ジェフ・ベック(Jeff Beck)は,1975年3月にアルバム 『 Brow By Brow (ブロウ・バイ・ブロウ) 』 をリリース後,そのプロモーションを兼ねてツアーを行います.
そして,北米ツアーから 「 World Rock Festival Eastland 」(ワールド・ロック・フェスティヴァル) の一環で 1975年8月に ベック・ボガート・アンド・アピス(BBA:Beck, Bogert & Appice)時代(1973年5月)に次いで 2度目の来日を果たし,その後の 9月から約半年をかけてニュー・アルバムのレコーディングを行い,1976年5月にタイトル 『 Wired (ワイヤード) 』 としてリリースします.
このアルバム 『 Wired (ワイヤード) 』 のプロモーションを兼ねたツアーは,1976年5月の英国を皮切りに,5月末からの北米ツアーを中心に,時期を同じくしてアルバムをリリースした ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)と一緒に行いますが,ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)のツアーのゲスト的な要素が強く,実際にステージでもゲストとして紹介されているのが実情です.
セット・リストは,ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)が,1976年4月にリリースした 『 Oh, Yeah? (オー,イエー?) 』 収録の "Magical Dog",”Evolve","Oh, Yeah?" 他,ヤン・ハマー(Jan Hammer)名義の曲と,ジェフ・ベック(Jeff Beck)名義の曲がほぼ半々位で構成されると共に,北米ツアーの演奏の一部は,1977年3月にリリースされた 『 Jeff Beck with The Jan Hammer Group (ライヴ・ワイヤー) 』 に収録されたのはファンならばご存知の通りです.
その関係もあってか,この 『 Jeff Beck with The Jan Hammer Group (ライヴ・ワイヤー) 』 は,日本でこそ ジェフ・ベック(Jeff Beck)名義となっていますが,日本以外では ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)名義になっている場合が多々見受けられます.
5月末からの北米ツアーは,5月29日カリフォルニア州はサンディエゴのコミュニティ・コンコース・シアター公演を皮切りに,7月25日アイオワ州はデモインのアイオワ・ステート・フェアグラウンズ公演まで行われた 1st レグ,3週間後の 8月12日カリフォルニア州はアナハイムのエンゼル・スタジアム公演を皮切りに,9月13日同じくカリフォルニア州はサンディエゴのサンディエゴ・スポーツ・アリーナ公演まで行われた 2nd レグ,3週間後の 10月7日ロードアイランド州はプロビデンスのプロビデンス・シビック・センター公演を皮切りに,10月19日マサチューセッツ州はボストンのボストン・ガーデンズ公演まで行われた 3rd レグ,12月3日フロリダ州はマイアミのマイア・ミジャイーアライ・フロントン公演を皮切りに,12月11日テネシー州はナッシュビルのミュニシパル・オーディトリアム公演まで行われた 4th レグ というように 4つのレグに大別されます.
本CDは,5月29日カリフォルニア州はサンディエゴのコミュニティ・コンコース・シアター公演を皮切りに行われた 北米ツアーの 1st レグから,1st レグ中盤に当たる 6月26日イリノイ州はピオリアのグレン・オーク・アンフィシアター公演のオーディエンス録音を収録した 『 Minneapolis 1976 (Wardour-108) 』 です.
因みにメーカー情報には 6月26日がミネソタ州はミネアポリスのパレード・スタジアム公演(Parade Stadium,Minneapolis,MN,USA)となっていますが,フリートウッド・マックの前座での出演とすると,この日の公演地はイリノイ州はピオリアのグレン・オーク・アンフィシアターで,またジェフ・ベック単体で見ても,ネット上ではグレン・オーク・アンフィシアターとなっていますので,メーカー情報の誤りと思われます.
音像は若干遠目で,リズム隊の音が少し小さめではあるものの,バランスの良い高音質なオーディエンス録音と言えます.
