ネトウヨの次には何が来るのだろうか?という論考 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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面白い対談をみて論考する

信者を集めて年収1千万? カルト化するネトウヨ商売の闇(文春オンライン)

 

 上記の記事では古谷経衡さんと安田峰俊さんが対談しておりまして、対談内容の概要はこうです。

 古谷さんが「愛国奴」という小説を発表し、その中ではフィクション形式でネトウヨ界隈のカルト手法的な商売を描いているようでして、主にその小説を紹介する対談なのですが、その中では例えば「昔のネトウヨは遊び心があったけど、行動する保守なるものが出てきたりしてから、遊び心が一切なくなった」みたいなある意味で歴史も紹介されていたりします。

 他にもまあ、ヘイト本が乱発される理由などが書かれていたりするのですけれども、最後の方にはやはり「保守速報の広告不掲載の動き」や「Youtubeでのヘイト動画の削除祭り」に言及されているわけですね。

 お二人にいわせると、私と同感でこれらはそれなりに明るい兆しかもしれないとのこと。そして最後に言及されるのがこの部分。

安田 中国で憤青(中国版ネット右翼)を揶揄するネットスラングに「君は国家を愛しているが、国家は君を愛してないよ」という言葉があります。ネット右翼の人たちは安倍政権が大好きですが、安倍政権と彼らの関係もこのことわざが当てはまりそうです。「君は安倍さんを愛しているが、安倍さんは君を愛してないよ」と(笑)。

古谷 そうですね。「モリカケ」問題で揺れた安倍政権も、今秋の総裁選で三選が決まれば、ネット右翼はたいした票田でもないですから、逆に迷惑な存在になると思います。現在の自民党の支持層は、穏健保守層や宗教票ですからね。ネット右翼は淘汰されていくかもしれません。

安田 全体的に退潮傾向にあるのは確かでしょうね。

古谷 ただ、ネット右翼の中心部はそれでも残り続けると思います。私もいったんはこの世界に入った経験からして、その責務という意味でも、常に彼らに対するウォッチと監視を怠らない覚悟でいたいところです。

 この中で「ネット右翼は大した票田ではない」と言及されているので、「はて?実数を知っているのか?」と思い検索してみたらこのような記事がありました。これの筆者も古谷さん。

「ネット右翼」は日本に何万人いるのかを測る、ひとつの試み(現代ビジネス)

 

 上記によると古谷さんは「ネット右翼の実数はおおよそ200~250万人」と推測されているようです。

 たしかに日本の有権者数は1億400万人くらいでありますので、そのうちの2~2.5%程度がネット右翼とカテゴライズされる層になるのならば、「大した票田ではない」と言える気もします。

 もしランチェスターを応用したシェア理論を当てはめるとするのならば、最低限の拠点目標値である2.8%に届かないくらい、ということになるのでしょう。

 

 前置きが長くなりましたが、全体的にネトウヨは退潮傾向にあるというのが仮に事実だとして、ではその後に来るのは何なのか?ということを考えてみたいわけですね。

 いくつかのシナリオがぱっと思いつくわけですから、それを箇条書きにしてみましょう。

  1. ネトウヨは退潮傾向にあるが、根強く2%程度のシェアを保ち続ける
  2. 退潮傾向にあるネトウヨに見切りをつけ始め、雪崩式に他の思想ないし行動様式に分散する
  3. 退潮傾向にあるなかで新たな見解や思考様式を築き上げ、また他の行動様式に変質する

 まず第一に保守速報やいわゆるヘイト動画などの傾向を見ておりますと、ネトウヨは全体的に長文や長い動画には、その思考が耐えられないというような特徴があるようです。前々から指摘しておりました、思想のインスタント化、アイコン化でありますね。

 したがって「嫌韓、嫌中、反朝日、反メディア」などの思考様式から、新たな思考様式を築き上げて変質することはなかなか容易ではないと思われます。変質するとしたら「劣化する方向で」ということは、おそらく間違いないでしょう。

