1969年10月にリリースされた ピンク・フロイド(Pink Floyd)の 4枚目のアルバム 『 Ummagumma (ウマグマ) 』.
 このアルバムは 1枚目がライヴ盤,2枚目がスタジオ盤と 2枚組のアルバムで,ノーマン・スミスNorman Smith)が ピンク・フロイドをプロデュースした最後のアルバムとなりました.

 1枚目に収録されているのは 1969年4月27日英国バーミンガムはアーディントンのマザーズ公演,1969年5月2日同じくマンチェスターはマンチェスター・カレッジ・オブ・コマースのスチューデント・ユニオン・ビルディング公演のパフォーマンスで,5月2日のマンチェスター公演の方をメインで収録しています.
 また後述するセット・リストに記載しているように,当日は "Interstellar Overdrive"(星空のドライブ)も演奏されており,当初は同曲も収録される予定だったようですが,収録時間の関係なのか見送らました.
 この収録が見送られた ”Interstellar Overdrive" が,2013年12月前後に Oneoneレーベルからリリースされた 『 Rarities (Oneone-001 A/B) 』 に "Set The Controls For The Heart Of The Sun" / "A Saucerful Of Secrets" の 「 Ummagumma Rough Mix 1969 」 と一緒に 「 Ummagumma Outtake 1969 」 として収録,2枚目のスタジオ盤のアウト・テイクは 2012年11月前後に Embryoレーベルよりリリースされた 『 Ummagumma Revisited (Embryo 01/02/03) 』 に一部が収録されています.

 両日のセット・リストは
 
   [27th April : Birmingham]
    1. Astronomy Domine
    2. Careful With That Axe, Eugene
    3. Un-known (Improvisation)
    4. Interstellar Overdrive
    5. Set the Controls for the Heart of the Sun
    6. A Saucerful of Secrets
    7. Let There Be More Light

   [02nd May : Manchester]
    1. Astronomy Domine
    2. Careful With That Axe, Eugene
    3. Interstellar Overdrive
    4. Set the Controls for the Heart of the Sun
    5. A Saucerful of Secrets 
 
 だったようです.

 本商品は 『 Ummagumma (ウマグマ) 』 の 1枚目のライヴ盤のアルバム・カッティング前の大元マスターと,アルバム・リリース時にはカットされてしまったアウト・テイクである上述の ”Interstellar Overdrive”(”星空のドライヴ”)を追加収録し,当日のフル・ショウを再現したサウンドボード音源を収録し Sigmaレーベルよりリリースされた 『 Ummagumma Live Album Side : Flat Transfer Master Complete Edition (Sigma 257) 』 です.

 しかし半世紀(50年)経過して未だこのような音源が発掘されると言うのは正直驚かされます.
 音もサウンドボードなので,初心者でも初期の ピンク・フロイドのパフォーマンスを安心して楽しめる 1枚です.と言うか,素晴らし過ぎる音で,ブート・ファンで無くても,これは買いでしょう.

 メーカー情報では
 『生フロイドの魅力を世界に知らしめた伝統の大名盤『ウマグマ』のライヴ・ディスク。
 その拡張・完全版にして、サウンドの最高峰も更新した奇跡の1枚が誕生です。

 【半世紀を超えて発掘されたカッティング以前の大元マスター】
 『ウマグマ』やその1枚目となったライヴ盤については、もはや語る必要はないでしょう。
 39分36秒に及ぶ英国プログレッシヴ・ロックの至宝なわけですが、本作は同じライヴでありながら54分2秒。しかも未知なるアップグレード・サウンドで綴られる世界初のライヴアルバムなのです。
 まるでキツネに摘まれたような、夢みたいな話。では、なぜ拡張版が実現したのか、未知のサウンドはどうしてあり得たのか。そのカギとなるのは、新発掘された“FLAT TRANSFER MASTER”でした。海外から独自ルートでもたらされたのが驚きの大元マスターだったのです。
 もう少し詳しく申しますと、ミックスダウンとマスタリングが完了し、ある国(“欧州のとある国”とだけ申し上げておきましょう)のプレス用に配布されたマスター。それが半世紀の時を超えて発見されたのです。
 そこに記録されていたのは、まさにオリジナル・マスターのサウンドそのもの。コレクター界ではレコーディングの音に一歩でも近づこうとやれカッティング精度だ、マト1だと追究されるものですが、今回はその次元にはない。何しろプレスはおろか、カッティングも経ず、一度も物理的な溝に変換されていない音が保存されていたのです。

