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多摩市関戸の「九頭龍神社」。とても小さな神社で、大きな祠という風情だ。質素なたたずまいの向こうには漂着神という一味異なる創建のドラマがある。

 

 

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縁起

 

「中世のある大洪水の折、川上から関戸大河原の地に九つの頭を持つ龍のようなものが流れ着き、それを御神体として奉斎したのが当社の始まりと伝えられ、古からの多摩川の洪水、氾濫の際にも当社が水没することはなかったことから、多摩川の水神として近郷の崇拝を集めている。」

                     (九頭龍神社ホームページより)

 

 

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多摩村の神社の多くは氏神神社で始まり、神話や著名な神社の祭神を勧請したのが一般的だから、この来訪神とも言えそうな由緒は異彩をはなっている。

 

なお、多摩川の源流域の檜原村には戸隠神社の九頭龍大神を勧請した「九頭龍神社」は確かにあるが、関連はなさそうだ。

ちなみに、都内に龍神を祀る神社はあっても、九頭龍を祀るのはこの二社だけ。

 

 

 

 

かつて流れ着いたという流木が今も御神体として収められている気配は感じない。

 

 

 

日本の神は様々なあり方が゙゙゙あるわけで、この地の「九頭龍神社」の成立譚は魅力的だ。

 

 自然を祀る(山の神 田の神)

 ものに宿る神(かまど<火>の神)

 畏れの神(龍神 風神雷神)

 神話の神(古事記 日本書紀 出雲風土記)  

 皇室の神(伊勢神宮)

 祖先神(氏神・鎮守)

 鎮魂の神(天満宮 将門神社)

 来訪神(なまはげ ニライカナイ)

 歴史前の古神社(諏訪大社)

 都市伝説(トイレの神様)

 

 

 

この神社を緒(いとぐち)に九頭龍信仰や龍神伝説というファンタジーを訪ねてみるのも趣向。

 

なお、この神社の祭祀は近くの関戸熊野神社の管轄下にある。地域の氏神なのだ。

 

 

 

 

 

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▼現在地

 

 

 

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