生成AIを「制作助手」とした
俳句集づくりについて探究しています。
今回は各AIとの共作作品を
2025年総集編としてまとめました。
「口語体・現代仮名遣い」「現代的切れ字」
を基本にして詠んでいます。
記事の最後に概要、説明等を記しています。
楽しんでご覧いただければ幸いです。
*検証を目的とした作品集です
*2025年9月〜10月末の作品
*次回検証は2026年以降の予定です
『2025年総集編』
『流星』
〜AI共作句集〜
「秋風鈴」
秋ふうりんしんと余韻である空よ
枝のさきふるわせもせず小鳥とぶ
くもが行きくもが来る日々草の花
空揺らすかがみの池よ木の実降る
にぎやかが路地行きかうか秋神輿
テーマ∶はじめの検証
AIとの共作
制作助手∶ChatGPT
「萩」
鯉よ尾をひとさばきして萩こぼれ
はるばるとひとつの影の帰燕こそ
一輪よ飛ぶさまに揺れコスモス畑
むらさき野またくれない野草の花
まばゆさも故郷ほどよほしづき夜
テーマ∶花鳥諷詠
AIとの共作
制作助手∶ChatGPT
「木犀」
こまごまと香の散る路地よ金木犀
刃を入れて気位たかくレモンの香
カレーの香シチューの香町秋の暮
切れくらべ香りくらべか新酒古酒
そこはかと湯の香か道後秋すだれ
テーマ∶香りと秋
AIとの共作
制作助手∶ChatGPT
「雁」
いちれつの初雁いちぎょうの俳句
いちぼうの庭よ且つ散るもみじ山
和歌の舟和歌の海いまあきのくれ
田がほろびなにがほろびる稲の秋
あおぐ身のあかるさ知らず望の月
テーマ∶古今と秋
AIとの共作
制作助手∶ChatGPT
「嶺」
子規の忌よ絶筆いまの世へかすれ
へやのおくまで月あかり鬼城の忌
なにもかも変わって嶺よ蛇笏の忌
わた飛ばす草いっぽんよ素十の忌
ひげをなでて大孤独居士耕衣の忌
テーマ∶俳人の忌
AIとの共作
制作助手∶ChatGPT
「流星」
千々の灯よそらに燃え尽き流星群
過去のように街がにじんで秋の雨
にごり酒ことばは玩具ではなくて
デモ行進夜ながら銀杏散りながら
路地の灯はおくへおくへよ遠花火
テーマ∶都市詠の探究
AIとの共作
制作助手∶ChatGPT
『暁』
〜AI共作句集〜
「小鳥」
日に映えてひかりとならず秋の蝶
瀬の石よかげよりかるく小鳥とぶ
バスへいわ電車へいわよ秋夕映え
跳んでより飛蝗穂の空はたはたと
ばんねんよ光ほぐれてはなすすき
テーマ∶はじめの検証
AIとの共作
制作助手∶Gemini
「灯」
さわやかよグラスふたつの水の影
クレジットカードケースと秋の傘
歩道橋の高さよ暮れのあかとんぼ
踏み抜いて街灯あきのみずたまり
キーボードゆびやすめれば晩秋か
テーマ∶都市詠の探究
AIとの共作
制作助手∶Gemini
「露」
澄むことをゆるされず池秋のあめ
ひじかわよ橋をこえゆく霧のなみ
白露かもうふるさとのはんぶんが
工場のかげしたたってあきのあめ
灯よ道をしんとつつんで霧のこえ
テーマ∶大気水象と秋
AIとの共作
制作助手∶Gemini
「菊」
のこす葉よ浮き雲めいて松手入れ
鬼がわら屋根くろぐろと今朝の露
たいせつな人だけそばに小鳥とぶ
波がましたに雲がまうえに菊一輪
いっさいの甘えのなさよ鳥わたる
テーマ∶地方と秋
AIとの共作
制作助手∶Gemini
「月」
灯よ暮れてひとり名月待ちながら
灯をけして夜のあかるさよ望の月
都市にひとつ私にひとつ今日の月
つつしんでからすも鳴かず月今宵
かげるくもあかるむくもよ望の夜
テーマ∶仲秋の名月
AIとの共作
制作助手∶Gemini
「暁」
あかつきよ紙垂ひらひらと秋祭り
晴れのそら揺さぶりやまず秋神輿
みな五穀ほうじょうの酔い秋の酒
明けとなく暮となく陽よ稲架の秋
けんかみこし秋暮人垣十重二十重
テーマ∶秋祭
AIとの共作
制作助手∶Gemini
『初紅葉』
〜AI共作句集〜
「草の絮」
一晩がおくせんねんかあまのがわ
路地猫らいつしか逃げず秋うらら
つややかよ天日干し後も唐がらし
くろくとおく都市の夕映草絮とぶ
