2020年に,ピンク・フロイド(Pink Floyd)のオフィシャル・アルバム 『 Ummagumma (ウマグマ) 』,『 Soundtrack From The Film More (モア) 』,『 Atom Heart Mother (原子心母) 』 のアルバム・カッティング前の大元マスターを収録した 「 Flat Transfer Series 」 として,『 Ummagumma Live Album Side : Flat Transfer Master Complete Edition (Sigma 257) 』,『 More : Flat Transfer (Sigma 261) 』,『 Atom Heart Mother : Flat Transfer (Sigma 262) 』 が突如リリースされ,その鮮度と音の良さに驚嘆し,翌2021年2月には,1979年にリリースされた 『 The Wall (ザ・ウォール) 』 の Flat Transfer として 『 The Wall : Flat Transfer (Sigma 268) 』 が Sigmaレーベルよりリリース告知(2月9日)され,その週末には,250セットが Sold Out

 非常に残念な事に 『 The Wall : Flat Transfer (Sigma 268) 』 の時はバタバタしていて,予約する間も無く,Sold Out となってしまった訳ですが,今年 2月に,商品を 2組購入すると希望者に配布されるギフト・アイテム 『 The Wall : Flat Transfer (Gift 2CDR) 』 として登場.

 このギフト・リリースもラッキーだったのですが,今回の 2nd Press のリリースは,正直,非常に有難いです.
 
 メーカー情報では
 『大ヒットを記録した奇跡の名作が2ndプレスで再入荷決定! 
 コンセプト・アルバムの金字塔『ザ・ウォール』の史上最高峰盤が復刻です。

 ●奇跡を現実にしてくれる“FLAT TRANSFER”シリーズとは?
 さて、本作の正体は何か。それはズバリ「最も音の良いザ・ウォール」です。
 そもそも優れた音楽作品は、「一番良い音」が探し求められるのが宿命。時にデジタル・リマスターであったり、時に新技術のメディア盤であったり、時に激レアなマト1の発掘であったり……世界中のマニアは「優れた音で聴きたい」という本能に突き動かされ、あらゆる手段を駆使して「一番の音」が追い求められてきました。特にPINK FLOYDはバンドもファンも音響への意識が高く、マニアに探求の旅はロック界随一でもあった。本作は、そんな『ザ・ウォール』の旅の終着駅なのです。
 さまざまな可能性がある中で終着鋭気を言い切れるのも、本作が“FLAT TRANSFER MASTER”だからに他なりません。これは『ウマグマ(のライヴDISC)』『モア』、そして『原子心母』……数々の大名盤の最高峰盤をご紹介してきたシリーズ。欧州のある国で新発掘されたマスター・テープで、当店の独自ルートでもたらされたものです。そもそもアルバムが各国でプレスされる際には、バンドの本国(FLOYDの場合は当然英国)からマスターが配布され、それを元にスタンパーが作られます。本作の元になっているのは(恐らく)その配布マスター。商品LPの起こしでもなければ、カッティング原盤でもない。一度も物理的な溝に変換されていない、劣化ゼロのマスター・テープからデジタル化されているのです。
 さらに付け加えますと、配布マスターと考えられるのは内容も完全だったから。流出モノにありがちなデモやラフミックスの類ではなく、ミックスダウンもマスタリングも完璧に仕上がっている。それでながらサウンド・クオリティだけが体験した事がないほどに優れていた。これこそが“FLAT TRANSFER”シリーズの衝撃であり、その凄味を湛えた『ウマグマ』や『原子心母』に世界中のマニアが震撼したのです。

