ジェフ・ベック(Jeff Beck)は,1975年3月にアルバム 『 Brow By Brow (ブロウ・バイ・ブロウ) 』 をリリース後,そのプロモーションを兼ねてツアーを行います.
そして,北米ツアーから 「 World Rock Festival Eastland 」(ワールド・ロック・フェスティヴァル) の一環で 1975年8月に ベック・ボガート・アンド・アピス(BBA:Beck, Bogert & Appice)時代(1973年5月)に次いで 2度目の来日を果たし,その後の 9月から約半年をかけてニュー・アルバムのレコーディングを行い,1976年5月にタイトル 『 Wired (ワイヤード) 』 としてリリースします.
このアルバム 『 Wired (ワイヤード) 』 のプロモーションを兼ねたツアーは,1976年5月の英国を皮切りに,5月末からの北米ツアーを中心に,時期を同じくしてアルバムをリリースした ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)と一緒に行いますが,ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)のツアーのゲスト的な要素が強く,実際にステージでもゲストとして紹介されているのが実情です.
セット・リストは,ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)が,1976年4月にリリースした 『 Oh, Yeah? (オー,イエー?) 』 収録の "Magical Dog",”Evolve","Oh, Yeah?" 他,ヤン・ハマー(Jan Hammer)名義の曲と,ジェフ・ベック(Jeff Beck)名義の曲がほぼ半々位で構成されると共に,北米ツアーの演奏の一部は,1977年3月にリリースされた 『 Jeff Beck with The Jan Hammer Group (ライヴ・ワイヤー) 』 に収録されたのはファンならばご存知の通りです.
その関係もあってか,この 『 Jeff Beck with The Jan Hammer Group (ライヴ・ワイヤー) 』 は,日本でこそ ジェフ・ベック(Jeff Beck)名義となっていますが,日本以外では ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)名義になっている場合が多々見受けられます.
5月末からの北米ツアーは,5月29日カリフォルニア州はサンディエゴのコミュニティ・コンコース・シアター公演を皮切りに,7月25日アイオワ州はデモインのアイオワ・ステート・フェアグラウンズ公演まで行われた 1st レグ,3週間後の 8月12日カリフォルニア州はアナハイムのエンゼル・スタジアム公演を皮切りに,9月13日同じくカリフォルニア州はサンディエゴのサンディエゴ・スポーツ・アリーナ公演まで行われた 2nd レグ,3週間後の 10月7日ロードアイランド州はプロビデンスのプロビデンス・シビック・センター公演を皮切りに,10月19日マサチューセッツ州はボストンのボストン・ガーデンズ公演まで行われた 3rd レグ,12月3日フロリダ州はマイアミのマイア・ミジャイーアライ・フロントン公演を皮切りに,12月11日テネシー州はナッシュビルのミュニシパル・オーディトリアム公演まで行われた 4th レグ というように 4つのレグに大別されます.
本商品は,8月12日カリフォルニア州はアナハイムのエンゼル・スタジアム公演を皮切りに行われた,北米ツアーの 2nd レグから,2nd レグ終盤の 9月12日カリフォルニア州アナハイムはエンゼル・スタジアム公演のオーディエンス録音を収録し Wardourレーベルからリリースされた 『 Anaheim 1976 : Jon Wizardo Master (Wardour-485) 』 で,テーパーはサブ・タイトルにも記載されているように ジョン・ウィザード(Jon Wizardo)氏によるものです.
