シンクロ
2010・1・29~沖縄・座間味島~
海に住む生きものたちを観察する時、あなたは何を求めるだろうか?やはり、ド迫力のパフォーマンスだろうか??拙者はどちらかといえば、美しさを求める。この3日間のホエールウオッチングで、お気に入りのシーンを挙げるとすれば、上の写真だ。ザトウクジラが深く潜る前に尾びれを上げる「フルークアップ」という行為。ここでは、並んで水面近くを泳いでいた2頭が同時に体を沈めていくのだが、尾びれからしたたる滴が滝のようで、とても美しい。まるでシンクロナイズドスイミングのワンシーンのように息ピッタリである。このようなシーンはなかなか見られるものではなく、船上でも「うわあ~、きれい」のような声が上がった。最終日には、ついに間近でジャンプ「ブリーチ」(下写真)を見られた。発見した時には何度もやった後だったため、すでにお疲れモード。最高の時には尾びれ近くまで見えるのだが、この日は3分の2ほどしか体が出ていなかった。まあ、観察できたからいいか。初めて生で見たザトウクジラ。強さと美しさを兼ね合わせた生きものを見て、間違いなく「クジラ病」を患った。当分、治りそうにない。
大ジャンプ
2010・1・28~沖縄・座間味島~
つ、ついに出た~~~!!!ホエールウオッチング2日目。午後から前線通過との天気予報で、ちょっぴり早めの出港だ。島近くの海を遠目に見ていると、ザトウクジラが暴れていた。肉眼で見ても豆粒だったが、これはなんだか期待できそうだ。そんな予感は見事に的中した。船はカップルのクジラを追跡。観察から2時間ほど経ったころ、これも遠目だったが、その2頭が交互に大ジャンプした。船長が「ブリーチだ!!」と絶叫。水面から体全体を出して天に向かって跳び上がり、体をひねりながら再び、頭から水中へと戻る。この行為はホエールウオッチングで最大の見もので、体に付着したフジツボをたたき落とすためとか、威嚇行為だとも言われている。迫力満点のパフォーマンスに、船上のゲストは「すご~い!!」「キャア~~!!!」と大盛り上がり。しか~し…。波が高く、船が上下に揺れたため、肝心の写真はブレブレ…。「まあまあ。きょうのクジラは次もやってくれそうだよ」とスタッフの慰めを発奮材料にして、今度はより一層、集中した。失敗から30分後。その時は再び、やってきた。おそらくオスのほうが大ジャンプ。今度はしっかりと押さえた。これも遠目だったため、写真はちっちゃかったが、まあ、ないよりはいいか…。予報は的中し、午後は出港中止。前日と比べれば短いウオッチングだったが、内容は比べものにならないくらい濃かった。次は間近で見たい!!!
海の中のスパイ
2010・1・27~沖縄・座間味島~
海の世界に興味を持ち始めてから、ずっと抱いていた夢をついにかなえた。クジラを生で見たい。ホエールウオッチングのため、プライベートで初めて、冬の沖縄を訪れた。那覇から高速船で約1時間のところに、ザトウクジラが住むケラマの海がある。繁殖行動のため、遠くの海からやってくる。久しぶりに胸をワクワクさせながら、いざ船に乗り込んだ。ずっと遠くを見ていると、水面から潮が噴き出た。おおお~~~、クジラだ!!!船の周りをグルグル回遊している。経験値ゼロの拙者は、いったん海の中に沈んだクジラがどこでまた現れるのか、まったく分からない。キョロキョロしていると、今度は目の前でブローだ。デカイ!!!!!体長は軽く10メートルを超えている。当然のことだが、映像で見るクジラとはインパクトの大きさが違う。気づけば6頭近く、船の周りにいた。しばらくカメラで追っていると、1頭のクジラがニョキッと頭を水面から突き出した。その時間、3秒弱。なんだか、こちらの様子をうかがっているようだ。その通り、この行動は「スパイホップ」と呼ばれる。クジラ写真の第一人者でもある船長に聞けば、珍しい行動なのだそうだ。こりゃ、初日から幸先がいいぞ。残念ながら、最大の見ものでもある大ジャンプ「ブリーチ」は見られなかったが、初っ端から全部かなっちゃ面白くない。楽しみは2日目に取っておこう。



