フーテンの横チン -54ページ目

ありがとう。そして、おつかれさま。


2015・9・15~愛媛・松山市~
 やっぱりか…。一報を聞いた時、そう思った。nanoCUNEの木下こころの卒業が所属事務所から発表された。数週間前から体調不良で休養中。早期復帰を目指していたが、思うように体調が回復しないことから、ご両親、所属事務所と話し合ったうえで決断したという。15日付でのアイドル卒業。ファンにとっては衝撃の発表だったが、本人が一番、悔しかったに違いない。自分も陰ながら応援していただけに残念だった。
 初めて、こころに会ったのは昨年7月の大街道での盆踊り。夜市の風景写真を撮りに行った際、浴衣姿で歩いている彼女を見かけた。あれ、テレビCМで見たことある子だよな。何があるんだろう…。そう思って追いかけたら、大街道の入り口に、舞台が設置されていた。関係者に聞いたら、nanoCUNEとAiCuneが浴衣姿で踊るという。地元アイドルにはまったく知識がなかったから、興味本位で見ていこうと思ったのだ。

 あとで分かったことだが、彼女は3姉妹の長女。AiCuneにはきらり、あすみの2人の妹がいた。当時は何も知らない状態で写真を撮っていたのだが、こころの後ろで、なんだか顔が似ている子が踊っているなあと思っていた。定期公演などに行って、いろんな人と話をすることで、こころ、きらり、あすみが姉妹だと知った。ファンの間ではもちろん、木下3姉妹は有名な存在だった。
 いま思えば、こころを見かけなければ、和佳音と出会うこともなかったのだ。地元アイドルにはまったくと言っていいほど興味がなかったけど、せっかくの機会だから、できるだけ写真を撮っておこう。そう思って、2つのアイドルグループの写真を撮っている時、笑顔の和佳音を見たのだ。昔、好きだった子にソックリだったこともあり、特に印象に残っていた。気がつけば、こころと和佳音ばかりにレンズを向けていた。

 正直に言うと、容姿では和佳音よりも、大人っぽい顔立ちのこころが自分の好みだった。8月中旬、フジグラン松山でのイベント。仕事帰りに駆けつけたのだが、ライブはとうに終わっていた。でも、サイン握手会があるという。CDを購入すれば、4人のメンバーと握手ができるというので、買って列に並んだ。こころの目はまるで女優のようにキラキラしていた。油断をすれば、吸い込まれそうなくらいの輝きだった。まあ、結果的には和佳音推しになるのだが…。

 初めてnanoCUNEのライブを撮影したのは昨年10月25日、大街道で開催された「・サイクリングしまなみ・松山サイクルフェスタ」でのミニライブだった。nanoCUNEはライブ会場では撮影NGで、めったに写真を撮れないので、とても楽しみにしていた。ステージに現れた4人。かわいらしい衣装のAiCuneとは違い、黒一色の衣装がとてもカッコいいと思った。

 ほかの3人もキレキレのダンスだったし、魅力的だったのだが、髪を下ろして、振り乱しながら踊るこころに、どうしても目線が行った。きれいな顔立ちをしているのに、笑えばモンチッチみたいなかわいい表情になる。それが彼女の魅力のひとつではないかな。表情も豊かだし、写真を撮る身としてはありがたい存在だった。

 翌26日の福角会祭り後のサイン握手会が石手川公園であった。所用で遅れていた和佳音を待っている間、こころの列に並んでみた。顔を見るなり「久しぶりだよね。えっと、名前は…」。じらすように、よ…、こ…、と1文字ずつ言うと「横チン!」と思い出してくれた。「横チンって、ナノの定期公演には来たことないよね?どこに行ってるの?」。そう聞かれたので、AiCuneと言うと「誰推し?」。和佳音。「そうか、和佳音ちゃんか。きらりたちもよろしくね。ナノも来てよね!」と強い口調で言われた。ちょっぴりムッとした顔も、かわいいなあと思った。

 すっかり和佳音のとりこになっていたから、nanoCUNEのライブに行くことはめったになかったけれど、3姉妹の仲のよさ、きずなの深さをかいま見る機会はあった。昨年11月上旬のAiCune定期公演でのあすみ生誕祭。アンコールで、あすみがソロでnanoCUNEの「碧の世界」を歌っている時、nanoCUNEメンバーがバックダンサーとして姿を見せたのだ。一生懸命に歌う妹を鼓舞するように、こころたちが笑顔で踊っていたのが印象的だった。

 そして、アンコール終了後、こころがバースデーケーキを持って登場した。大好きなお姉ちゃんが持ってきてくれたからだろうなあ。あすみは少し照れくさそうに、うれしそうな表情を浮かべていた。そんな顔を見て、こころもなんだか満足そうな表情だった。自分のことのように喜んでいた。

 そして、二女・きらりからあすみへの手紙。妹のダメなところを暴露したかと思えば「あっちゃんへのファンの声援が自分のことのようにうれしい」「いっしょに活動できることがうれしい」と感動話を披露。すると、ステージの端に座って見守っていたこころもうれし泣き。姉妹愛、いいなあ。うらやましいなあと思った。

