北朝鮮危機はどこにいった?-軍事学と国際政治学の常識- | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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北朝鮮危機はどこにいった?

 今年の4月辺りからの米中首脳会談、その最中のシリアミサイル攻撃、そしてトランプの声明、北朝鮮のミサイル実験と世間を賑わしてきた北朝鮮危機ですが、最近はもう殆ど騒がれることがなくなりました。

 マスメディアは「すわ有事!」と煽り立て、様々な”有識者”が「危険が危ない!頭痛が痛い!」と解説しました。

 そしてアメリカ様マンセーのネトウヨは「アメリカ様が北朝鮮を潰す!」「いやいや、韓国が潰れて北朝鮮に併合だ!」などと囃し立てましたし、また5月中にもアメリカの軍事行動がないとわかると「中国との100日の約束が経過した7月初旬には軍事行動!」などと「あり得ない予測」を連発しました。

 

 当ブログでは何回かに渡って「アメリカの軍事行動は殆どありえません」「もうアメリカはそんな軍事行動が出来るほど強い国ではありません」とお伝えしてきました。

 シリア攻撃直前に書いた記事から、シリア攻撃直後に書いた記事まで一貫して「ありえない、可能性は非常に低い」としております。

米国の北朝鮮への軍事侵攻はあり得るか?(2017年4月5日)

緊迫する北朝鮮情勢を読み解く3つのヒント(4月12日)

 

 別に「予言が当たった!」といいたいわけではなく、当ブログとしては「当たり前の常識的なことを書いただけ」なので、むしろメディア、ネトウヨの「過剰妄想」に驚いたというほうが正確です。

 なぜそうなってしまったのか?をまずは論じていきましょう。

知らないで騒ぐこと、知っていて騒ぐこと

 まずあの時点で北朝鮮リスクが過去に比べても大きくなっていた点は当然ですが、リスクというのは「計算ができるからリスク」なのです。計算ができないものは不確実性などと表現されます。

 そして私の視点からニュースを眺めていると、どうもアメリカも中国もそして北朝鮮も「リスク計算を綿密にしていた」というのが実態ではないか?と思えます。

 

 アメリカのトランプはマッドマンセオリーを演じながらも、実は最初は「核実験とミサイル発射、ありとあらゆる軍事行動をとったらアメリカが鉄槌を下すぞ!」といっていたのが、4月中旬の北朝鮮のミサイル発射のあとからは「核実験したら軍事行動するぞ」とかなりハードルを下げていたことに気がついた人は、いくらかおられるでしょう。

 

 中国は米中首脳会談から一貫して「経済面では協力、だから軍事行動は取らないで」という姿勢を貫いておりますし(履行するかどうかはともかくとして)、北朝鮮は「核実験はやんねーけど、ミサイル発射実験はやりまくるぜ」という姿勢で妥協を示しています。

※ついでに北朝鮮は騒動の最中に外交部を数十年ぶりに復活させるなど、アメリカへの妥協のメッセージも送っておりました。

 

 つまり経過を見ておりましても、各国ともに軍事行動というオプションを外すように動いておりまして、これでいきなり軍事行動があると思うほうが不自然でした。

 

 これに対してメディアが騒ぐのはまだわかります。騒げば部数が伸びて売上が上がりますから。あの時期に冷静に「北朝鮮への軍事行動はほとんどありえない」と解説する”良心的な有識者”は幾人かいましたが、商売である以上はショッキングな解説を取り上げるのも理解は可能です。

 良いか悪いかは置いておいて。

 

 一方で赤っ恥を晒したのがいわゆるネトウヨです。

北朝鮮情勢を振り返る16日の朝-ネトウヨの限界-(2017年4月16日)にも書いたのですが、小坪しんや氏やその他ブログランキング上位のブログは本当に酷いものでした。

 彼らは普段は「反日マスメディア!フェイクニュース!」とのたまうのに、自身が不勉強なために都合の良いときはマスメディアの情報を鵜呑みにして「朝鮮戦争だ!アメリカ様が軍事力を行使されるのだ!」というのですから、もはや何をどういったら良いのか・・・・。

 

 都合の良い時だけメディアを頼り、都合の悪いときは反日だと騒ぐくらいなら、普段からメディアを鵜呑みにしている方のほうが”まだマシ”な姿勢と言わざるをえないでしょう。

軍事学的、国際政治学的観点からの今後のアメリカと日本

 長くなりましたのでここは端的にまとめます。詳細な解説を見たいという方は以下の一覧から4月5日以降の記事をご覧ください。

北朝鮮関連の記事で4月5日から(ページ数が若いほうが最新になります。4Pから)

 

 まずもってアメリカにはもはや中国と事を構える国力、軍事力はないと思っておいたほうが無難です。「いやいや、でもまだアメリカの軍事力は中国の3倍だ!」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、アメリカ軍は世界中で展開しておりまして、アジア方面だけの軍隊で見た場合にはもうすでに「中国には手が出せない」のですよ。

 つまりアメリカが対中国の軍事行動、もしくは中国が背後にいる北朝鮮への軍事行動に踏み切ろうとしたら、少なくともどこかの地域に軍事的空白が生じることは避けがたく、それは”無理な注文”というものです。

 従って今後アメリカが中国と事を構えるというのは殆どありえません。従って北朝鮮への軍事行動も可能性は非常に低いと思われます。

 

 また中国が北朝鮮を見捨ててアメリカの軍事行動を容認することも、上記が事実であるとすればありえません。なぜならアジア方面では中国はアメリカと対抗が可能であるのに、なぜ国境を接している重要地域でアメリカの軍事行動を容認するなどせねばならないのか?となります。

