かぐら坂 志満金
創業130年の、お茶室もある超老舗。
茶室はかなり広くとれる部屋数になっているらしく、人間国宝、鶴賀若狭掾(つるが・わかさのじょう)さんの江戸浄瑠璃(新内というらしい)をはじめ、日本舞踏、芸者と、江戸の芸能を堪能する集まりなども開催していた模様(参加したかった!)。
さすが神楽坂。伝統を感じさせるね。
また店に行く道中で、神前挙式の一行に出くわした。紋服、白無垢の新郎新婦に続き和服に身を包んだ行列が神楽坂を優雅に下ってくる。いまどき神前挙式はかなり珍しいはず。案の定、かなり注目を浴びていた。
近所のおばさんっぽい人が「まあ~いまどき珍しいわね~」と思ったことを何でも口に出さなきゃいられない感じで感動していたのが可笑しかった。
さすが神楽坂。伝統を感じさせるね。
さて、肝心の鰻は「雅」を注文。二枚乗せながら上品さが漂う、まさに雅な一品。
味付けは控えめ。素材の良さで勝負したい意図を感じる。別途タレは頼めばもらえたらしいのでちょっと後悔だが、二枚なので鰻が十分に堪能できるため、味はあまり濃すぎないほうが丁度良い。
最後に茶菓子と抹茶が出てきた。むむ。作法がわからん。取り敢えず自分の乏しい品性で精一杯上品に見えるように、ちびちびお菓子とお茶を頂いたのだが…
さすが神楽坂。伝統を感じさせるね。
後で知ったのだが先ずお菓子を先に食べるのがセオリー?まあいいや。鰻もお茶もおいしいと感じられればそれでいいよね。
うなぎ 雅 ¥3,200-
きも吸 ¥200-
#本筋とは関係ないけど、外税表記だった。まだいいんでしたっけ?
祇をん 松乃
出張ついでに、修学旅行以来の京都立ち寄り。
最古の劇場「南座
」を眺めつつ、アーケードを歩いて直ぐ。
「おこしやす~」って感じで案内され着席。京都弁ってだけで上品度合いがUPしたような錯覚が。#実際、内装、雰囲気も落ち着いた感じで良いですが
重にしようと思ったが名物だと言うので「鰻せいろむし」を注文。
ふわふわの卵が中央に陣取っておりへらみたいな道具がついてる。
「せいろむし」というだけあって蒸してあり熱い!熱い!あまり準備なくばっくり口に放り込んだら火傷しそうになった。
味は…若干薄めです。タレが置いてあるのだがタレも薄味。
うどんのつゆなんかも良く論争になるが、関西はかつおだし薄めで関東はしょうゆ味濃い目。昔西日本出身の人から「関東の蕎麦つゆは真っ黒でどろ水じゃね~か」とか心無いことを言われたりしたこともあるが、京都の傾向は薄味なんでしょーか。
#うどんはかつおだし、蕎麦はしょうゆ味、それぞれの良さがあり一緒に議論は出来ないと思うが。昔TVで「高速道路のドライブインのつゆが、どこから関東→関西になるか?」みたいなことをやっていて、ひたすらドライブインでうどんを注文するっていう番組があったな…
でもきも吸はびしっとパンチが効いた味で、旨かったです。湯葉が入ってるのも良かったし。
多分、「せいろむし」ももっとゆっくり味わうべきなのだろう。どうもサラリーマン根性で、せっかちに早く食べる癖が…
かぶりつくな!ゆっくり食え!それが京都の正しい楽しみ方みたいだ。
せいろむし ¥3,150-
きも吸 ¥365-
今週のサボテン
今更ですが、ぽつぽつ芽が出てきました。結構タイムラグあるもんですね。
暫く1つか2つしか出なくて「もしや、これで終わり?種は一杯あったのに…」と心配していたんですが、一応格好はついて来ました。
ここのところ仕事が常軌を逸した忙しさで、まいりました。
会社に缶詰状態、まさにコンビーフ並の密度ですわ。
業界がら、泊り込みは日常茶飯事なので職場に仮眠室がある確率は結構高かったりするのだが、自分の場合は布団など寝心地が良い状態で寝ると絶対寝過ごしてしまうので、椅子で寝るようにしている。
#エアーベッドや寝袋常備のツワモノもいるが…納期前に朝出勤するとまるで昆虫のサナギのようにフロアのあちらこちらで寝袋に包まって半冬眠状態と化した人々が…極限まで疲れていると微動だにしないのがコワい。
オフィスデスクの椅子は肘掛などがついているので横に並べてベッドにすることが出来ない。
仕方が無いので、会議室用の椅子などを無理やり移動してきて並べる。
デスクの椅子はキャスターがついているのも都合が悪いのだ。
ちゃんと自分らのような人々のために、肘掛が取り外せてキャスターも固定できて、出来れば背もたれがガバッと倒れたりする椅子を売り出してくれると嬉しいのだが…望み薄かな…
会社で寝るときは皆さんどうしてますか?
