スマホで、全巻無料で読める漫画というのが、ありますよね。
僕も時々、auのブックパスで利用したりするのですが、
正直、実際に全巻読破したことは、ほとんど無く、
自分が読める作品って意外と少ないです。
そんな中、最近、珍しく全巻読んだ漫画がありました。
鈴木先生ってやつ。

全部で、11巻。
どんな漫画かと言えば、
中学校を舞台にした、先生の話しなんだけど、
とにかく、
ひとことで言うと、
濃い!濃すぎて、
読むのに時間がかかります。
最初に感じたのは、
学校という限られた世界で、
人間関係の確執、軋轢、葛藤を、
よくここまで濃密に描いたな、と。
ブックパスのレビューを見ると、概ね評価も高く、好意的な意見しか見受けられないのですが、
Amazonだと、☆ひとつで酷評している人もいて、
1巻だけ読んで、もう読みませんとか、
それはねえだろって思うんですが、
まあ色んな意見があっていいわけですし、
確かに濃いだけあって、クセのある漫画ですから、
受け付けない人もいるんだろうな、と。
特に女性の反応としては、
「気持ち悪い」というのが、一定数あるようで、
正直、自分も最初そう感じる部分もあって、
特に物語前半は、「性」を扱った内容が大半を占めていて、けっこう読みながら引いてしまう所もあった。
でも、これ、
ギャグ漫画の要素もあるんだよね。
真に受けると、過激な所に拒否しちゃったりするけど、
多くの場合、そこは笑う所でしょ、っていうね。
この漫画の濃密さって、簡単に言えば、文字の多さにあるんですが、
ちょっと、2ヵ所ばかり、6ページ分を貼ってみました。


読むの、時間かかりそうでしょ(笑)
対話にしろ、心の呟きにしろ、
ここまで饒舌に、理路整然と喋るなんて、
現実には有り得ないと思うけれど、
あまり、リアリティーを追求しても、
漫画としては、楽しめないわけで。
でも、そこを敢えて言及した人もいて、
この漫画、小説の文庫版のように、各巻末に色んな文化人の解説が載っているんですが、

↑オリエンタルラジオの中田敦彦氏の解説を1部抜粋。
まあ、確かに、僕も普段、心の中でグチグチ・グチグチ言っているのは事実だよなー(笑)
それで、この鈴木先生、
7巻ほど読み進んだ所で、
あることに我慢出来なくなった。
ドラマ版を観たいという欲求。
こ、これ、実写化されてたよな?
あ、あの生徒役は、
いったい、誰が演じているんだっ?!!
もう、我慢出来ん!!!

てなわけで、全10話、ビデオパスでレンタルしてしまいました。
じつは、リアルタイムで1回だけ、チラッと観たことがあって、面白そうだなという印象はあったのですが、結局観なかった。
それが、もう5年も前だったことに驚きますが、
いやー、こうして今、観れて良かったです。
そっかー、あの子かー!
なるほどね~順調に売れて来てるよな~。
ドラマ版、上手く万人受けにアレンジされている感じです。
やはり、映像の凄さって、あるよな。
そんなふうに思わせるほど、
映像、音楽、生徒の演技も良いし、
ナレーションやテロップも効果的に使っている。
全10話、途中で飽きることなく、むしろ回を追うごとに面白くなるドラマであった。
評価の高さは、AmazonのDVDのレビューを見れば分かるけど、
じつは、このドラマ、平均視聴率が最悪(2%ちょっと)でもあるんですよね。
にもかかわらず、何かの賞を2つ獲っているという、異例というか、稀有なドラマでもあります。
にしても、ドラマ版は、原作を超えたな、
なんて、思うほどでしたが、
8巻から漫画の方を再開し、なんとか最後まで読み終えた時には、
いやいや、やっぱり原作は凄いわ。
と思い直す、単純な自分です。
ひとつだけ、僕が読んでいて、ハッとした所を紹介すると、

ドラマ版では、全ての生徒に気を配れることを、目標として決意する、
教師としての転機として扱われているエピソードだけど、
我々、大人の世界も同じだよ。
何処にでも、問題児ってのは存在していて、
心は年中、摩耗しているよ、
なんて、思ったりして。
流行りの「嫌われる勇気」がない、
一見まともな奴が我慢しているんだよね。
若干、中田氏の解説(摩擦と葛藤)に繋がる話しかな?違うか。
それは、ともかく、
漫画を読み終え、更に映画版の鈴木先生も観てしまいました。
悪くはないですが、ちょっと詰め込み過ぎかなと思った。
ドラマにすれば、5~6話は持つ内容を、
無理に纏めたような、
無論、原作を知っている立場での感想ですが、
映画が初見の人のレビューを見ると、
やはり、最後の事件が唐突に感じたようで、
そこは惜しいなと思いました。