覇権国家が衰退する理由 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

反新自由主義・反グローバリズムの立場での政経論、時事ニュースなどを解説。
ヤン・ウェンリー命は2ちゃんねるのコテハンです。

反新自由主義・反グローバリズムコミュニティ【ブルーオーシャン】の管理人もやっています。


 

まいどナスタチウム氏の記事は勉強になるなぁ・・・と思いつつ、上記の記事中に取り上げられていた下記の記事が素晴らしい。

トランプの保護主義宣言とソ連の崩壊

 

この記事ではソ連崩壊の仮定を、エマニュエル・トッドを引用しながら紹介しているのですが、つまり端的に言いますと「同盟コストに見合わなくなったのに、見栄を張ってロシア共和国国民を犠牲にして、それが崩壊に繋がった」という見方です。是非ともご一読いただきたい記事です。

そしてこの構造を読み解いていくと、アメリカが今何に直面しているか?覇権国家が何故衰退するのか?が理解できると思うので、その構造を本日は書いていこうと思います。

 

まず第一に理解するべきはソ連にしても、そして現在のアメリカにしても、そして過去の覇権国家だったイギリスにしても、国力が強くなり覇権国化した後に「特定のイデオロギーにとらわれる現象」が起きています。

ソ連であれば共産主義というイデオロギー、過去のイギリスや現在のアメリカは新自由主義というイデオロギーです。

ソ連の場合は「先にイデオロギーありき」だったのは確実ですが、イギリスの場合は植民地帝国主義というグローバリズム的イデオロギーは当初は合理的だったのかもしれません。

アメリカの場合はどうだろう?と考えますと、1990年代からアメリカの貿易戦略が変質している点などから、必要に迫られてなのでしょうか?

何れにしましても「特定のドグマ、イデオロギーにとらわれて爆走してきた」わけですね。

そしてこの「共産主義」と「新自由主義」の共通性については、後ほど論じます。

 

第二に覇権を維持するためには莫大なコストが必要だということ。

例えばソビエト連邦の中核、ロシア共和国は他の連邦構成政府をつなぎとめるために冒頭であげた記事のエマニュエル・トッドによると、莫大なコストを出血大サービスのごとく必要としたそうです。

またアメリカも正に2000年代~2008年までの間、自国でバブルを起こしては潰し、アメリカ国民に莫大な債務を「消費」という名で背負わせて、世界中から輸入をして自国の産業を犠牲にしてきたと言って良いでしょう。

もっとも新自由主義の場合は、先進国各国もその負担を逃れられず、人件費の安い後進国に資本が集中しがちなのですが。

 

何故こんなことをしなければいけなかったか?と言いますと、支配者(国)と被支配者(国)の関係性というのはそう単純ではないことが挙げられます。

例えば会社で言えば社長が支配者に当たるわけですが、被支配者の労働者は勿論、不満があれば辞めていくし、場合によっては反旗を翻すこともあるでしょう。

国内であれば法律というルールで一定程度制御されますが、国際社会、国対国では基本的にはそのように制御されません。

そうすると支配者側が被支配者側に配慮を迫られるケースはかなり多くて、むしろ支配者は少数ですので数の力で来られると「無理ゲー」になるので配慮せざるを得ない。

これが2008年までの世界だったといえます。

 

第三にこれもコスト関係の話になりますが、同盟コストと得られるメリットの点。

アメリカは世界中に軍隊を駐留させておりますが、アジア重視戦略といいましても本当は中東が「コストに見合わない混乱になったから関わるのを辞めた」というだけの話でしょう。

アメリカの軍事費は「世界中のアメリカ以外の国を合わせた額より多い」と言われますが、ベトナム戦争、もしくはイラク戦争でアメリカ自身が体験したとおり、どうもゲリラ化されてしまうとどうにもならない。

良くて泥沼化、悪くて敗戦まであるわけで「莫大な軍事費」の割にメリットがない、と常識的には思うはずです。

本来は国内のインフラ整備、研究開発費等々の「国民の生活向上」に使えたお金が、軍事費という「国民が血のコストを払うもの」に消えていくわけですね。世論も「はぁ?なんで他国のためにウチラが血を流すの!」と不満もたまるでしょう。

 

総論に移りますがこのような文脈で生まれたのが「トランプ政権」という訳です。エマニュエル・トッド風に言えば「アメリカ帝国の崩壊」が始まろうとしている、と言えるでしょう。

※というか中野剛志氏の見解によれば2003年のイラク戦争、もしくは2008年のリーマン・ショックからだそうですが。

そして第一で論じたように、この覇権国家の崩壊にはイデオロギーが関わっているのだと思います。

 

端的に言いますと「新自由主義」「共産主義」は哲学的には「同じもの」なのですね。

新自由主義の底流に流れるのは「機械論哲学」、共産主義の底流に流れるのは「唯物論」ですが、この2つは「殆ど同じもの」です。

どちらも原子論的個人、経済人、もしくは合理的個人を前提条件にする世界観でして、理性のみで全ての解が得られるとする思想です。

 

一例を言えば共産主義では「政府のトップは合理的であり、すべての情報を持っていて、理性で国の政策が全て決められるはず」であったのに対して、新自由主義は「個人は合理的かつすべての情報を持っている、だから理性的な解として市場は均衡するはず」なのです(!)

つまり方法論が違うだけで、根本の考え方は全くの一緒であったという訳です(!!)

