フーテンの横チン -327ページ目

都会のレインボー


フーテンの横チン

 2010・8・27~大阪某所~

 うれしさ半分、悔しさ半分だった…。晩飯を食おうと思ってブラブラ歩いていると、周りの通行人が一斉に携帯電話のカメラを使って、何かを撮りはじめた。ん??なんだろう??その方向を見てみると、なんと虹が架かっていたのだ。それも、デッカくて、きれいな虹。七色がはっきりと識別できる。いままで見たことのあるのは、遠くの方にあるものばかりだったので、こんな都会の真ん中で間近に見られるとは思わなかった。「めっちゃきれいな虹だ!!」。後ろにいた男の子の大きな声。うんうん、とってもきれい。僕の人生の中でも最上級のアーチだった。しかし…。肝心のカメラがない!!もちろん、ウチに取りに帰る時間なんてないし…。しかたなく、携帯電話のカメラでパシャリ。いままでの使用法は、時刻表や値段など、メモ代わりに撮るだけ。でも、こうやって撮った写真をパソコンで見ると「意外に撮れるんだね」と感心した。僕の携帯電話は3年以上も前のもの。新しいものでは花火も撮れるというぐらい。時代は進化しているんだねえ…。


8月15日


フーテンの横チン

 2010・8・15~広島・広島市~

正午になると、サイレンが鳴り響いた。その場にいた誰もがそっと目を閉じ、静かに黙とう。無念の思いで戦死した人々の安らかな眠りを祈った。8月15日。広島で終戦記念日を迎えた。原子爆弾を初めて投下された地であることは言うまでもない。同市中心地にある平和記念公園。多くの人々が列をつくり、慰霊碑の前で手を合わせていた。「安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから」。碑に書かれた言葉の意味を、あらためて確かめた。アーチ状の慰霊碑をまっすぐにのぞくと、核廃絶を願う平和の灯、そして世界遺産に登録されている原爆ドームが見える。終戦から65年。自分と同じように、戦争を知らない子どもたちが大半を占めてきている。慰霊碑の前で、ゲラゲラと笑いながらピースサインで記念撮影する数人の若者がいた。この日が何の日か、この場所にどんな意味があるのか、分かっていないのだろうか…。そんな光景を見ていて、とてもさみしくなった。もちろん、毎日、ずっと戦争のことを思う必要はない。だけど、せめて1年に1度は65年前の日々をかみしめることは日本人として大切なのではないか。決して忘れてはいけない。当たり前のような平和な時間が流れるいまだからこそ、そう願う。


衝撃の花火


フーテンの横チン

 2010・8・14~広島・宮島町~

 1時間のショーが終わった時には「衝撃」しか残っていなかった。「宮島の花火を観たら、他の花火は観られない」。そんなウワサはずっと以前から聞いていた。やっと訪れることができた宮島水中花火大会。日本三景・厳島神社で有名な宮島の海上で打ち上げられる。最大の見どころは水中花火。花火師が船で移動しながら尺玉を水中に投げ込むと、数秒後に爆発。大きな弧を描いた火の筋は、沖合の大鳥居の上をはるかに越え、シルエットで浮かび上がらせるのだ。今年は干潮を少し過ぎた時間帯だったため、多くの客が潮の引いた場所で鑑賞した。水中花火が打ち上がるたびに、体全体に振動が伝わってくる。あまりのド迫力に「すごい、すごい」の言葉を叫びながら撮影していた。「なっ、すごいだろ?もう他の花火は観られないよ」。何度も通っているというベテランカメラマンが笑っていた。その通り!!みなさんも機会があれば、観てほしい。言葉にできないほどの「衝撃」が目の前で繰り広げられるから。