被写体を彩る裏方
2010・9・6~タイ・タオ島~
撮りたいと思う生きものと何を絡めるか。ファインダー越しに風景を眺めながら、いつも考えるテーマだ。「シャーク・アイランド」というポイントで異常発生しているゴルゴニアンシュリンプが棲むヤギの後ろには、カラフルなソフトコーラルがある。この日、ガイドさんが紹介してくれたソフトコーラルは淡い朱色。ストロボを当てると、クリクリしたお目々をしたゴルゴニアンシュリンプが淡い朱色をバックに、きれいに浮かび上がった。ソフトコーラルを利用して擬態化し、自分の体を守るためか、少し赤っぽい体色をしていた。周りを見渡せば、黄色や青色、紫色と、さまざまな色のソフトコーラルが生きている。個人的には、青色のソフトコーラルの近くに棲むゴルゴニアンシュリンプに興味津々。1本のダイブでは撮りきれない。だから、また潜りたくなるのだ。
美しさよりも元気さだ。
2010・9・5~タイ・タオ島~
元気なタオ島の海へと復活してきている。そんなことを感じさせるシーンがある。数ケ月前の水温上昇の影響でサンゴやイソギンチャクの中に棲む褐虫藻が死滅し、タオの海でも一部で白化が起きていた。いまでは水温も下がり、かつての色へと戻りつつある状態なのだが、このハナビラクマノミが棲んでいるセンジュイソギンチャクは完全復活への途中段階にある。写真の右側がまだ白化状態のもので、左側は褐虫藻が復活し、元の色へと戻りつつあるものだ。いつも見慣れた色を失ったイソギンチャクは視点を変えれば、はかなくて美しくも見えるが、やっぱり海の世界をカラフルに彩る元気な姿のほうがいい。家主のハナビラくんだって、絶対にそう思っているはずだ。
度胸満点のハゼ
2010・9・4~タイ・タオ島~
とことん度胸があるなって、いつも思う。メタリックシュリンプゴビーは、タオ島に来た時には絶対に見たいとリクエストする生きものだ。ハゼがたくさん棲んでいる「ジャパニーズ・ガーデン」ではとことん、ハゼ狙いのダイブ。さっそく見つけたメタリックはマシンガンのようなカメラを持ったダイバーなんか、まったく気にすることなく、いたるところをお散歩していた。だから、ターゲットライトを当てようが、20センチ以内に近づこうが、動じることなく、ただレンズを見つめている。まるで「さあ、撮りなさい」とモデルばりに目で訴えているかのよう。だから、フォト派ダイバーにとっては、とてもありがたい存在。その思いに応えるように「いいよ~、いいよ~」と言いながら、いろんなアングルから撮りまくるのだった。