【小説】空港にて
- 著者: 村上 龍
- タイトル: 空港にて
休日出勤前の昼食がてら、活字がほしくてぶらついたショッピングモールの書店で衝動買い。
「半島を出よ 」で話題をさらっている村上 龍の短編集である。
実を言うと、「初」村上 龍。
空港や、駅、というのは、希望と哀愁、日常と非日常を同時に感じさせ、ざわざわした大衆の活動感というか、自身とは無関係に行き過ぎていく社会の情景を感じさせる場所でもある。
また中には、何かの決意を秘めて、自分の居場所を求めて旅立っていく人達もいるのだろう。そういった人々の思いが、ざわめきという形になって、渦巻いている気がする。
そういう、どこにでもある日常でありつつも人々の思いが交錯する場所、シーンを切り取っているためか?読んでいて場面の映像、そのときの登場人物の心の揺らぎが伝わってくる。
ご本人が「これまでの作家人生で最高の短編集」とのたまっているように、何とも言えない既視感(déjà vu)と、どこかへ向かっていくキャラ達の「続き感」、果てしなく続く日常に対する焦燥感が良く感じられ、それなりに味わい深いものである。
シーンごとに、味つけも違っていて楽しい。まるでカウンターでゆっくり鮨を楽しんでいるような感覚。
また、短編なので、話がこんがらがることもなく、さっと読み終わるのもよろしい。
昼間のシーンだから、というだけではない透明感を感じさせる「コンビニにて」「公園にて」、が何となく気に入っている。何か強烈な日差しで目の前が真っ白になっていくような、それでいてどこか吹っ切れない倦怠感があるような、いい天気なのにちっとも嬉しくないような、でもいつかは良いことあるような、ないような、そんな感じである。
うーん、上手く表現できない。文で伝えるって、難しいですね!
虎ノ門 鐵五郎
東はサラリーマン永遠の聖地、新橋。
西は第二のITバブル宴会場、もと大人の遊び場、六本木。
北は日本を牛耳る霞ヶ関。そして南には東京タワー。
虎ノ門っていう街はそんな日本の縮図に囲まれたところにある。
仕事柄、この界隈にはちょくちょく行くことがあるが、お昼時にはいつも行列が出来ている鰻丼の店、鐵五郎へ行く。
店は焼き場が外からガラス越しに見えるつくりで、いいにおいを道路に撒き散らしている。これは強力な宣伝効果である。店の前を通ったら絶対入りたくなる。
中に入るとシンプルな備え付け椅子とテーブル。お父さん達の熱気ムンムン、皆どんぶりにかぶりついている。
ここの強烈ラインナップは鰻丼ダブル¥1,750-。#普通のは¥1,000-
ご飯の間に2枚目が挟まっている「のり弁2段重ね風」なやつも見かけたりする(関西風?)が、ここのは無造作に鰻蒲焼が2枚重ねですわ。「オラよ!にめーのっけといたぜ!たっぷり食いねー!」みたいな江戸っ子気質を感じる。
更にタレがテーブルに置いてあって、お好みでかけて食べる。これは濃い味好みには嬉しい。そうでなくても、ご飯が多め(少食な人には辛いかも)なのでタレは必須。
重を上品につつくのもいいが、やっぱり丼でガツガツ食うのもいいね~。今でこそ高級品っぽいが、鰻は江戸時代は鮨と並んで庶民の食事、ファーストフードだったらしいじゃないですか。
やっぱりこれくらいの値段じゃないとね。
鰻丼ダブル¥1,750-