 【1969年のフルショウを体験させてくれる完全形のサウンドボード・アルバム】
 これが最高峰更新となる未知なるサウンドの秘密。しかし、それだけは「完全版」とはならない。
 “FLAT TRANSFER MASTER”は、あくまでミックスダウンもマスタリングも済んだ完成度100%の音。すなわち、尺も最終オフィシャル作品と同じだからです。
 では、どうやって拡張が可能になったのか。そこで2つめのカギとなるのが「ラフミックス」。実のところ、『ウマグマ』のライヴには本編とは異なるラフミックス・テイクが発掘されており、当店でも『RARITIES(Oenone-001A/B)』の一部としてもご紹介した事があります。これは単にミックスが異なるだけでなく、演奏パートの前後も長く記録され、公式作ではカットされた「星空のドライブ(Interstellar Overdrive)」も収録されていたのです。
 そして本作は、上記2つのサウンドボードをフル活用したもの。メインとなる4曲「天の支配(Astromony Domine)」「ユージン、斧に気をつけろ(Careful With That Axe, Eugene)」「太陽讃歌(Set The Controls For The Heart Of The Sun)」「神秘(A Saucerful Of Secrets)」は“FLAT TRANSFER MASTER”の最高峰サウンドで綴り、その合間と「星空のドライブ」をラフミックスで補完。もちろん、補完パートも緻密・厳正なマスタリングによって“FLAT TRANSFER MASTER”に可能な限り近づけ、言われなければ(言われても?)気づかない自然でシームレスなライヴアルバムを実現させているのです。
 そうして誕生した本作は「1969年のフルショウ」を体験させてくれる。
 『ウマグマ』のライヴ・ディスクは「1969年4月27日バーミンガム公演」「5月2日マンチェスター公演」の2種から編集されていますが、実のところ、内実はほぼほぼマンチェスター公演。「神秘」の約3分(本作で言うところの5トラック目の「0:00-3:25」)だけがバーミンガム公演なのです。
 そして、マンチェスターで演奏されたのは、本作と同じ5曲だけ。つまり、本作は伝統名盤の拡張版であると同時に「マンチェスター公演の完全版サウンドボード(3分半だけ差し替え)」でもあるわけです。

