フーテンの横チン -255ページ目

夜桜とチンチン電車


2014・3・28~愛媛・松山市~
 西堀端の桜も満開になった。相変わらずのマスク姿だったが、せっかくなので夜桜を楽しもうかな。ベンチに座って、しばらくボーっとしていたら、松山市駅方面へと向かうチンチン電車がやってきた。30分に1本しか走らないので、こうやってすぐに遭遇するのはラッキーなのだ。
 お堀の水面に届きそうなくらいにこうべを垂れる桜の隙間から見えるチンチン電車。松山ならではの風景だ。高層ビルもない開けた空間に生まれた1枚の絵が、なんとも言えないほど好き。朝はめっぽう弱いんだけど、今度は快晴の空の下、朝の気持ちいい空気を吸いながら、桜とチンチン電車を眺めてみよう。うん、そうしよう。

インド人も驚いた!?


2014・3・27~愛媛・松山市~
 職場で「カレー」「カレー」と連呼されているうちに、無性にカレーライスを食べたくなった。食べるなら、めっちゃ辛いやつがいい。どっかにないかなあと探していると、松山市駅前で発見。インドカレーだ。めっちゃいい響きの言葉だ。気がつけば、テーブル席に座っていた。「イラッシャイマセ~」。インド出身のシェフだ。これは期待できそうな予感がする。
 メニューにはいろいろな種類があったが「チキン・ド・ピアザ」に即決。タマネギとトマトがまろやかなスパイスカレー。カレーはやっぱり、チキンにかぎるよね。辛さも選べるようだ。5段階あって、3辛は「インド人には普通の辛さ」という説明。せっかくだし、本場の辛さを経験してみようかあ。すいませ~ん、3辛でお願いしま~す。
 ウエイトレスのおばちゃんが、なんだか変な顔をした。「3辛?本当にいいの?」。えっ、いいですけど。「辛いよ」。辛いの大丈夫なんで。「2辛にしときなさいよ」。なんでですか?「すごく辛いよ」。
 すると、会話にインド人シェフも加わった。「インドジンモ3カラハタベナイヨ」。そうなんですか?辛いのを食べたいんで。「オニイサン、ニホンジンダヨネ?」。日本人ですけど。「ホントウ?」。だから、日本人ですって。「カラサガタリナカッタラ、アトデタセルンデ、2カラニシトイタラ?」。笑顔もなく、真顔で問いかけてくる。そんなに辛いのかな…。インド人が脅してくるんだから、じゃあ2辛にしとこうか…。じゃあ、2辛で。「ワカリマシタ~」。
 そんなこんなで待つこと10分弱。料理が運ばれてきた。おお、見るからにうまそうだ。どれだけ辛いんだあ?ライスにかけて、まずはひと口。う~ん、まいう~。さらに、もうひと口。やっぱり、まいう~。ほどよい辛さだ。思ったより辛くないし、どんどん食が進んだ。
 シェフが話しかけてきた。「ドウデスカ~?」。いい感じの辛さですよ。「ホントウ?ジャア、コレタシテミル?」。小皿に入ったスパイスを持ってきた。じゃあ、もらいましょ。2杯、ルーに混ぜて、食事再開。おお~、いい感じの辛さになってきた。食べていくうちに、口の中が徐々に辛くなってきた。そして、体が熱くなってきた。これこれ、こうじゃなくっちゃ。
 ん?なんか、おかしいぞ。おなかに異変が起きた。えっ?なんで??ちょっと痛くなってきた…。これが、あの警告の意味か…。でも、意地でも食べてやる。極力、顔色を変えず、黙々と食べた。まあ、慣れてくれば大丈夫だ。おなかの痛みも徐々になくなってきた。少し時間がかかったが、きっちりと平らげた。
 おいしかったです。シェフに告げると「コンドハサイショカラ、3カラニシマショウネエ」と笑顔で返してきた。インド人に勝った。よく分からないが、なんだか誇らしい気分だ。3辛ではなくて、4辛にしよっかなあ。

雨上がりの夜桜


2014・3・26~愛媛・松山市~
 雨は夕方まで降り続き、桜も濡れていた。西堀端の城山公園入り口。遠くに松山城が見える位置に、シダレザクラが懸命に花開こうとしていた。体をめいいっぱい広げるように咲く姿は優雅に感じた。時々、滴り落ちる雨粒が自動車のライトに照らされて、とてもきれい。快晴の青空の下で見るのもいいが、こんな雨上がりの夜桜も、またいい。
 シダレザクラといえば、福島・三春町にある三春滝桜が有名だ。推定樹齢1000年超のベニシダレザクラで国の天然記念物。樹高12メートルから、本当に滝のようにしだれて咲き乱れる姿はとても美しい。東日本大震災でも数本の枝が折れただけというつわもの。映像や写真でしか見たことがないので、いつかは鑑賞に行きたいとずっと思っている。