初鴨かいけのひかりにとけ込まず
テーマ∶はじめの検証
AIとの共作
制作助手∶Copilot
「コスモス」
ほかは野のかぜになったか菊一輪
咲き咲いて雨にいちりん秋の薔薇
風又風もつれほどけてコスモスよ
生き死によ褪せても散らず鶏頭花
あかつきの海ゆうぐれの花すすき
テーマ∶花と風景
AIとの共作
制作助手∶Copilot
「ひよどり」
水浴びの水こなごなにひよどりよ
脚垂れて舞い降りつつよ鶴が来る
ついばむ実赤あおみどり小鳥飛ぶ
そらよ風どこまであがるあきの鳶
千々の穂よ重くしならす稲すずめ
テーマ∶鳥と風景
AIとの共作
制作助手∶Copilot
「草の絮」
吹く唇よ火種つつむ手あきのかぜ
揺れて飛ぶ風のすがたよ草のわた
銀杏散るこうえん地よりつむじ風
すず虫よ垣根のそとはかぜのおと
のこる雲明けていそがず台風あと
テーマ∶風と風景
AIとの共作
制作助手∶Copilot
「後の月」
名月よ目をほそめてはこうこうと
やがて声照らしだされて十六夜よ
立ち待ち月以後雲風のあそびだす
亀はみず掻いていそがずひるの月
灯もふねもやみも揺れるぞ後の月
テーマ∶月と風景
AIとの共作
制作助手∶Copilot
「初紅葉」
えだえだよ朱をとびとびに初紅葉
手にすくう水よかげさすもみじ谷
あおぐ身もひとひらのゆめ黄落期
黄よ池に揺れてはしずみ銀杏散る
のぼりゆくあしおととまり山紅葉
テーマ∶もみじと風景
AIとの共作
制作助手∶Copilot
『記憶』
〜AI共作俳句〜
「木の実」
桔梗いちりん茶花も菓子も慎しく
高鳴きの鵙よ伸びたりちぢんだり
木の実降る山道は踏みきよめられ
一塊のろうじんとしてあきのくれ
こなごなになみうちぎわの月光よ
テーマ∶はじめの検証
AIとの共作
制作助手∶Grok
「少年」
あさがおよ背よりもたかく少年期
祖父が釣る暮よ海まであかとんぼ
叔父叔母は赤子をあやし草絮とぶ
あきの灯よきおくがほのと大家族
奥へ奥へ記憶のとびらあきの暮れ
テーマ∶初秋
AIとの共作
制作助手∶Grok
「盆休」
へいわの像かげもそよがず秋初風
きおくとは焼きつけるもの原爆忌
昭和そだち昭和にかえれ盆やすみ
秋扇よむかし黙らっしゃいのこえ
少年よ老いて句を詠むあまのがわ
テーマ∶八月
AIとの共作
制作助手∶Grok
「露草」
作務よ掃きつづければまた虫の庭
残業の木の粉はたけばほしづき夜
名月よふるさとはなれ住むほどに
おもく病めばおもく病む友草の花
露草よ飛ぶかに揺れてひと日きり
テーマ∶九月
AIとの共作
制作助手∶Grok
「黄落」
揉みくちゃに吹かれて今よ草の絮
俳句詠む酢橘をしぼりきるように
香よかぜのきおくばかりの金木犀
ふりやまず暮れて灯ごとの黄落期
にわ菊よほころぶ母にいもうとに
テーマ∶十月
AIとの共作
制作助手∶Grok
「秋風」
晩年よ身のはんぶんはあきのかぜ
銀杏散るへいわ通りのへいわさに
追憶よかぞく灯ともしあきすだれ
いまはもう無いにわ松よ松手入れ
句を詠んでただ生涯のあきへんろ
テーマ∶晩秋
AIとの共作
制作助手∶Grok
終わり
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俳句づくりとAI
〜俳人の生成AI利用について〜
◯今回の試みについて
生成AIとの作品共作の試みです。
生成AIに俳句作品を直に詠ませるのではなく、自分自身の未完成作品を下敷きに、AIと意見交換しながら仕上げたものです。
生成AIに、俳句の「制作助手」の役割をはたしてもらう試みです。
実際の推敲や判断等は私が主導して行いました。
◯作者の個人的な考え、見解
AI共作俳句集のシリーズでは個人的に、
生成AIを「制作助手」とした
俳句集づくりについて探究しています。
検証の主な目的は、
1、AIとの協働
俳人と生成AIの協働の仕方、あり方について個人的に探ること
2、 作品の変化
生成AIによる助言、鑑賞、批評によって、自分自身の作品がどう変化するのか、また学びにつながるのかを調べること