スタジアムと言う屋外公演なのに,音像は割と近く,各パートの出音も比較的バランス良く収録されている高音質のオーディエンス録音と言え,ドラムの音等は,屋外公演らしい音で捉えられています.
演奏中も,終始,テーパーの近くで会話をしているオーディエンスがおり,小さい声ではあるものの,そのノイズが気になりだすと気になってしまう部分(特に公演前半)が多々あるのと,テープの関係か "Full Moon Boogie" が,終盤部がフェイド・アウトで終了してしまいまい,この時期であれば(この公演日も),”Full Moon Boogie” の後に演奏されていた ”You Know What I Mean”,”Blue Wind” を未収録なのが少し残念ではありますが,演奏的には ヤン・ハマー(Jan Hamme)や,スティーブ・キンドラ―(Steve Kindler)と,ジェフ・ベック(Jeff Beck)のインター・プレイも手に汗を握る素晴らしいものです.
メーカー情報では
『数々の極上マスターが発掘されてコレクター界に旋風を巻き起こしたジョン・ウィザードのマスター・コレクション。その最新作となるジェフ・ベック篇が登場。
しかも、THE JAN HAMMER GROUPとの大人気ツアーを伝える新名盤の誕生です。
そんな本作に吹き込まれているのは「1976年9月12日アナハイム公演」。その極上オーディエンス録音です。世紀の共演ツアーは当店でも大人気。数々の名作を永久保存して参りました。本作は、その中でも格別の一作。何しろ、名手ウィザードの大元マスター・カセットからダイレクトにデジタル化されたこの上ない銘品名音ですから。そのサウンドの前に、まずはショウのポジション。当時のスケジュールから紐解いてみましょう。
●1976年
《4月『OH YEAH?』完成》
《5月『WIRED』発売》
・5月8日-23日:英国(3公演)←※FIRST GIG
・5月29日-9月13日:北米#1(42公演)←★ココ★
・10月7日-19日:北米#2(12公演)←※PALLADIUM 1976/BOSTON 1976
・11月12日-11日:北米#3(8公演)
●1977年
・1月23日-2月5日:オセアニア(5公演)
・2月18日-21日:北米#4(3公演)
《3月『ライヴ・ワイアー』発売》
これが1976年/1977年のジェフ・ベック。
ただし、当時の記録にはあやふやな点が多く、上記の日程も3つの資料を組み合わせたもの。恐らく細部は間違っているので、あくまでも参考イメージ程度に留め、あまり信用しないでください。上記ではツアー初期の母国篇『FIRST GIG』や昨年大好評を賜った『PALLADIUM 1976』等が掲載されておりますが、録音の名産地となっているのは、その間の「北米#2」。本作のアナハイム公演は、その最後期である41公演目にあたります。
良い機会でもありますので、ここで当店のプレス・タイトルで名作コレクションも整理してみましょう。
・5月23日『FIRST GIG(ロンドン)』
*6月6日『DAY ON THE GREEN 1976 DAY 2』
*6月26日『MINNEAPOLIS 1976』
*7月3日『SOPHIE: DETROIT 1976 EARLY SHOW』『MASONIC TEMPLE 1976(レイトショウ)』
*7月23日『ARROWHEAD STADIUM 1976』
*8月27日『COMPLETE CAPE COD 1976』
*9月12日:アナハイム公演 ←★本作★
・10月8日『PALLADIUM 1976』
