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 ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)は,1969年11月末にリリースされる米国で10枚目となるアルバム 『 Let It Bleed (レット・イット・ブリード) 』 のプロモーションを兼ねて,11月7日コロラド州フォートコリンズはコロラド・ステイト・ユニヴァーシティ公演を皮切りに,12月6日カリフォルニア州トレイシーはオルタモント・スピードウェイで行われたオルタモント・フリー・コンサートまで北米ツアーを行います.
 既にピンときた方も多いと思いますが,この北米ツアーの最終日に,ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)主催で行われたオルタモント・フリー・コンサート(Altamont Free Concert)では,演奏中に観客が殺害されるという事件 (#) が起こったことで 「 オルタモントの悲劇 」 としても有名で,この時のショッキングな映像は,この年の北米ツアーを捉えたドキュメンタリー映画 『 Gimme Shelter (ギミー・シェルター) 』 (1970年12月公開)に,インサートされています.

(#) 当時,警備担当だったヘルズ・エンジェルス(Hells Angels:バイカーギャング=オートバイに乗った暴力団)のメンバーによる黒人青年刺殺事件

 因みに,北米ツアーの 4ヵ月前の 7月5日には,ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)主催による,ロンドンはハイド・パークでの ハイドパーク・フリーコンサート(Hyde Park Free Concert)が,新加入メンバーの ミック・テイラー(Mick Taylor)のお披露目コンサートとして開催予定でしたが,開催 2日前にオリジナル・メンバーでもあり,元メンバーの ブライアン・ジョーンズ(Brian Jones)が急逝し,急遽 ブライアン・ジョーンズ(Brian Jones)の追悼コンサートとして行われています.

 ある意味,ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)にとっては,忘れられない年だったのでしょうね.

 本アイテムは,上述の北米ツアーから,ツアー終盤に当たる11月29日マサチューセッツ州ボストンはボストン・ガーデン公演のレイト・ショウ(Late Show)のオーディエンス録音を収録した 『 Boston 1969 2nd Show (No Label) 』 です.

 音像は若干遠目ではあるものの,各パートの出音のバランスも相応に良く,録音された年代を考えれば,高音質のオーディエンス録音と言えます.

 メーカー情報では
 『待望の展覧会もスタートしたローリング・ストーンズのアイテムに関しては、ここのところ1973年のウインター・ツアーからの音源のリリースが続いていました。しかし今回は久々に1969年のアメリカ・ツアーからのアイテムが登場します。彼らのライブ史の中で72年や73年に負けじと素晴らしい時期であったこのツアーですが、今回は11月29日のボストン公演をリリース。その日ショーは都合二回行われていますが、音質が秀でていて今回の限定プレスCDでのリリースに足るのはセカンド・ショーの方。
 69年のアメリカ・ツアーの中盤戦においてはマニアの間でもよく知られていた音源でした。ブートレガーTMOQチームのダブが録音した稀代の名音源、オークランドやサンディエゴの域には及ばなくとも、1969年のオーディエンス録音としては十分に優良なレベルであり、過去にいくつものアイテムがリリースされていたものです。
 この音源を録音したのはおなじみの名テーパー、ジョー・マロニー。彼による音源が21世紀に入って広く流通した結果、それを元にしたDACレーベルの「SOME SATANIC TOUR」がベストだとされています。その音源流通やリリースから十年以上が経過し、今回のリリースに際して元にしたのは昨年新たに登場したマロニー音源のファースト・ジェネレーション・コピー。それを公開してくれたのはおなじみKrw_co。音質的には過去のバージョンも十分に高音質なものであり、今回のバージョンが飛躍的なアッパー感を兼ね備えている訳ではないのですが、明らかにナチュラル度は向上。また元の音源はマスターからコピーされた際にピッチが極端に上がってしまうという大きな欠点を伴っていましたが、それもリリースに際しては緻密にアジャスト。それでいてマロニーならではの高音質を尊重すべく、余計なイコライズなどは一切加えておりません。
 とはいってもボストン在住のマロニーによるレコーディングの中でも最初期の音源であり、そこに69年という時代も合わさったビンテージ感が魅力的、逆に言うとオークランドやサンディエゴの域ではなく、全体的に鮮度よりも粗さが感じられる録音ではあります。