3、俳句づくりの未来
俳人の作品、俳人と生成AIの共作作品、生成AIの作品など、俳句創作の未来について考えること
4、共作作品のあり方と評価
人間と生成AIの共作作品のあり方や評価などについて、身近な俳句仲間の意見から学び考えること
5、学習と楽しみ
生成AIとの共作が、俳句についての理解や学習、また創作の楽しさにつながっていく未来はあるのかを個人的に探ること
また下記のことについて
個人的に留意しつつ取り組みました。
・作品づくりは作者主導で行うこと
・作品は必ず作者自身がまず詠むこと
・作品の推敲、各判断、決断を行うのは作者
・生成AIは制作助手の立場に留まること
・主に助言、鑑賞、批評、調べ物等を担当
・生成AIに直に作品を詠ませないこと
・生成AIが生成した作品を利用しないこと
・他者の作品や著作権を侵害しないこと
・各生成AIの利用規約を遵守すること
など。
また、俳人としてルールとマナーを守りながらAI技術を活用していくことは、これから先身につけておくべき技能の1つになるようにも思いました。
◇
作品は、
「口語体・現代仮名遣い」「現代的切れ字」
を基本にして詠んでいます。
また現代小説、現代詩、現代短歌などと同様に、主に「現代の書き言葉」表現をメインに詠んでいます。
「現代の話し言葉」表現の作品も適宜詠みこんでいます。
下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です
◇文語俳句ー文語体ー古典語ー古い時代の文体
◇口語俳句ー口語体ー現代語ー書き言葉
∟ーー話し言葉
◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い
より詳しく細かいことについては、書籍・ネット等で調べてみてください
下記は
現代的な切れ字の候補についての記事です
「現代切れ字 十八字(候補)」
よ・か・ぞ・と・に・へ・せ・で・まで
ず・れ・け・た・が・て・は・な・こそ
これらは「現代の言葉」で俳句を詠む際に切れ字のような役割を果たす語はないのか、
「間」を生み出すために必要な「句を区切るための語」が現代の語にはないのかを探ったものです
◯俳詩の探究
俳詩として、俳句の基本を母体に
より深い「詩性」「思想性」等も探っています
下記について、毎日の投稿などで
月日をかけて探っていければと思っています
「表現の新と万象の真」「驚きと感動の詩」
「一新一真」「都市詠の探求」「一句新世界」
「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」
「三物一句」「風情の継承」「平明深遠の詩」
現代語・現代仮名遣い・現代的切れ字
を基本にして俳句を詠んでいます
① 現代俳句
俳句の「現代化」「現代文学化」
について実作を通して模索しています
② 多文体俳句
俳句の「使用文体の拡張」
について実作とともに探究しています
③ 俳詩(旧一行詩的俳句)
俳詩として、俳句の基本を母体に
「詩性」「現代性」なども探っています
④ AI共作俳句
生成AIを「制作助手」とした
俳句集づくりについて探究しています
個人的な
俳句の探究を楽しんでいます
*今回検証に使用させていただいた生成AI
Open AI ChatGPT
Google Gemini
Microsoft Copilot
xAI Grok
*本作品集は各生成AIサービスの利用規約を遵守しています
*各生成AIの一利用者として使用させていただき、まとめた記事です
*作品については以後も、各生成AIとの共作作品として扱います
*俳句解説について至らない点、充分に書き尽くせていない部分もあると思いますがご容赦ください
*俳句での生成AI利用ついては個人・団体によって様々な考え方や見解があります
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