 【未体験のサウンドが体現する“本物のウマグマ”】
 経緯・概要を正確にお伝えすべく、ここまで努めて平静に書いてきましたが、本当は動揺が隠せません。ここまでにご紹介してきた事実を、現実の音が証明しているのです。
 まず、サウンドが……深い。これまでリリースされてきたありとあらゆる公式CDを凌駕しているのです。実のところ、『ウマグマ』は1987年に初CD化された時点で劣化しており、その後の1994年以降のリマスター盤ではデジタル加工で取り繕ってきた。ところが、本作はオリジナルそのままでありつつ、劣化する前のマスター・サウンドを保持しているのです。
 1音1音がくっきりとしつつ、鳴りは楽器そのものが目に浮かぶほどナチュラル。立ち上がりの鋭さには弦や皮の振動が感じられ、1音が美しい山を描くピークにも消えゆく消音のヴァイヴにも現実感が宿っている。そして、1音1音が連なって生まれる音楽が極めて美しいわけですが、同時に無音部の闇が深いのも重要。ヒスのない無が静まり返った現場の緊張感を描き出し、そこから浮き立つからこそ、メロディは光沢を放ち、ビートやグルーヴも芳醇なのです。
 1つ例を挙げるなら「神秘」の序盤。シンバルワークの連打とキーボードが異空間を生みだし、そこにギターが不協和音のメロディを紡いでいく。従来盤でもその演奏自体は細部まで楽しめましたが、本作はシンバルやキーボードが発する振動が「共振」しているのまで分かる。それぞれのノートが現場空間で作用し合い、そこにあるドラムキットの支柱やギターのボディまで振るわせる。先ほどから「現実感」をキーワードにしておりますが、本作に宿るリアリティはそういうレベル。単に1つひとつの音が鮮明なだけでなく、別に演奏してミックスするスタジオ録音とは違い、楽器同士が同居するステージだからこそ起きうる振動のすべてを再現してくれるのです。
 しかも、LP起こしではないからスクラッチもなく、全編が滑らかで艶やか。実のところ、「太陽讃歌」の終盤(9:07辺り)に現行CDにはない「プッ」という瞬間ノイズも聞こえますが、実はこれも「本物」。ステージの現場でキーボード(もしくはギター)の切り替えスイッチを操作した事で発生したものであり、オリジナル・マスターにも初期CDにも記録されていた作品の一部(その後、1994年のリマスタリングの際に除去されたようです)。本作は、そんなマスターの真実を完全無加工で永久保存したプレスCDなのです。

 時に英国1stプレスLPであり、時に日本盤初回CDであり、時に知られざる8トラ・カセットであったり……マニアはありとあらゆる可能性に挑み、名盤の最高峰サウンドを探してきました。本作もまた、そんな探求の旅から生まれた究極形の1つ。『ウマグマ』ライヴ・ディスクの至高盤なのです。
 LPカッティング以前の鮮度にして、初CD化の際には劣化していた本当のマスター・サウンド。その奇跡を最大限に活用して甦らせた1969年のフルショウ……まさに文化遺産以外の何物でもなく、そんな言葉さえ軽々しく感じてしまう最重要のライヴアルバムです。ご自宅のコレクション棚を博物館に変えてくれる永久保存のプレスCD。ぜひ全霊で正対していただきたい、永遠の1枚です。

 ★これは凄いです。大発掘音源。フロイド界震撼の一枚!』

Ummagumma Live Album Side : Flat Transfer Master Complete Edition (Sigma 257)
 
 Live At Manchester College Of Commerce,Manchester,UK 02nd May 1969
       & Mother's Club,Birmingham,UK 27th April 1969

   1. Astromony Domine (#)
   2. Careful With That Axe, Eugene (#)
   3. Interstellar Overdrive (#)
   4. Set The Controls For The Heart Of The Sun (#)
   5. A Saucerful Of Secrets (#) (%)
   TOTAL TIME (54:02)

   (#) Manchester College Of Commerce,Manchester,UK 02nd May 1969
   (%) Mother's Club,Birmingham,UK 27th April 1969

 Interstellar Overdrive
 
 A Saucerful Of Secrets
 

[参考]
 1969 Tour Dates
 January
  10 Fishmonger's Arms Public House,Wood Green,London,UK
  11 Kink Pop Festival,Dordrecht,The NETHERLANDS
       ⇒ [Cancelled]
  11 Provadya Festival,Zwijndrecht,The NETHERLANDS
       ⇒ [Cancelled]
  12 Mothers, Erdington,Birmingham,UK
  17 Brunel University (Uxbridge) Rag Week Ball,Royal Albert Hall,Kensington,London,UK
       ⇒ [Cancelled]
  18 Homerton College,Cambridge,then: London College of Printing,London then: Middle Earth,The Roundhouse,Chalk Farm,London,UK
       ⇒ Early Hours 19 January
  22 ORTF Studios,Buttes Chaumont,Paris,FRANCE
       ⇒ [Forum Musiques, ORTF1 TV, Broadcast 15 February]
  25 Sixty Nine Club,Royal York Hotel,Ryde,Isle Of Wight,UK