 それでも十分に聞き込めるこの名録音ですが、何と言っても演奏内容は聞きどころが満載。
 69年ツアーは演奏の雰囲気がライブアルバム用の収録が行われた「MSG前」と「MSG後」に分けられるかと思いますが、この日に関しては正にMSG後ならではの完成度の高い演奏の中でステージが進みます。ところが「Sympathy For The Devil」の三番(「ケネディ」のくだり)でミックが二番までのメロディとごっちゃにしたのか、あるいはモニターの調子が悪かったのか、ともかくメロディを不安定に歌ってしまったのをきっかけとして、いつものようなシャウトも少なめで煮え切らずに終えてしまったのです。ところがその空気を読んだかのように素晴らしいプレイで弾き倒してくれたのがテイラー。ツアー前半と違って彼もソロを弾かせてもらえるようになったのもMSG後ならではの光景かと。
 またミックとキースが二人だけで演奏する二曲ですが、何故かこの日に限って12弦アコースティック・ギターにピックアップを付けた形で演奏(しかも雰囲気は牧歌的)しているのがとても貴重。何故なら、この演奏形態は70年のヨーロッパ・ツアーにおいてレギュラーなスタイルとなるのですが、69年でそれを試みているのはボストンだけだったからです。おまけに「Prodigal Son」の演奏を終えたところでミックがインディアンの雄叫びのような奇声を発する場面、これは過去のアイテムでは聞かれなかったもの。
 それにしても彼の運勢はこの日に限ってついてなかったのでしょうか?今度は「Midnight Rambler」を始めるべくミックがハーモニカを吹き始めるのですが、困ったことに彼が音を鳴らすたびにハウリングが鳴って演奏が始められません。72年や75年のアメリカ・ツアーでは考えられないトラブルですが、69年には起き得たPAトラブルの一つでしょう。しかし演奏自体は素晴らしく、ここでもMSG後ならではの力強さが冴え渡っています。そしてMSG初日で顕著だった「Live With Me」で冴えわたるチャーリーのバスドラ・プレイはその日が間奏辺りから踏みまくりの連打だったのに対し、ここボストンでは一番の終わりからドコドコと踏んでいるのがお見事、素晴らしいチャーリーの足技を聞いてください。
 やはりMSG後のストーンズの演奏は本当にレベルが高く、ここボストンでもバンド自体は絶好調だということがマロニーの名録音によってリアルにドキュメントされています。ファースト・ジェネレーションという血統書付きバージョンの収録によって、わずかながらも初登場の場面まで収録しており、ボストン69の新たな決定版と呼ぶに相応しいものです。それと同時にハプニングを含みつつも(すべてミックが原因ですが笑)、MSGのテンションを継続したバンドの演奏ぶりは実に素晴らしい!

★半音の約50%高いピッチを修正。

★“Prodigal Son”終了後は、今回の音源の方がほんの僅かだけ長く収録している。』

Boston 1969 2nd Show (No Label)
 
 Live At Boston Garden, Boston, MA, USA
 29th November 1969
 [2nd Show]

   01. Intro
   02. Jumping Jack Flash
   03. Carol
   04. Sympathy For The Devil
   05. Stray Cat Blues
   06. Love In Vain
   07. Prodigal Son
   08. You Gotta Move
   09. Under My Thumb
   10. Midnight Rambler
   11. Live With Me
   12. Little Queenie
   13. Satisfaction
   14. Honky Tonk Women
   15. Street Fighting Man
   TOTAL TIME (66:34)

 Mick Jagger : Lead Vocal, Harmonica
 Keith Richards : Guitar, Backing Vocal
 Mick Taylor : Guitar
 Bill Wyman : Bass
 Charlie Watts : Drums
 Ian Stewart : Piano

  Jumping Jack Flash
 
  Midnight Rambler
 
  Street Fighting Man
 


[参考]
 1969 Tour Dates
 June
  16 The David Frost Show,London,UK

 July
  05 Hyde Park,London,UK
     ⇒ [The Stones In The Park]

 

 [Let it Bleed Tour]
 November
    [North American Tour]
  07 Moby Gym,Colorado State University,Fort Collins,CO,USA
  08 The Forum,Inglewood,CA,USA
     ⇒ [Two Shows]
 09 Oakland-Alameda County Coliseum Arena,Oakland,CA,USA
     ⇒ [Two Shows]
  10 International Sports Arena, San Diego,CA,USA
  11 Arizona Veterans Memorial Coliseum,Phoenix,AZ,USA
  13 Moody Coliseum,University Park,TX,USA
  14 Memorial Coliseum,Auburn,AL,USA
     ⇒ [Two Shows]
  15 Assembly Hall,Champaign,IL,USA
     ⇒ [Two Shows]
  16 International Amphitheater,Chicago,IL,USA
     ⇒ [Two Shows]
  23 The Ed Sullivan Show,New York City,NY,USA
  24 Olympia Stadium, Detroit,MI,USA
  25 Spectrum, Philadelphia,PA,USA
  26 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA
  27 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  28 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
     ⇒ [Two Shows]
  29 Boston Garden,Boston,MA,USA
     ⇒ [Two Shows]
  30 Palm Beach International Raceway,Jupiter,FL,USA
     ⇒ [Palm Beach Pop Festival 1969]

 December
  06 Altamont Speedway,Tracy,CA,USA
     ⇒ [Altamont Free Cocert 1969]
    [UK Tour]
  14 Saville Theatre, London
     ⇒ [Two Shows]
  21 Lyceum Ballroom, London
     ⇒ [Two Shows]










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The Stones In The Park : Japanese Broadcast (Gift DVDR)
 
The Old Grey Whistle Test (Gift DVDR)
 
Gimme Shelter : Japanese Broadcast (Gift DVDR)
 


#2024-04-27