フーテンの横チン -344ページ目

ミズタマ


フーテンの横チン

 2010・3・28~東京・小笠原~

 母島に来たんだから、水中でザトウクジラを見たいのだが、ニアミスばかりで現れてくれず…。でも、他にも見逃せない生きものはいる。「小笠原に来たんだから、これは見逃せませんよ」。ブリーフィング中のガイドさんの思わせぶりなセリフに乗せられて、さあ深場へダイブ!!水深30メートルを超えた少し暗い場所に、ヤツはいた。クリーニング中で、気持ちよさそうだ。「日本では小笠原にしかいません」というミズタマヤッコだ。背びれと尾びれの部分に黒い水玉があるのが特徴。「臆病なんで、すぐに逃げちゃいますから」。そ~っと息をひそめて近づく。すると、ヤツは少しこちらをにらみながらも、目の前でウロウロしていた。「きょうはなんだか、ジッとしていくれていましたね」。いつもよりもおとなしかったらしい。ありがとさ~ん。その海にしかいない生きものを観察することも、ダイバーであることのだいご味のひとつだ。

♥♥♥


フーテンの横チン

 2010・3・27~東京・小笠原~

 海の中で、違う意味で興奮した!?マクロモードになってチョウチョウウオやハゼなどを撮影していると、遠くでチリンチリンとベルの音。なんだ??そっちの方向を見ると、女性のガイドさんが、やけに大きく手を振っていた。どうしたの?「ウミウシが交接しているよ」。見ると、ゾウゲイロウミウシのカップルが繁殖中だった。おお~、ヤッているねえ。ファインダー越しにジッと見ていたが、ダイバーなんか気にせず、長い時間、続いている。「お盛んですなあ…。ふ~ん、こんな体位でするんだねえ」。小さなウミウシを見ながら、こんな不謹慎なことを思っている拙者っていったい…。まあ、真面目な話、我々人間と同様、彼らも未来に子孫を残していくためには不可欠な行動ですからね。ウミウシさん、厳しい海の世界で生き残っていくためにも、頑張ってください!!!

オアシス


フーテンの横チン

 2010・3・26~東京・小笠原~

 まるで、砂漠の中のオアシスだ。どんよりとした曇り空の中でのダイブ。太陽が出ていないため、海の中も暗い…。広~い砂地を5分以上泳いでいくと、ポツンと生えるサンゴが出現した。下の方を見るとキンメモドキの群れ、サンゴの上ではカシワハナダイやヨスジフエダイが気持ちよさそうに泳いでいた。着底して写真を撮っていると、岩場の奥からアザハタが出てきた。まるで沖縄・座間味の「ニシ浜」のような景色だ。ストロボをバシッと当てると、カシワハナダイの赤桃色の肌がきれいに浮かび上がる。う~ん、これが天気のいい日だったら、もっときれいなんだろうな…。母島には、沖縄などで見るようなサンゴ礁があまりないため、このようなシーンはけっこう珍しいのだ。久しぶりに癒された。しかし…。肝心のザトウクジラが現れてくれない。ソング(鳴き声)は体全体に伝わるぐらい響いているのに…。初めてマンタを見た時のように、早く興奮したいよ~。