 おちゃめな面もチラホラ。昨年11月下旬の「マックル神?文化祭」での一場面。グループそれぞれが手づくりの食べものを販売。時間終了間際に使わなかった材料の「たたき売り」が始まった。きらりが食パンの包装にサインを書いていたところ、背後から近づいてきたこころが邪魔をし始めた。これも一種の姉妹ゲンカなのかな?ほのぼのとした光景を見た気がした。

 お姉さんだなあと思ったのが1月の香川・小豆島へのバスツアー。宴会場での夕食の際、隣に座っていたあすみの服を直していた。当時はまだ中学1年生の妹。「ほら、身だしなみはちゃんとしなきゃ」という、こころの声が聞こえそうなシーンだった。お姉さんというよりはお母さんにも見えたかな。

 ステージの出しものの終了後、3姉妹がいっしょのテーブルにいた。せっかくだから、姉妹のスリーショットを撮っておきたい。リクエストをすると、みんなが快くポーズを決めてくれた。「アナと雪の女王」のハンス王子役のきらり、オラフ役のあすみとともに写るこころ。こうやって3人を見てみると、こころはやっぱり長女だなって、あらためて思った。

 5月の石手川公園でのピクニック。シャボン玉で遊ぶこころがいた。シャボン玉鉄砲?から飛び出す、たくさんのシャボン玉を見つめる彼女をファインダー越しに見ていて「きれいだ…」と感じた。マックル勢のなかでは1番の美人さんだと思っている。この写真、お気に入りのひとつだ。

 結果的に、8月の松山堀江港祭り花火大会が、nanoCUNEのライブの撮影した最後の日になってしまった。FRUITPOCHETTEとともにステージへ。おだんごにしたり、ポニーテールだったり。いろんな髪型でダンスするこころを見てきたが、やっぱり下ろしたストレートが一番似合う。あゆちゃんとあやみちゃんがショートカットになっていたから、余計ににそう感じた。躍動感あふれるダンスが好きだった。

 こころの卒業を聞いてから、これまで撮ってきた写真を見返してみた。数あるカットを見て、共通しているなと思ったことは「木下こころはアイドルだなあ」ということだった。どんなに激しいダンスをしている時も、笑顔を絶やしていない。ファンあってこそのアイドル・木下こころ。私が楽しくなくっちゃ。おそらく、そんなことを頭に入れて、活動をしてきたんだろうなあ。
 先にも言ったが、こころを見かけなければ、和佳音と会うことはなかった。つまらない休日を過ごしていた自分に「アイドルのライブで写真を撮る」「和佳音の写真を撮る」という新たな楽しみをつくるきっかけを与えてくれたのは間違いなく、こころだった。振り返ってみると、街中で一番出会ったアイドルがこころ。プライベートだから、声をかけずに通り過ぎようと思ったこともしばしばだったが、そのたびに「横チン!」と彼女から笑顔を見せてくれた。本当にうれしかった。
 彼女と最後に話したのは8月21日、あゆちゃんといっしょに手伝いに来ていた、TSUTAYA三津店でのAiCuneの新曲「渚のシンパシー」のリリイベになってしまった。その時は元気そうな表情だっただけに、今回の体調不良による卒業が残念でならない。唯一、悔いが残るのは、nanoCUNEの定期公演に一度も行かなかったこと。いつでも行けると先延ばしにしていた。こころがいるnanoCUNEのライブはもう見られない…。そう思うと、とてもさみしい。でも、いまの彼女に大切なのは体調を万全にすること。だから、じっくりと治療に専念してほしい。いつか、どこかで、元気なこころに会えたらいいなあ。こころ、いままでありがとう。そして、おつかれさま。

プレイバック・和佳音 29


2014・11・2~愛媛・大洲市~
 ハンバーガーとフライドポテトを食べながら、窓越しに見慣れぬ風景を見ていた。どんよりとした曇り空。道路沿いの歩道を時々、家族連れが歩いていた。お店の人に聞くと、地域のお祭りがあるという。そんな時、あるファストフード店で昼食を取っていた。少し早く来すぎたかな…。午後2時から、AiCuneのミニライブが愛媛日産大洲店であるので、駆けつけていたのだ。大洲に来るのは8月の花火大会以来だった。ライブ開始までの時間、いろんなことを考えていた。もちろん、和佳音のことがほとんどだった。
 アイドル活動と学業の両立。いままで深く考えたことはなかったが、とても難しいことなんだなって思った。10月26日の福角会祭りのライブの後、和佳音が模試を受けていたことを知った。とても驚いたし、感心した。不器用な自分なら、そんなことは到底できないからだ。主な活動は休日だが、平日は学校を終えた後、レッスンをこなしている。まあ、部活動をしている子たちと同じなのだが、夜遅くまでダンスの練習をしていることも知っていた。そのうえで、学生の本分である勉強もおろそかにしない。頑張っている姿を目の当たりにして、和佳音のことがますます好きになっていた。
 だから、会いたいと思う気持ちもおのずと募る。本当は午前中の宇和島和霊店でのライブも行きたかったが、足がない。いたしかたなく、大洲店だけの鑑賞に絞ったのだ。開始時間が迫ってきたので、大洲店へ移動。会場にはすでに、多くのファンが駆けつけていた。すでに席が埋まっていたので、上手の窓際から撮影することにした。メンバーは黒のTシャツとパニエで登場。和佳音はポニーテールだった。スタートは新曲「渚のシンパシー」。最初はAiCuneらしくない曲だなあと思っていたけど、聴けば聴くほど、いい曲だと思うようになった。いわば、スルメのように味わい深い。
 たぶん、メンバーもそうなんだろうなあ。和佳音たちも歌うごとに、楽しそうにダンスしているように見えてきた。2番を終えた後の間奏部分のダンス。和佳音が笑顔でレンズのほうに視線を向けた。うん、やっぱり楽しそうだ。背景には、子どもたちが描いた絵がたくさん張られていた。なんだかほっこりする空間でのライブだな。この後「恋愛カリキュラム」や「ミズイロの閃光」など全5曲を歌った。定期公演とは違い、約20分と短いミニライブだが、場所が変われば、雰囲気や表情も変わるというもの。和佳音もいつも以上に楽しそうに見えた。

