海と空と列車と桜
2014・4・2~愛媛・伊予市~
久しぶりの平日の休日、大好きなJR下灘駅にやってきた。昨秋、海沿いに伸びる「夕焼けこやけライン」に桜並木があるのを発見して、春をまだかまだかと短い首を長くして待っていた。満開という情報をキャッチし、パパやママと初めて遊園地に行く子どものように、スキップしながら?目的地に到着だ。
長浜経由のJR予讃線の単線列車は走っている本数が少ない。昼間なら、90分に1本しかない。だから、出遅れて見逃すと、長時間の待機を余儀なくされるのだ。だから、少し早めにアパートを出て午前11時前に到着。撮影ポイントはどこがいいかウロウロした。狙っていたソメイヨシノの木がすでに散っていたりして、またウロウロ。あちこち探し回って、見降ろす感じで撮ることに決めた。
空は曇っていたが、天気はいい。遠くに下灘湾。青い海も輝いている。桜並木もいい感じだ。ここかな、と思っていたら、遠くから松山行きの単線列車がやってきた。桜並木の横を、ゆっくりと通り過ぎていく。車内からの眺めは最高なんだろうな。ここからの眺めもいいですよ~。そんなことをつぶやきながら、海からの潮風を思い切り浴びた。
桜のゲート
2014・4・1~愛媛・松山市~
こんなに絵になるソメイヨシノを見たことがない。早朝の伊予鉄・石手川公園駅前。川沿いに咲く1本の桜が華麗に花開いていた。大きく弧を描いた1本の枝が川沿いへと手を伸ばすように垂れ下がっていて、まるでピンク色のアーチを描いているようにも見える。あっち行ったり、こっち行ったりと、アングルを変えながら写真を撮っていると、おばあちゃんがあいさつしてくれた。
「おはようございます」。おはようございます。「お写真ですか?」。はい、この桜、きれいですよねえ。「そうですねえ。きれいに咲いて…」。しばし、2人でお花見。「こんなきれいな桜を見られて、幸せです。ありがとうございます」。お天道さまに感謝しているようだった。
どんなにつらいことがあっても、朝陽は毎日昇り、着実に時を刻み、春夏秋冬を過ぎ、また春がやってくる。自然が与えてくれる恵みに、人間は喜びを噛みしめる。新たな出発の日。社会人としてスタートを切った人、学生生活を始めた人、たくさんの人々が気持ち新たに一歩を踏み出したに違いない。最近、前髪に増え始めた白髪をやたら気にする39歳のオッサンも、桜のアーチを通って、大急ぎで会社に向かったのだった。
朝桜とチンチン電車
2014・3・31~愛媛・松山市~
眠い目をこすってきたかいがあった。松山藩道路元標が立つ場所に、きれいなソメイヨシノの木がある。快晴の青空の下、陽光が花びらに差すシーンを見てみたいと思い、やってきた。東の空から上がった太陽が満開のソメイヨシノの花びらをキラキラと照らしていた。30分に1本しか走らないチンチン電車も、なんだか横目で花見見物しているかのよう。そりゃそうだ。こんな最高の風景、見ずして春を越えられないよね。
新年度を迎える4月1日、消費税が5%から8%にアップ。路面電車も例外ではなく、150円から160円へと10円上がるようだ。ふだんは自転車で移動しているので、めったに乗ることはないんだけど、余分に10円を財布から出さないといけなくなるのは、なんだかイヤだ。金銭感覚が完全に主婦状態になっているオッサンの財布のひもは、さらに堅くなりそうな気がする~。