 ロシアが決して北方領土への米軍配備を認めないように、中国は地政学的に北朝鮮へのアメリカの介入を認めないでしょう。

 

 またトゥキディデスの罠(衰える覇権国が、今のうちに戦争を起こすという状態)を心配する声もありますが、もはやその地点も過ぎ去ったと見るべきでしょう。

 ちなみに北朝鮮のICBMなどの大陸弾道弾をアメリカが脅威とみなしているとの説もありますが、中国もそれくらいは持ってるでしょう。ではアメリカが中国を脅威とみなしたか?一貫してみなしていないが正解です。

中国軍が最新の大陸間弾道弾を試射 アメリカ全土が射程圏内(NEWSポストセブン 2015年)

 

 であれば北朝鮮のICBMを脅威と過剰にみなすほうがおかしくて、しかもその理由が「対話ができない」からというのですからちゃんちゃらおかしい。

 「北朝鮮は対話ができない、従って撃たれるかもしれない」という論理建てですが、北朝鮮としては「対等に対話するためにICBMを所持する」のですよ。

 「対話をいつの時点にするか?」も「外交の一環」であり、「対話を現時点ではしない」のも「外交」なのを理解している方がどれだけおられるのか・・・。

 

 以上の論考から整理しますと、アメリカは南沙諸島でも尖閣諸島でも北朝鮮でも、軍事力の行使は殆どできないと思っておいたほうが良いでしょうし、その速度は今後加速度的に高まる。従って時間が経てば経つほどに、アメリカ様がどうにかしてくれるという可能性はどんどん低くなると見ておくべきです。

 

 そうしますとでは日本は?というと、20年間に及ぶ経済停滞は今の政治状況ではまだまだ続きそうですし、そして2~30年後にはもはや後進国に落ちぶれる可能性すらあります。

 とするなばらもはや中国に対抗などというのは夢のまた夢、そしてその時点で日米安保によって在日米軍が存在しているかどうかすら怪しいわけです。

 なぜならば後進国に落ちぶれた日本に「無償で軍事力を提供する」などという話はありえませんし、果実よりコストが高くなれば撤退するのは当然でしょう。

 従って長期スパンで見るならば、日本は現在のままだと中国の属国になる可能性というのはあまりに高いわけです。不都合な予測ですが、私はわりとこのままだとその可能性は高いと見ております。

 

 であれば日本はどうするのか?北朝鮮危機のときのように「USA!USA!」などと馬鹿騒ぎしているような状況じゃないんですよ。今は。

 上記のような馬鹿騒ぎをした自称保守、ネトウヨは2008年以前、いや冷戦の時代で脳みそが凝り固まった時代遅れの遺跡、いや化石とでもいうべきでしょう。

※厄介なことにメディア、政治家、有識者、国民までもこの認識なのが怖いのですが(笑)

 

 今するべきことはプライマリーバランス目標、財政健全化などという「ふざけた、不真面目な議論」ではなく、いかにして国力を増大させるか?経済成長を実現するか?という「真面目な議論」なのです。

 こんなのは結論が決まっていて、財政出動をしまくれば良い!だけなんですが、政治もメディアもネットも世論も不真面目なので、たったこれだけの「当たり前のこと」ができないという状況です。

 

 財政出動という当たり前のことをやるには、国民世論が必要です。メディアやら政治やらもあまりあてになりません。

 「日本が好き!愛国心!」とか不真面目で抽象的なことをいう暇があったら、「財政出動!PB破棄!」といったほうがよっぽど日本のためですよっと。

 日本が好き!なんていちいち表明しなくても当たり前でしょうが・・・なのですよ。アホかと。表明しなきゃならない時点でその方はそれが「特別なこと」と感じているわけで、つまりは「愛国心とは特別なもの」と定義しているのでしょう?それは愛国心ではなく単なるナルシズムであり宗教ですよ(笑)

 

P.S

 ちなみに私は愛和食心だったり愛日本文化心だったりします。ここ20年間の日本政府なんてまったく愛してないし、炎上世論、自己破壊的大衆運動にもうんざりです。嫌気さえさしております。

 ただ和食文化や日本文化が壊されたり、または旅行に行く地方が壊されたりするのは我慢がなりません。料理の素材だって日本産のものを使いたい。

 だとすると日本がなくなってもらっては困るし、中国の属国なんぞまっぴらごめんという結論で、しょうがないからブログを書いているのかもしれません(笑)

 ちなみにアメリカの属国もまっぴらごめんで、アメリカごときの歴史の浅い文化のない国が日本に口を出すな!てなもんですよ(笑)

 

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本日の男の料理 豚キムチ

 暑いときには辛いもの!というのは定番でして、汗をたっぷりかいちまおうというわけです。

材料

  • 豚バラスライス
  • キムチ
  • ネギ
  • にんにく
  • 生姜
  • 胡椒
  • 醤油
  • ごま油
  • サラダ油

調理手順

  1. 豚肉はカットして塩胡椒。キムチもざく切り。生姜とにんにくはみじん切りにしておく。ネギは小口切りに。
  2. 中華鍋にごま油1、サラダ油1を入れて熱し、生姜、にんにく、豚肉を入れて炒める。
  3. キムチを入れて塩、胡椒、醤油で味を整えて炒めたら出来上がり!ネギを散らして召し上がれ!

 キムチは美味しいものを使ったほうが良いです。豚キムチはキムチの味が全てといっても過言じゃないですから。

 増量するにはもやしなどを入れると良いと思います。

 

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