【新種牡馬を知ろう】シスキン編【新種牡馬じゃないけど】 | バッタの一口馬主データ分析室

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  新種牡馬を知ろう

 新種牡馬について、①競争成績、②父系ライン、③牝系ラインの3つの視点から分析してみようという企画記事です。

 この記事が納得感をもって出資できる一助になれば幸いですし、私自身も記事を書きながら勉強したいと思います。

 あくまでまだ産駒も走っていない段階での考察なので、妄想に近い内容であることをご了承ください。

 今年は、シルクで募集予定のコントレイル、クリソベリル、インディチャンプ、ポエティックフレア、シスキンを予定しています。(シスキンは新種牡馬ではありませんが)

 

  シスキンを知ろう

 

 

  競争成績

日本芝8戦4勝

主な勝鞍

2020 愛国 愛2000ギニー GⅠ 1 芝8.0F
2019 愛国 フィーニクスS GⅠ 1 芝6.0F

 

 5月デビューから4連勝でフィーニクスS(芝1200m)を制して休養に入り、その後、10か月の休み明けのぶっつけ本番で臨んだ愛2000ギニーを勝利。

 その後はサセックスS、ムーランドロンシャン賞と欧州の主要マイルGⅠを走りも、それぞれ3着、4着と敗れ、米国に遠征して臨んだBCマイルも9着と惨敗し、そのまま引退することとなった。

 成績自体は典型的な早熟快速馬。

 

  血統分析

 

父:First Defence ファピアノ系

① 競争成績

米国両刀14戦6勝
2008 米国 フォアゴーH GⅠ 1 ダ7.0F
2008 米国 ジャイプールS GⅢ 1 芝6.0F


② 産駒成績:重賞ウィナー6頭

芝重賞ウィナー 4頭

ダート重賞ウィナー 2頭

 

母父:Oasis Dream ダンジグ系

① 競争成績

欧州芝9戦4勝

2003 英国 ジュライC GⅠ 1 芝6.0F
2003 英国 ナンソープS GⅠ 1 芝5.0F
2002 英国 ミドルパークS GⅠ 1 芝6.0F


② 産駒成績:重賞ウィナー52頭

芝重賞ウィナー 51頭

ダート重賞ウィナー 1頭

 

母母父:Zafonic ゴーンウェスト系

① 競争成績
欧州芝11戦6勝
1993 英国 英2000ギニー GⅠ 1 芝8.0F
1992 英国 デューハーストS GⅠ 1 芝7.0F
1992 仏国 モルニー賞 GⅠ 1 芝1200m
1992 仏国 サラマンドル賞 GⅠ 1 芝1400m


② 産駒成績:重賞ウィナー25頭
芝重賞ウィナー 25頭

ダート重賞ウィナー 0頭

 

父系分析

 父は、種牡馬として成功したとは言い難く、本馬が最高傑作です。

 母父Oasis Dreamは、シルク会員であればトレジャーステイトのお父さんと言えばわかりやすいでしょうか。母父にOasisDreamを持つピースオブエイトが毎日杯を制しています。父としても多数の重賞馬を出した名種牡馬です。

 母母父ザフォニックは、大成功した種牡馬とは言えませんが、ザカリヤ(NZT)、ルゼル(青葉賞)と日本で2頭の重賞馬を出している日本と相性の悪くない種牡馬です。

 本馬が輸入された経緯を推測するに、欧州の早熟快速馬という括りでポエティックフレアと同じ選定基準で購入したのではないかと思います。また、日本の馬場とかなり高い親和性を持つ父父Unbridled's Songの血を入れたかったというのもあるのでしょう。

 

牝系分析

 叔母のRisingTornadoからは、GⅠ5勝馬CloseHatchesが出るなど活力のある牝系であり、三代母からは、超ド級の馬は出ていませんが重賞馬を多数輩出しています。

 本馬は活力のある牝系の傍流ではあるものの、牝系はそれなりに評価できそうです。 

 

  総合評価

 本馬の競争成績を見るに、ポエティックフレアほどではないものの、早熟性はかなり高めだと思われます。

 父系はUnbridled's Songの血が入っているという点は評価できます。Unbridled's Songは母父として、コントレイル、スワーヴリチャード、ジャックドール、ダノンプラチナ、トーホウジャッカルと5頭のGⅠ馬を輩出しており、日本との相性は抜群です。

 First Defenceははっきり言ってパッとしない種牡馬ですが、芝・ダート両刀で重賞を勝っている点は日本の競馬にマッチする可能性もあります。

 牝系は、活力のある牝系の傍流という位置は評価が難しいですが、そこそこ評価できます。

 芝の短距離~マイルが中心でしょうが、ポエティックフレアよりはダートも走れると思います。

 ただ、先例が少ないのであくまで予測にすぎませんが、ポエティックフレアの項でも書いたとおり、欧州の快速馬が日本の馬場で日本血統にスピード能力勝負で勝てるとは思えないんですよね…

 初年度は種付け中のトラブルにより種付けを中止し、7頭にしかつけられませんでしたが、その中から早速芝1400mの新馬戦勝ち馬が出ています。

 ただ、それでも私はこの種牡馬が大成功するかというと、かなり懐疑的です。

 種付料は350万円、300万円、250万円、200万円と右肩下がり(これは受胎率の低さも影響してそうですが)。

 欧州アレルギーが強すぎて評価を誤っているのか、それともやっぱり欧州種牡馬は現代日本競馬では成功が難しいのか。本馬とポエティックフレアがちょうどいい指針になりそうです。

 

  2024年度