・10月10日『BOSTON 1976 DEFINITIVE EDITION』
……と、このようになっています。
直近としては名手ダン・ランピンスキーの大傑作『COMPLETE CAPE COD 1976(Wardour-071)』もありましたが、本作はそれに対するウィザードの新名作でもあるわけです。
実際、そのサウンドは極上で、骨太・肉厚な芯のダイレクト感やディテールの細やかさ、瑞々しい鳴りなど、どのポイントでチェックしても70年代オーディエンスの常識を軽々と超えた素晴らしさ。美辞麗句を並べただけでは分かりづらいと思いますのでランピンスキーの名作『COMPLETE CAPE COD 1976』と比較してみますと……やはり負けてない。ランピンスキー作はキリッと引き締まった輪郭が鋭く、高音までキラキラとしていましたが、それに対してウィザードの本作はリッチ。鳴りの音色的はややセピアなくすみもあるものの、その分極めてナチュラルでアナログ感覚な密度たっぷり。このニュアンスを視覚的に喩えるなら、ランピンスキー・サウンドはクリスタル・グラスに注がれたシャンパンで、本作はバーボンのロックといったところでしょうか。透明感と細やかな粒立ちで派手に輝くランピンスキーとは違い、本作は聴き込むほどに細かなディテールを発見していき、鳴りの深みに酔いしれていく感じなのです。
しかも、本作はそんなウィザード・マスターをさらに細心マスタリングでブラッシュ・アップ。実のところ、ネットに登場した原音は低音がうねり気味で、高音の伸びを阻害してもいました。そこで本作ではそうした低音の濁りを緩和した上で高音域とのバランスも調整。もちろん、単に高音を上げているだけでなくヒスノイズが強くならないように気配りしつつ、輪郭もキリッと補整。全体的に残っていたチリチリとしたテープノイズも処理して艶やか滑らかなサウンドを実現しました。
そんなリッチ・サウンドで描かれるのは、場数を重ねて一層苛烈になったインタープレイの満載のフルショウ。実のところ、この日はリック・デリンジャーやAEROSMITH、STARZとのフェス形式のために、持ち時間は1時間強。『COMPLETE CAPE COD 1976』をグイッと圧縮したようなショート・セットだったわけですが、その分、途切れない集中力が凄い。フレーズ1つひとつを重ねるほどに漲っていくテンションが凄まじく、その勢いが一切衰えることなくフルショウを駆け抜けていくのです。
ジェフ・ベックの歴史でも特別な輝きを放っているTHE JAN HAMMER GROUPとの共演ツアー。その現場を名手ジョン・ウィザードのオリジナル・カセットから復刻させた銘品中の銘品です。本作自体が優れたロックの新名盤なのは当然として、当店コレクションでツアーの進化ぶりを追っても面白く、さらにダン・ランピンスキーとのサウンド美学を比較するのも一興。ディープに踏み込むほど、楽しみ方も多彩になっていく深い深い1枚です。どうぞ、永久保存プレスCDでいつでも、いつまでもご堪能ください。
★「1976年9月12日アナハイム公演」の極上オーディエンス録音。
歴史的名手ジョン・ウィザードのオリジナル・カセットからデジタル化された銘品中の銘品で、骨太・肉厚な芯のダイレクト感やディテールの細やかさ、瑞々しい鳴りなど、どのポイントでチェックしても70年代オーディエンスの常識を軽々と超えた素晴らしさ。
しかも、本作はさらに細心マスタリングでブラッシュ・アップ。ネット原音ではうねり気味だった低音を整え、高音域とのバランスも調整。さらに全体的に残っていたチリチリとしたテープノイズも処理して艶やか滑らかなサウンドを実現しました。場数を重ねて一層苛烈になったインタープレイの満載のフルショウ名手サウンドで極上体験できる新名盤の誕生です。』
Anaheim 1976 : Jon Wizardo Master (Wardour-485)

