(最初に書いておきますが、今回の記事は(1本の記事としては)結構長め。しかも書いていることのほとんどは「個人的な感想もしくは思い込みを垂れ流している」だけですので、その点あらかじめご承知のうえ(読んでいただける方は)お読みくださいませませ)
前に書いた通り
今シーズンからハヤシワックスを使い始めています
ワクシングというものをちゃんとやるようになってからは、(それ以外にも織り交ぜて使ったりしつつでしたが)ブリコ→ホルメンコール→ガリウム→ドミネーター→ナノム→ホルメンコールとメインのワックスは渡り歩いてきました
今シーズンはちょっと思うところもあって、手元に残っているホルメンコールも使いつつですが、徐々にハヤシワックスに移行するような感じにしています
で、ハヤシワックスにした理由の一つに「リキッドワックス」というのをラインナップしているということがあります
売りとしては
アイロンを使わずに、塗ってブラッシングのみでOK
ホットワックスと同等の滑り+(ベースが作られた板に塗るという前提はあるけれど)同等の持続性
ということなんですが……
まあね
ワックスに対する基本的なスタンスは「信じるものは救われる」な僕としては、信じることができるなら(=感覚的に不満がない程度には滑ってくれれば)こんな楽なものはないよねと
で、昨シーズンこのワックスの存在を知って試してみようかなと思っていたら、たまたま「使って見れば」ということで手に入れることができたので、実際に使用してみました
そのあたりの経緯 → ハヤシワックスのリキッドワックス
このときはあくまでホットワックスが出来ない状況下での緊急避難的な感じで使って見たんですが
ざっくりとした感想としては
・滑りは特に問題ない(結構良く滑る感覚あり)
・ただ、これもまた感覚的なところなんですが、持ちがあまり良くないような感じはする
というところ
ただ、特に持ちという点では、いわゆる「ワックス切れ」というような状態(滑走面がカサカサになるなど)ってことがあったわけではなく、塗った直後の滑走面の塗れたようなツヤがあまり無くなってしまっている・午後になると朝ほど滑らなくなっているかな?(使っていたのが3月とか4月で、当然雪が緩んでいたり、汚れも着いたりというう影響も当然ありそう)という程度ののことで判断
とはいえ、そのあたりはホットワックスしていてもあることですし、「試しに……」と提供してくれた相手方からはシーズン中ホットワックスはせずにこのリキッドだけで十分滑るという話も聞いていたので、まあモノは試しということでこのリキッドワックスをシーズン中の通常のワクシングでも導入してみたような次第
リキッドワックスに関するもので今シーズン(今のところ)購入したのはこれだけ

ワックス自体は、フッ素を含まないNF(Non-Fluor?)ラインから2種類
中温域(雪温‐2~8℃)と低温域(雪温‐8~32℃)に対応するものと
フッ素高含有なSHF(Super-High-Fluor)からは中温域のみ
以上3種類を購入
リキッドワックスのラインナップ的には、フッ素を含まないNF、低フッ素のLF、フッ素成分の多いSHFの3種それぞれに高温・中温・低温の雪温への対応したものの3×3=9種類がとりあえず基本ラインナップにあって
それに加えて「レース専用ベースワックス」(フッ素は入ってないけど、もろもろ滑走剤を添加したというものらしい)のRMUとフッ素も含めてこちらも滑走剤テンコモリというDTSというののリキッドバージョンの2種類を加えた計11種類ありますが……
基本的に(リキッドだからということではなく)今の考え方としては、
レースについては滑走面はしっかり作るし、対応温度・ワックスの硬さについては現地に合わせるということはするにせよ、基本的には(そういう板なら)スタートワックスがそれなりにゴールまで効いていることが多いように感じていて、スタートワックスの前の段階のワックスはそれほど高価なものは無くても良いかなと(いや、もちろんスタートワックスを塗る前の滑走面に使ったワックスがより滑るものであるなら、タイムへの影響はあるだろうとは思っていますが、費用とその効果のバランスを考えたときに、という話)