”Diamond Dust” の導入部が未収録,また ”Blue Wind” も終盤部分が未収録なのは残念ですが,”Blue Wind” の終盤以降を補う意図なのか,ボーナス・トラックとして 2週間前の 6月13日カリフォルニア州はサンディエゴのコミュニティ・コンコース公演から ”Sophie”,”Led Boots”,”Blue Wind” の 3曲のオーディエンス録音が収録されています.
メーカー情報では
『ヤン・ハマー・グループと回った1976年北米ツアーより高音質・新音源登場。6月26日、ミネアポリスはパレード・スタジアム公演を極上レベルの高音質オーディエンス録音で収録。
この日はフリートウッド・マックの前座公演ゆえ、全11曲、63分と短めの収録ですが、とにかく音質が良いので、コレクターは間違いなく必携です。楽音を中心に、篭りの少ないダイレクトなサウンドで録音されている優秀なマスターで、ギターがやけに鮮明に聴こえるのもポイントです。(冒頭2曲はヤン・ハマー・グループだけでの演奏で、次のDarkness / In Search Of The Sunからジェフが加わります。)元々高音質で収録されていたマスターから、全体のバランスを変えて、各楽器が鮮明に聞こえるようにイコライズし、より高いレベルのサウンドを実現。
観客の声が極端に少ないのもこの録音の特徴で、鑑賞には最適な音像で収録されています(音源の説明では、ステージサイドの近いポジションが録音したのでは、とのコメントあり)。微細なヒスノイズ、カセット録音特有の音の濁りは感じますが、当時のマイク録音では、これ以上のものはそうないだろうと思わせる、鮮明度の高いサウンドが楽しめます。
全ての楽音の粒が、ダイレクトにスピーカーから飛び出してくるScatterbrainの異様な迫力に、聴き手は圧倒されること間違いありません。欠点としてはDiamond Dustの冒頭未収、Blue Wind後半未収が挙げられますが、とにかく音が良いので、是非、聴いてみて下さい。この日の天気は今一つだったようで、Oh Yeah? 終演後、「No rain boogie, No rain!」というヤン・ハマーのMCが聴けます。
ボーナスには、6月13日のサン・ディエゴ公演より、ミネアポリスでは演奏しなかったSophie、 Led Boots、不完全収録のBlue Wind完全版を、追加で収録しています。全体収録時間79分のファン必聴録音盤が、好評Wardourレーベルより、限定プレスCDで登場です。
★beatleg誌 vol.155(2013年6月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
1976年6月26日、ミネアポリスのパレード・スタジアムでのライヴを高音質のオーディエンス録音で収録したプレスCD。
この日の既発盤には『NO RAIN』(TJB002)と『FREEWAY JAMMING WITH JAN』(JB002/3)があるが、本作の方が音質が優れている。『NO RAIN』ではカットされていたラストの「Blue Wind」は『FREEWAY JAMMING WITH JAN』では3分半でフェイドアウトしていたが、本作はそれよりも20秒長く収録されてから切れている。わずかではあるがこの部分は初登場だし、よりマスターに近い音源を使用していることが分かる。「Diamond Dust」の冒頭部分の欠落は既発盤と同じ。
実はこの日は豪雨で開演が遅れ、オープニングのバンドは時間が無くて出演できなかった。ベックの出番も遅れたので数曲カットしたようだ。しかしながら音質は良いし演奏内容も実に素晴らしく、バランスの良いクリアな音で見事な演奏を聴くことができる。ボーナストラックとして、6月13日のサンディエゴ公演から「Sophie」「Led Boots」「Blue Wind」の3曲を収録。こちらも高音質のオーディエンス録音だし、本編を補うには十分のものだ。
『MINNEAPOLIS 1976』の初回分には、ボーナスCD-Rとして『SAN DIEGO 1976』が付く。『MINNEAPOLIS 1976』のボーナストラックとして3曲を提供した音源の完全盤だ。これは最近ネットに上がった初登場の音源で、収録時間は77:35。
若干不安定になる箇所はあるし途中まで低音が歪みぎみだが音質良好のオーディエンス録音だ。この日も演奏内容は良く、ギターとキーボードとの応酬やバイオリンの絡みも最高。アンコールで登場した時に「Greensleeves」をちらりと弾いている。「Led Boots」のギターはラフでかっこいいのだが、「Blue Wind」で聴けるさらにラフなギタープレイが珍しい。』
Minneapolis 1976 (Wardour-108)
Live At Parade Stadium,Minneapolis,MN,USA 26th June 1976 (#)
Bonus Tracks : Live At Golden Hall,Community Concourse,San Diego,CA,USA 13th June 1976
