フーテンの横チン -266ページ目

ごみごみした道路


2014・2・24~愛媛・松山市~
 いつ見ても、思う。混んでいるなあ。松山市役所前。松山城が後方に見える位置から見渡してみる。愛媛県庁方面から南堀端方面へのカーブを曲がるチンチン電車が対向車とすれ違う。その2両を挟むように、自動車が次々と走り抜ける。もちろん、ぶつかることはないのだが、間違ってコスってしまうんじゃないかとハラハラする。
 一方で、こんなに自動車と一体化した空間にいるチンチン電車もない。ふだんから見慣れているからかもしれないが、大阪、広島、長崎で見た路面電車は存在感が際立ちすぎている。いい意味で空気と同じ。横にいて当たり前の存在なのだ。こんなゴミゴミした空間も、日常生活に溶け込んでいる証拠なのかもしれない。

日曜日はカレー曜日~その10・菊間瓦じゃこ天カレー~


2014・2・23~愛媛・松山市~
 じゃこ天王国・愛媛には、宇和島、八幡浜の2大生産地以外でも、探せば地域の特色を生かしたものを見つけられる。伊予・下灘で食べたハモじゃこ天には驚かされたが、おみやげでもらった菊間瓦じゃこ天にもびっくりした。今治市菊間町の大岡蒲鉾店でつくられていて、石鎚黒茶やひじき、食べられる備長炭を練り込んである。まさに、見た目は真っ黒。噛んでいくと、ほんのりとお茶の味と磯の香りが徐々に広がってくる。さて、カレーライスには合うのか?ちょっぴりチャレンジの気持ちを抱えながら、つくってみた。
 いつも通り、ジャガイモ、ニンジン、タマネギを炒め、カレールーを入れて煮込んだ後、最後に菊間瓦じゃこ天を投入して、できあがりだ。意外にも、ひじきがいい演出をしてくれて、スパイシーな中に海の香りを運んでくれた。子どものころから、じゃこ天の入ったカレーを当たり前のように食べてきたが、黒いじゃこ天もいい。お祭りやイベントで販売されている限定品だが、見つけた時には購入して、また試してみよう。

早すぎたスプリング・カット


2014・2・22~愛媛・松山市~
 青空を見たのが勘違いのもとだった。昨年末から続く土曜の歯科通いを終えた後、ちょっぴり心地よい空気を吸った。「そうだ、散髪に行こう」。いつもの理髪店へ向かった。暮れに切って以来だから、2カ月ぐらい伸ばしっぱなしだった。側頭部の髪の毛が耳にかかるのがダメなタイプ。うっとうしくなると、髪の毛を切りに行く。いや、刈りに行く。
 通称「ペチャ毛」。直毛とは正反対の髪質で、整髪剤を使って髪を立たせても、10分後には寝てしまう。伸びると、毛がクルクルとカールしはじめる。いくら頑張っても、若かりしころの江口洋介のようにはならない。だから、高校時代から、側頭部と後頭部はバリカン刈り。頭頂部はその時の気候によって、切る長さを決めている。
 「もうすぐ、スプリング・カットかなあ」。理髪店の扉を開ける前、そう思った。説明しておこう。スプリング・カットとは、側頭部と後頭部は3ミリの刃でバリカンを入れ、頭頂部は「スポーツ刈りが伸びきったぐらい」。ちなみに、サマー・カットは1ミリか2ミリのバリカンで、頭頂部は「丸刈りが伸びたぐらい」。オータム・カットとウインター・カットは3ミリのバリカンで、頭頂部はその時の気温しだいで「あまり切らないで」。そんな会話を理容師さんと季節ごとに交わしている。
 「どうします?」。いつもの理容師さんに聞かれた。そうですね。バリカンは3ミリで、上はどうしようかなあ。「頭頂部は切りながら考えましょうか?」。そうですね。そんな打ち合わせ?をして切り始めた。会話の流れでテレビの話に。自分と同じドラマオタクだと分かって、話が盛り上がった。「ブルーレイはどのメーカーがいいのか?」「昔、地デジを見るために買った同じ型のテレビが、いまは4分の1の値段で売っている。損した…」。そんな話をしながら「もう少し切っていいですよ」と注文。結局、いつものスプリング・カットにしてもらった。
 あ~、頭がスッキリ!笑顔で店を出ると、風がピュ~。寒っ!。冷気が側頭部を襲い、体が震えた。急いでニット帽をかぶった。ちと早すぎたか?後悔が頭をよぎったが、まあ、いっか。すぐ伸びるし、まあいいっしょ。そう自分を慰め?ながら、ちょっぴり遅い昼飯を買いに、スーパーマーケットへ向かった。