トレーニングではスタートワックスは使わないですが、しっかりワクシングされていれば高価なワックスで無くても、いわゆる「ベースワックス」と呼ばれるもので十分かなと
なので、今回購入したのは練習でも大会でも使うと言う前提で上記の3種類になりました
上記の理由から、基本的にフッ素が入っていないNFが使用するワックスのメイン
フッ素が含まれていないNFについて高温域用のを購入しなかった理由は、この雪温設定が想定される状況では大会だと硫安が撒かれる可能性が高く、硫安が入るとすれば一般論としてもっと硬いワックスが要求されるでしょうから、出番が少ない
一方、練習の場合。僕の練習環境だと、春で雪が緩んでも硫安が入ることはマレ。だとすると使う場面ありそうにも思えますが、練習だと持ちや汚れへの耐性を考えると(一般的に言われているのは)少し硬めの方が良いのかなということで、どちらにしても出番はあまりないんですよね
で、フッ素の入っているSHFで唯一購入したのが中温域の02になっている理由ですが
まず高温域に対応する01は上記のNFの場合と同様の理由で使う場面が少なそうなので無し
低温域に対応する03については、対応する雪温が-8℃以下→この温度帯ならフッ素が無くても良いし、場合によってはフッ素が渋りの原因になることもあると、これは経験上の判断
もし必要な状況なら、ホットワックスもしくはリキッドのフッ素無しの硬いの(ハヤシワックスならNF-03)を塗っておいてあとはスタートワックスでいいじゃんという考えです
じゃあ、フッ素の入っている(今回購入した)SHF-02だっていらないんじゃ?という話もありますが
(フッ素の有無で)どのくらい差があるのか試してみたいってのが一つと、そうはいっても雪面に水が浮いているような状況だとフッ素に頼りたい気持ちも出てくるわけで
まあそういう意味では、お守り的な意味合いも含めての1本ということになります
このフッ素の多いSHFは、今シーズン従来の半分の量で販売され始めて、買いやすくなっていたのはありがたかったです

あとはリキッドワックス塗って乾燥させたあと磨くためのフェルトとそれのホルダー的な感じでコルクにベルクロを付けたもの
まあ、見たまんまのものですけど、これ結構使い勝手は良いです
実際のところ、ワックス用のコルクとベルクロとフェルトがあれば作れるし、値段的には自作した方が若干安いような感じもしますが、意外に自分で作るとなると面倒だったりもしますしね

これは今年買ったものではなく、昨シーズン「試しに……」でということでもらったものの余り
余りとはいうものの、もらった時期が3月でしたし、半分以上は残っている状態
で、これはいわゆる低フッ素という位置づけになりますが、それの中温域用のもの
ワックスの使用方法は↑これ見てもらえれば一目瞭然
塗って乾かして、擦り込んでブラッシングして、磨いてというだけ
乾燥の時間は少し必要ですが、ホットワックスして室温まで下がるの待って、スクレーピング・ブラッシングという手順を考えれば、時間的にも手間的にも(同程度の効果があるということなら)大幅に削減できます

以前の記事で書いたいわゆる「ベース作り」が終わった板
一回滑った後、リキッドワックスを塗った(塗布→摺り込み→ブラッシング→ポリッシングまで一通り実施)後の状態
こういう写真アップしておいてなんなんですが
ワクシングの成果として滑走面が艶々している画像って良く見かける(というか自分もネットにアップしたりしてますが)んですが、ワックス的なものを生塗りでも良いので塗ってコルクでこすって、なにかで磨けばそれなりに艶は出るんですよね(^^;)
ともあれ、塗った直後の状態の見た目としてはGOOD
問題は滑るか&もつか、なんですが
(以下はあくまで感覚的なことで書いてますよ)
今シーズン10日ほどはリキッドワックス塗ったもので滑ってます
使用しているのはフッ素の入っていないNF-02orNF-03
(まああたり前っちゃあたり前ですが)驚くほど滑るってことはないですが、普通にホットワックスした板と変わらないと言う感想(十分に合格点)
もちについては、先シーズン使ったときは一日はもたないのかなぁという感じで見ていたんですが、塗り込みの手順をきっちり踏んでいるのが効いているのか、普通に一日もっている感じがします(夕方でも滑走面の見た目がワックス切れしていたり、滑っている感じが渋くなる感じなし)
