東京池袋にあるテーマパーク「ナンジャタウン」の歴史と沿革について、個人的な解釈も踏まえて記載していきます。

 

・1996年7月6日「ナムコ・ナンジャタウン」オープン
現在のナンジャタウンがある場所には、当時三越の専門店(家具などを扱う)「三越ハウス館」が存在し、そこの撤退後の跡地にナムコが「ワンダーエッグ」に続く、テーマパークをオープンさせる計画を発表しました。1996年6月下旬にプレス向けの公開、7月上旬に一般含めたプレオープン等の実施のあと、7月6日「ナムコ・ナンジャタウン」グランドオープンとなりました(オープン当日の様子はこちらのブログを参照)。
 

開園当初から話題を呼び連日大混雑の盛況となった一方、かなり未完成な状況も多く日々修正を加えられながら営業していくことに(※)。

※開園当日「ボムレンジャー」は運休でまともに遊べる状態に改良されたのは8月お盆明け以降になる、「蚊取り大作戦」で銃のパワーアップや成功時の新聞発行が実装されていないなど。

 

なお、その後1997年の「進め霊界三輪車」でもオープン当初はかなり荒削りで2週間ほど無料で体験できる対応、1998年「ナンダーバード秘密情報局」もしばらく粗が目立つ、2006年「若返りの秘宝」も当日ギリギリまで調整が間に合わず半月ぐらいシステムに難があった、2007年「ガウストパニック」に関してはオープンから1週間ぐらいまともに遊ぶことすら困難だったなど、この「ギリギリ、タイトなスケジュール感」、「未完成状態での営業開始」の体質は続き、それによるトラブル・苦情も多く発生している。

 

2006年7月に発行された「ナムコ・ナンジャタウン公式ガイドブック 10周年記念版」(※絶版 現在は入手困難)の開発者インタビューによると、「最低限揃えておくべきところだけ用意しオープンにこぎつけ、半年くらい昼間は未完成状態で営業し夜間工事を続けていた。」、「それが"ナンジャタウンは毎日変わるから凄い"と予想すらしなかった反応を貰い、お客様の反応を確かめながら改良し続けた。」と、異様にポジティブに捉えているコメントがあります。

 

オープンから約9ヵ月後の1997年4月20日には入園者数が「100万人」を突破。その後1998年1月15日には「200万人」を突破しています。

当時のリリース

 

開園当初1997年頃の園内マップ。「謎のエリア」は開園当初イベントスペースで使用され、1997年7月下旬より「もののけ番外地」に。

 


・1997年7月26日新エリア「もののけ番外地」オープン~2002年アトラクション全盛期

1997年7月26日、新エリア「もののけ番外地」がオープンするとナンジャタウンの人気・盛況はさらに加速し、上記のよう1998年1月には早くも来場者200万人を突破。その後も1998年には「幸せの青い鳥」(開園当初の「キューピットシエルタ」のリニューアル)、1999年には園内全域を使った回遊型アトラクション「ナジャヴの大冒険」など人気&パークのアイコン的なアトラクションが続々とオープンし、既存のアトラクションも定期的にリニューアルを行い新鮮さを保ちました。2002年前半までは「アトラクション全盛期」と言うべき状況で、シーズンイベントも充実していた事から『この時期のナンジャタウンが一番楽しかった…』と振り返る人は多いです。

1997年から2000年まで各年の年間入園者は120万人を突破しているなど、屋内テーマパークとしては非常に優秀な入園者数を記録していきました。2002年3月には累計入園者数が700万人を突破しました。

※年間120万人と言われてもピンとこないかもしれませんが、2020年においては近年の「としまえん」、「東武動物公園」の年間入園者数に匹敵するような数字です(「よみうりランド」がその3割増し、2018年7月の入園無料化前の「富士急ハイランド」がその1.5倍くらい)。

 

2000年頃のナンジャタウン園内マップ。

 

 

・2002年~フードテーマパーク化へ
上記のよう好調な運営ではあったものの、2000年に入ると日本全体が不景気(平成の大不況)に見舞われ、ナンジャタウンにおいても2000年は年間121万人だったのが2001年は年間115万人と4%程ではあったものの落ち込みが見られ、何らかの打開策を打ち出す事に。

当時は「新横浜ラーメン博物館」(1994年)、そしてナムコが開発に関わった「横浜カレーミュージアム」程度であった『フードテーマパーク』を内部に設置する改装を行い、2002年5月GW明けに、現在の福袋神社付近にあったアトラクション「福招き大相撲大会」を終了し、その跡地にアーケードゲームエリア「福袋縁日銀座」を移設し、空いた「縁日銀座」エリアを中心に「池袋餃子スタジアム」が、2002年7月オープンしました

