フーテンの横チン -241ページ目

無言の会話


2014・5・6~愛媛・松山市~
 ついに、アイコンタクトで注文した。いつもの弁当屋さんに立ち寄ると、いつものお母さんは電話中だった。たぶん、予約の注文か何かだろう。メモを取りながら話していた。目が合うと、お母さんはニコッと笑うだけ。奥から出てきたおばちゃんに「大盛り!」とひと言話しただけで、また電話に戻った。声をかけられたおばちゃんはボウルの中から、漬けておいた鶏肉を油に投入し始めた。それから数分後、やっと電話が終わったお母さんが弁当箱にごはんを盛りつけ始めた。揚がったばかりのからあげも入れて、袋に入った弁当を手に「大盛りやろ?」と確認の声。うん。言っておくが、ここまでオッサンはひと言もしゃべっていない。厳密に言うと、何も注文していないのに、からあげ弁当が出てきた、という流れだ。
 昨年の10月に初めて来てから、週に1回はからあげ弁当を買っている。最初のころは「何にする?」「からあげの大盛り」という当たり前の会話があったのに、いつのころからか、お母さんは手で山の形を描いて「大盛り?」のジェスチャーのみに。そして、この日はついに目と目が合っただけ。まるで母と息子のように、あるいは長年連れ添った夫婦のように、以心伝心しているかのようだった。まあ、こっちの勝手な思い込みで、お母さんは「いつものからあげ兄ちゃんが来た」と思っているだけかもしれないけど…。

オッサンの端午の節句


2014・5・5~愛媛・松山市~
 仕事帰りに近所のスーパーマーケットをのぞいてみると、柏餅が並んでいた。そうだ、端午の節句だった。ほうほうほう、どれどれどれ~?通常の白にヨモギ、赤の3つ。それぞれ単品で購入可能だったので、1個ずつチョイス。甘いもん好きとしてはもっとほしかったんだけど、食べすぎた後の恐怖を考えて、3つで我慢した。食後のデザートだね。
 ところで、端午の節句って男子の健やかな成長を祈願する日だったよね?この「男子」って何歳まで当てはまるんだろうか?カレンダーには「こどもの日」とあるから、大人は入らないのか?今年、ついに不惑になるのだが、いつまでたっても大人になりきれない未熟な部分がある。そういう意味では、子どもの心の大人が柏餅を食べてもいいんだよね?「男子の健やかな成長」。う~ん、できるかな…。そんなことを思いながら、柏餅を5分も経たないうちに平らげた。

ダイバー仲間と再会


2014・5・4~愛媛・松山市~
 まさか、愛媛で再会できるとは思っていなかった。ゴールデンウィーク真っただ中の夜、I夫妻と夕食をともにした。約3年半ぶりだったにもかかわらず、花粉症でマスクをつけたままのオッサンにすぐに気づいてくれた。うれしかったなあ。Kくんは少しやせたのか、引き締まってカッコよくなっていた。Мさんはあいかわらず、かわいくて元気いっぱい。Mさんが故郷の今治市に帰省ということで「いっしょに飲みましょう」と落ち合うことに。鍋を囲んで約3時間、楽しく思い出話をした。
 初めて会ったのは2010年の秋、タイ・タオ島。いっしょのチームでダイビングをしたのがきっかけだった。K君がちょうど100本目のダイビングだったので、水中で記念写真を撮らせてもらった。Mさんが同じ愛媛県出身ということもあって意気投合。ごはんもいっしょに食べて、楽しく話させてもらった。以降はメールやSNSでやり取りをしていただけで全然、会えていなかったけど、同じ海の中で同じ時間をともにしたことはいまでも大切な思い出。やっぱりダイビング仲間っていいなあと、あらためて思った。
 2人はあれから何度もタイに潜りに行って、たくさんの経験を重ねているそうだ。「ジンベエサメにも会いましたよ」と教えてくれた時、とてもうれしそうだった。だよねえ、ダイバーあこがれの大型魚だもんねえ。オッサンもまた会いたいなあ。「時間を合わせて、いっしょにダイビングに行きましょうよ」。うん、行きたい!今度こそはタイでマンタを見たい!!もちろん、ジンベエザメにも会いたい!!!しばらく日に当たっていないので肌も白くなったしね。そろそろ、まぶしい太陽の下、海にダイブしたいなあ。楽しくて、ちょっぴりほろ酔い気分だったオッサンはそんなことを思いながら、2人と別れた。今度は海で会おう!!