住商情報システム、クラウド認証サービスで米Arcotと提携

http://japan.zdnet.com/news/internet/story/0,2000056185,20411360,00.htm?ref=rss

2010年3月31日 19時59分ZDNetJapan[富永恭子(ロビンソン)]の記事。

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書きますと、「住商情報システム(SCS)は3月31日、クラウドビジネスにおける認証サービスに関し、米国シリコンバレーに拠点を置くArcot Systemsと戦略的な業務提携を開始」とのそのままの内容。

住商情報システム(SCS)のHP
 ↓
http://www.scs.co.jp/

住商情報システム株式会社、クラウド認証サービスで米Arcot Systems, Inc.と提携についてのpdf

http://www.scs.co.jp/news/pdf/20100331_1.pdf

「Arcot社」のHP
※英文なので、「Google Chrome」の翻訳機能のなど使うと読めます。

http://www.arcot.com/

住商情報システム(SCS)は、大手ベンダーでも様々なITサービス事業を展開している会社ではあるのですが、その大手もクラウドでの展開で提携をすることになったようです。
今回は、以下記事の様にクラウド認証サービスを主体としたもののようです。

「Arcotは、クレジットカードのインターネット決済における本人認証サービス「3D Secure」の開発元として知られている。海外のみならず日本国内においても、多くのクレジットカード会社とその取引企業への導入実績があるという。」

「Arcotの「クラウド認証サービス」は、さまざまなベンダーがクラウド上に展開しているサービスの認証機能を、シングルサインオン機能を用いて統合する。また、ユーザーごとの利用状況に応じ、その振る舞いをもとにリスクを評価しアクセスを制御する「リスクベースの認証機能」を提供しており、2000年のサービス開始以来、世界で1万3000以上の企業や団体、5000万以上のユーザーに利用されているという。

「3D Secure(3D セキュア)」とは何?って方は、以下参照。
 ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/3D%E3%82%BB%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%82%A2

※クラウド認証サービス

様々なベンダーがクラウド上に展開しているサービスの認証機能を、シングルサインオン機能を用いて統合するサービス。

※リスクベース認証

ユーザーの振る舞いをもとにリスクを評価し、アクセスを制御する独自機能。

「シングルサインオン(SSO)」とは何?って方は、以下参照。
 ↓
http://e-words.jp/w/SSO.html

今回の住商情報システム(SCS)の目的としては、まずはクラウド展開する上で、セキュリティ面を高めようとの狙いがあると見られます。
住商情報システム(SCS)の揃える商材は、多くが基幹系でもあることもあり、クラウド基盤に載せるにもそのセキュリティ問題が確実に問われる事になるからで、以下にその問題をクリアにするノウハウを持ち、今後の担保としておくのかを考えているのでないかと思われます。

記事の最後に、SCSの今後のクラウド戦略の一端になるだろう事が書かれています。

「今後、SCSはArcotとの提携により、SaaS、PaaSインテグレーションをはじめ、既存システムとのインテグレーションなどさまざまなクラウド導入支援サービスを提供していく予定だという。」

SCSの狙いは、同社が保有する商材のクラウド化とその事業展開を目論んでいるのが、よく解ります。

「システムインテグレーション」とは何?って方は、以下参照。
 ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

セキュリティ上の認証サービスを土台にして、いかにSCSがPaaSインテグレーションや既存システムのインテグレーションをサービス展開できるのかがカギになりますが、競合が多いクラウドの渦にオンプレミスを中心でやってきていた企業が競り勝っていけるのか、どのように攻略していくのか注目されます。

オンプレミスでの展開中心で行っていた大手ベンダー企業もクラウドと言う狂想曲の本演奏に次々と参加しています。
大手開発ベンダー会社であるSCSのクラウドへの参入の動向は、注視する必要がある事は間違いないでしょう。
EC事業のバックヤード業務をアウトソーシングするクラウドサービス

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100331-00000001-zdn_tt-sci

http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1003/26/news05.html

3月31日1時1分配信 TechTargetジャパンの記事。

ザックリ書きますと、EC事業のバックヤード業務をアウトソーシングするクラウドサービスを「物流アウトソーシングのプラウド」と「セキュア通信プラットフォームベンダーのエリアビイジャパン」が「クラウドサービス「ODEC(On Demand EC Cloud、オデック)」で業務提携」しましたよって内容。