 

そしてこの「理性万能主義」は覇権国家にとって「非常に都合の良い、便利なもの」なんですね。なんせ「解は必ず出る”はず”」なんですから。

日本風に言えば「決められる政治!!」でございます(笑)

これに対して実践主義、プラグマティズムは「その時々で解は変わるし、間違っていることもあるので、間違っていたら修正しましょ」という話なので、為政者にしたら都合が悪い。国のトップが「すんません、この政策間違ってたわ」とはなかなか言えませんから。

また支配者にとって、被支配者が原子論的個人でバラバラにされているのも、非常に都合が良い。扇動しやすいし、操りやすいですから。

このようにして覇権国家と理性万能主義的なイデオロギーは結びつき、だからこそ覇権国家は衰退していくと言えそうです。

現実は非常に複雑で曖昧で、理性万能主義では推し量れない相互循環的な、有機的なものなのだから、理性万能主義では解が間違えることが往々にしてあり得るわけです。

 

2017年はアメリカ帝国の崩壊の序章、そしてこれからの世界はかなり不安定になりそうです。さて、日本はどうする?

 

今こそ富国強兵を!!と思われたらクリック!

↓↓

発信力強化のためにクリックいただけたら~ヽ(=´▽`=)ノ

 

コテヤンの好きなブログ紹介
進撃の庶民:毎日、気鋭の論客が政治、経済、思想に切り込む!コテヤン(月曜担当。気鋭じゃないw)も寄稿メンバーの一人です。影法師氏の進撃の朝刊も情報盛りだくさん!
新聞の社説とかより全然こっちのほうがいいです。いやほんまに!
進撃のツボッターでは毎日注目のニュースが有志によって投稿されています!

国家戦略特区blog:超人気ブロガーみぬさ よりかず氏による政治、経済コラムが毎日更新!ブログ名は新自由主義者を釣るためだとか(笑)
コテヤンの尊敬するブロガーの一人&先達です!コテヤンがファンって相当やで?

ずるずると道・郷・話を愛でる:重厚かつ濃密な論考をされるzuruzuru4氏が政治ブログランキングへ参戦!!
更新されたら必ず読みに行くブログの一つであり、氏の知的思考をたどることは大変に面白い!

ナスタチウムのブログ:ナスタチウム氏が海外の報道から、移民、難民、マスメディア、政治などに深く切り込んでいきます
特に移民、難民系の記事は「今そこにある危機!」として、皆様に是非とも見ていただきたいブログです。

うずらのブログ:うずら氏の記事ははっきり言って、そこら辺の社説よりレベル高い!
ストンと腑に落ちる言語能力、目の付け所が魅力的で、基本更新されたらいつも見るブログです!経済系が多いかも~

経済はA+B+Cの足し算です:tasan氏のわかりやすく、明快な経済理論満載!
コテヤンも愛読しているブログの1つです。数字の苦手な方でも「ストン」と腑に落ちる説明が魅力的です!

 

 

本日の男の料理~マグロの生ハムの作り方~

先日大根と生ハムのサラダでググっておりましたら、マグロの生ハムなる未知の料理を発見しました。これは作ってみなければ!でして、そのうち作るつもりですが、本日はレシピのみ掲載。

 

材料

・マグロのサク

・玉ねぎ

・セロリ

・ニンニク

・ローリエ(乾燥で粉末ではないもの)

・日本酒

・昆布

・胡椒

・塩

 

1)玉ねぎ、セロリ、ニンニクはみじん切りにして鍋に入れ、ローリエは1枚、日本酒300cc、塩、こしょう適量も鍋に入れて沸騰させてアルコールを飛ばし、昆布を投入して火を止めて粗熱を取る。

 

2)マグロのサクと1をジプロックに入れて半日ほどマリネにする

 

3)2を取り出してキッチンペーパーで拭いて、ザルに入れてラップをしないまま一晩以上冷蔵して乾燥させる。出来上がったら薄切りにして、オリーブオイルをかけて食べると美味しいらしい。

 

この手法はどうやら漬け(マリネ)とドライエイジングの手法を使った料理と言えそうです。

ドライエイジングはマグロの場合だと2晩~3晩程度が限界でしょう。

明日にでもマグロのサクを買ってきて試してみるつもりです。久しぶりに「未知の料理の試作」ができそうでワクワクしております(笑)

 

ただマグロの生ハムの画像の大半が「これヨコワなんじゃ・・・」という大きさです。商品化するのにさすがにマグロだと「値が高い」ので、ヨコワでやってるんじゃないかな?と。

でもヨコワとマグロだと身質、味が違いますのでマグロで挑戦します。

上記の画像のマグロの生ハムもどうも、5枚におろした背身だとするとヨコワですね。

 

ちなみにマグロの生ハム、レシピなどを見ていると「ハラールで大丈夫!」要するにムスリムでも食べられます、的な謳い文句が目についたので、マリネ液をわざと「昆布出汁、水」ではなく日本酒にしてやりました、ワッハッハ!参ったか!絶対にこっちのほうが旨いんじゃ(笑)

 

なお、保存はキッチンペーパ、ラップの順でくるんで冷蔵で1週間弱、というところでしょうか。チルド室ならもう少し持ちそうですが。冷凍なら3ヶ月は大丈夫そうですので、小分けで冷凍しておくのが良いかもしれませんね。

 

あと改良の余地があるとすると、マリネする前に湯霜するだとか、もしくはマリネする前に塩で締めて水分を出しておいての時短だとか辺りでしょうか。

純粋な和食のマグロの漬けのドライエイジングも良さそうです。さらに突き詰めるなら、まぐろ節で出汁を引いて、それプラス調味料での漬け&ドライエイジングも・・・と色々と手法が考えられます。あぁ・・・試作が捗りそうです。

 

はよ試して感想プリーズ!と思われたらクリック!

↓↓

発信力強化のためにクリックいただけたら~ヽ(=´▽`=)ノ