年初めて60ドルの大台で取引を終了した。

先週末に起こったバレロエナジーの製油所火災に加え、本日は
メキシコ湾岸からNYにつながるパイプラインで油漏れが発生。
日量6万バレルの輸送が停止したことを受け、ガソリン主導で
大きく買い進まれた。合計で日量24万バレルの輸送能力を持つ
パイプラインの4分の1が閉鎖されただけだが、バレロエナジーが
日量15.8万バレルのマキー製油所の再開には数週間を要するとの
見方を示したことと合わせ、石油製品の逼迫懸念が高まった。

前日にはガソリンと暖房油の価格が逆転、そろそろ冬の暖房油から
ガソリンに市場の注目が移るかというところに、タイミング良く
パイプラインのトラブルが発生した。現時点でガソリン在庫は
平年を4%以上上回っており、明日の在庫統計でも積み増しを
予想する向きも多い。だが、一度需要が増え始めれば、この程度の
在庫など瞬く間に取り崩されてしまう。ガソリン主導の上昇はまだ
始まったばかり、これから5月あたりまでは製油所の稼動状況や
ガソリン在庫の推移に対していつも以上に注意を払う必要がある。


金大幅反落

NY金は大幅反落。

ドルの反発や原油急落という手掛かりがあるにはあったが、
本日の下落はテクニカルな価格調整の域を超えるものではないだろう。
為替市場では明日の日銀政策会合や米CPI、FOMC議事録発表などに
注目が集まっており、こうしたイベントを前に一旦ポジションを整理して
おこうとする動きが加速したのも要因の一つかもしれない。ストップが
ヒットして大きく値が下げた後、積極的に買い戻す動きが見られなかったのは、
こうした事情で様子見を決め込む向きが多かったためと思われる。

日銀の決定は結果を見てから判断するしかないが、CPIはこれまでの
流れから見てもインフレ懸念を高めるような結果とはならないだろう。
FOMC議事録が追加利上げ観測を高めるような内容になる可能性も
低いと思われる。こうした予想が外れなければ、価格調整も早々に終了、
金は再び上昇トレンドに入っていくだろう。

明日はイランに対し核開発の停止を求めた昨年12月の国連安保理決議の
回答期限にあたる。イランが核開発を継続するのは明らかだから、
この先どのような制裁が実施されるのかに注目が集まる。
地政学リスクの高まりを背景に金に買いが集まる可能性も十分にありそうだ。

ラ・ニーニャでコーン、大豆は大幅高

シカゴコーン・大豆は大幅高。

コーンの上昇や中長期的な天候見通しが支えとなり
寄付きから大きく上昇、連日の高値更新となった。

朝方には中国人民銀行が預金準備率を0.5%引き上げ
10%にすると発表したことで、この先需要が伸び悩む
のではとの懸念が広がったが、結果的にはほとんど
材料視されることもなかった。

民間の気象サービスがエル・ニーニヨからラ・ニーニャへ
気象パターンが変化するとの見通しを出したことが、
より大きな注目を集めたためだ。

ペルー沖の海水温が周囲より低くなるラ・ニーニャは、
春先の低温多雨や夏の乾燥気候をもたらすとされ、
米国の農産物にとってはエル・ニーニヨよりも始末に悪い。

悪天候で作付けが予定通りに進まなかった場合、コーンに
とっては致命的なものとなる恐れもある。その場合結局は
大豆の作付けが増えるという弱気の面もあるのだが、
その後の乾燥気候を考えれば微々たるものだろう。

春から夏の天候を今からあまり気にしても仕方がないが、
ただでさえ強気材料が多いところに更に一つ追加されると
言うことで、素直に強気に取っておいてよいだろう。


円全面高

為替市場は円全面高の展開。

日本の10-12月期GDPが予想を大きく上回ったことを受け
東京朝から円買いが大きく先行、NYに入ると弱気の経済指標に
ことごとく反応、一気に119円台前半まで値を下げた。
一方、ユーロ/ドルは円の陰に隠れ比較的小動きで推移。

本日は経済指標発表にECBやFED高官の発言と、本当に
盛りだくさんの内容だったが、結局のところ日本のGDPに
全て喰われたといった感が強かった。また、 NY時間にあまりに
多くの指標が発表されたことで、市場が消化不良を起こした面も
あるだろう。これだけ立て続けに発表されれば、それらを全て
分析して戦略を立てるなどということは不可能に近い。

とはいえ、やはり指標は大切、簡単に指標結果とドルに対する影響をおさらいしてみよう。

失業保険申請件数 :11月25日以来の高水準でドルに弱気
1月輸入価格 :1.22%と3ヶ月ぶりの下落、インフレ懸念後退で弱気
NY連銀指数 :市場予想を大きく上回る上昇で強気、価格指数低下はやや弱気
対米証券投資 :資金流入が02年1月以来の低水準、大きく弱気
鉱工業生産・設備稼働率 :市場予想を下回り、共にやや弱気
フィラデルフィア連銀指数 :マイナス転落こそ免れたものの、大幅低下でかなり弱気
住宅市場指数 :昨年6月以来の高水準の上昇、やや強気

改めて見てみると、やはりドルに対して弱気の数字が多い。NYに入って
下げ幅を広げたドル/円が正しい反応で、上昇が一時的なものに終わった
ユーロ/ドルの動きが少しおかしかったことになりそうだ。
ユーロは対円で大きく下げており、対ドルで買い進むのが躊躇されたのではないか。

それにしても、日本のGDPの強さには驚いた。正直言って米国の指標のように
毎回追いかけているわけではないのでなんともいえないが、市場の反応を見る
限りサプライズなのだろう。これで来週の日銀金融政策会合が面白くなった。
金利据え置きになろうものなら、市場の不信感は相当なものになるだろう。

