私は社会人予備試験受験生として、同じような境遇ながら合格された方に逐一コンタクトを取り、総勉強時間等を伺っている。(今まで20人以上の合格者に話を伺っている。)
ちなみに、全員その後本試験も合格されている。
具体的に聞いている情報は以下のとおりである。
① 予備試験合格までの総勉強時間と勉強期間
② 総起案数
③ 入門講義受講の有無と使用クラス
④ 出身大学
⑤ 年齢
この中で一番興味があるのは①と②だろうと思う。SNSを見ていてもいい意味でも悪い意味でもよく議論になっている。
私が各合格者に聞いた情報はあくまで昨年までの予備試験社会人合格者に限った情報であり、またサンプル数が20名弱しかないという点もあるのを考慮された上で見てほしい。
まず、①について
約6割の方が8000時間以上の方であった。
勉強期間は大体4年~6年程度あり、ボリュームゾーンであったと思う。
約2割の方が6000~8000時間程度の方であった。
勉強期間は大体3年~5年程度である。
続いて、5000時間以内の方は私が聞いた合格者の中では4名である。
具体的な数字でいうと、4000時間、3000時間2名、1500時間である。
この方達は1~2年以内に合格した短期合格者である。
4000時間の方は2年、3000時間の方は1.5年、1500時間の方は1年で合格されている。
②について
総起案数もよく議論になる話題である。
私が伺った人達での起案数は300通程度が一番多かった。
(ちなみに予備過去問を3回書いたら300通程度になる。)
逆に一番少ない方で100通程度である。(1500時間合格の方である。)
面白い結果となったのは4000時間で合格された方である。この方はボリュームゾーンである8000時間以上の勉強時間の方達の約半分の勉強時間であるにもかかわらず、総起案数については8000時間以上の方達とほぼ同じであったというデータである。かなり効率のよい勉強をされていたのだろうと推察する。
なお、一番多い起案数だった方は1000通である。この方は社会人をしながら入門講座を受け、某上位ローに入学、在学中に予備に合格されている。ちなみにこの方はローを退学されていない。社会人を退職され給付金をもらっていたためである。この方は予備も受けつつ、次善の策としてロー卒も視野に入れており、かつ上位ローであった点も特筆すべき点であろう。(ちなみにこの給付金は公務員が対象外であるため、注意が必要。)
③について、やはり伊藤塾が一番多かった。(人気があったのは呉クラスであった。)次にアガルート(マネージメントオプション付き)が続くという感じである。4000時間の方はBEXAの4S基礎講座であり、1500時間の方はLECの田中講師スマホ入門講座である。
4S基礎講座の合格者については2パターンあり、4Sだけで合格する人(少数派)と所謂論点潰しの講座(アガルート重問や伊藤塾論文マスター)を組み合わせて合格された方がいた。
④について
少ない勉強時間になるほど東大卒、官僚等が多い傾向にある。やはり、勉強の経験値が違うのかもしれない。
⑥ について
30代前半と20代後半が多いが、40代もいる。どちらにせよ諦めずに勉強を続けた人が合格されている。