1. Introduction
2. Oh, Yeah?
3. Country Eastern Music
4. Band Introductions
5. Darkness / In Search Of The Sun
6. You Know What I Mean
7. Scatterbrain
8. Freeway Jam
9. Earth (Still Our Only Home)
10. Diamond Dust
11. Full Moon Boogie
12. Blue Wind
[Bonus Track]
13. Sophie
14. Led Boots
15. Blue Wind
TOTAL TIME (78:55)
Jeff Beck : Guitar
Jan Hammer : Keyboards, Vocal
Steve Kindler : Violin
Fernando Saunders : Bass
Tony Smith : Drums, Vocal
(#) Glen Oak Amphitheatre,Peoria,IL,USA
You Know What I Mean
Scatterbrain
Diamond Dust
本商品の初回納品分には,商品にボーナス・トラックとして収録された ”Sophie”,”Led Boots”,”Blue Wind” の全編として 2週間前の 6月13日カリフォルニア州はサンディエゴのコミュニティ・コンコース公演のオーディエンス録音を収録した 『 San Diego 1976 (Bonus CDR) 』 が,ボーナス・アイテムとして付属しています.
因みに この音源は,2013年春に商品を 2組購入すると希望者に配布されるギフト・アイテム 『 San Diego 1976 (Gift CDR) 』として登場しており,過去の記事(『 San Diego 1976 (Gift CDR) 』) に音源も貼り付けていますので,興味のある方は参照してください.
音質的には多少籠った感はあるものの,こちらも高音質なオーディエンス録音と言えます.
San Diego 1976 (Bonus CDR)
Live At Golden Hall,Community Concourse,San Diego,CA,USA 13th June 1976
1. Introduction
2. Oh, Yeah ?
3. Country Eastern Music
4. Band Introductions
5. Darkness - In Search Of The Sun
6. You Know What I Mean
7. Scatterbrain
8. Freeway Jam
9. Earth (Still Our Only Home)
10. Diamond Dust
11. Full Moon Boogie
12. Sophie
13. Led Boots
14. Blue Wind
TOTAL TIME (77:35)
[参考]
1976-1977 Tour Dates
※) メーカー情報にあるように,詳細なツアー日程は不明なので,あくまで参考程度.
1976
May
08 Vale Hall, Aylesbury,UK
⇒ [UPP]
23 Roundhouse, London,UK
xx Roundhouse, London,UK
[North American Tour]
29 Golden Hall,Community Concourse Theatre, San Diego,CA,USA
30 Iowa Jam 1976,Iowa State Fairgrounds,Des Moines,IA,USA
June
01 Kinsmen Field House,Edmonton,AB,CANADA
02 Telus Convention Center,Calgary,AB,CANADA
04 Concord Pavilion,Concord,CA,USA
05 Day On The Green 1976 #3,Oakland-Alameda County Coliseum,Oakland,CA,USA
06 Day On The Green 1976 #4,Oakland-Alameda County Coliseum,Oakland,CA,USA
12 Starlight Bowl,Burbank,CA,USA
13 Golden Hall,Community Concourse,San Diego,CA,USA
15 Warnors Theatre,Fresno,CA,USA
19 PNE Garden Auditorium,Vancouver,BC,CANADA
24 Un-Known Venue,Milwaukee,WI,USA
25 Glen Oak Amphitheatre,Peoria,IL,USA
26 Glen Oak Amphitheatre,Peoria,IL,USA
27 North Dakota State University,Fargo,ND,USA
29 Super Jam '76,Busch Memorial Stadium,St. Louis,MO,USA
30 Cincinnati Gardens,Cincinnati,OH,USA
July
01 Louisville Gardens,Louisville,KY,USA
03 Masonic Temple Theatre,Detroit,MI,USA
⇒ [Two Shows]
04 Groves Stadium,Winston Salem,NC,USA
05 Iowa Fairgrounds,Des Moines,IA,USA
10 Comiskey Park,Chicago,IL,USA
15 Municipal Auditorium,Jackson,MS,USA
16 Fox Theater,Atlanta,GA,USA
17 Dixon-Myers Hall,Memphis,TN,USA
18 Moody Coliseum,University Park,TX,USA
19 Hofheinz Pavilion,Houston,TX,USA
20 Hogg Memorial Auditorium,Austin,TX,USA
