可能性というもの論、その7。
ひとつ前のその6はこちら。
・・・・・・
気がつけば、生徒たちは涙を眼にためながら、
先生、絶対がんばるね!と言っていました。
きっと、普通の高校、進学率が高いとは言えない高校に行くことで、
自分人生が、いや、将来なりたいという夢が閉ざされたような、
そんな感覚になっていたのではないかと思います。
帰り道、商店街のたい焼き屋さんでたい焼き買って、
私ともう一人の先生、そして仲良し4人組の6人で、
口いっぱいに頬張りながら帰ったことを思い出します。
このときには、いつもの生徒たちに戻っていました。
きっと、将来への扉、あるいは道が、複数あることに気がついたのでしょう。
・・・・・・。
彼女たちがその後、どういう選択をしていったのかはわかりません。
でも、私には、彼女たちの人生を、少し変えることができたのかも、
という、小さな小さな自負が生まれていたのは、事実です。
さて、その1 の冒頭で書きました、
塾の先生は内向きか、外向きか。
きっと、外向きではないかと思います。
しつけなどは本気で教えはしません。
教えるほどの接点、時間がないですから、一過性のものです。
塾の目的はただ一つ、点数・・・・・・内申点か、偏差値か。
それをひたすら上げること。
どんなき着飾った建前を語っても、ミッションは明確です。
(しつけももちろん重要ですが、絶対ではないという意味です)
でも私には、きっかけを授けること、
未来への扉の開け方を、受験というものを通じて、
教えることができる仕事だと思いました。
生徒に影響を与えるその作業、仕事というものは、
自分の内面に問いかけるのではなく、
生徒という人間に問いかけるものである。
その8につづく。
テキトー税理士。
TKC全国会に所属している山下先生が、
ちょっと過激で面白い本を出版されました。
- テキトー税理士が会社を潰す/山下 明宏
- ¥1,500
- Amazon.co.jp
事務所見学会やTKCのニューメンバーサービス委員会などで
お世話になっている先生なのですが、
いやはや、私「も」言いたいところをしっかり書いてくださっているので、
読んでいると痛快です!。
提携先の紹介の段についてはちょっと考えが異なりますが
(私どもは、使っても使わなくてもよいですが、
60社以上の様々な専門家の提携先や、
もちろん100件以上のお客様を持っており、
これらの方々をご要望に応じてご紹介することは可能ですが、
無理に使って頂くようなことはしていません)
あとの考え方はまさしくうなづけることばかり。
最近は経済情勢の悪化に伴って、
様々なお話をお伺いすることが多いので、より強く思うものでした。
とはいえ、税理士だけのせいで潰れるわけではないので、
そこはお間違えなく。
可能性というもの論、その6。
ひとつ前その5 はこちら。
長々とお付き合いいただきありがとうございます。
・・・
「先生、私、本当はなりたい職業があるんだ・・・・・・」
それは、保育ではなく、医療関係の仕事。
やはり国家試験の合格が必要な仕事です。
思いつめたように話す彼女たちの表情は、
いつも授業中、時にふざけたりしていた明るい子供とは、
ちょっと違うものでした。
なるほど。
付属の大学・短大といった上位校があると、
高校入学時になんとなくその先の未来が見えてしまうような、
いや、決まってしまったかのように思えてしまう。
そのことは、ある意味では自然です。
内部進学をするほうが、もう一回受験を経験する必要はなく、
また、もしかしたら自分の学校にすら合格できない、
というようなリスクを冒すこともないからです。
私は彼女たちに、次のように話しました。
行った高校で人生が決まるわけじゃない。
これからの3年間の過ごし方で、大学か専門学校かはともかく、
自分の進路を、進む先を開くことは十分にできる。
あとはやるかやらないかだけ。
やるだけやってチャレンジすれば、
きっと道は開けるはずだよ。
今からあきらめることはないでしょ。
「先生、勉強、できるようになるかな・・・・・・」
きっと、今まで本気でやってこなかったでしょ。
こんなもんでいいかってやってたでしょ。
高校受験で、推薦や単願だと学校の中での比較で決まるもの。
内申点がどうかだけだもんね。
大学は、もしかしたら推薦を取る方法もあるかもしれないけど、
行く先の高校に推薦で行きたい進学先がないんだったら、
一般受験するしかない。
でも、どこを受けるのも自由なんだよ。
そのためには、学校の外を見て、一生懸命勉強しなさい。
勉強はやればやった分だけ、できるようになるよ。
先生だって、英語は苦手で、偏差値30なかったんだぜ。
それでも大学に行きたくて60台半ばまで1年で上げられたし。
できないことないよ。まずはやってごらん。
そうです、結局私は、大学受験で経験し、思い知ったことを、
生徒に話しているだけです。
変わり者の親友のセリフだって、
言い回しを変えて同じことを言っています。
結局は、受験しなければチャンスはありません。
でも、そのチャンスを作るかどうかは、
ある程度は自分で決めることができると思います。
もちろん、家計の問題などはあるでしょう。
あくまで、単に受験する・しないの問題の時、
という条件はつきますが。
高校生、もちろん中学生においては、です。
その7につづく。