フーテンの横チン -341ページ目

もうひとつのさくら


フーテンの横チン

 2010・4・8~大阪・豊中市~

 なんだか、妖艶なさくらに見えませんか??ちぃ散歩ではないが、カメラを持って近所をブラブラ。服部緑地公園にも、さくらの木があり、親子連れやカップル、友達同士が楽しそうに花見をしていた。青空が広がる最高の天気の中、桃色のさくらが映えていたが、そのまま写しても、なんだか物足りない。ちょっぴり遊んでみようか。カメラをいじくってみた。曇天に設定していたホワイトバランスを白色蛍光灯にチェンジ。すると、日陰にあったさくらが、上のような絵になる。曇天の色温度(ケルビン=K)は6000Kで、白色蛍光灯は4000K。温度を下げることで、花びらが青みがかるのだ。暖かい色が売り物のさくらから、あえて赤みを消したことになる。すみれの花のようにも見える。サクラ好きや正統派のカメラマンから「邪道だ!!」なんて声が飛んできそうだが、こんな遊びも時には必要だ。今度は海の中でも遊んでみよう。

誰よりもカッコいい人

 2010・4・7~大阪・某所~

 迷ったが、書くことに決めた。そうしないと、きちんとお別れができそうにないから…。

プロ野球の巨人・木村拓也内野守備走塁コーチがクモ膜下出血のため、亡くなった。午前中のニュースで知った時「えっ??ウソだろ???」と言葉を失った。目の前が真っ白になった。享年37歳。若すぎる、若すぎる…。なぜだ…。2日の広島戦の練習前のシートノック中に倒れたというニュースを聞いてから、ずっと心配し、奇跡の復活を信じていただけに、最悪の結果にショックは大きかった。絶対に聞きたくなかった訃報…。一日、何もする気が起こらなかった。

 大好きな選手だった。前職の新聞記者時代、カープ担当をしていた時、キムタクさんとは歳が近いこともあり、野球の話だけでなく、いろんな話をさせてもらった。当時からユーティリティープレーヤーとして活躍していたが、外野陣は金本、緒方、前田と、他球団もうらやむ不動の3トップ。彼は内野も守れたが、当時は二塁・東出、三塁・江藤、遊撃・野村で固定されていた。走攻守の三拍子がそろった逸材も、ベンチスタートばかりの不遇の時代。そんな状況下でも、ふて腐れずに誰よりも練習をしていた。ライバルでもある東出ら若手にも、プロの先輩として惜しみないアドバイスをしていた。

 ある日の試合前、彼が捕手の守備練習を始めた。突然の出来事に、誰もが驚いた。捕手として日本ハムでプロ入りしたものの、すでにコンバートしてから、長い年月が過ぎていた。厳しいプロの世界。ましてや、捕手は経験がモノをいうポジションだ。そんな突貫工事をしたところで、通用するわけがない…。記者として若かった僕は、とんでもなく失礼な質問をした。「いくらキムタクさんでも、捕手は厳しいんじゃないですか??」。ぶしつけな問いかけにも怒ることなく「そうかもね。でも、誰もできないことをやらなきゃ、オレは試合に出られないからね」と笑っていた。

 「試合に出たい」が口癖だった。当時の達川監督は「控え捕手を使い果たした時、いざという時に備えてキムタクに練習させとるんよ。“どこでも守るから、試合に出してください”って言うんよ。ウチにとって貴重な存在よ」と、うれしそうに話していたのが印象的だった。試合に出てナンボの世界。だから、がむしゃらに立ち向かっていくんだ。僕は恥ずかしくなった。数日後、キムタクさんに謝罪した。すると「そんなこと気にしなくていいよ。おまえも、何でもできる記者になれ」と逆に励まされた。このシーズン、彼は数試合、捕手として出場した。頑張れば、何でもできる。背中で教えてくれた。

 カープ担当を離れた後も、キムタクさんの活躍は気になった。レギュラーを奪い、体いっぱいを使ってのファインプレーに感動した。2004年のアテネ五輪では日本代表に選出され、銅メダル獲得に貢献した時は、めっちゃうれしかった。06年に巨人に移籍した後も、キムタクさんのプレーだけは気になって注目していた。昨季、日本一を達成した時に見せた笑顔は、いまでも忘れられない。

 原監督が大粒の涙を流しながらインタビューに答えているのを見た瞬間、僕も涙をこらえきれなかった。この日の阪神戦。先発・西村が快投し、センター・松本がダイビングキャッチを見せた。身震いした。見えない力が働いていると思った。完封勝利後、本塁打を放った小笠原が「タクさんが勝たせてくれた」と涙をこらえながら話していた。同感だった。キムタクさんに勝利をささげたいという思いが前面に現れていた。

 さまざまな困難を乗り越えてきた苦労人だからこそ、ファンはキムタクさんを愛したんだろうな。誰よりもカッコよかった。今後、彼のような選手が現れるだろうか。いや、絶対に現れる。きっと、彼は天国から将来の“キムタク2世”を温かく見守っているはずだ。キムタクさん、ゆっくり休んでください。合掌…。

ダイビングの祭典

 2010・4・4~東京・豊島区~

 池袋で開催されている某ダイビング会社主催のダイビングフェアをのぞいた。関西在住であるため、フェアに行くのは初めて。不況が続く中、器材やカメラの会社をはじめ、世界各地から集まったショップのガイドさんが各ブースでPR合戦を繰り広げていた。各地でお世話になったガイドさんもいるので、ちょっくらあいさつに。拙者の顔を見るたびに、開口一番「焼けている!!」「黒い!!」の声の嵐。地黒なんですけど、何か?すでに、ご存知でしょ??あなたこそ黒いですけど…。まあ、いつもの会話になので、気にはなりませんが…。なかには、歩いているだけで捕まるんじゃないかっていう格好をしたガイドさんもいて、おかしかった。久しぶりに見る顔ばかりだったので懐かしかったし、まだ行ったことのない国のブースで写真を見るたびに「行きたい!!」と、欲望は膨らむばかりだった。

フーテンの横チン



フーテンの横チン


 同会場では、フォトコンテストで入選した作品の写真展も開催されていた。拙者も恥ずかしながら2作品、入選させてもらった。上が自由部門で、メキシコ・ラパスで会ったカリフォルニアアシカが水中に向かって突っ込んできた瞬間のひとコマ。下がネイチャー部門で、タイ・タオ島での写真。ジンベエザメを撮っていたところ、コバンザメがカメラの前に現れ、偶然に撮れたワンカットだ。