「EC事業(Electronic commerce事業)」って何?って方は、以下参照。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E5%95%86%E5%8F%96%E5%BC%95

「セキュア」って何?って方は、以下参照。

http://e-words.jp/w/E382BBE382ADE383A5E382A2.html

さて、記事の内容では、物流サービスのEC事業のバックヤードを中堅企業向けにクラウドサービスとして、アウトソーシングする仕組みを作りましょうとの話なんですが、その中核が以下の部分になります。

「ODECは、プラウドで実績のあるフルフィルメント(※)と、エリアビイのセキュアなIT基盤が融合した、小売事業者が運営するECサイトのバックヤード業務を支援するサービス。EC事業の運営に求められる、ECサイト構築、決済機能、物流機能、販促機能、システム基盤をサービスコンポーネントとして提供する。オンデマンド型の料金体系で物流業務の最適化を図りながらオペレーションコストを削減する。」

※商品の注文から発送までの管理運営業務のこと。

非常に高機能なバックヤード業務を支援するシステムと言えます。
通常、日に1,000件以上の注文が入ると人間の手作業では、その取引量はこなせなくなると言われている物販業界ですが、その膨大な業務を円滑にこなす為に上記の「ODEC」がクラウドサービスとして登場するという事になります。

中小零細物流業者では、なかなか資金を投じて、バックヤードを担う最新のIT資産を所有するのは、厳しいのが実体でしょう。
なので、どうしても型落ちしたものを使用したり、部分的に人手でやるなどして日常業務をこなしている中小企業ばかりではなく、中堅企業も多い。

しかし、ここで、EC事業のバックヤード業務をまるまるアウトソーシングし、且つ、クラウドサービスとして所有ではなく、『利用』する形でシステムを構築出きるのでしたら日本全国企業の98%近い中小企業のうちでEC事業に関して、IT化がより一層進むのではないでしょうか。

サービスにしても以下の要に小売店の導入の問題点を洗い出した上でのサービスを考えており、非常に機能面だけではなく、どのように顧客の求める結果を出そうとしているか、見ることが出きる。

「特に、拡大成長過程にある小売事業者では、取扱商品量の増加や複数の販売サイトでの受注に対応するため、物流業務や業務オペレーション、システム構築を継ぎはぎで対応しているケースが多く、バックヤードの仕組みの複雑化が業務負担やコスト負担の増加を引き起こしているという。同サービスでは、こうした課題を抱える成長拡大期の小売業者に対し、倉庫管理や複雑な物流業務、システム構成の見直しを図り、ベースコスト削減を支援する。」

物流の世界のバックヤード業務では、一部IT化は進んでいたが、オンプレミスでの導入は、非常に高価であり費用対効果が見込めないや使用に定着しないなど無駄になる投資もある。
その場合、一度と投資してしまうとIT資産としては残り、コスト化するだけである。
その点、クラウドサービスの観点から見る『利用』と考えるとその運用としての費用対効果はさておき(※非常に重要だけど)、財務運用的には魅力的に移る。

なぜなら、使った分だけしか費用化しないからです。
月額契約だろうと年額契約だろうそこまでの費用にしかならないからです。
IT資産としては、残存しえない。
そう考えると、今回の(物流バックヤードとしての)サービスは、その訴求効果は大きい。

これから、一般企業のシステム化への流れで、このようにクラウドサービスの選択項目は増えると思われます。
そう考えると、我々、開発者は、業務知識としてどのようなサービスが与えられるのか常にクラウドを絡めつつ、考える時期に入っているのではないでしょうか?
富士通FIP、高信頼の仮想化プラットフォームをオンデマンドで提供

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100330-00000012-bcn-sci

http://biz.bcnranking.jp/article/news/1003/100330_122314.html

3月30日17時1分配信 BCNの記事。

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書きますと、「同社データセンターに設置した設計・構築済みの仮想化プラットフォームをオンデマンドで提供するサービス」で、自前で持っていたサーバのデータを仮想化してプラットフォーム上に置いて、複数のサーバで管理していたのを集約しコスト削減を提案するクラウドサービス「オンデマンド仮想環境ホスティング」を4月1日から提供開始しまっせてな内容。

「プラットフォーム」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://e-words.jp/w/E38397E383A9E38383E38388E38395E382A9E383BCE383A0.html