当時の新聞記事によると「ナンジャタウンの池澤守本部長が宇都宮のラーメン店にて、ラーメンも食べずひたすら餃子2~3人前を食べている女性客を見て、ラーメン,カレーと同じく”餃子”も国民食、餃子のフードテーマパークは受け入れられる」、また餃子の好みには地域性があることから「全国から名店を集めて”味を競い合う”形を演出すれば、話題になる。」と企画を思いついたとのこと。出店交渉の際には、美味しいお店は家族経営など小規模な店が多かったため東京へ出店できる余裕がない事から断られ続け、難航したとのことです。


この餃子スタジアムは大ヒットしナンジャタウンは連日大混雑、2002年度の年間入園者数は197万人になり、2003年8月には累計入園者数1000万人を突破しています。

この年間197万人≒年間200万人というのは、2018年7月に入園無料化し当然ながら入園者数が増加した富士急ハイランドの、翌年2019年度の年間入園者数に匹敵する数字になります。

 

戦略として、ナンジャタウンはアトラクション「ナンジャビザ」の割引(最大60%引き)や、タダ券バラ撒きと揶揄されたほど各種割引クーポン券が充実しており入園無料で入る事は比較的容易だった(入園料自体も2002年7月から大人300円と安い)ので、入園料等の収入は度外視してとにかく人を入れ、内部にてお金を落して貰う方式であったと思われます。

 

※なお、だからといって「入園無料」にしてしまうと(不特定多数の出入りがあるため)管理が大変になり、滞在時間も減ってしまうため消費単価も落ちてしまうデメリットが大きく、ナンジャタウンのような「割引で実質無料」が実は一番効率が良い。

実際、2003年5月に入園無料(フリーゲート)化した「東京ドームシティ」(旧・後楽園ゆうえんち)は上記のデメリットが強く出てしまい、業界内では「失敗例」としてタブー視された(なので2020年現在他の導入例がほぼない)。2018年7月には「富士急ハイランド」が入園無料化し、無料でも発券管理を行う事で管理体制の問題はクリアしましたが、数億円単位の莫大なコストがかかった割には入園者数の増加に対して収益の増加は鈍っているなど、現時点では手放しに喜べない結果となっています。

 

また合わせてこの年の6月から(餃子スタジアム開業のちょっと前に)園内各所にて全国のご当地アイスを集めた「アイスクリーム博覧会」が開催され、同年12月には「チョコレート博覧会」とスイーツ系のイベントが実施されるようになり、以後は永続的に何らかの「スイーツ博覧会」が開催され、3階マカロニ広場内にイベント専用スペースも確保されました。

 

翌年2003年4月には開園当初からあった人気アトラクション「ファイヤーブル」が終了し、その跡地及びゲームコーナー「ナンダーセントラルステーション」を縮小し、2003年7月「アイスクリームシティ」がオープン。夏以外は売れないのでは?と当初は言われていましたが冬でも暖かい室内パークではアイスは受け入れられヒット。イベントでかき氷を扱ったもの好評でした。

 

2004年5月には「トレビヴァンジェーロ」が終了、跡地を中心に「東京シュークリーム畑」がオープン(後のよう2006年7月に「東京デザート共和国」にリニューアル)。

 

2005年5月には「進め!霊界三輪車」と「ナイトイーグルの砦」が終了し(「もののけ探検隊」も2021年現在の場所にスタート・ゴール地点を移設)、その跡地を中心にリラクゼーション店舗が集まった「りらくの森」がオープン。テーマパークでリラクゼーション施設が展開という新しい事業で、ナムコ自体も後に本格的にリラクゼーション事業に乗り入れています。しかし、一般受けは良かったとは言えず「りらくの森」は2010年5月終了と、僅か5年で閉鎖となっています。

 

2006年頃のマップ。3つのフードテーマパーク及び「りらくの森」がオープンした、2013年1月のリニューアルまで最終的な基本構成。

 

こうして名実と共に「フードテーマパーク」の印象を強くしたナンジャタウンですが、それは業績向上に貢献した半面、元の「遊び」(アトラクション)を犠牲にして設立するという流れを生み出すことになります。4年間で5つのアトラクションが終了し、その間アトラクション関係については特に新規要素なしという事態になりました。

 

そのためナンジャタウンは「昔からのファンを蔑ろにしている」、「成功したからっていくら何でもフードテーマパークを乱立し過ぎ」(※)という批判的な意見も多く出ました。

