フーテンの横チン -324ページ目

ウットリするハゼ


フーテンの横チン

 2010・9・9~タイ・タオ島~

今回のダイビングの最大の目的は、オイランハゼを見ることだった。ダイビングショップの目の前にあるサイリービーチが、その観察ポイント。風やうねりがなく、安定した海況時にしかできないスペシャルダイビングなのだ。砂浜で日焼けをしているヨーロピアンを横目に身を沈める。濁ってはいたものの、お目当てのオイラン君が目をクリクリさせながら、こちらを見つめているのが分かる。最大の見どころは求愛のディスプレイ。メスに自分をアピールする際、オスが自慢の背びれ、尾びれを広げてホバリングする。その瞬間を逃さないため、カメラのファインダー越しににらめっこすること約40分。ゴソゴソと動き出したオイラン君がホバリングを始めた。まさに映画で見たことがあるような、きれいなオイラン風の容姿に思わずウットリ。写真で何度も見た光景を実際に目にすると、その感動の大きさは何十倍にも膨れ上がる。この日の120分ダイブでは2度だけのディスプレイだったが、濁りがない時には、アチコチでホバリングしているという。何度でも見たくなる。そんな気持ちを引き起こさせる何かが、このオイランハゼにはある。


ビーチの中で乾杯


フーテンの横チン

 2010・9・8~タイ・タオ島~

 いわゆるリゾートと呼ばれる海外のビーチに来ると、日本ではなかなか見られないシーンを目にすることがある。ダイビングショップ「BIG BLUE」があるサイリービーチを歩いていると、ヨーロピアンが昼間から飲んで騒いでいた。まあ、飲むのは別にいいのだが、その場所がすごい。レストランや砂浜などではなく、なんとビーチの中。イスやテーブルを持ち込んで、まさに海水浴をしながらビールやワインを楽しんでいたのだ。「ここはオレたちのスペシャルシートなんだよ。毎日、こうやって飲んで騒いでいるんだ」。そう叫ぶと、みんなであらためて乾杯!!ビーチの中でヤシの木や青空をながめながら飲むビールがとてもうまそうに見えた。


チュンポンの重鎮


フーテンの横チン

 2010・9・7~タイ・タオ島~

 やっぱり、存在感は抜群だった。スーパーポイント「チュンポン・ピナクル」には、ヤイトハタが5匹ほど棲んでいるという。前日まで黄色がかったサーモクラインの影響で、ほとんど見えなかった深場の透明度が上がってきた。壁のようなキンセンフエダイの群れの奥をのぞくと、数匹のホンソメワケベラにクリーニングされているさなかで、気持ちよさそうな表情を浮かべていた。1メートルは超えるド迫力の大きさ。カメラを持って少しずつ寄っていくのだが、約50センチ以内まで近づいても、まったく嫌がるそぶりを見せない。さすがはチュンポンの重鎮。肝の据わった心臓の持ち主は逆にこちらをにらんできた。ジンベエザメも出現する可能性の高いポイントだが、世界最大の魚にも負けないオーラを放っていた。