久々に,ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の 初期の定番商品が,商品を 2組購入すると希望者に配布されるギフト・アイテムとして登場.

 その定番商品とは,1969年11月9日カリフォルニア州オークランドはオークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム公演の複数オーディエンス録音およびサウンドボード録音を駆使したマトリクス・バージョンを収録した 『 Live In Oakland 1969 (No Label) 』 で,2019年7月リリースの 2nd Press の最後の 50枚をギフト・アイテムとして放出したものなのです.

 丁度,この公演の 1か月後にスタジオ・アルバムとして,10枚目となる 『 Let It Bleed (レット・イット・ブリード) 』 がリリースされていますし,当時,ブートレッグ対策用に録音し,翌年の1970年9月にリリースされるライヴ・アルバム 『 Get Yer Ya-Ya's Out!' The Rolling Stones in Concert (ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト) 』 は,本公演の約20日後の マジソン・スクウェア・ガーデン公演(11月27日,28日)の模様が収録されています.

 時期的には,ミック・テイラー(Mick Taylor)が参加した,初のツアーとして11月7日コロラド州フォートコリンズはコロラド・ステイツ・ユニヴァーシティ公演を皮切りに,12月6日カリフォルニア州トレーシーはアルタモント・スピードウェイで行われた ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)主催の オルタモント・フリー・コンサートで幕を閉じた 「 Let It Bleed Tour 」 の序盤に当たり,最終日の オルタモント・フリー・コンサートでは,演奏中に観客が殺害されるショッキングな事件 (#) が起こり,ショッキングなショットをインサートして捉えたドキュメンタリー映画として,惨事から丁度 1年後の 1970年12月6日に 『 Gimme Shelter (ギミー・シェルター) 』(『 Gimme Shelter : Japanese Broadcast (Gift DVDR) 』 参照) が公開されたのは有名な話です.

 (#) 当時,警備担当だったヘルズ・エンジェルス(Hells Angels:バイカーギャング=オートバイに乗った暴力団)のメンバーによる黒人青年刺殺事件(「 オルタモントの悲劇 」とも呼ばれている)

 私的に,ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の音源は,ミック・テイラー(Mick Taylor)在籍時しか聴かないのですが,他のアーティストの音源の方が忙しく,余程の事が無いと手を回さないのですが,今回のような,ギフト・アイテムとしての放出は非常に有難いです.

 元々が高音質のオーディエンス録音であり,臨場感が素晴らしく.楽しめる商品です.

 メーカー情報では
 『ここ数年、フロイドのレア音源界においては一公演で複数存在するオーディエンス録音を駆使したステレオ・マトリクス音源の素晴らしいバージョンがマニアによって生み出されており、数年前、72年のボブリンゲンのマトリクス・バージョンがCD化され、その従来盤に無かった完成度の高さがマニア間で大きな話題を呼びました。
 こうした試みは以前よりマニアの間で多くのアーティストの音源が試みられてきたものでしが、ここ最近は音源ソフトの性能向上に使いやすさが相まって、非常に完成度の高いステレオ感を演出してくれるマトリクス・バージョンがネット上に現れてくれています。

 そんな中で大きな話題を呼んでいるのがローリング・ストーンズの1969年のオークランド、セカンドショー音源のステレオ・マトリクス・バージョン。オークランドのセカンドショーと言えば誰もが思い出すのがストーンズ史上初のブートレグ「LIVE'R THAN YOU'LL EVER BE」。それ以上に「LIVE'R THAN~」に収録された音源のオーディエンス録音としてのクオリティの高さが伝説となっているもの。
 
 同LPは後にTMOQを名乗るレーベルを運営していた人物によって作られています。2010年代に入ってマニアの間でもかなり認識された感のある二人がケンとダブ。二人がロック史上初のブートレグとして有名なボブ・ディランの「GREAT WHITE WONDER」に次いでリリースしたのが「LIVE'R THAN~」だったのです。この音源は1969年のオーディエンスとしては別格のクオリティを誇るものであり、ダブがショットガン・マイクを使って周囲の音よりも演奏をオンに捉えることに成功していました。

 TMOQレーベルの音源
 そのアルバムに関する逸話やオフィシャル「GET YER YA-YA’S OUT」をリリースさせるきっかけとなったことは良く知られるところ。何よりも驚かされるのは、オフィシャル登場後もアイテムや音源の価値がまったく色褪せなかったことでしょう。それどころか近年に入ってもダブが録音した音源は様々な形でリリースされ続けてきたのです。それがいかに卓越した録音であったかの証というもの。この録音を以下ダブ録音と称します。

 プロモーター所有のSBD
 この驚異的な長寿を誇る音源に対して意外なる対抗馬として80年代半ばに現れたのが同じショーのサウンドボード録音。これはオークランドのショーをオーガナイズしたビル・グレアムが記録用に録音したものであり、1972年に再度のストーンズのアメリカ・ツアーが実現した際にプロモーションを兼ねてラジオで放送されました。
 あのオークランド69にサウンドボード録音が存在したことを明るみにしてくれたのは白黒ジャケットの「OAKLAND SIXTY-NINE」というLPで、歌うミックとフライングVキース二種類の白黒ジャケットでリリースされた名盤。よってマニアには高く評価された音源だったのですが、それでもショー全体はダブ録音の方が長く収録していたことから、それを蹴散らすほどの存在にはなりませんでした。これをSBDと称します。