※(ナンジャタウン餃子スタジアム成功をきっかけに)ナムコはナンジャタウン内だけでなく日本全国にフードテーマパークを設立していく事になりますが、そのような背景にはナムコは2003年に企業として「成果主義」を取り入れたことに関係があると思われます。この制度では”過程”ではなく”成果”メインで評価が決まるためどうしても成果が上げられやすい過去のヒット企画の焼き直しが乱立しやすい(新規企画が通りにくい)というデメリットがあり、もちろん導入して成功した(業績が上がった)企業もありますが、ナムコの場合は「成果主義導入の失敗例」として挙げられる事も多かったです。

 

 ・2006年開園10周年

こうして一部批判はありながらもナンジャタウンは堅調に運営を続け、2006年には開園10周年を迎えました。この年の7月15日には新アトラクション「若返りの秘宝」、「占者ストリート」、新エリア「東京デザート共和国」(上記の「東京シュークリーム畑」のリニューアル)、りらくの森新店舗に常設としては国内初出店の「ヒロット」オープンなど4つの新施設がオープンし、久し振りにCMも放映された事でナンジャタウンは夏休み期間連日大混雑となりました。

 
また、当時アニメ放送10周年であった「名探偵コナン」と"W10周年"としてコラボイベントも実施され、こちらも盛況でした。なお、「名探偵コナン」のイベントは8ヶ月後の2017年3月春休み及び、2008年夏休みにも「金田一少年の事件簿」と共に(当時「少年サンデー✕少年マガジン」イベントがナンジャタウンでも実施され、ナンジャビザのスタンプが特別な絵柄になっていた)実施されています。
 
しかし、その後は2007年新アトラクション「ガウストパニック」オープン(しかもバグだらけで当初はまともに遊べなかった)、2008年はそのガウストパニックに"ガウストバズーカ"追加のリニューアルと、アトラクション関係は動きが少なく、シーズンイベントやタイアップ等のイベント実施程度に留まりました。
※当時2008年リーマンショックがあり、日本全体が"100年に1度の不況"と言われ、当然遊園地・テーマパーク業界も冬の時代でした。その12年頃の2020年、新型コロナウイルス感染拡大でリーマンショックを遥かに越える不況が来ることになるのですが・・・。
 
 

 ・2009年~アニメ・ゲームコラボイベント全盛

こうしたなか、2009年7月にナンジャタウンで初めてアニメ「NARUTO」とのコラボイベントが実施されます。これまで2006年に上記の「名探偵コナン」や他のアニメ・ゲームコラボは実施された事はありますが、ほぼ全域のテナント店舗が絡んだ大規模のコラボイベントは初めてになります。
 
このNARUTOイベントはそこそこ良かった程度でしたが、同年12月に行われた第2弾の「ワンピース」はナンジャタウン側の予想を大きく上回る盛況(会期半分の時点で売上は最終目標の3倍近くに到達していたとのこと)となり、翌年2010年3月から始まった第3弾「銀魂」はさらなる大ヒットなります(特に作中に出てくる「マヨ丼」を再現したフードが話題になり、ネットニュース等に大きく取り上げられた)。
 
こうしてナンジャタウンは、2010年以降「アニメ・ゲームコラボイベントを実施するテーマパーク」という位置付けを新たに確立していく事になります。年間を通して常に2~3つの作品とのコラボイベントを実施(大規模、中規模、小規模の3つを設定し、常に絶やさないようにしていたらしい)していきました。コラボイベントはナンジャタウン側だけでなく作品側にとっても大きな収益となる、まさにWin-Winな関係になるビジネスであったため、作品側から常にナンジャタウンへオファーが殺到しているような状況だったとのことです。
この遊園地・テーマパークでアニメやゲーム作品のコラボイベントは当時はナンジャタウンぐらいしか実施していませんでしたが、2013年~2014年頃からジョイポリス、そしてよみうりランドやとしまえん、東武動物公園等でも実施されていくようになり、2020年現在は全国の遊園地・テーマパークで恒例的な行事になっています。
 