「仮想化」って何?って方は、以下参照
 ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%AE%E6%83%B3%E5%8C%96

「オンデマンド」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://e-words.jp/w/E382AAE383B3E38387E3839EE383B3E38389.html

「ホスティング」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://e-words.jp/w/E3839BE382B9E38386E382A3E383B3E382B0E382B5E383BCE38393E382B9.html


「富士通FIP」のHP
 ↓
http://jp.fujitsu.com/group/fip/

「富士通FIP」の「オンデマンド仮想環境ホスティング」についてのページ
 ↓
http://jp.fujitsu.com/group/fip/release/2010/20100330.html

この「富士通FIP」の「オンデマンド仮想環境ホスティング」は、

「事業継続性を考慮した信頼性の高いプラットフォームで提供し、顧客のOS、ミドルウェア、アプリケーションに対する監視サービスや運用サービスも提供する。」

とあるように、非常に顧客を対象としたIaaS的なクラウドサービスと言えます。

また、この「オンデマンド仮想環境ホスティング」サービスは、

「さらに、同サービスの適用アセスメント実施や、同サービスとITアウトソーシングやBPOサービスなどを連携したハイブリッド型サービスも提供し、顧客のIT環境をトータルでサポートする。」

とのことで、様々なIT資産環境についての管理をサポートするようなサービスであるようです。

「アセスメント」って何?って方、以下参照。
 ↓
http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/topic/10minnw/037assessment.html

「BPO」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/bpo.html

将来的にもIT資産として、考えられるものを統合的に管理出来るようにサービスできる仕組みを順次、導入していくともあります。

同社のように大手日本ベンダー企業では、Googleとは違う形でのクラウドサービスを模索する動きを見せ始めています。
特に、同社の統合的に企業の持つIT資産をクラウドサービスを活用することで、有効的にコストを削減させ費用対効果を付けていき、他のクラウドサービスとの差別化に繋がる方法を探し当てた良い事例とも言えます。

メリットとしては、確かにコスト削減は、出来る事はあるようです。
でも、それは、仮想化による集約でのサーバ統合である為、パフォーマンス的にどの程度、影響があるのか未知である事。
セキュアな部分でどのように保証しうるのかなどなど、見えない部分もあります。

ただ、私が、デメリットよりもメリットを感じるのは、IT資産への管理としてのサービスがよく考えられていると思えるところでしょうか。
「同サービスへの適用アセスメント実施や、同サービスとITアウトソーシングやBPOサービスなどのハイブリット型サービス」などは、そのサービスの切り口が、なかなか手が届かない所であるし、一般企業では解り難く、導入はし難いところであるので、その部分への期待感はあるは意外にあるかもしれません。
そう考えると他のホスティングサービスやクラウドサービスと十分に差別化が計れる商材ではないかと思えます。

前回、コモディティ化について、書かせてもらいましたが、結局、クラウドとは言え、惰性的に他のクラウドサービスと同じサービスを提示しても、それは「どこでサービスを受けても同じ」になってしまい価格競争に必ず落ちてしまいます。
そうなると日本のクラウド業者にとっては、不利になるのは当然です。

いかにコモディティ化の渦から抜け出すのか、クラウド関係の考えるサービス如何で決まると言っても過言ではないでしょう。
そして、開発者(SE)は、その現状を踏まえ、システムの持つ特性と機能を考え、いかにサービスと結びつけて考えていけるのかが、クラウド狂想曲を生き抜く上でのキーポイントになるのではないかと思います。
$yamasan007の勝手にクラウド・ニュース解説!-会見の模様
※記者会見に臨む米Microsoftのジャンフィリップ・クルトワ プレジデント(左)とマイクロソフト日本法人の樋口泰行社長

マイクロソフトが語るクラウドのユーザーメリット

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1003/29/news018.html


2010年03月29日 08時39分 更新 [松岡功,ITmedia] の記事。

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書きますと、「クラウドは当社の最優先課題。100%クラウドにコミットする」の記事に対する会見内容を詳しくした記事です。