Live At Angel Stadium,Anaheim,CA,USA 12th September 1976
01. Intro
02. Oh Yeah?
03. Sister Andrea (Mahavishnu Orchestra)
04. Band Introductions
05. Darkness, Earth In Search Of A Sun
06. Earth (Still Our Only Home)
07. Freeway Jam
08. Scatterbrain
09. Diamond Dust
10. Superstition
11. Full Moon Boogie
TOTAL TIME (63:06)
Jeff Beck : Guitar
Jan Hammer : Keyboards
Fernando Saunders : Bass
Tony Smith : Drums
Steve Kindler : Violin
Darkness, Earth In Search Of A Sun
Scatterbrain
Diamond Dust
[参考]
1976-1977 Tour Dates
※) メーカー情報にあるように,詳細なツアー日程は不明なので,あくまで参考程度.
1976
May
08 Vale Hall, Aylesbury,UK
⇒ [UPP]
xx Roundhouse, London,UK
23 Roundhouse, London,UK
[North American Tour]
29 Community Concourse Theatre, San Diego,CA,USA
30 Iowa Jam 1976,Iowa State Fairgrounds,Des Moines,IA,USA
June
01 Kinsmen Field House,Edmonton,AB,CANADA
02 Telus Convention Center,Calgary,AB,CANADA
04 Concord Pavilion,Concord,CA,USA
05 Day On The Green 1976 #3,Oakland-Alameda County Coliseum,Oakland,CA,USA
06 Day On The Green 1976 #4,Oakland-Alameda County Coliseum,Oakland,CA,USA
12 Starlight Bowl,Burbank,CA,USA
13 Golden Hall,San Diego,CA,USA
15 Warnors Theatre,Fresno,CA,USA
19 PNE Garden Auditorium,Vancouver,BC,CANADA
24 Un-Known Venue,Milwaukee,WI,USA
25 Glen Oak Amphitheatre,Peoria,IL,USA
26 Glen Oak Amphitheatre,Peoria,IL,USA
27 North Dakota State University,Fargo,ND,USA
29 Super Jam '76,Busch Memorial Stadium,St. Louis,MO,USA
30 Cincinnati Gardens,Cincinnati,OH,USA
July
01 Louisville Gardens,Louisville,KY,USA
03 Masonic Temple Theatre,Detroit,MI,USA
⇒ [Two Shows]
04 Groves Stadium,Winston Salem,NC,USA
05 Iowa Fairgrounds,Des Moines,IA,USA
10 Comiskey Park,Chicago,IL,USA
15 Municipal Auditorium,Jackson,MS,USA
16 Fox Theater,Atlanta,GA,USA
17 Dixon-Myers Hall,Memphis,TN,USA
18 Moody Coliseum,University Park,TX,USA
19 Hofheinz Pavilion,Houston,TX,USA
20 Hogg Memorial Auditorium,Austin,TX,USA
23 Arrowhead Stadium,Kansas City,MO,USA
24 Casino Arena,Asbury Park,NJ,USA
25 Iowa State Fairgrounds,Des Moines,IA,USA
August
12 Angel Stadium,Anaheim,CA,USA
21 Capital Centre,Largo,MD,USA
23 Pinecrest Country Club,Shelton,CT,USA
25 Nassau Collisseum,Uniondale,NY,USA
26 Nassau Collisseum,Uniondale,NY,USA
27 Cape Cod Coliseum,South Yarmouth, MA, USA
30 Richfield Coliseum,Richfield,OH,USA
31 Richfield Coliseum,Richfield,OH,USA
September
02 Outside Inn,Buffalo,NY,USA
02 Buffalo Memorial Auditorium,Buffalo,NY,USA
03 Kingdome,Seattle,WA,USA
04 Concord Pavilion,Concord,CA,USA
08 Tempe Stadium,Tempe,AZ,USA
12 Anaheim Stadium,Anaheim,CA,USA
13 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
Octobar
07 Providence Civic Center,Providence,RI,USA
08 The Palladium,New York City,NY,USA
09 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
10 Boston Music Hall,Boston,MA,USA
12 Palace Theater,Waterbury,CT,USA
13 University of New Hampshire,Durham,ON,USA
14 Onondaga War Memorial Auditorium,Syracuse,NY,USA
15 Maple Leaf Gardens,Toronto,ON,CANADA
16 Bergen Community College,Paramus,NJ,USA
17 Naval Academy,Annapolis,MD,USA
18 Palladium,New York City,NY,USA
19 Boston Gardens,Boston,MA,USA
November
09 Marquee Club,London,UK
December
03 Miami Jai-Alai Fronton,Miami,FL,USA
04 Curtis Simpson Hall,Tampa,FL,USA
08 Warehouse,New Orleans,LA,USA
09 Expo Hall,Mobile,AL,USA,USA
10 Boutwell Auditorium,Birmingham,AL,USA
11 Municipal Auditorium,Nashville,TN,USA
1977
January
[Oceania Tour]
23 St James Theatre,Wellington,NEW ZEALAND
February
01 Festival Hall,Melbourne,AUSTRALIA
04 Hordern Pavilion,Sydney,AUSTRALIA
05 Hordern Pavilion,Sydney,AUSTRALIA
07 Activity Center,Brisbane,AUSTRALIA
[North American Tour]
18 Kiel Opera House,St. Louis,MO,USA
19 Auditorium Theatre,Chicago,IL,USA
21 Veterans Memorial Auditorium,Des Moines,IA,USA
[関連記事]
「Des Moines 1976 (Gift CDR)」