「アニメ・ゲームイベントのコンテンツフォルダーのナンジャタウン」、それはナンジャタウンの集客・収益、そして何より新たなる層への"認知度"の貢献へ繋がり、遊園地・テーマパーク業界の新しいビジネスモデルを確立させました。しかし、同時に「節操のなさ」、元々あるアトラクションやパーク独自のイベントの更新は鈍った事から「オタク相手にしか運営しなくなった(オタクに媚びるとまで言われた)」と、根強い反発も多かったです。
コラボされた作品には当初こそ「侵略イカ娘」、「アイドルマスター」(2011年当時放映されていたアニメ版。後に「アイドルマスター シンデレラガールズ」を含むモバイル版・ゲーム版のコラボもありました)、「けいおん!」、「輪るピングドラム」、「化物語」、「アクセルワールド」など男性向け作品もありましたが、前述の「銀魂」を始め「薄桜鬼」、「うたのプリンスさま」、「タイガー&バニー」、「弱虫ペダル」など女性向け(腐女子向け)作品の方が遥かに人気・売上が良かったため、後に女性向け作品に特化していきました。これは他の遊園地・テーマパークでのアニメコラボも同様です。
 

・2013年リニューアル(縮小)オープン

2012年10月「来年2013年1月14日をもってリニューアルのため一時休園し、2013年夏リニューアルオープン」と告知。その後12月頃、「ナンジャタウン3階部分が少年ジャンプのテーマパークになる(パーク名が「J-WORLD TOKYO」と発表されたのは翌年2013年5月頃)」と発表され、ナンジャタウンが2階部分のみになることが明らかになりました。リニューアル前最終運営日の様子
 
そして2013年7月11日(木)、新たな少年ジャンプのテーマパーク「J-WORLD TOKYO」と共に「ナンジャタウン」はリニューアルオープンしました。(名称も「ナムコ・ナンジャタウン」から「ナンジャタウン」に変更。なお、7月11日は少年ジャンプの創刊日であり、それに合わせたオープン日と思われます。)リニューアルオープン当日の様子
 
リニューアルで面積は縮小したものの「魔法体験マジカル学園」(2019年8月31日終了)、「ゾンビブレイカー」、「爆裂!蚊取り大作戦」、「銭湯クイズどんぶらQ」の4つの新アトラクションを含めた12機種程のアトラクションが揃い、新キャラクター「モジャヴ」も登場するなど内容は充実。Webサイト「クラブナンジャ」でアトラクション記録を閲覧できるサービスも始まり、より進化していきました。リニューアル後もアニメ・ゲームコラボを継続していたのもあって順調な運営を続けました。
※ナムコとしては「J-WORLD TOKYO」の建設が最優先事業であったようで、2階のアトラクションをほぼそのまま残し、3階のアトラクションは移設が困難な物を終了させたような感じになりました。(終了したアトラクションは「ナジャヴの大冒険」、「ボムレンジャー」、「ナンダーバード秘密情報局」、「ビアンカヴィータ(メリーゴーラウンド)」、「福袋探偵大學」など。ビアンカヴィータはJ-WORLD TOKYOのアトラクションに流用されています。)
 
J-WORLD TOKYOはオープン当初から経営的にはかなり厳しく早期閉鎖すら検討されましたが、オープン8ヶ月後の2014年3月に造形演出をかなり追加したリニューアルを行い、また「黒子のバスケ」など人気作品を取り入れたり声優イベント等も実施して持ち直してきました。しかし経営がよろしくなかったのは変わらなかったようで、2019年2月に閉鎖、僅か約5年半の運営でした。そして跡地には2019年7月VRを中心にしたアクティビティが揃うパーク「MAZARIA」がオープンしましたが、こちらは翌年2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年8月31日に閉鎖。僅か1年の運営に・・・
 
2014年11月にはお化け屋敷「怨念旅館」を改装し、常設としては初めてアニメ・ゲーム作品とコラボしたアトラクション「妖怪ウォッチアトラクション 鬼時間脱出大作戦」(2019年2月17日終了)がオープン、2015年7月には実質的にガウストパニック(2015年5月終了)の進化版であるアトラクション「もののけハンターズ」がオープン、同年12月にはアーケードゲーム「釣りスピリッツ」のアトラクション版「ナジャヴの爆釣りスピリッツ」(ハウステンボスの「釣りアドベンチャー」に続く第2弾)がオープンするなど、これまでにないタイプのアトラクションが続々登場しました。
 
しかし、2016年は「開園20周年」を迎えるものの特にアトラクション等の新規施設はなく、翌年2017年も4月に「シークレット・サーヴォイス」(2019年8月31日終了)がオープンした程度に留まりました。
「シークレット・サーヴォイス」は自分も実際にプレイしましたが、内容はなかなか良かったものの別料金1000円と言うこともあり、声優ファン以外一般的には殆ど認知されず、そのまま終了していった印象。
 