 第三の録音
 面白いことにダブ録音とSBD両方それぞれに大きな魅力が備わっていたことから、オークランド69はそれら二種類の音源が共存し続けるという、他にないユニークな状況が21世紀を迎えても変わらないという異例なパターンとなりました。普通ならばSBDが決定版とされるはずが、どちらも好まれ続けたのですから。
 ところが2010年になって、まさかの別録音オーディエンス音源が発掘されます。さすがにダブ録音とまではゆかないまでも、こちらもかなりいい線を行くクオリティを誇りました。それ以上にこの音源がマニアに歓迎されたのは、過去二種類の音源で捉えられていなかった場面を多く含んでいたということでしょう。これをサード・ソースと称します。

 この音源に関しては過去にギフトCD-Rにてリリースされたことがありましたし、DACレーベルなどは三種類の音源の集大成もリリースしています。それに対して今回マニアがネットに上げてくれた音源は、基本的にオーディエンス二種(ダブ録音+サード・ソース)でステレオ・マトリクス・バージョンに仕上げています。
 既に大きな話題を呼んでいるように、今回のステレオ感や音質の向上ぶりが本当に素晴らしい。オーディエンス二種はどちらも69年としては驚異的なレベルの音質を誇っていましたが、所詮はモノラル録音。暗くて沈んだ質感であったことは事実。
 ところが今回ステレオ化されたことにより、一気に明るく広がりのある音質へと生まれ変わったのだから、驚きを禁じ得ません。ヘッドフォンでプレイバックすると驚異的なステレオ感に圧倒されてしまうはず。
 唯一「Under My Thumb」の序盤だけはサード・ソースしか音源が存在しませんので、この部分のみがモノラル収録となってしまいますが、それがかえって今回のずば抜けた仕上がりを実感させてくれるでしょう。
 おまけにダブ録音における致命的な欠陥だったオープニング「Jumping Jack Flash」の周期的な録音の欠損が自然に目立たなくなったのはもちろん、演奏より音量レベルが低く聞こえた曲間のMCも安定したバランスで聞き通せる最高音質ステレオ・バージョンにまで進化してしまった。

 ここまで挙げたポイントだけでも十分に限定のプレスCDリリースに値するものですが、制作したマニアが卓越したセンスを見せつけたのがアコースティックな二曲でのマトリクス処理。何とこれらのパートではSBDをミックスさせ、静かな演奏ゆえに各種オーディエンス録音において遠目だったミックのボーカルのバランスをアップさせることに成功しているのです。その驚くほど自然な仕上がりがまた圧巻。彼は「Live With Me」でもSBDを流用するなど、抜群のセンスを発揮してくれました。
 こうしていいことずくめなオークランド69のセカンドショー、ステレオ・マトリクス・バージョンではありますが、そこには大きな落とし穴がありました。緻密な音源の合成ぶりとは裏腹に、ピッチが上がった状態のままで収録されていたのです。せっかく見事な仕上がりを見せていたのだから、そこはピッチに関しても抜かりなくやってもらいたかった。こればかりは残念としか言いようがない。そこで今回のリリースに際し、当店でピッチを緻密にアジャスト。何しろ話題の音源ですので、他にもアイテムがリリースされることは必須だと思われます。しかしピッチまでしっかり正したバージョンは本タイトルだけでしょう。サウンドボードの傑作「GET YER YA-YA'S OUT! COMPLETE EDITION」と対を成す、1969年アメリカ・ツアーからオーディエンス録音の傑作が今週再登場です!

 ★2019年7月リリースの「2ND PRESS」の残り50枚を特別にギフト・リリース!
 ★1ST PRESSと合わせて500枚近くを売り切りきってる傑作タイトルです。この機会にどうぞ!』

Live In Oakland 1969 (No Label)
 
 Live At Oakland Coliseum, Oakland, CA. USA
 09th November 1969
 [2nd Show]
 Stereo Matrix Of 2 Mono Audience Recordings
 [* with Parts From Soundboard Tape]

   01. Introduction
   02. Jumping Jack Flash
   03. Carol
   04. Sympathy for the Devil
   05. Stray Cat Blues
   06. Prodigal Son *
   07. You Gotta Move *
   08. Love in Vain
   09. I'm Free
   10. Under My Thumb
   11. Midnight Rambler
   12. Live with Me *
   13. Gimme Shelter
   14. Little Queenie
   15. Satisfaction
   16. Honky Tonk Women
   17. Street Fighting Man
   TOTAL TIME (75:54)

 Jumping Jack Flash
 
 I'm Free
 
 Gimme Shelter
 


[参考]
 Live'r Than You'll Ever Be
 

 Live R Than You'll Ever Be
 


























[関連記事]
The Stones In The Park : Japanese Broadcast (Gift DVDR)
 
The Old Grey Whistle Test (Gift DVDR)
 
Gimme Shelter : Japanese Broadcast (Gift DVDR)
 



#2022-12-20