23 Arrowhead Stadium,Kansas City,MO,USA
24 Casino Arena,Asbury Park,NJ,USA
25 Iowa State Fairgrounds,Des Moines,IA,USA
August
12 Angel Stadium,Anaheim,CA,USA
21 Capital Centre,Largo,MD,USA
23 Pinecrest Country Club,Shelton,CT,USA
25 Nassau Collisseum,Uniondale,NY,USA
26 Nassau Collisseum,Uniondale,NY,USA
27 Cape Cod Coliseum,South Yarmouth,MA,USA
30 Richfield Coliseum,Richfield,OH,USA
31 Richfield Coliseum,Richfield,OH,USA
September
02 Outside Inn,Buffalo,NY,USA
02 Buffalo Memorial Auditorium,Buffalo,NY,USA
03 Kingdome,Seattle,WA,USA
04 Concord Pavilion,Concord,CA,USA
08 Tempe Stadium,Tempe,AZ,USA
12 Anaheim Stadium,Anaheim,CA,USA
13 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
Octobar
07 Providence Civic Center,Providence,RI,USA
08 The Palladium,New York City,NY,USA
09 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
10 Boston Music Hall,Boston,MA,USA
12 Palace Theater,Waterbury,CT,USA
13 University of New Hampshire,Durham,ON,USA
14 Onondaga War Memorial Auditorium,Syracuse,NY,USA
15 Maple Leaf Gardens,Toronto,ON,CANADA
16 Bergen Community College,Paramus,NJ,USA
17 Naval Academy,Annapolis,MD,USA
18 Palladium,New York City,NY,USA
19 Boston Gardens,Boston,MA,USA
November
09 Marquee Club,London,UK
December
03 Miami Jai-Alai Fronton,Miami,FL,USA
04 Curtis Simpson Hall,Tampa,FL,USA
08 Warehouse,New Orleans,LA,USA
09 Expo Hall,Mobile,AL,USA,USA
10 Boutwell Auditorium,Birmingham,AL,USA
11 Municipal Auditorium,Nashville,TN,USA
1977
January
[Oceania Tour]
23 St James Theatre,Wellington,NEW ZEALAND
February
01 Festival Hall,Melbourne,AUSTRALIA
04 Hordern Pavilion,Sydney,AUSTRALIA
05 Hordern Pavilion,Sydney,AUSTRALIA
07 Activity Center,Brisbane,AUSTRALIA
[North American Tour]
18 Kiel Opera House,St. Louis,MO,USA
19 Auditorium Theatre,Chicago,IL,USA
21 Veterans Memorial Auditorium,Des Moines,IA,USA
[関連記事]
「Complete Cape Cod 1976 (Wardour-071)」
「Masonic Temple 1976 (Wardour-068 )」
「Sophie (Wardour-054)」
「Boston 1976 Definitive Edition (Wardour 074)」
「Des Moines 1976 (Bonus CDR)」
※) 「Arrowhead Stadium 1976 (Wardour-110)」 に付属のボーナス・アイテム
「Arrowhead Stadium 1976 (Wardour-110)」
「Day On The Green 1976 Day 1 (Bonus CDR) 」
※) 「Day On The Green 1976 Day 2 (Wardour-092)」 に付属のボーナス・アイテム
「Day On The Green 1976 Day 2 (Wardour-092)」
「Palladium 1976 (Wardour-435)」
「Wired : Mobile Fidelity CD (Gift CDR)」
「Jeff Beck With The Jan Hammer Group Live : Music Scope Special (Gift CDR)」
「Wired:UK Original LP (Gift CDR)」
「San Diego 1976 (Gift CDR)」
「First Gig (HFS RH-23576)」
#2013-04 #名盤・名音源・再紹介
そして,北米ツアーから 「 World Rock Festival Eastland 」(ワールド・ロック・フェスティヴァル) の一環で 1975年8月に ベック・ボガート・アンド・アピス(BBA:Beck, Bogert & Appice)時代(1973年5月)に次いで 2度目の来日を果たし,その後の 9月から約半年をかけてニュー・アルバムのレコーディングを行い,1976年5月にタイトル 『 Wired (ワイヤード) 』 としてリリースします.
