【読み物】ニッポンの単身赴任

重松 清
ニッポンの単身赴任
イヤ別に、自身が単身赴任しそうだ、とか、することになった、とかそういうことじゃあないんですが、なんとなく手にとってしまいました。
日本の端から端へ、青ヶ島や上海、はては南極!など、さまざまな地に単身赴任するお父さん20人を、小説家として数々の受賞歴を持つ著者がきめ細かくルポ。
さすが小説家、文章は巧くて読みやすいです。
取り上げられている20人に共通する特徴は、皆明るく、前向きであるということ。そして、単身赴任を良き経験、思い出として捉えていること。
また、皆さん対人能力に長けているな~と感じた。単身赴任組を集めてコミュニティを作ったり、毎週赴任先の仲間達とイベントをやったり、従業員に日本語を教える代わりに中国語を教わったりと、皆さん、気持ちいいくらいに社交的です。
そりゃ、ふさぎこんだりして、途中でめげたり、問題起こしました、なんて失敗例を集めるよりは、成功例を集めたほうが読むほうは明るくなるに決まっているけど、ちょっとは挫折例も取り上げてよかったような気もします。
一応、出張中に不倫!だとか、中国で文化の違いに冷や汗!なんてのも紹介はされていますが、今ひとつ「どろどろ感」がなくさらっと美化されている感じがします。
現実はもっといろんな葛藤や紛糾があるだろう?なんて思ったり。
なんといっても、戻れている人達は幸せな部類ですよね。
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内容(「BOOK」データベースより)
転勤族の息子だったシゲマツが、北海道から上海、南極まで、単身赴任の仲間20人をルポルタージュ。「単身赴任について考えることは、そのひとにとっての幸せのかたちを探ること」と言う著者が、彼らを訪ね歩いた結果、見えてきた「仕事」と「家族」と「自分」の新しい関係とは。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
重松 清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒。出版社勤務を経て、執筆活動に入る。1999年『ナイフ』で第14回坪田譲治文学賞、『エイジ』で第12 回山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で第124回直木賞受賞。話題作を次々発表するかたわら、ライターとしても、ルポルタージュやインタビューを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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うなぎ 藤田
またまた、ウナギを食べるためだけに乗りなれない電車に乗ってまいりました。今回は、東京は東京でも自然が多く残る日野市の住宅街の中にある「うなぎ 藤田」です。
中央線に乗って新宿から約30分。実は所要時間だけ見ればそれほど遠くではありませんが、途中から緑多めに変わっていく車窓の風景から、ずっと遠くに来たような錯覚に陥ります。
豊田駅を降りて、こじんまーりした商店街を抜け、住宅街に入って10分弱、目的地に到着。車での来店が多いみたいですね。
店に入ると、家庭的(ホントに家族だと思うけど)な店員さん達に案内され、着席します。
山花川と3種あるうちの、花を注文しました。真ん中ってのがどうにも日本人的だな~なんて少し自嘲気味ですが、¥2,100-、最上級の山でも¥2,600-っていうお値段はそこそこ良心的ですね。待つこと10分前後、花の到着。珍しい四角形の重箱です。
山椒をかけていただくと…素晴らしい!引き締まった身にしっかりと炭火の焦げ目がついた、いい鰻です。
タレはさらっと丁度良い濃さと辛みながらも、コクがあります。
旨い。旨いよ鰻って。箸の上下がどうしても忙しくなります。いかんいかん、ゆっくり味わって食わねば。
大満足で、腹ごなしに浅川まで散歩。最初は多摩川?なんて土地感のなさを露呈した勘違いをしかけましたが、浅川っていうのは多摩川の支川らしくて、野鳥がいたりして、まだ自然が残っています。
川を渡ると、京王線が通っており帰りは京王線で。
JRは新宿~豊田間¥460-。
京王線は平山城址公園~新宿間¥330-。
京王って安いですね。高架にしたり地下化したりするのも早かったし、投資が終わったら電車賃を下げたこともあったし、私鉄の鏡だな。
それに引き換えわが地元の西武線ときたら…もうちっと頑張ってほしいな~
【小説】翳りゆく時間