「Day On The Green 1976 Day 1 (Gift CDR)」

「Sophie (Wardour-054)」

「Minneapolis 1976 (Wardour-108)」

「Complete Cape Cod 1976 (Wardour-071)」

「Masonic Temple 1976 (Wardour-068 )」

「Sophie (Wardour-054)」

「Boston 1976 Definitive Edition (Wardour 074)」

「Des Moines 1976 (Bonus CDR)」

※) 「Arrowhead Stadium 1976 (Wardour-110)」 に付属のボーナス・アイテム
「Arrowhead Stadium 1976 (Wardour-110)」

「Day On The Green 1976 Day 1 (Bonus CDR) 」

※) 「Day On The Green 1976 Day 2 (Wardour-092)」 に付属のボーナス・アイテム
「Day On The Green 1976 Day 2 (Wardour-092)」

「Palladium 1976 (Wardour-435)」

「Wired : Mobile Fidelity CD (Gift CDR)」

「Jeff Beck With The Jan Hammer Group Live : Music Scope Special (Gift CDR)」

「Wired:UK Original LP (Gift CDR)」

「San Diego 1976 (Gift CDR)」

「First Gig (HFS RH-23576)」

#2021-08-03
そして,北米ツアーから 「 World Rock Festival Eastland 」(ワールド・ロック・フェスティヴァル) の一環で 1975年8月に ベック・ボガート・アンド・アピス(BBA:Beck, Bogert & Appice)時代(1973年5月)に次いで 2度目の来日を果たし,その後の 9月から約半年をかけてニュー・アルバムのレコーディングを行い,1976年5月にタイトル 『 Wired (ワイヤード) 』 としてリリースします.
このアルバム 『 Wired (ワイヤード) 』 のプロモーションを兼ねたツアーは,1976年5月の英国を皮切りに,5月末からの北米ツアーを中心に,時期を同じくしてアルバムをリリースした ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)と一緒に行いますが,ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)のツアーのゲスト的な要素が強く,実際にステージでもゲストとして紹介されているのが実情です.
セット・リストは,ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)が,1976年4月にリリースした 『 Oh, Yeah? (オー,イエー?) 』 収録の "Magical Dog",”Evolve","Oh, Yeah?" 他,ヤン・ハマー(Jan Hammer)名義の曲と,ジェフ・ベック(Jeff Beck)名義の曲がほぼ半々位で構成されると共に,北米ツアーの演奏の一部は,1977年3月にリリースされた 『 Jeff Beck with The Jan Hammer Group (ライヴ・ワイヤー) 』 に収録されたのはファンならばご存知の通りです.
その関係もあってか,この 『 Jeff Beck with The Jan Hammer Group (ライヴ・ワイヤー) 』 は,日本でこそ ジェフ・ベック(Jeff Beck)名義となっていますが,日本以外では ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)名義になっている場合が多々見受けられます.
