他人に言われて初めて、それまで深く考えていなかった物事に改めて
気づかされるという場合があります。こま子にとって
「挽肉」もそうでした。
日本のスーパーで挽肉を買うと、「牛と豚の合い挽き肉」であることが多いですよね。
それについて疑問に思ったことなんてありませんでした。
しかしルームメイトにそれを言うと、「うげぇー!」と全否定w
「豚と牛を一緒くたにして食べんの?!
豚と牛のミックス肉なんて!!ありえへん!!!」 とのことです。
いやまぁ、豚と牛を混ぜて…って言ったらその通りやけどさ…(キメラみたいな言い方すんなよ
そんなこと改めて考えたことなかったなぁ
ちなみにルームメイトはシリア出身でバックグラウンド的には一応ムスリムなのですが、「豚肉」に忌避感を示したわけではありません。「豚と牛をミックスする」ということがあり得ないのだそうです。
「複数種の動物の肉が混ぜこぜになっているのが嫌」なのだそうで。
まぁ複数種の肉を混ぜない、というのは文化的な問題ではなくてルームメイト自身の好みの問題かと思いますけどね。ごくたまに中東系の肉屋さんなどで(豚肉はもちろんありませんが)牛肉と羊肉の「合い挽き肉」が売られているのを見かけます。それもルームメイトは「ゆるせない、そんなもの売ってる肉屋では絶対に買わない」と言っています (極端やなw
食べ物への感じ方って人それぞれですよねー
そういえば、イギリスの普通のスーパーで合い挽き肉って見たことがありません。かならず豚ならポークミンス、牛ならビーフミンス、羊、鶏、七面鳥…というように、何の挽肉かが明記してあります。
(一番メジャーな牛挽肉にいたっては脂肪の含有率でもいくつかの種類に分かれているので、便利)
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今日の晩御飯も、そんな挽肉を使った料理でした
今日はバタバタしていたこま子に代わってルームメイトがキッチンに立ち、
我々的には一番上等な挽肉(お値段的にも) 「羊挽肉」を使って
故郷シリアで良く食べていたという料理を作ってくれました。
「クッラト Kurrat」または「バラスヤ Barasya」という、
リーキ(長ネギに似たやつ)と挽肉メインの炒め物です。
(ちなみに『なんで呼び方が二種類あんの?』と聞いたところ「知らん」とのことでしたw)
羊の挽肉を使えたら一番いいけど牛挽肉でも良い、とのことです。
本来、この料理はリーキと挽肉だけを使うらしいのですが、
ルームメイトのバージョンは他にも数種の野菜やマッシュルームが入っていて栄養満点
いろいろな野菜を混ぜるのは、お母さんのやり方を真似ているそうです。
作り方は、基本的に炒めて放置するだけなのでとても簡単です。
◎まず材料◎
挽肉(羊か牛) 300g
リーキ 3本
パプリカ 3個(何色でも。赤黄緑そろうと綺麗です)
ニンジン 小さめサイズで3本
マッシュルーム 5個
◎調味料その他は以下の通りです◎
唐辛子パウダー 小さじ1
バハラート 小さじ1
塩 小さじ2
黒胡椒 小さじ1
オリーブオイル 大さじ2
ちなみに。バハラートというのは中東料理に非常によく使うパウダー状のスパイスなのですが、
材料が何なのか長年知らずに使っていました。この機会に調べてみたところ、黒コショウ、コリアンダー、パプリカ、カルダモン、ナツメグ、クミン、クローブ、パプリカ、シナモンなどを混ぜたものだそうです。
(写真はWaitroseのサイトより)
◎調理の手順は以下の通りです◎
リーキは縦半分に切ったのち1センチ幅くらいに刻み、ニンジンは短冊状にスライス。パプリカとマッシュルームもそれぞれスライスしておきます。
フライパンにオリーブオイルをしいて挽肉を炒め、大体色が変わったら唐辛子パウダー・バハラート・塩・胡椒を加えて混ぜ、マッシュルーム・ニンジン・パプリカを加えます。
野菜がしんなりしてきたらリーキを加えて軽く混ぜ、、水を50mlを加えて蓋をし、とろ火で30分~1時間ほど炒め煮にします。焦げ付かないように時々混ぜ、必要に応じて水を足します。
リーキがくたくたになるまで煮込めたら出来上がりです!
お皿に盛りつけてからお好みでレモンをかけて、いただきまーす!
おいしー!
ピリ辛でスパイシー。こま子がいつも作る料理とはまた違う系統の味です。
これは白いご飯が無限に食べられるやつや、、、
(ご飯が今ここに無くて良かった)
ちなみにこのリーキという野菜。日本語で西洋ネギなどと言いますが、
実際には東地中海沿岸地方で古くから食べられてきた食材だそうで。
(写真はWaitroseのサイトより)
最も古い資料によれば、紀元前の古代エジプトでリークがさかんに食べられていた、という
記録があるそうです(英文wikiより)
ルームメイトの故郷シリアでも、リーキは伝統的かつメジャーな食べ物だったのだそうです。
故郷の味って良いですよね
ごちそうさまでした(-人-)