 ライブ後の握手会。愛媛日産ではCDを購入しての全員握手会となる。初めてAiCuneのライブを聴いた8月の松山インター店以来だ。でも、心配なことがあった。実は和佳音以外のメンバーと話すのは、松山インター店が最後。卒業公演で空ぽん、りさりさ、うーたんに並んだだけで、ほかの5人とは定期公演後の握手会では1度も並んでいない。だから、何を話せばいいのか分からない。どうしようか、何を話せばいいのか。あれこれ、ずっと考えていたが、何も思いつかなかった。そして、順番が回ってきた。最初はあすみ。とりあえず、あいさつすればいいかな。そう思って前に立つと「あっ、横チンさん!久しぶり!!」という声。びっくりした。
 彼女と話すのは2回目。前回は何を話したか全然、覚えていない。たぶん、名前も名乗っていなかった。それなのに、自分の名前を呼んでいる。覚えてくれているの?思わず聞くと「もちろん。定期にも来てくれて、ありがとう」と笑っているではないか。全員握手会では話せる時間が約30秒と短いから、こんな会話しかできなかったが、とてもうれしかった。そして、次は和佳音。いつも通り「ヤッホー、横チン♪」のあいさつで始まった。「あっ、散髪している。寒くないの??」。髪を切っているのに気づいてくれた。うん、いつもこの髪型だから。宇和島にも行きたかったけど、行けなくてごめんね。「いいよ。大洲には観に来てくれているんだから。ありがとね」。あっという間に時間が来てしまった。もっと聞きたいことがあったのに…。
 消化不良だったが、和佳音と握手して、次のりっちゃんの前に進んだ。「横チンさ~ん!」。満面の笑みで手を振っているではないか。またまた、びっくした。覚えてくれているの?あすみの時と同じ質問をすると「もちろんですよ」と言う。なんだかテンションが高い。彼女はいろんなことを聞いてきた。「どんなアイドルさんが好きなんですか?」。うーん、AKBをテレビで観るぐらいかなあ。「私もAKBさんが好きです。誰推しですか?」。さっしー。「指原さん、かわいいですよね。私はぱるる推しなんですよ。めっちゃ、かわいいでしょ?」。まさにマシンガン。次々と、言葉が出てきた。いままで分からなかったが、こんなに話し好きなんだな。新たな発見だった。
 その後も、ひとみん、きらり、まーちゃんと並んだが、みんなが「横チンさん」と名前を呼んでくれた。最初は不安しかなかった全員握手会だったけど、終わってみれば、満足している自分がいた。9月に初めて定期公演に行って、やさしい笑顔を見て、和佳音推しになった。以降、和佳音としか話していなかったけど、こうやって、ほかのメンバーと話すことで、新鮮な気分になれた。何よりも、全員が自分の名前を覚えてくれていたことが何よりもうれしかった。ただ、和佳音の顔を見たくて、話したくて訪れたミニライブだったが、AiCuneがますます好きになった。帰りの駅へと向かう道中「今度の定期公演では、ほかのメンバーにも並んでみようかな」と考えている自分がいた。

日曜日はカレー曜日~その90・なると金時カレー~


2015・9・13~愛媛・松山市~
 イモは大好きな野菜のひとつ。でも、ここ最近の天候不良からか、ジャガイモがめっちゃ高いんだよね…。でも、久しぶりにホクホク感を味わいたい。そう思っていたら、おいしそうなものが目に入った。なると金時だ。だいぶ前にさつまいもでカレーをつくったことがあったが、なかなかうまかったな。よ~し、つくるか!少し太めのものを購入。相棒はニンジンと豚肉にした。
 野菜そのもののを味わいたいから、皮を残したまま、大きめにカットした。ルーを溶かした後、いつもより長めに弱火で煮込んで、ホクホク感が出たところでできあがりだ。じっくり煮込んだので、なると金時が少し溶けて、ルーにとろみが出てうまい。イモだけでもボリュームがあるから、ライスはいつもより少なめでよかったかな…。ああ、おなかいっぱいだ。