先日,ウッドストック・フェスティヴァル(Woodstock Music and Art Festival)出演時の クロスビー,スティルス,ナッシュ&ヤング(Crosby, Stills, Nash & Young)のパフォーマンスの完全盤を収録した 『 Complete Woodstock 1969 (No Label) 』 がリリースされたのは割と記憶に新しく,また 2019年7月にも ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)の 『 The Complete Woodstock 1969 (No Label) 』がリリースされているところですが,今度は,ザ・フー(The Who)のパフォーマンスを完全収録した 『 Complete Woodstock 1969 (No Label) 』 がリリースされました.

 1969年8月15日(金)から17日(日)にかけての 3日間(実質的には 15日午後から18日朝の 4日間)にかけ,米国ニューヨーク州サリバン郡ベセルのヤスガーズ・ファームで行われた ウッドストック・フェスティヴァル(Woodstock Music and Art Festival)は,約40万人の観客を動員し,ロック史上に残る大規模な野外コンサートで,ザ・フー(The Who)は,その 2日目である 8月17日に出演しています.

 何気にこのシリーズもの?は有難いですね.

 メーカー情報では
 『大好評クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの「COMPLETE WOODSTOCK 1969」に続いて今回はザ・フーのウッドストックのコンプリ&最高音質版が限定プレスCDにてリリースの運びとなりました。
 彼らのステージもまた三年前に怒涛の38枚組セットの中で日の目をみたものの、未だに単体でのリリースは実現せず。同イベントの映画を見れば解るように、この日の彼らのパフォーマンスは歴史的名演という言葉が相応しく、ザ・フーのステージ・キャリアにおいても最重要ライブ音源だと断言できるウッドストックが未だ手軽に入手できないという状況は由々しき事態だと言わざるを得ません。
 もっともマニア界隈では古くからPAアウトのミキシングボード録音とおぼしきウッドストックでの彼らのステージを捉えられた音源が80年代からリリースされており、その後CDでも「THE VIOLENT SIDE」、それの紙ジャケ再発盤「WOODSTOCK 1969」が決定版とされてきました。
 ところが、それらがCD二枚組(ウッドストックと無関係なボーナストラック入り)であったのに対して今回はCD一枚ですっぽり収まっている。ところがどっこいステージの模様を完全収録しているのは今回の元になった38枚組の方で、むしろカットが生じていたのはそうした過去のリリース群だったのです。そこではよりによって「See Mee, Feel Me」の間奏でカットが生じており、なおかつアンコールを求める場面までもかなりカットされていた。つまり二枚組にする必要がまったくなかったのにもかかわらず、そうしたフォーマットでリリースされていたことが今回との比較で明らかとなったのです。その辺りが38枚組の方はさすがだとした言いようがありません。
 それに何と言っても過去のアンダーグランド音源はモノラルでしたが、今回は鮮烈なマルチトラックからのステレオ。プレイヤーが三人という編成のバンドがそれぞれに大音量を鳴らすことで音の厚みを生み出すというフーならではのライブ・サウンドがウッドストックに響き渡る様子をこれ以上ないほどの音質で楽しめる。中でも左チャンネルを占めるジョン・エントウィッスルの重量級ベースの音を迫力たっぷりに捉えてくれているのもマルチトラックならでは。

 こうして音質面において申し分のない音源であることは当然なのですが、今回のリリースに際しては元の38枚組バージョンにあったフー登場前の場面をカット。そこは後でフーの演奏中にもステージに上がってしまう政治活動家アビー・ホフマンの「演説」の風景やステージ上の準備のざわめきといったフーの演奏とは無関係な場面ばかりでしたので削除し、CDを再生するとあのチップ・モンクによる印象的な声で告げられるバンド・アナウンスからすんなり始まるように編集しました。
 そのホフマンはよりによって「Pinball Wizard」を終えた後のタイミングでステージに乱入して性懲りもなく演説しようとするものの、ピートに「失せろ!」と言われてあえなく退散。そんなピートに拍手喝采が送られていることからも解るように、会場もロックコンサートに現れた空気の読めない活動家を追い出してくれてありがとう!的な盛り上がりがはっきり伝わってきます。それどころか、このハプニングすらウッドストックでのフーのステージを伝説へと昇格させる役割を果たしているようにすら思えるほど。
 そして残されている映像からも解るように、この日のフーはそうしたハプニングをものともせず、完全に演奏に集中しきっている様子が捉えられています。5月から「TOMMY」を引っ提げてクラブやシアターを回ってきた彼らの経験がモノを言ったのでしょう。この日は広大な野外会場のフェスでヒッピーの大観衆を前にするというシチュエーション。そんなアウェーな状況でも完璧な演奏を披露したことでウッドストックの中でも伝説の名演へと昇格するのでした。

 この時点での「TOMMY」ライブ披露はフルバージョンではなく、オープニング「Overture」や「Tommy Can You Hear Me?」がまだ導入されていないショートバージョン。それらがセットインするのは秋のツアーからですので、好評発売中「LONDON COLISEUM 1969」と聞き比べると同じ69年の「TOMMY」でもはっきりとした違いがあることが解るでしょう。そんな当時のショートバージョンがまた演奏時間に制限のあるフェス出演であったウッドストックでは功を奏しており、ここでの「TOMMY」パートから生み出された「Sparks」やフィナーレ「We're Not Gonna Take It」が改めて凄まじい名演であったことを思い知らされます。
 結果として「TOMMY」メインで旧曲少なめという攻めな構成でウッドストックのステージに上がった彼らですが、アンコール「My Generation」がまた相当な名演。これもまた「THE KIDS ARE ALRIGHT」などの映像にて証明済みですが、こうして音声だけで聞いてもそのインパクトは凄まじい。やはり1969年ザ・フー最上のステージの記録であったということに異論はないはず。ウッドストックのイベント全体からしても名演中の名演でありながら、三年前にしれっとリリースされていたベスト・バージョン。大好評CSN&Yに続いてザ・フー稀代の名演をCD一枚でサクッと聞ける、世界中のマニアが待ち望んだお手軽版ウッドストックで伝説のステージをお手元に。』

Complete Woodstock 1969 (No Label)
 
 Live At Woodstock Festival, Bethel, NY, USA
 17th August 1969
 [STEREO SOUNDBOARD RECORDING]

   01. Intro
   02. Heaven And Hell
   03. I Can't Explain
   04. It's A Boy
   05. 1921
   06. Amazing Journey
   07. Sparks
   08. Eyesight To The Blind
   09. Christmas
   10. Acid Queen
   11. Pinball Wizard
   12. Abbie Hoffman Incident
   13. Do You Think It's Alright
   14. Fiddle About
   15. There's A Doctor
   16. Go To The Mirror
   17. Smash The Mirror
   18. I'm Free
   19. Tommy'S Holiday Camp
   20. We're Not Gonna Take It
   21. Summertime Blues
   22. Shakin' All Over
   23. My Generation
   24. Outro
   TOTAL TIME (68:19)

 Heaven And Hell
 
 Pinball Wizard
 
 Summertime Blues
 
 My Generation
 

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#2022-09-14