夜話 2230 黄檗僧独立と感染予防
12月2日の西日本新聞の「風向計」は面白く読ませてもらった。
早速筆者の前田佐世保支局長さんに長電話。年寄りの朝の長電話 。 ゴカンベンを。
この文中に 最近TVで古文書を駆使しての論客 磯田道史さんの著書『感染症の日本史』についての一文があった。
この老人磯田ファン。
すでに文春新書でこれを読んでいた。
磯田さんは「江戸期の岩国藩の感染予防」策のすばらしさに触れてあったことは承知していた。
ただ そのころの岩国藩主と明からの帰化僧独立(どくりゅう)についての事について触れておられぬのが不思議なことと思っている。彼は天然痘医師との伝もある。
「風光計」もしかり。磯田先生はご承知の上での割愛か とも思ったが老生の住む八女の公園には恩師坂本繁二郎の銅像前に「独立愛賞」の石がある。
四十年ほど前になるが この石について西日本新聞にに寄稿したことを思い出しての長電話になった次第。
いま手元に『僧独立と吉川広嘉』がある。著者は桂芳樹。発行は岩国徴古館。
森鴎外が独立の弟子筋にあたる岩国出身の医者池田瑞仙の家系を調査したことは鷗外の名著『渋江抽斎伝』『伊沢蘭軒伝』に詳しい。
独立と池田一族が岩国の感染予防策に一役買った結果が 磯田先生の論の元になったことを佐世保支局長さん当てのメイワク電になったわけデス。
ついでながら岩国の錦帯橋の架橋にも独立の智慧がかかわっている。
勿論八女と『独立』との関係も一息に喋りました。
先が短い老人のたわごとにも違いなし。
朝からの長電話 重ねて 前田支局長さん御カンベン カンベン。
お許しください。