可能性はまだあるとは思うが・・・


バーナンキ証言でドル全面安

NY為替はドル前面安の展開。

朝にはバーナンキFRB 議長の議会証言があり、インフレの沈静化を
予想する内容が嫌気されドル売りが膨らんだ。

バーナンキ議長の証言内容は、個人的にはそれほどサプライズが
あったとは思えないのだが、市場は相当タカ派的な内容を期待
していたようだ。最近のFED高官の発言がタカ派に傾いていたとの
見方が強かったこと背景にあったようだが、今後の状況次第では
追加利上げの余地が残るとの表現が目に付いたのを過大評価
していた部分があるのではないか。例えば9日のプール総裁の
発言内容などはインフレの沈静化を認める内容で、今日の証言と
それほど大差があるとは思えない。議長も、インフレの可能性を
まったく否定したわけではなく、やはり今後の状況次第という
基本的なところに変わりはないと思われる。

少なくとも現時点でFEDが早期に金利を動かす可能性は遠のいた。
金利差見てトレードする向きは、今後日本や欧州の動きに注目
することになる。そういった意味でも、15日朝に発表される日本の
10-12月期GDPは大きな鍵を握るだろう。前日発表された欧州の
GDPは予想以上に好調で、昨日今日のユーロ高の流れにつながっている。
日銀の利上げ観測が再び高まるのか、それとも更に遠のくのか、
この先しばらくの流れを作りそうだ。

もっとも現在の金利差がすぐに縮小するわけではないので、
中長期的に円売り圧力が弱まるとは思えないが・・・


原油反発

NY原油は大幅反発。

IEAが世界石油需要見通しを引き上げたことを受け
寄付きから終始堅調な相場展開、最後は59ドル台を回復した。

IEA は07年度の石油需要見通しを27万バレル引き上げ、本日の
上昇の大きな手掛かりとなった。うち中国の修正分が21万バレルと
なっている。中国のデータは信頼性に欠けるため、どこまで鵜呑みに
して良いかは分からないが、昨年度の原油輸入が順調に伸びた
ことを見ても、まだまだ需要は衰えていないのだろう。
この程度の上方修正は、特に驚くにも値しない。

27万バレルの需要引き上げというのは、OPEC2月から実施している
減産の半分以上にあたる。彼らが減産をどの程度遵守するかを
巡って市場があーでもない、こーでもないとやっているうちに、
需要見通しがあっさり引き上げられてしまったわけだ。

改めて言うのもなんだが、需要の伸びが主導する相場上昇というのは
一旦始まると手が付けられない勢いを持っている。今後そうした
展開が再び見られる可能性も、十分にあるだろう。逆に言うと、
OPECの減産で相場が上昇している間は、価格上昇も大したことは
ないということになる。需要が伸びない限り、価格が上昇しても
OPECが生産を増やすことで解決されるからだ。


NY金反落

NY金は反落。ドル高や原油の急落を手掛かりに手仕舞い売りが膨らんだ。

先週後半の 2日間で安値から20ドル近く上昇したこともあり、終始手仕舞い
りが優勢の展開となった。ドル高や原油安はもちろん弱気に作用しているが、
今日のような状況で市場が本気で売りの手掛かりにしたとすれば、
下げ幅はもっと広がっているはず。こうした要因があまり材料にならなく
なっているか、金相場の地合いが相当強いかのどちらかだろう。

インドでは15日に金ETFの公募受付が開始される。ETFなどを通じて金への
投資手段が広がったことが、投資需要の伸びに大きく貢献していることは間違いない。

一方、地政学リスクも再び材料になる可能性が高い。イランでは週末に行われた
イラン・イスラム革命の記念式典で、アフマディネジャド大統領が核開発を中止しない
意思を改めて表明、相変わらず強気の発言を繰り返した。政治的な交渉事だけに
今後の展開を正確に読むことは出来ないが、少なくとも何かの事件を引き金に
市場が強気に反応するような展開は、十分に起こり得る話だ。

目先は引き続き強気の相場展開を予想する。今日の売りがしばらく残る可能性はあるが、
665-660ドルを支持線に下げ止まるようなら、高値を再び更新するのも早いだろう。


ユーロが買われ、円が売られる

本日はユーロが買われ、円が売られる展開となった。

ユーロの上昇を何とか食い止めたいと、円をターゲットに口先介入を
行った欧州政府の意向とは裏腹に、ユーロ/円は直近の高値水準まで
後一歩の所まで戻ってきた。ユーロ/ドルがあまり上昇していないのは
米国の利下げ観測が遠のいたためで、それ以上の理由は
見当たらないだろう。今月に入ってからの動きを見ていると、
結局のところ現在の為替相場はは各国の金利動向という、基本中の
基本ともいえる材料を忠実に反映していると言うことを、
改めて証明したに過ぎないのではないかと思えてくる。

ECBのトリシエ総裁は、理事会後の会見で前回使用しなかった
 “vigilance” (警戒)という言葉をあっさりと復活させた。少し単純
すぎるのではないかと思うところもあるが、ECBの意向が上手く
市場に伝わっているとすればこれでよいのだろう。

総裁は今年度のインフレの中長期的な分析は既に
ほとんど終了していると、インフレへの警戒感を解かない意思を
強く表明している。先月の物価がやや安定してきたことなどには
影響されないということなのだろう。ペースはやや鈍るのだろうが、
夏には4%まで金利は引き上げられているものと思われる。
ドル金利の動向が少し見えにくいが、少なくとも日銀がもたもたしている
対円ではこの先も堅調に推移しそうだ。