8月15日 | フーテンの横チン

8月15日


フーテンの横チン

 2010・8・15~広島・広島市~

正午になると、サイレンが鳴り響いた。その場にいた誰もがそっと目を閉じ、静かに黙とう。無念の思いで戦死した人々の安らかな眠りを祈った。8月15日。広島で終戦記念日を迎えた。原子爆弾を初めて投下された地であることは言うまでもない。同市中心地にある平和記念公園。多くの人々が列をつくり、慰霊碑の前で手を合わせていた。「安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから」。碑に書かれた言葉の意味を、あらためて確かめた。アーチ状の慰霊碑をまっすぐにのぞくと、核廃絶を願う平和の灯、そして世界遺産に登録されている原爆ドームが見える。終戦から65年。自分と同じように、戦争を知らない子どもたちが大半を占めてきている。慰霊碑の前で、ゲラゲラと笑いながらピースサインで記念撮影する数人の若者がいた。この日が何の日か、この場所にどんな意味があるのか、分かっていないのだろうか…。そんな光景を見ていて、とてもさみしくなった。もちろん、毎日、ずっと戦争のことを思う必要はない。だけど、せめて1年に1度は65年前の日々をかみしめることは日本人として大切なのではないか。決して忘れてはいけない。当たり前のような平和な時間が流れるいまだからこそ、そう願う。