5月末からの北米ツアーは,5月29日カリフォルニア州はサンディエゴのコミュニティ・コンコース・シアター公演を皮切りに,7月25日アイオワ州はデモインのアイオワ・ステート・フェアグラウンズ公演まで行われた 1st レグ,3週間後の 8月12日カリフォルニア州はアナハイムのエンゼル・スタジアム公演を皮切りに,9月13日同じくカリフォルニア州はサンディエゴのサンディエゴ・スポーツ・アリーナ公演まで行われた 2nd レグ,3週間後の 10月7日ロードアイランド州はプロビデンスのプロビデンス・シビック・センター公演を皮切りに,10月19日マサチューセッツ州はボストンのボストン・ガーデンズ公演まで行われた 3rd レグ,12月3日フロリダ州はマイアミのマイア・ミジャイーアライ・フロントン公演を皮切りに,12月11日テネシー州はナッシュビルのミュニシパル・オーディトリアム公演まで行われた 4th レグ というように 4つのレグに大別されます.
本商品は,8月12日カリフォルニア州はアナハイムのエンゼル・スタジアム公演を皮切りに行われた,北米ツアーの 2nd レグから,2nd レグ終盤の 9月12日カリフォルニア州アナハイムはエンゼル・スタジアム公演のオーディエンス録音を収録し Wardourレーベルからリリースされた 『 Anaheim 1976 : Jon Wizardo Master (Wardour-485) 』 で,テーパーはサブ・タイトルにも記載されているように ジョン・ウィザード(Jon Wizardo)氏によるものです.
スタジアムと言う屋外公演なのに,音像は割と近く,各パートの出音も比較的バランス良く収録されている高音質のオーディエンス録音と言え,ドラムの音等は,屋外公演らしい音で捉えられています.
演奏中も,終始,テーパーの近くで会話をしているオーディエンスがおり,小さい声ではあるものの,そのノイズが気になりだすと気になってしまう部分(特に公演前半)が多々あるのと,テープの関係か "Full Moon Boogie" が,終盤部がフェイド・アウトで終了してしまいまい,この時期であれば(この公演日も),”Full Moon Boogie” の後に演奏されていた ”You Know What I Mean”,”Blue Wind” を未収録なのが少し残念ではありますが,演奏的には ヤン・ハマー(Jan Hamme)や,スティーブ・キンドラ―(Steve Kindler)と,ジェフ・ベック(Jeff Beck)のインター・プレイも手に汗を握る素晴らしいものです.
メーカー情報では
『数々の極上マスターが発掘されてコレクター界に旋風を巻き起こしたジョン・ウィザードのマスター・コレクション。その最新作となるジェフ・ベック篇が登場。
しかも、THE JAN HAMMER GROUPとの大人気ツアーを伝える新名盤の誕生です。
そんな本作に吹き込まれているのは「1976年9月12日アナハイム公演」。その極上オーディエンス録音です。世紀の共演ツアーは当店でも大人気。数々の名作を永久保存して参りました。本作は、その中でも格別の一作。何しろ、名手ウィザードの大元マスター・カセットからダイレクトにデジタル化されたこの上ない銘品名音ですから。そのサウンドの前に、まずはショウのポジション。当時のスケジュールから紐解いてみましょう。
●1976年
《4月『OH YEAH?』完成》
《5月『WIRED』発売》
・5月8日-23日:英国(3公演)←※FIRST GIG
・5月29日-9月13日:北米#1(42公演)←★ココ★
・10月7日-19日:北米#2(12公演)←※PALLADIUM 1976/BOSTON 1976
・11月12日-11日:北米#3(8公演)
●1977年
・1月23日-2月5日:オセアニア(5公演)
・2月18日-21日:北米#4(3公演)
《3月『ライヴ・ワイアー』発売》
これが1976年/1977年のジェフ・ベック。
ただし、当時の記録にはあやふやな点が多く、上記の日程も3つの資料を組み合わせたもの。恐らく細部は間違っているので、あくまでも参考イメージ程度に留め、あまり信用しないでください。上記ではツアー初期の母国篇『FIRST GIG』や昨年大好評を賜った『PALLADIUM 1976』等が掲載されておりますが、録音の名産地となっているのは、その間の「北米#2」。本作のアナハイム公演は、その最後期である41公演目にあたります。
良い機会でもありますので、ここで当店のプレス・タイトルで名作コレクションも整理してみましょう。
・5月23日『FIRST GIG(ロンドン)』
