感想
東北地方の猛暑の要因が、黒潮の流れの乱れだという。
日本近海の高温化も尋常ならざる状況。
牛が、妊娠して出産を経験しないと乳を出せないという、当たり前のことをすっかり忘れていた。確かに人間のタマタマも、冷やすために体の外にあるし、生殖に高温は禁物。
内容
かつて東京の夏の最高気温は30℃前後だった。
1932年8月 30.6℃ 1949年8月 31.4℃ 1972年8月 30.7℃
日本人にとっての夏は、今ほど危険なものではなかった。
ここ120年の1日の平均気温変化(6~9月)この20年で高温化。
世界
日本
東京
異常な暑さは、命と暮らしを脅かしている。災害級の暑さ。
野球の審判をしていて倒れた男性。体表面での温度はさほどではないが、深部体温(肛門からの計測)は38.3℃。
冷却した液体での点滴が有効。
今年4~8月に熱中症で搬送された者の4割が屋内で発症。
熱中症の合併症
→横紋筋融解症(筋肉壊死により毒素が腎機能を障害)
後遺症で歩行困難になる場合もある。
対策:救急車を待つ間にも首付け根、足付け根を冷やす。
持病のある者はより注意が必要。
猛暑をもたらす海の異変。日本の近海で何が?
熱海沖の初島周辺で近年、沖縄の魚が見られる様になった。
海面水温比較で、日本周辺の高温化が顕著。
→海洋熱波(猛暑と深い関係)亜熱帯化の傾向
メカニズム解明
通常、北日本周辺の海は下層雲により日射が減り低温(日除け)
なぜ海洋熱波が起きる様になったか
地球シミュレーション用コンピュータを駆使。
南方からの黒潮(暖流)に異変。
通常は房総半島まで。
台風との関係
日本近海に来る台風は、海面温度27℃で勢力維持。今の日本近海は30℃近い(熱帯並み)特に台風の右側が被害大となり易い。
”災害級”の暑さ 迫られる変化
今後の食生活も変化を迫られる。
米どころ 新潟魚沼地区。昨年の一等米は激減。
今年は比較的コシヒカリの生育はいいが、今後が心配。
暑さに強い品種への転換を模索。「新之助」ブランド。
昨年の猛暑でも9割以上が一等米の評価を受けた。
稲の生育状況を可視化するアプリを導入。
北海道の酪農でも模索が始まる。
ここ数年、暑さで牛が妊娠し辛くなっている。
乳牛は気温17℃以上でストレスを感じ始める。
→卵巣の機能低下の可能性もある(暑さで発情がこない)
乳牛は、妊娠し子供を産むことで初めて乳を出す(深刻)
熱中症になる牛も出ている。昨年88頭死んだ。
北海道で酪農が続けられるか不安。
昨年、暑さによる牛の食欲低下で、牛乳生産減を生じた。
現場の対応
・仔牛への、保冷剤によるネッククーラー。
・散水装置(牛にかける)
・エアコンの導入。設置900万、電気代月10万。
社会はどう変わって行くべきか
葛飾区の小学校では屋外プールの使用中止
民間屋内プールの利用(水泳の授業も通年化)
学校に新たな屋内プール建設。
・中学校で、熱中症リスク判定のAIカメラを導入。
・建設現場で暑さ指数計測器導入。冷房室設置。かき氷配布。
・高校野球でもクーリングタイム導入。
国家レベルでの対策
ギリシャ。強制的な労働規制。
熱ストレス危険日の12~17時までの業務停止をニュース周知。
対象は建設現場や物流業。違反事業者には罰金。
今年は7日間発令された。