このアルバム 『 Wired (ワイヤード) 』 のプロモーションを兼ねたツアーは,1976年5月の英国を皮切りに,5月末からの北米ツアーを中心に,時期を同じくしてアルバムをリリースした ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)と一緒に行いますが,ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)のツアーのゲスト的な要素が強く,実際にステージでもゲストとして紹介されているのが実情です.
セット・リストは,ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)が,1976年4月にリリースした 『 Oh, Yeah? (オー,イエー?) 』 収録の "Magical Dog",”Evolve","Oh, Yeah?" 他,ヤン・ハマー(Jan Hammer)名義の曲と,ジェフ・ベック(Jeff Beck)名義の曲がほぼ半々位で構成されると共に,北米ツアーの演奏の一部は,1977年3月にリリースされた 『 Jeff Beck with The Jan Hammer Group (ライヴ・ワイヤー) 』 に収録されたのはファンならばご存知の通りです.
その関係もあってか,この 『 Jeff Beck with The Jan Hammer Group (ライヴ・ワイヤー) 』 は,日本でこそ ジェフ・ベック(Jeff Beck)名義となっていますが,日本以外では ヤン・ハマー・グループ(Jan Hammer Group)名義になっている場合が多々見受けられます.
5月末からの北米ツアーは,5月29日カリフォルニア州はサンディエゴのコミュニティ・コンコース・シアター公演を皮切りに,7月25日アイオワ州はデモインのアイオワ・ステート・フェアグラウンズ公演まで行われた 1st レグ,3週間後の 8月12日カリフォルニア州はアナハイムのエンゼル・スタジアム公演を皮切りに,9月13日同じくカリフォルニア州はサンディエゴのサンディエゴ・スポーツ・アリーナ公演まで行われた 2nd レグ,3週間後の 10月7日ロードアイランド州はプロビデンスのプロビデンス・シビック・センター公演を皮切りに,10月19日マサチューセッツ州はボストンのボストン・ガーデンズ公演まで行われた 3rd レグ,12月3日フロリダ州はマイアミのマイア・ミジャイーアライ・フロントン公演を皮切りに,12月11日テネシー州はナッシュビルのミュニシパル・オーディトリアム公演まで行われた 4th レグ というように 4つのレグに大別されます.
本CDは,5月29日カリフォルニア州はサンディエゴのコミュニティ・コンコース・シアター公演を皮切りに行われた 北米ツアーの 1st レグから,1st レグ中盤に当たる 6月26日イリノイ州はピオリアのグレン・オーク・アンフィシアター公演のオーディエンス録音を収録した 『 Minneapolis 1976 (Wardour-108) 』 です.
因みにメーカー情報には 6月26日がミネソタ州はミネアポリスのパレード・スタジアム公演(Parade Stadium,Minneapolis,MN,USA)となっていますが,フリートウッド・マックの前座での出演とすると,この日の公演地はイリノイ州はピオリアのグレン・オーク・アンフィシアターで,またジェフ・ベック単体で見ても,ネット上ではグレン・オーク・アンフィシアターとなっていますので,メーカー情報の誤りと思われます.