 しかしながら「これ以上、劣化できるのか?」といわれるとなかなか難しい。ゆえに3)はおそらくないだろうと思われます。

 

 では1)と2)が考えられるわけですけれども、カルト化と評されるその思考様式、行動様式は新興宗教のそれと一緒で「嫌韓、嫌中、反メディア、愛国心」といったシンボルを単純化して叫び続けるものです。

 しかし上記はカルト化という評価が正しいのであれば、教祖様がいなくなれば瓦解するというものでもないと思うのですね。

 ・・・まあこの点はネトウヨの手のひら返しの早さと、カルト化の度合いの関係にもよるので難しいところですが、おそらく1)の「ホソボソと続く」のが一番可能性が高いんじゃないかなと。

 多少頭が良い人達は見切りをつけて、余計に劣化しつつ縮小し、継続するという形になるんじゃないか?と思います。

 どの時点で「ビジネスとしてのネット右翼」が崩壊するのだろうか?というのは読みにくいのですが、「ビジネスとしてのネット右翼」が崩壊した時点で、最後は雲散霧消、露となるのかもしれません。

遊び心のあった時代のネトウヨは嫌いではなかった

 冒頭の記事でもほとんど私とネトウヨ史に対する見解は同じようでして、2008年を境に過激化、陳腐化、劣化していったと見ているようですし、私もそう思います。

 私がネトウヨを辞めたのはちょうどその頃でありまして、それまではソース主義で常識的な論考もしていたはずが、いつの間にやら韓国のいわゆるホルホルをネトウヨ自身がやるようになった。そこに違和感を感じて「なんじゃこりゃ?」と嫌になって辞めたというわけです。

 私がネトウヨだった時代には、私も加わって「南京大虐殺は本当に、当時の日本の国力と兵站の中で可能なのか?」などを、遊び心半分、真面目半分で検証し合ったものです。

 端的に内容をお話しますと、「40万人がすべて燃やされた」との話が当時の日本の兵站及び国力で可能であったのか?南京市に進軍した軍にそのような能力があったのか?の検証でありました。結論は・・・当然ですが「なかった」「どう考えても40万人は無理」なんですけどね。

 1つ誤解のないように書いておきますと、南京事件と呼ばれるものがあったのは確かです。当時の朝日新聞も南京攻略戦で2万人の死者と報じておりますからね。

 可能性として高いと思っているのは、南京市の便衣兵(ゲリラ兵)の処刑が内密に行われたのではないか?ということ。証言や一次資料などからはこれが一番整合性が高いと思っております。

 ゲリラ兵の存在はアメリカがベトナムで苦慮したように、このような残虐な事件が起きるのを防ぐことは戦争においてなかなか難しいのだと思っています。

 

 今の劣化したネトウヨにこのような検証が可能なのか?といわれると、「まず無理だろうな、だってその検証に耐えられないんだもん」としか申し上げられません。

 2008年あたりを境に劣化したネトウヨという運動は、10年の時を経て退潮と評されるようになり、そして激動と激変の国際情勢下において長い時間をかけて淘汰されていくのは間違いないでしょう。

 しかしそれが「新たな劣化した主義主張が、日本を覆うとき」でないことを、私は祈念したいと思います。なぜなら、その未来は最も高い可能性として、依然として存在していると私は診断しているからなのですが・・・(汗)

 

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P.S

 ちなみに・・・古谷経衡さんの評価が私の中でどうなのか?なのですが、「ウ~ン・・・別に」くらいだったりします(笑)肯定的でも否定的でもない(笑)

 いやこれは別に古谷さんだけに限らず、一部を除くほとんどの評論家が私の中では「ウ~ン・・・別に」なんですけれどもね。

 じゃあその一部の評価している評論家って誰だよ?といわれると、そんなのは中野剛志さんに決まってるじゃないかっ!なのであります(笑)

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