*6月6日『DAY ON THE GREEN 1976 DAY 2』
*6月26日『MINNEAPOLIS 1976』
*7月3日『SOPHIE: DETROIT 1976 EARLY SHOW』『MASONIC TEMPLE 1976(レイトショウ)』
*7月23日『ARROWHEAD STADIUM 1976』
*8月27日『COMPLETE CAPE COD 1976』
*9月12日:アナハイム公演 ←★本作★
・10月8日『PALLADIUM 1976』
・10月10日『BOSTON 1976 DEFINITIVE EDITION』
……と、このようになっています。
直近としては名手ダン・ランピンスキーの大傑作『COMPLETE CAPE COD 1976(Wardour-071)』もありましたが、本作はそれに対するウィザードの新名作でもあるわけです。
実際、そのサウンドは極上で、骨太・肉厚な芯のダイレクト感やディテールの細やかさ、瑞々しい鳴りなど、どのポイントでチェックしても70年代オーディエンスの常識を軽々と超えた素晴らしさ。美辞麗句を並べただけでは分かりづらいと思いますのでランピンスキーの名作『COMPLETE CAPE COD 1976』と比較してみますと……やはり負けてない。ランピンスキー作はキリッと引き締まった輪郭が鋭く、高音までキラキラとしていましたが、それに対してウィザードの本作はリッチ。鳴りの音色的はややセピアなくすみもあるものの、その分極めてナチュラルでアナログ感覚な密度たっぷり。このニュアンスを視覚的に喩えるなら、ランピンスキー・サウンドはクリスタル・グラスに注がれたシャンパンで、本作はバーボンのロックといったところでしょうか。透明感と細やかな粒立ちで派手に輝くランピンスキーとは違い、本作は聴き込むほどに細かなディテールを発見していき、鳴りの深みに酔いしれていく感じなのです。
しかも、本作はそんなウィザード・マスターをさらに細心マスタリングでブラッシュ・アップ。実のところ、ネットに登場した原音は低音がうねり気味で、高音の伸びを阻害してもいました。そこで本作ではそうした低音の濁りを緩和した上で高音域とのバランスも調整。もちろん、単に高音を上げているだけでなくヒスノイズが強くならないように気配りしつつ、輪郭もキリッと補整。全体的に残っていたチリチリとしたテープノイズも処理して艶やか滑らかなサウンドを実現しました。
そんなリッチ・サウンドで描かれるのは、場数を重ねて一層苛烈になったインタープレイの満載のフルショウ。実のところ、この日はリック・デリンジャーやAEROSMITH、STARZとのフェス形式のために、持ち時間は1時間強。『COMPLETE CAPE COD 1976』をグイッと圧縮したようなショート・セットだったわけですが、その分、途切れない集中力が凄い。フレーズ1つひとつを重ねるほどに漲っていくテンションが凄まじく、その勢いが一切衰えることなくフルショウを駆け抜けていくのです。
ジェフ・ベックの歴史でも特別な輝きを放っているTHE JAN HAMMER GROUPとの共演ツアー。その現場を名手ジョン・ウィザードのオリジナル・カセットから復刻させた銘品中の銘品です。本作自体が優れたロックの新名盤なのは当然として、当店コレクションでツアーの進化ぶりを追っても面白く、さらにダン・ランピンスキーとのサウンド美学を比較するのも一興。ディープに踏み込むほど、楽しみ方も多彩になっていく深い深い1枚です。どうぞ、永久保存プレスCDでいつでも、いつまでもご堪能ください。
★「1976年9月12日アナハイム公演」の極上オーディエンス録音。
歴史的名手ジョン・ウィザードのオリジナル・カセットからデジタル化された銘品中の銘品で、骨太・肉厚な芯のダイレクト感やディテールの細やかさ、瑞々しい鳴りなど、どのポイントでチェックしても70年代オーディエンスの常識を軽々と超えた素晴らしさ。
しかも、本作はさらに細心マスタリングでブラッシュ・アップ。ネット原音ではうねり気味だった低音を整え、高音域とのバランスも調整。さらに全体的に残っていたチリチリとしたテープノイズも処理して艶やか滑らかなサウンドを実現しました。場数を重ねて一層苛烈になったインタープレイの満載のフルショウ名手サウンドで極上体験できる新名盤の誕生です。』
Anaheim 1976 : Jon Wizardo Master (Wardour-485)