音像は若干遠目で,リズム隊の音が少し小さめではあるものの,バランスの良い高音質なオーディエンス録音と言えます.
”Diamond Dust” の導入部が未収録,また ”Blue Wind” も終盤部分が未収録なのは残念ですが,”Blue Wind” の終盤以降を補う意図なのか,ボーナス・トラックとして 2週間前の 6月13日カリフォルニア州はサンディエゴのコミュニティ・コンコース公演から ”Sophie”,”Led Boots”,”Blue Wind” の 3曲のオーディエンス録音が収録されています.
メーカー情報では
『ヤン・ハマー・グループと回った1976年北米ツアーより高音質・新音源登場。6月26日、ミネアポリスはパレード・スタジアム公演を極上レベルの高音質オーディエンス録音で収録。
この日はフリートウッド・マックの前座公演ゆえ、全11曲、63分と短めの収録ですが、とにかく音質が良いので、コレクターは間違いなく必携です。楽音を中心に、篭りの少ないダイレクトなサウンドで録音されている優秀なマスターで、ギターがやけに鮮明に聴こえるのもポイントです。(冒頭2曲はヤン・ハマー・グループだけでの演奏で、次のDarkness / In Search Of The Sunからジェフが加わります。)元々高音質で収録されていたマスターから、全体のバランスを変えて、各楽器が鮮明に聞こえるようにイコライズし、より高いレベルのサウンドを実現。
観客の声が極端に少ないのもこの録音の特徴で、鑑賞には最適な音像で収録されています(音源の説明では、ステージサイドの近いポジションが録音したのでは、とのコメントあり)。微細なヒスノイズ、カセット録音特有の音の濁りは感じますが、当時のマイク録音では、これ以上のものはそうないだろうと思わせる、鮮明度の高いサウンドが楽しめます。
全ての楽音の粒が、ダイレクトにスピーカーから飛び出してくるScatterbrainの異様な迫力に、聴き手は圧倒されること間違いありません。欠点としてはDiamond Dustの冒頭未収、Blue Wind後半未収が挙げられますが、とにかく音が良いので、是非、聴いてみて下さい。この日の天気は今一つだったようで、Oh Yeah? 終演後、「No rain boogie, No rain!」というヤン・ハマーのMCが聴けます。
ボーナスには、6月13日のサン・ディエゴ公演より、ミネアポリスでは演奏しなかったSophie、 Led Boots、不完全収録のBlue Wind完全版を、追加で収録しています。全体収録時間79分のファン必聴録音盤が、好評Wardourレーベルより、限定プレスCDで登場です。
★beatleg誌 vol.155(2013年6月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
1976年6月26日、ミネアポリスのパレード・スタジアムでのライヴを高音質のオーディエンス録音で収録したプレスCD。
この日の既発盤には『NO RAIN』(TJB002)と『FREEWAY JAMMING WITH JAN』(JB002/3)があるが、本作の方が音質が優れている。『NO RAIN』ではカットされていたラストの「Blue Wind」は『FREEWAY JAMMING WITH JAN』では3分半でフェイドアウトしていたが、本作はそれよりも20秒長く収録されてから切れている。わずかではあるがこの部分は初登場だし、よりマスターに近い音源を使用していることが分かる。「Diamond Dust」の冒頭部分の欠落は既発盤と同じ。
実はこの日は豪雨で開演が遅れ、オープニングのバンドは時間が無くて出演できなかった。ベックの出番も遅れたので数曲カットしたようだ。しかしながら音質は良いし演奏内容も実に素晴らしく、バランスの良いクリアな音で見事な演奏を聴くことができる。ボーナストラックとして、6月13日のサンディエゴ公演から「Sophie」「Led Boots」「Blue Wind」の3曲を収録。こちらも高音質のオーディエンス録音だし、本編を補うには十分のものだ。
『MINNEAPOLIS 1976』の初回分には、ボーナスCD-Rとして『SAN DIEGO 1976』が付く。『MINNEAPOLIS 1976』のボーナストラックとして3曲を提供した音源の完全盤だ。これは最近ネットに上がった初登場の音源で、収録時間は77:35。
若干不安定になる箇所はあるし途中まで低音が歪みぎみだが音質良好のオーディエンス録音だ。この日も演奏内容は良く、ギターとキーボードとの応酬やバイオリンの絡みも最高。アンコールで登場した時に「Greensleeves」をちらりと弾いている。「Led Boots」のギターはラフでかっこいいのだが、「Blue Wind」で聴けるさらにラフなギタープレイが珍しい。』
Minneapolis 1976 (Wardour-108)
Live At Parade Stadium,Minneapolis,MN,USA 26th June 1976 (#)
Bonus Tracks : Live At Golden Hall,Community Concourse,San Diego,CA,USA 13th June 1976