マイクロソフトは、クラウド事業展開を皮切りに、世界各国でその意識の浸透を図るためにプロモーションを行っている。

その狙いは…

「その背景には、クラウドサービスで先行する米Googleや米Salesforce.comに対する追撃態勢と差別化戦略を明確にする狙いがあるのは明らかだ」

の通り、先行するGoogleなどのクラウド事業に対してマイクロソフトの立場を明確に示しているのでしょう。

その会見で、「バルマーCEOが全面シフト宣言時に語ったとされるクラウドの5つの特徴について、クルトワ氏が改めて以下のように説明」しているのが特に今後のマイクロソフトのクラウド戦略として注目されます。


1つ目は、「クラウドはビジネス機会だけでなく、社会的な責任も生み出す」。
例えばクリエイターにとって、クラウドは新たなビジネスの機会をもたらすが、一方でプライバシーや機密を守る責任が生じることを踏まえておく必要があるという意味だ。

2つ目は、「クラウドは自ら学習するとともに、人々の学習、判断、行動をサポートする」。
つまり、クラウドがユーザーの好みなどを学習するようになるという。

3つ目は、「クラウドはプライベートと仕事上での人々の相互交流を充実させる」。
ソーシャルネットワークとしてのクラウドはまだ初期段階だが、仮想的な交流に十分な現実感が備わればイノベーションが起こるという。

4つ目は、「クラウドはより機能の高い端末を求めるようになる」。
今後、端末はタッチセンサーのような、より自然なユーザーインタフェースをサポートし、PCや携帯電話もクラウドとともに一層進化するという。

5つ目は、「クラウドがサーバの高度化を促し、サーバの高度化がクラウドの強化を促す」。
クラウドにはスケーラビリティ(拡張性)を実現する機能が不可欠。
また、クラウドの特徴を生かした新たなアプリケーションの開発が進み、既存のアプリケーションもクラウドへ移行できるようにする必要がある。
そうしたクラウドはサーバ技術の進化とともに実現されるという。


上記の5つは、非常に今後のクラウド戦略では、有用性が高く、マイクロソフトだけではない提言とも取れます。
以下を要点を抜粋すると…

1つ目は、「プライバシーや機密を守る責任」=「社会的責任」

2つ目は、「クラウドがユーザーの好みなどを学習」

3つ目は、「仮想的な交流に十分な現実感が備わればイノベーションが起こる」

4つ目は、「より自然なユーザーインタフェースをサポートし、PCや携帯電話もクラウドとともに一層進化」

5つ目は、「サーバの高度化がクラウドの強化を促す」

実に、ごもっともな内容です。
1つ目と2つ目は、クラウド・コンピューティングそのものの今後の特性であり、課題でもある事ですが、時間が経つにつれ、それは必ず、解決されさらなる進化がある事をさします。

3つ目は、クラウド・コンピューティングの起こすであろう様々なイノベーションが人のつながりにより引き起こされる事を予測しています。

4つ目は、今後のクラウド・コンピューティングに欠かせないデバイス(iPhoneなどのタッチパネルのもの)などの重要性が更に増す事を予見しています。

5つ目は、1~4が実現する為には、必然的にサーバの進化が要求されうするからムーアの法則に留まらず、進化速度はもっと速くなるだろうと予見。

「ムーアの法則」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

確かに、どれも確実に起こりうる事例ですし、クラウド・コンピューティングを考える上で、無視し得ない条件であると思います。
このマイクロソフトの5つの特徴は、クラウド・コンピューティングへの提言とも取れるので、今後はその流れが強くなる事は間違いないのではないかと思います。

この5つの特徴から読み取れるのは、マイクロソフト社が並々ならぬ意識と決意をもってクラウド・コンピューティングに挑もうとしているという事とクラウド・コンピューティングのイノベーションが置きつつあるという匂いを漂わせています。

開発者である我々は、それを出きるだけ早く感じ取る必要があるのではないでしょうか?

最後に。樋口社長はクラウド時代におけるマイクロソフトの強みとして語っている事を記載しておきます。


「同一の技術、設計のソフトウェアとサービスにおける柔軟なデータの移行と連携」
「あらゆる端末からのクラウド利用」
「優れたクラウドプラットフォームの提供」
「世界規模でのデータセンターへの投資」
「セキュリティやプライバシーなどへの取り組み」