Live At Angel Stadium,Anaheim,CA,USA 12th September 1976
01. Intro
02. Oh Yeah?
03. Sister Andrea (Mahavishnu Orchestra)
04. Band Introductions
05. Darkness, Earth In Search Of A Sun
06. Earth (Still Our Only Home)
07. Freeway Jam
08. Scatterbrain
09. Diamond Dust
10. Superstition
11. Full Moon Boogie
TOTAL TIME (63:06)
Jeff Beck : Guitar
Jan Hammer : Keyboards
Fernando Saunders : Bass
Tony Smith : Drums
Steve Kindler : Violin
Darkness, Earth In Search Of A Sun
Scatterbrain
Diamond Dust
[参考]
1976-1977 Tour Dates
※) メーカー情報にあるように,詳細なツアー日程は不明なので,あくまで参考程度.
1976
May
08 Vale Hall, Aylesbury,UK
⇒ [UPP]
xx Roundhouse, London,UK
23 Roundhouse, London,UK
[North American Tour]
29 Community Concourse Theatre, San Diego,CA,USA
30 Iowa Jam 1976,Iowa State Fairgrounds,Des Moines,IA,USA
June
01 Kinsmen Field House,Edmonton,AB,CANADA
02 Telus Convention Center,Calgary,AB,CANADA
04 Concord Pavilion,Concord,CA,USA
05 Day On The Green 1976 #3,Oakland-Alameda County Coliseum,Oakland,CA,USA
06 Day On The Green 1976 #4,Oakland-Alameda County Coliseum,Oakland,CA,USA
12 Starlight Bowl,Burbank,CA,USA
13 Golden Hall,San Diego,CA,USA
15 Warnors Theatre,Fresno,CA,USA
19 PNE Garden Auditorium,Vancouver,BC,CANADA
24 Un-Known Venue,Milwaukee,WI,USA
25 Glen Oak Amphitheatre,Peoria,IL,USA
26 Glen Oak Amphitheatre,Peoria,IL,USA
27 North Dakota State University,Fargo,ND,USA
29 Super Jam '76,Busch Memorial Stadium,St. Louis,MO,USA
30 Cincinnati Gardens,Cincinnati,OH,USA
July
01 Louisville Gardens,Louisville,KY,USA
03 Masonic Temple Theatre,Detroit,MI,USA
⇒ [Two Shows]
04 Groves Stadium,Winston Salem,NC,USA
05 Iowa Fairgrounds,Des Moines,IA,USA
10 Comiskey Park,Chicago,IL,USA
15 Municipal Auditorium,Jackson,MS,USA
16 Fox Theater,Atlanta,GA,USA
17 Dixon-Myers Hall,Memphis,TN,USA
18 Moody Coliseum,University Park,TX,USA
19 Hofheinz Pavilion,Houston,TX,USA
20 Hogg Memorial Auditorium,Austin,TX,USA
23 Arrowhead Stadium,Kansas City,MO,USA
24 Casino Arena,Asbury Park,NJ,USA
25 Iowa State Fairgrounds,Des Moines,IA,USA
August
12 Angel Stadium,Anaheim,CA,USA
21 Capital Centre,Largo,MD,USA
23 Pinecrest Country Club,Shelton,CT,USA
25 Nassau Collisseum,Uniondale,NY,USA
26 Nassau Collisseum,Uniondale,NY,USA
27 Cape Cod Coliseum,South Yarmouth, MA, USA
30 Richfield Coliseum,Richfield,OH,USA
31 Richfield Coliseum,Richfield,OH,USA
September
02 Outside Inn,Buffalo,NY,USA
02 Buffalo Memorial Auditorium,Buffalo,NY,USA
03 Kingdome,Seattle,WA,USA
04 Concord Pavilion,Concord,CA,USA
08 Tempe Stadium,Tempe,AZ,USA
12 Anaheim Stadium,Anaheim,CA,USA
13 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
Octobar
07 Providence Civic Center,Providence,RI,USA
08 The Palladium,New York City,NY,USA
09 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
10 Boston Music Hall,Boston,MA,USA
12 Palace Theater,Waterbury,CT,USA
13 University of New Hampshire,Durham,ON,USA
14 Onondaga War Memorial Auditorium,Syracuse,NY,USA
15 Maple Leaf Gardens,Toronto,ON,CANADA
16 Bergen Community College,Paramus,NJ,USA
17 Naval Academy,Annapolis,MD,USA
18 Palladium,New York City,NY,USA
19 Boston Gardens,Boston,MA,USA
November
09 Marquee Club,London,UK
December
03 Miami Jai-Alai Fronton,Miami,FL,USA
04 Curtis Simpson Hall,Tampa,FL,USA
08 Warehouse,New Orleans,LA,USA
09 Expo Hall,Mobile,AL,USA,USA
10 Boutwell Auditorium,Birmingham,AL,USA
11 Municipal Auditorium,Nashville,TN,USA
1977
January
[Oceania Tour]
23 St James Theatre,Wellington,NEW ZEALAND
February
01 Festival Hall,Melbourne,AUSTRALIA
04 Hordern Pavilion,Sydney,AUSTRALIA
05 Hordern Pavilion,Sydney,AUSTRALIA
07 Activity Center,Brisbane,AUSTRALIA
[North American Tour]
18 Kiel Opera House,St. Louis,MO,USA
19 Auditorium Theatre,Chicago,IL,USA
21 Veterans Memorial Auditorium,Des Moines,IA,USA
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#2021-08-03