ホットワックスは浸透する、リキッドも含めて生塗りは浸透しない、ってまあよく言われる話ではあります
「浸透」って言葉が意味するところ(あるいは人ごとのイメージ)が微妙なので、僕自身は滑走面に対するワックスの「馴染み」というようなイメージなんですけど、そういう観点からするとホットワックスはしていないけれど、このリキッドは確かに(良くいわれる生塗りの場合の)ワックスが表面に付着しているだけではなく、ある程度馴染んでいるような感じはあります
メーカーの言を信じるなら、基本的にはホットワックス用の固形のワックスを溶剤と合わせて液体化しているだけなので、表面に付着しているだけなら一日はもたないと思うんですよねぇ……
ただ一方で、メーカーでも一般的に言われるベース作りはできず、ホットワックスでベース作りをした板に対しての使用を推奨していて、さらに「自宅でホットワックスした後の遠征先用としてお使いいただくのが理想的」とも言っています( https://hayashiwax.jp/blog/5614/ )から、↓こういうイメージなのかなぁとも思っていて(あくまで僕の妄想ですよ)
(左)ワクシング前(ベース作り前)の滑走面
(右)ホットワックスでベース作りした滑走面(赤い部分が滑走面に馴染んだワックス成分)
通常のホットワックスの場合であれば、ベース作りの終わった板については、滑走→ワックス消耗→ホットワックスで補給→滑走(以下ぐるぐる)というサイクルになると思うんですが、
(左)ホットワックスでベース作り後リキッドワックス塗布(滑走面表面に乗っかりつつ、一部は滑走面にも馴染む)
で、ここからある程度以上滑走すると、滑走面に馴染んだワックス量<滑走で消耗するワックス量となって、ホットワックスで馴染んだところまで消耗
(右)そこにリキッドワックス塗ったイメージ
↑というのを繰り返すと、いつかワックス切れを起こしてしまう(具体的には滑走面の毛羽立ちとかという現象が起きやすくなる)のではないかなぁと
今シーズン、GS板についてはハヤシワックスでベース作り後、概ね3回(日)はリキッドだけ(滑走1日ごとにリキッド塗布)で、3回滑ったらホットワックスってサイクルで2クールほど回してますが、リキッドだけで滑っていても特に問題は無いような印象です
ただ、リキッドだけでワクシング全てを済ます(ホットワックスしないorベース作り以外はホットワックスしない)となるといくつか引っかかるところがあって
まず、滑走面に付着した汚れを取る(クリーニング)という要素が少なく汚れが蓄積していきそうなこと
今シーズンは雪が少ないこともあって、この時期でも特にゲレンデボトムのリフト乗り場なんかは土が落ちていたり、コース内も土っぽい雰囲気のところがあったりで、雪があんまり綺麗じゃないせいもあってか(まあ、そうでなくても大なり小なり雪には不純物が混じってますしね)結構滑走面も汚れがち
当然、そういう汚れは滑走面にも付着するわけで、リキッドワックス塗ったペーパーみると、少し茶色い色が付いていたりもします
まあ、ペーパーに色が付くってことは、リキッドワックスを塗布することで汚れを拭き取れてる的な効果もあるんでしょうけど、全て取れているとはちょっと思えない
ってことは、汚れが蓄積していくというか、塗布するたびに汚れごとワックスを擦り込むような感じになるような気がして、それはあまり気持ちの良い話でもないなと
次はまあ、長年のホットワックス信者だってこともあるんですが
経験則として
ホットワックスしてスクレーピング・ブラッシング、そして滑走するというプロセスで「滑走面を磨く」=滑走面を滑らかにするという効果はあると思ってるんですよね
そういった意味では、やはり(特にシーズン前半で)ある程度ホットワックス(というか、それに伴うスクレーピングやブラッシング)はプロセスとして入れておきたい
そんなことを色々と踏まえつつ
とりあえず、今シーズンは(ホットワックスによるベース作りは従来通りするとして)、リキッドワックス+ホットワックスを併用しながらやっていこうかなと思っています