1. Introduction
2. Oh, Yeah?
3. Country Eastern Music
4. Band Introductions
5. Darkness / In Search Of The Sun
6. You Know What I Mean
7. Scatterbrain
8. Freeway Jam
9. Earth (Still Our Only Home)
10. Diamond Dust
11. Full Moon Boogie
12. Blue Wind
[Bonus Track]
13. Sophie
14. Led Boots
15. Blue Wind
TOTAL TIME (78:55)
Jeff Beck : Guitar
Jan Hammer : Keyboards, Vocal
Steve Kindler : Violin
Fernando Saunders : Bass
Tony Smith : Drums, Vocal
(#) Glen Oak Amphitheatre,Peoria,IL,USA
You Know What I Mean
Scatterbrain
Diamond Dust
本商品の初回納品分には,商品にボーナス・トラックとして収録された ”Sophie”,”Led Boots”,”Blue Wind” の全編として 2週間前の 6月13日カリフォルニア州はサンディエゴのコミュニティ・コンコース公演のオーディエンス録音を収録した 『 San Diego 1976 (Bonus CDR) 』 が,ボーナス・アイテムとして付属しています.
因みに この音源は,2013年春に商品を 2組購入すると希望者に配布されるギフト・アイテム 『 San Diego 1976 (Gift CDR) 』として登場しており,過去の記事(『 San Diego 1976 (Gift CDR) 』) に音源も貼り付けていますので,興味のある方は参照してください.
音質的には多少籠った感はあるものの,こちらも高音質なオーディエンス録音と言えます.
San Diego 1976 (Bonus CDR)
Live At Golden Hall,Community Concourse,San Diego,CA,USA 13th June 1976
1. Introduction
2. Oh, Yeah ?
3. Country Eastern Music
4. Band Introductions
5. Darkness - In Search Of The Sun
6. You Know What I Mean
7. Scatterbrain
8. Freeway Jam
9. Earth (Still Our Only Home)
10. Diamond Dust
11. Full Moon Boogie
12. Sophie
13. Led Boots
14. Blue Wind
TOTAL TIME (77:35)
[参考]
1976-1977 Tour Dates
※) メーカー情報にあるように,詳細なツアー日程は不明なので,あくまで参考程度.