 February
  07 University Of Hull,Hull,UK
       ⇒ [Cancelled]
  12 Top Rank Suite,Cardiff,UK
  14 Valentines Ball,Edward Herbert Building,University Of Loughborough,Loughborough,UK
  17 The Ballroom,Bay Hotel,Whitburn,Sunderland,UK
  18 Manchester & Salford Students' Shrove Rag Ball,Manchester University,Manchester,UK
  21 Alhambra Theatre,Bordeaux,FRANCE
  24 The Dome,Brighton,UK
  25 Marlowe Theater,Canterbury,UK
  26 New Cavendish Ballroom,Edinburgh,UK
  27 Glasgow Arts Lab Benefit,Maryland Ballroom,Glasgow,UK
  28 Commemoration Ball,Queen Elizabeth College,Kensington,London,UK

 March
  01 University College London,Bloomsbury,London,UK
  03 Vic Rooms Dance,Victoria Rooms,University Of Bristol,Clifton,Bristol,UK
  08 Reading University Rag Ball,New Union,Reading University,Reading,UK
  11 Lawns Centre,Cottingham,UK
  14 Van Dike Club,Devonport,Plymouth,UK
  15 Kee Club,Bridgend,UK
  19 Going Down Ball,The Refectory,University College, Swansea,UK
  20 Dunelm House, University of Durham,Durham,UK
  21 Blackpool Technical College & School Of Art and St. Anne's College Of Further Education Arts Ball,Empress Ballroom,Winter Gardens,Blackpool,UK
  22 Easter Endsville,Refectory Hall,University Union,Leeds University,Leeds,UK
  27 St. James' Church Hall,Chesterfield,UK

 April
  09 BBC Paris Cinema,Lower Regent Street,London,UK
       ⇒ [Radio One Club, BBC Radio 1, Cancelled]
  14 Royal Festival Hall,London,UK
  19 SDR TV Villaberg TV Studios,Stuttgart,GERMANY
       ⇒ [Pink Floyd Mit Einen Neuen Beat Sound,SDR TV,Pre-Recorded Broadcast]
  23 NDR Radio Studios,Hamburg,GERMANY
       ⇒ [Psychedelic Sounds, Pre-Recorded Radio Broadcast]
  24 Star Club,Hamburg,GERMANY
       ⇒ [Cancelled]
  26 Beat Club, Radio Bremen TV Studios,GERMANY
       ⇒ [Beat Club,Pre-Recorded TV Broadcast); Light & Sound Concert,Main Hall,Bromley Technical College,Bromley,UK]
  27 Mothers,Erdington,Birmingham,UK
       ⇒ [Ummagumma Recording]

 May
  02 Student Union Building,Manchester College Of Commerce,Manchester,UK
       ⇒ [Ummagumma Recording]
  03 Sports Hall,Queen Mary College,Mile End,London,UK
  09 Camden Fringe Festival Free Concert, Parliament Hill Fields,Hampstead,London,UK, then: Old Refectory,Student's Union,Southampton University,Southampton,UK
  10 Nottingham's Pop & Blues Festival,Notts County Football Ground,Nottingham,UK
  12 BBC Paris Cinema,Lower Regent Street,London,UK
       ⇒ [Top Gear,BBC Radio 1,Broadcast 14 May]
  15 It’s A Drag - City Of Coventry College Of Art May Ball,Locarno Ballroom,Coventry,UK
  16 Town Hall,Leeds,UK
  17 Paradiso,Amsterdam,The NETHERLANDS
       ⇒ [Cancelled]
  18 Concertzaal de Jong,Groningen,The NETHERLANDS
       ⇒ [Cancelled]
  24 City (Oval) Hall,Sheffield,UK
  25 A Benefit For Fairport Convention,The Roundhouse,Chalk Farm,London,UK
  29 HTV TV Studios,Bristol,UK
       ⇒ [Fusions,Pre-Recorded TV Broadcast]
  30 Fairfield Halls,Croydon,UK
  31 Eights Week Ball,Pembroke College,Oxford,UK
             :::
             :::
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#2020-10-27