日本ペンクラブ, 浅田 次郎
翳りゆく時間(とき)
優雅で激しく、メランコリックでせつなく――。大人の想いを描き切った傑作短編7篇。by新潮社
いいっすねえ。こういうの。
りんご追分(江國 香織)…未来のない愛に苦しむ女は夜明けに浄化される。ってなんかこう、細かい妥協の積み重ねが、もとに戻らないところまで行き着いてしまった感じが、何とも退廃的でいい。
煙草(北方謙三)…過去を清算するために、男は異国へ旅立つ。世代も境遇も違う男同士の微妙な距離感が心地よい。この人達、このあともずっと浮き草のように異国をさまようんだろうな、という無限ループ感も感じさせる。
みんなのグラス(吉田修一)…迷いを隠して、青年は旧友との再会に臨む。いいねえ。必ず学生時代には男2人、女2人の仲良しグループってのが出来ますよね。で、だいたい誰ともくっつかずに離れていくっていう。ノスタルジック。
スモーカー・エレジー(阿刀田高)…ほのぼの系。この本の中では一番平凡かも。でも学校教育のウンチクは役に立ちます。
マダムの喉仏(浅田次郎)…伝説のマダムは秘密を抱いて孤独に逝く――。この人はホントこういうワンナイトスタンド系というか、一夜の夢のおわりみたいな話が上手いです。ほんとにこういう人(マダム)がかつていたのかも、なんて錯覚させる。
天国の右の手(山田詠美)…姉の夫に恋する女はパラダイスを夢見る。なんか、いろんな意味で痛いです。女性ってホント内面に宇宙を持ってますね。ブラックホールに落ちていくような感覚。
煙草(三島由紀夫)…おおっと!最後はそうきたか!やはり前出の6人と比べると異質。この人はホント、青臭い哲学臭が漂っているね。きらいじゃないですが。順番的には、本作は途中のアクセントで、最後は浅田次郎でよかったんじゃあ…
とまあ、無理やり、それぞれの感想めいたことを書いたが、読後感はタイトル通り。怠惰で退廃的ですらある、過ぎ去りし時間へのノスタルジー。
良質の小説を詰め込んだという意味では、かなりお買い得な一品。
【小説】本陣殺人事件

横溝 正史
本陣殺人事件
角川文庫から「金田一耕助ファイル」というシリーズで再販されてたので、若かりしころ何度も読んだにもかかわらず、買ってしまった。
帯には、綾辻行人の言葉「読んでいない、では済まされない。全人類必読の名作」といささか仰々しいコピーが。他のものを見ると、宮部みゆきやら、北村薫やら、著名作家のコピーがずらり。こっちのほうが興味深いぞ。
この本陣殺人事件は、横溝作品に初めて金田一が出現した中編だ。
その後の、獄門島、犬神家の一族、悪魔の手毬唄などは言わずもがな映画化されているだけあって原作は映画以上に傑作だと思うが、この本陣殺人事件は初期の作品らしく、トリックは割とトンデモ発想、他の探偵モノの引用多数、といったステレオタイプな探偵小説っていう印象が強い。
だが、事件の動機といったら、その後の金田一モノに通ずる、日本の因習、口伝、血縁の妙がどろどろに積層された、何とも言えない怨念の渦巻き具合。
思うに、この昭和の時代、というか、太平洋戦争の時代は、戦国から江戸に連なる封建社会の矛盾と、明治維新後急速に発展した日本の社会の歪み、そして軍国主義で沸点を迎え米国に完膚なきまでに叩きのめされた喪失感、そういった時代の流れというか、背景が根底に横たわっていて、人の心を狂わせやすい土壌があったのだろうと推察する。
そんな昭和史の暗黒面が、横溝作品をひきたてるのだ。
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出版社/著者からの内容紹介
一柳家の当主賢蔵の婚礼を終えた深夜、人々は悲鳴と琴の音を聞いた。新床に血まみれの新郎新婦。枕元には、家宝の名琴「おしどり」が…。密室トリックに挑み第一回探偵作家クラブ賞受賞。(中島河太郎)
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ついにGoogle Office
Google Apps for your Domainが発表された。
Gmail、Talk、Calendar、Page Creatorが使えて、ストレージも提供。
まもなく表計算とワープロが合流予定。
当然、お互いがGmailなら添付したデータはネット上のリファレンスが送られるんだろうな。
言わば超大規模の、世界標準グループウェアだ。
これからは、ネットワークストレージ専門のサービスなんかも、ウケるかもね?
フツーのDISKと同じように使えるWebAPIなんかがあったら、なおいいな。
ストレージのURL+ファンクション+ユーザアカウントでのアクセス制御。
むむ…すごく考えてみたいぞ。このアイデア。
誰かとっくに考えているかな?
日本人は熱しやすく冷めやすいから世の中に氾濫するGoogle本のあまりの多さにそろそろ飽きるかも!クリック! | 他の記事も読む!
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むむ…すごく考えてみたいぞ。このアイデア。
誰かとっくに考えているかな?