1976
May
08 Vale Hall, Aylesbury,UK
⇒ [UPP]
23 Roundhouse, London,UK
xx Roundhouse, London,UK
[North American Tour]
29 Golden Hall,Community Concourse Theatre, San Diego,CA,USA
30 Iowa Jam 1976,Iowa State Fairgrounds,Des Moines,IA,USA
June
01 Kinsmen Field House,Edmonton,AB,CANADA
02 Telus Convention Center,Calgary,AB,CANADA
04 Concord Pavilion,Concord,CA,USA
05 Day On The Green 1976 #3,Oakland-Alameda County Coliseum,Oakland,CA,USA
06 Day On The Green 1976 #4,Oakland-Alameda County Coliseum,Oakland,CA,USA
12 Starlight Bowl,Burbank,CA,USA
13 Golden Hall,Community Concourse,San Diego,CA,USA
15 Warnors Theatre,Fresno,CA,USA
19 PNE Garden Auditorium,Vancouver,BC,CANADA
24 Un-Known Venue,Milwaukee,WI,USA
25 Glen Oak Amphitheatre,Peoria,IL,USA
26 Glen Oak Amphitheatre,Peoria,IL,USA
27 North Dakota State University,Fargo,ND,USA
29 Super Jam '76,Busch Memorial Stadium,St. Louis,MO,USA
30 Cincinnati Gardens,Cincinnati,OH,USA
July
01 Louisville Gardens,Louisville,KY,USA
03 Masonic Temple Theatre,Detroit,MI,USA
⇒ [Two Shows]
04 Groves Stadium,Winston Salem,NC,USA
05 Iowa Fairgrounds,Des Moines,IA,USA
10 Comiskey Park,Chicago,IL,USA
15 Municipal Auditorium,Jackson,MS,USA
16 Fox Theater,Atlanta,GA,USA
17 Dixon-Myers Hall,Memphis,TN,USA
18 Moody Coliseum,University Park,TX,USA
19 Hofheinz Pavilion,Houston,TX,USA
20 Hogg Memorial Auditorium,Austin,TX,USA
23 Arrowhead Stadium,Kansas City,MO,USA
24 Casino Arena,Asbury Park,NJ,USA
25 Iowa State Fairgrounds,Des Moines,IA,USA
August
12 Angel Stadium,Anaheim,CA,USA
21 Capital Centre,Largo,MD,USA
23 Pinecrest Country Club,Shelton,CT,USA
25 Nassau Collisseum,Uniondale,NY,USA
26 Nassau Collisseum,Uniondale,NY,USA
27 Cape Cod Coliseum,South Yarmouth,MA,USA
30 Richfield Coliseum,Richfield,OH,USA
31 Richfield Coliseum,Richfield,OH,USA
September
02 Outside Inn,Buffalo,NY,USA
02 Buffalo Memorial Auditorium,Buffalo,NY,USA
03 Kingdome,Seattle,WA,USA
04 Concord Pavilion,Concord,CA,USA
08 Tempe Stadium,Tempe,AZ,USA
12 Anaheim Stadium,Anaheim,CA,USA
13 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
Octobar
07 Providence Civic Center,Providence,RI,USA
08 The Palladium,New York City,NY,USA
09 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
10 Boston Music Hall,Boston,MA,USA
12 Palace Theater,Waterbury,CT,USA
13 University of New Hampshire,Durham,ON,USA
14 Onondaga War Memorial Auditorium,Syracuse,NY,USA
15 Maple Leaf Gardens,Toronto,ON,CANADA
16 Bergen Community College,Paramus,NJ,USA
17 Naval Academy,Annapolis,MD,USA
18 Palladium,New York City,NY,USA
19 Boston Gardens,Boston,MA,USA
November
09 Marquee Club,London,UK
December
03 Miami Jai-Alai Fronton,Miami,FL,USA
04 Curtis Simpson Hall,Tampa,FL,USA
08 Warehouse,New Orleans,LA,USA
09 Expo Hall,Mobile,AL,USA,USA
10 Boutwell Auditorium,Birmingham,AL,USA
11 Municipal Auditorium,Nashville,TN,USA
1977
January
[Oceania Tour]
23 St James Theatre,Wellington,NEW ZEALAND
February
01 Festival Hall,Melbourne,AUSTRALIA
04 Hordern Pavilion,Sydney,AUSTRALIA
05 Hordern Pavilion,Sydney,AUSTRALIA
07 Activity Center,Brisbane,AUSTRALIA
[North American Tour]
18 Kiel Opera House,St. Louis,MO,USA
19 Auditorium Theatre,Chicago,IL,USA
21 Veterans Memorial Auditorium,Des Moines,IA,USA
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#2013-04 #名盤・名音源・再紹介