――の5つを挙げたそうです。
無料化するクラウドの世界、その理由と注意点

http://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryinsertinput.do

2010年03月30日 16時00分 更新[大野隆司(ローランド・ベルガー),ITmedia]の記事。

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書きますと、クラウド・コンピューティングの「「絶え間ない機能のバージョンアップ」「データセンターの堅牢さ」「簡単な導入作業」などは、ベンダーが考えているほど、利用者には訴求しない」何故なら全てのクラウド業者が、同様のサービスを売りにするから同サービスそのものに訴求効果がなくなり、コモディティ化が起こり、クラウドサービスは価格競争に入り、無料化していくだろうとの内容。

「コモディティ化」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/commoditize.html

コモディティ化と言うのを簡単に言うと「どの会社のものを買っても同じ」という状態。

今回の記事の言わんとするところは、上記のように「絶え間ない機能のバージョンアップ」「データセンターの堅牢さ」「簡単な導入作業」などは、クラウド業者が皆が訴えて営業しているから、価格競争で、無料になっていくでしょうとの話です。
※その他にも様々な要因はあるとも書いていますが。

これは、非常に鋭い視点なのですが、一部、その差別化の元になるのがどこも一緒ならば、そうなのでしょうが、実際は、少しづつ、その質に違いがあるのだから、無料化サービスも出て来てはいるだろうけど、言うほどの内容ではないと思う。

特に、「データセンターの堅牢さ」に関しては、場所の問題などやや考慮されているのかな?と思えるところもある。

例えば、日本企業で財務的なデータを海外DC(データセンター)と日本国内のDC(データセンター)のどちらに預けたいか?と回答を求めると多くの企業が日本国内のDCを選択すると思われる。
当然、その判断には、値段が最優先で来るが、同価格もしくは、適正価格での日本国内DCとしての利用値段で多少高いとした場合、ほぼ間違いなく日本国内のDCを選択するのではないかと思える。
これは、日本国内地理的安心感と法的適用性で日本企業の場合、国内DCの方を採用した際のリスクが海外より小さいと言う安心感があるからだ。
堅固性にしても変わらないといくら言われても、個人での使用とは違う訳であるからやはり日本国内のDCの方が高いと思うに違いない。

この点は、日本人だけではない身近にあることへの安心感の心理的要素もあるので、DCの差別化では十分に発揮されるのではなかろうか?
そうなると無料化というのは地理的要素ですでにあり、更に付帯価値を付ける事で十分にクラウド業者は他との強い差別化を計ることが可能になる。

また、「簡単な導入作業」も様々なサービス提供の仕方によって十分に差別化が可能で、そもそも企業にクラウドサービスを提供するには、それなりのコンサル的要素とロードマップを考えなくてはならず、導入までの分析と定着支援をサービスの一貫として行うならば、十分にそのサービスは差別化され、質の違いにより無料化は避けられる。

コモディティ化による価格の低下は、この場合、漫然と店頭売りを行っているような場合に発生するのではないか。
実際は、そのトータル的サービスをどう組み立てるかでクラウド業者の力量が問われる訳で、何でもかんでも安ければ良いと言うものではないのは、ユーザーも十分に承知している。
実際、安すぎるとそのセキュアな部分で不安も出てくる訳で、単純な電化製品などならばコモディティ化で選択は価格競争になり得る事もあるだろうが、ITサービスの場合は、「顧客の求める結果を出す!」と考えるならば、サービス形態は無数に存在しうるものだし、その質も十分に適正価格で提供できるはずである。

要は、コモディティ化になりうるのは、顧客の求めるサービス提供しえないクラウド業者は、価格競争に走り、安売り合戦に突入し、記事の最後に書かれている企業継続の問題にまで発展すると言える。

企業継続の問題に関しては、クラウドだから起こりうる訳でもなく、どの企業でも起きうるものである。クラウド業者=コモディティ化になる=無料化だから安全性に問題ありはやや短絡的な感じも見受けられる。

また、無料化にはそれなりの戦略があり、企業内での収益手法があるのだからその収益手法を個別に検証せずして、一般論的に無料化=企業継続の危険と言うのは、やや乱暴な言い回しにも思える。
※記事では、簡素に触れてはいるが一般論化しているので、説得性に掛ける。

最後に、記事の全般的な警鐘はクラウド業者は、もちろん開発者やIT関係者は耳を貸す必要はある。
コモディティ化の要因は、惰性的なサービス提供に事を発するのだから、それを打破しうるサービスとは何なのかを考えることを放棄した時点から始まるのだと意識を持たなくてはいけないからだ。