フロンティア ゴールド・ハンターズ 未知の金脈を掘り当てろ NHK BS 2/18放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

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感想
以前、世界中の金(きん)を集めても25mプール3杯分ぐらいしかないと聞いていたが、まさにその通り。
そんな有限の資源だから、単価は上がるばかり。

もし2000年頃に100万でも金を買っていれば今は10倍以上(考えても詮無いか)
そんな金を求めて、宇宙にまで乗り出そうという人類の欲望。
なかなか面白かった。


内容
永遠の輝き、多くのハイテク機器にも使われる。
我々にとってなくてはならないもの。近年価格高騰している。


その供給は頭打ち。金を巡るフロンティア。

Chapter 1  枯渇に向かう金
案内役はジェイソン・マイヤーズ(鉱脈調査コンサルタント)


金の産出量を大きく増やしている国、オーストラリア
世界屈指の産出量を誇る大金鉱がある。(スーパーピット)

露天掘り金鉱。縦3.5km、横1.5km、深さ600m。
大胆な採掘。広範囲を一気に爆破し土砂を搬出。一度に200トン運べるダンプ。そして精錬。質より量。1tあたり1.4g取れる。

採掘量は年間14t。標準的な金鉱では5.0g/tだが、ここでは大規模モデルのため成立している。14tで2000億の価値(5.5億/日)
ここはかつて50近い金鉱があった(坑道式)が枯渇。

周辺を大規模に掘る方法にして回復。


採掘収量は劇的に増えた。

だが低品位の土砂から採るのは大変。

精錬法
微細な粉末にした後、従来はシアン化合物溶液に入れて分離していたが、更に活性炭を使って吸着させる。

その溶液に電気を通すと陰極に金が集まる。

捨てられていた鉱石からも金が取れる。


金の国際価格$90/g。採掘費用$40/g。差し引き$50/gが利益。
露天掘りで掘り尽くしたら、地下採掘に頼るしかない。
人類が採掘して来た金の総量は21万t。(一辺22mの立方体)
今後採掘可能な埋蔵量(見込み)は6万t弱。

採掘は、地下2.5kmが限界。コストで成立しない。

Chapter 2  金の起源
金は二つの中性子星の合体・爆発で生成される(核融合)

その頻度は極めて低く、銀河系でも10回程度しか起きていない。
出来た金は他の物質と合体を繰り返し、惑星になる。
隕石としても降り注ぐ。地球内部ではマントル対流により上昇し、マグマ溜まりに取り込まれ、鉱床を形成する。


地下水がマグマと反応し、断層沿いに上昇。地殻上部で冷えて金を含む石英脈が形成される。地震で石英脈内の金が濃縮。


極めて稀な天体現象で生まれた金。壮大な歴史が刻まれている。

世界に名を知られた金鉱山が日本にもあった。佐渡島の金山
江戸時代初めから平成元年まで、約400年採掘された。
「銀黒」という石英の鉱脈を目当てに採掘された。

品位は高く100~200g/t。精錬し、純度99%の金が作られた。
最盛期には世界の10%ほどを産出。坑道はより深く伸びる。
だが採掘費用が嵩み、平成元年に操業停止。
跡地は現在文化遺産になっている。

Chapter 3  ゴールド・ハンターズ
鉱脈探しをするユーイ・バーファス(金採掘会社運営)
かつて川だった所を分け入って行く。掘削機で掘り返す。
土地所有の州政府に、年間7500ドルの採掘料を支払っている。
平らにならして金属探知機で探す。だが見つかったのは古クギ。
この近くで金塊を見つけたという。2日で2万ドル分。


衛星写真を参考にする。金は写らないが地形で分かる。
見つかった金塊がゴツゴツしていれば鉱脈から近い。
鉱脈は本体からタコの足の様に広がる。本体を見つけたい。


一方別のデータ分析法がある。地面の振動から地下構造を探る。
ジオ・フォンを多数設置。地面に振動を与え、波形を出させる。


データの画像化。石英鉱脈に金が集まる。AI学習の活用。

試し掘りの前にメドを立てる。
新技術で、オーストラリアの金埋蔵量は2000t増加した。
ダンプを遠隔操作する事でコストダウンを図る。危険の回避。
ドローンで坑道の地下構造モデルを迅速に作れる。

豪州のヴィクトリア州はゴールドラッシュの起点。
巨大金塊が1851年に発見され、開発が進む。
元々イギリスの植民地。金の存在が社会変革を起こし、1854年に民主化運動が起こり、オーストラリアに独立をもたらした。

Chapter 4  金採掘の新天地
更なる新天地に金を求める人類→宇宙資源の採掘。
宇宙産業と採掘産業は似ている。極限環境、巨額の投資。
隕石の分析で、金が含まれているのが分かっている。
鉄を多く含む小惑星には、大量の金が存在する。
2023年、小惑星プシケへの探索ロケットが発射された。


プシケはほとんど金属で出来ている。

大量の金が埋蔵されているとの期待もある。

到着予定は2029年


今後資源を宇宙で採掘するのは、不可能ではない。
我々はハイテクの狩猟者。(遺伝子に組み込まれている)