 ●これまでとは次元の違う「本物のザ・ウォール」と出逢う喜び
 そして、そのシリーズ最新弾となる『ザ・ウォール』篇が本作。そのサウンドはこれまでと同じく……いや、これまで以上。スタートの「In The Flesh?」からして完全に新体験。冒頭の微細なSEも機微まで綺麗に再現されていますが、そこにダイナミックな演奏が入ってきてもナチュラル感が微動だにしない。現行リマスター盤のような「作られた強音」ではなく、ギター弦やドラムの皮の振動まで感じられ、その振幅の大きさがダイナミズムを宇生み出しているのがよく分かる。そして、ハイライトに向かってアンサンブルが分厚くなるほどにクリアさが鮮烈。リマスター盤では盛り上げ重視なために残響まで強調されてボワボワしてしまっていますが、本作は完全無加工。楽器1つひとつの振動がフォルテッシモであるため、無音部の深みが埋められることなく、輪郭も綺麗に描かれる。1音に宿る立体感も、演奏同士が組みあげるアンサンブルの立体感も極めて鮮やかなのです。
 あまりにも明らかに素晴らしくて思わず筆が走ってしまいましたが、これだけでも「In The Flesh?」の3分20秒だけの話なんです。その後も1曲1曲、一瞬一瞬で聴きどころが絶え間なく続く。例えば、「Another Brick In The Wall (Part 1)」のスライド・ギター。リマスター盤ではアタック音に重点が置かれて伸びがありませんでしたが、本作では異様なほど伸びが良く、消え去る瞬間までえらく長いのです。さらに続く「The Happiest Days Of Our Lives」のドラム。あの「ドン! ドン!」が物凄く綺麗。リマスター盤ではイコライジングのせいか重低音の鳴りの中から金物が飛び出す感じでしたが、本作ではハイハットとバスドラが完全シンクロ。本来ニックが狙っていたであろう音色がしっかりと分かるのです。さらに続く「Another Brick In The Wall, Part 2」でもドラムの打音ピークが突き上げ気味だったリマスター盤とは違ってナチュラルであり、それでいながら機微まで克明だから描かれる立体感/現実感は一層鮮やかになっている。子供コーラスも壁のようにそそり立ちつつ、その表面には1人ひとりの顔が見えそうな機微が刻まれている。
 また長くなってしまいましたが、これでもまだ開始から15分ですし、他にも巻き弦の凹凸レベルなアコギさやシンセの重低音ヴァイヴの細やかさ、数々のSEに宿る現実感と深み等々など。もしこのまま全80分44秒を思いつくまま書き続けたら、読んでくださる方々には迷惑なんじゃないか……そんな思いがよぎるほどに1音1音が違いすぎる。もう他のあらゆる公式CDには戻れない。それほどまでに芳醇な音世界が広がっているのです。
 おっと、この書き方も語弊があるかも知れませんね。「PINK FLOYDのリマスター盤は駄作だ!」と言っているのではありません。むしろ、他バンドとは次元が違うほど出来が良い。ロックとしては破格と言っても良いでしょう。実際、これまでは不満もなく楽しんできたのですが、本作で「本当の音」を知ってしまうと、もう聴けなくなってしまう。本当に、全っ然ダメ。「こんな音が入ってたのか」「ここまで細かかったのか」「リマスター盤の鳴りは加工だったんじゃないか」等々、実は知らなければそれなりに幸せだった真実が浮かび上がり続ける。これが本物なんだとしたら、今まで聴いてきた『ザ・ウォール』なんだったんだ……そんな想いにまで駆られてしまうのです。

 思わず感傷的になってしまうほど素晴らしい『ザ・ウォール』。それが本作なのです。本来であれば、このサウンドで43年間をやり直したい。しかし、それが叶わなくとも、今からでも、遅くはありません。もう一度『ザ・ウォール』に出逢える喜びを味わえるのですから。単に「一番音の良い名盤」といった次元を超えた感動で迫ってくる壁。どうぞ、永久保存の2ndプレスCDで思う存分、初体験してください。

 ★全世界に衝撃を振りまいた“FLAT TRANSFER”シリーズの『ザ・ウォール』篇。
 新発掘されたLPカッティング前のマスター・テープから無加工でデジタル化されており、史上最もハイクオリティであり、制作スタジオの音に近い『ザ・ウォール』が楽しめる。そのナチュラル感、機微の細かさ、楽器や演奏社の存在まで感じ取れるリアリティ等々、あらゆる公式CDを遙かに超えたサウンドは圧倒的。
 「本物のザ・ウォール」と初対面をやり直せる大感動の2枚組です。』



The Wall : Flat Transfer (Sigma 268)
 
 [2nd Press]

  Disc 1
   01. In The Flesh?
   02. The Thin Ice
   03. Another Brick In The Wall (Part 1)
   04. The Happiest Days Of Our Lives
   05. Another Brick In The Wall (Part 2)
   06. Mother
   07. Goodbye Blue Sky
   08. Empty Spaces
   09. Young Lust
   10. One Of My Turns
   11. Don't Leave Me Now
   12. Another Brick In The Wall (Part 3)
   13. Goodbye Cruel World
   TOTAL TIME (39:08)

  Disc 2
   01. Hey You
   02. Is There Anybody Out There?
   03. Nobody Home
   04. Vera
   05. Bring The Boys Back Home
   06. Comfortably Numb
   07. The Show Must Go On
   08. In The Flesh
   09. Run Like Hell
   10. Waiting For The Worms
   11. Stop
   12. The Trial
   13. Outside The Wall
   TOTAL TIME (41:54)

 Another Brick In The Wall (Part 1)
 
 Goodbye Blue Sky
 
 Another Brick In The Wall (Part 3)
 

 ※) オフィシャルなので,削除するかも知れませんが悪しからず.


[参考]








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