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※この記事はあくまでも私が感じた総体的な印象と、「こんな子におすすめ」、「こういう子なら書きやすいかも」 という点だけピックアップしています。私の感想や作品のあらすじ、書き方のポイントなどには一切触れませんのでご承知おきください。
海よ光れ!3・11被災者を励ました学校新聞田沢五月 文
田沢五月さんは岩手県在住の児童文学作家。本書『海よ光れ!3.11被災者を励ました学校新聞』で2020年、第8回子どものための感動ノンフィクション大賞で優良作品賞を受賞されています
ノンフィクションと言及せずとも、東日本大震災は史実です。この作品は多くの日本人にとって忘れられない日となってしまった、2011年3月11日の出来事を伝えるドキュメンタリーです。
東日本大震災で大地震と大津波によって壊滅的な被害を受けた岩手県、下閉伊郡山田町立大沢小学校(※2020年度をもって閉校)は震災当時、多くの人が身を寄せ合う避難所となりました。
この大沢小学校の児童会執行部が発行する学校新聞は、岩手県小・中学校新聞コンクールや、全国小・中学校・PTA新聞コンクールで入賞や上位入選
常連校という実績を持ちます
児童会執行部メンバーそれぞれの視点で、被災した大沢の人たちが力を合わせて立ち向かう様子が語られ、子どもたちが過酷な状況下でも自分たちができることを見出しながら、前を向くための新聞を作る様子が描かれています。
この本はすべての子に読んでほしいという気持ちは前提として……
同じ状況にもし自分が陥ったらと冷静に考えられる子に読んでほしいなと思います
東日本大震災の発生から13年。今の5年生、6年生はこの災害を知らないのだと思うと、年月の重みを感じます
本書は当時5年生~6年生だった児童の視点で、児童が共感しやすい文章で書かれています。自分たちと同い年くらい子が、本当にこんな苦境にあったのだと理解できるか、自分ならどう行動すべきか、行動できるのか――そこを考えられるかは、感想文に向き合う際に重要になってきます。
大人の私は、小学生の子たちが自分たちで考え、行動し続ける姿に涙したページが何度もありました
巻末には、この大沢小学校の児童を牽引し続けた先生の手紙も掲載されていますもちろん児童のみんなも大変ですが、私はこの先生の姿勢に頭が下がりました。みんな被災者であったはずです。
東日本震災を知らない世代にも、あの日を知っている世代にも、一度は読んでいただきたい作品です。
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![下矢印](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/121.png)
お子さまの夏休み、読書と作文を少しでも楽しんでいただけるようがんばります
お読みくださりありがとうございました♪