2018年7月には、開園以来初めてもののけ番外地を中心にアクター演じる"怨霊"が徘徊したり本格的なホラーアトラクションが登場する「ナンジャ怨霊フェス2018」(プロデュースは「株式会社怖がらせ隊」)が開催。元々実施予定はなく急遽用意された企画ではあったものの、評価は非常に高く連日大盛況となり、ナンジャタウンの新たなファン層確保に繋がりました。翌年2019年8月にも「ナンジャ怨霊フェス2019」が開催され、昨年以上の盛況に。そして同年2019年12月にはイベントのホラーアトラクションが「イマーシブシアター音無回廊」として常設化されました。

 

 

こうして振り返ると、ナンジャタウンは常に時代の先を行き、なおかつ斬新な進化を遂げていたと言えます。開園当初はゲーム会社運営のテーマパークでこれまでになかったインタラクティブ性を取り入れたアトラクションを展開し、開園6年目の2002年にはまだあまり実績の無かった「フードテーマパーク」を導入しさらに業績を向上、さらに2009年にはアニメ・ゲームコラボを始め収益を確保するという今までに無かったビジネスを行う・・・。

 

良く言えば「斬新な発想の世渡り上手」、悪く言えば「伝統やコンセプトを守らない流されやすい体質」であると言えます。開園当初からのファン離れを起こすような大胆な変容を遂げてきたのは事実です。

 

ただし、遊園地・テーマパークを取り巻く環境は「2020年新型コロナウイルス感染拡大の影響」で大きく変わってしまいました。それ以前に、ナンジャタウンを運営するナムコ(バンダイナムコアミューズメント)においては、「ナンジャタウン」自体は(コラボイベントによる功績で)好調ではあるものの、(新型コロナウイルスの影響前から)新規オープン施設の大幅な赤字などが響いたこともあって部門全体としては収益状況は良くなく、そこにさらに新型コロナウイルスの影響が加わってアミューズメント部門は大幅な赤字状況と、かなりよろしくない状況に陥っています。

 

 

〇2021年3月19日(金)ナンジャタウン3度目の大規模リニューアル

2020年12月16日、バンダイナムコよりナンジャタウンが翌年2021年3月19日(金)にリニューアルされることが発表されました。上記の「MAZARIA」の閉鎖後の跡地の半分が、アニメ・コラボの専用スペースである新街区「Hugood!(ハグッド)街区」が新設。残り半分は「ガシャポンのデパート」として整備されました(こちらはあくまで別パークで、"ナンジャタウン"の施設ではない)。

 

施設のロゴも下記のものに一新。

 

さらに、3階部分だけでなく「ナンジャタウン全体も屋内型テーマパークから全てのIPファンをターゲットにしたCX(カスタマーエクスペリエンス=顧客体験価値)型複合施設に生まれ変わる」と告知されており、アトラクション関係の動向が注目されています。

 

2021年10月には、猫のふれあいパーク「ニャンジャタウン」がオープン。

 

 

この25年間ナンジャタウンは激動の社会の荒波を乗りこなし、時には先を見越した対策で予め乗り越えてきました。今回の危機も、従来のよう上手く乗り越えてみせてくれますでしょうか・・・? そしてまた常人には予想もつかないような奇策を打ち出して驚かせてくれるのでしょうか・・・。

 

2020年11月 9日  初稿記載
2020年12月16日 改定・追記

2021年2月15日 改定・追記

2021年2月19日 改定・追記

2021年11月18日 改定・追記

 

〇その後、2022年以降のナンジャタウン

上記の「Hugood!街区」ですが、2023年2月1日終了と僅か2年のみの展開となり、ナンジャタウン全体も特に大きな変化はありませんでした。

 

Hugood!街区跡地は、2023年3月に「バンダイナムコ クロスストア東京」というオフィシャルショップに。今回は開業当初から非常に好調とのことなので、暫くはこの路線のまま行くと思います…。

 

そして2024年、3月16日にもののけ番外地「NINJA TOWN(ニンジャタウン)」という新たなエリア(アトラクション含む)にリニューアルされる事が発表されました。

 

ここにきてようやく、園内全体の大きなリニューアルの実施となりました。恐らくですが、上記の「ナンジャタウンが生まれ変わる」、「今後段階的にリニューアル」が発表された直後(2020年12月移行)、新型コロナウイルスが再び感染拡大となり(2021年1月には2度目の「緊急事態宣言」が発令されている)、その後も感染拡大の波を繰り返し2023年後半~2024年になってようやく社会的影響が落ち着いてきたので、当初実行予定の企画が今になって発表されているというのもあるかもしれません。

 

 

〇参考(外部リンク)

「ナンジャタウンライブラリー」(ねお・あみゅーずめんと様)
1996年開業当初からの、イベントちらしなど貴重な資料が展示。