1970年1月7日バーミンガムのタウン・ホール公演を皮切りに,2月17日エジンバラのアッシャーホール公演まで行われた英国内ツアーに続き,2月23日フィンランドはヘルシンキのククルトゥルリタロ(カルチャーハウス)公演を皮切りに,2月28日デンマークはコペンハーゲンの K. B.ハレン公演まで行われた北欧ツアー.

 本CDは,その北欧ツアーから最終日のデンマークはコペンハーゲンの K. B.ハレン公演をオーディエンス収録したもので,4月14日にリリースされた 『 The Nobs - Copenhagen 1970 (No Label) 』 です.

 古くから有名な音源ではあり,既発では,Taranturaレーベルから1994年に 『 THE NOBS! (T70CD-1,2) 』 がリリース,1996年には Baby Faceレーベルから 『 Dancing With The Snow Queen (Baby Face 9602) 』 他があるものの,最近は.余りリリースはされていません.今回の音源は,近年ネット上に流通する Master > Dat 音源(テーパーはミカエル・モラー:Michael Moller氏なる人物) を使用しての商品化のようです.

 この日は,北欧ツアーの最終日に当たる関係もあるのか,観客の熱狂ぶりは凄まじい状況で,それに応えるべく,1月9日の英国内ツアー初日のロイヤル・アルバート・ホール公演同様に,アンコールではレアな曲が演奏され,且つアンコール自体が長めとなっていますが,録音自体は,オープニングの "We're Gonna Groove" と,2曲目の "I Can't Quit You Baby" が未収録であり,残念な事に完全盤ではありません.

 1度目のアンコールで "Whole Lotta Love","Communication Breakdown" を,2度目のアンコールで "C'mon Everybody","Somethin' Else","Bring It On Home" を,3度目のアンコールで "Long Tall Sally" を演奏.

 エコー・チェンバー を使用している "Heartbreaker" 前の導入部が恰好良いですねぇ.
 また "Thank You" 前の "Organ Solo" 導入部はバロック風のメロディーが奏でられ,この後の公演辺りから,長めのソロになっていきますが,この日は 1分程度と短めのソロとなっています.
 そして,何といっても,圧巻は,22分超の "How Many More Times" で,終盤での観客とのコール&レスポンス等を含めて,メドレー部分は,聴き所満載.

 音像的には若干遠いですが,各楽器がバランスは中々良く,静か目の曲では,かなりクリアに聴こえます.逆に,爆音で演奏される部分は,歪むか,歪む直前で音は団子状態なので,コアなファンでないと正直厳しいと思いますが,演奏は素晴らしく,レッド・ツェッペリンのライブの歴史上,聴く価値のある音源です.

 本CDは,今年の 4月にリリース告知後,二週間弱程度で120枚!
 「 4/23 ★レッド・ツェッペリン(ザ・ノブス)「COPENHAGEN 1970」のナンバー入りシール・ステッカー付きは完売致しました。お問合せ多数の為、急遽20セット(No.121~140)を用意させて頂きました。
 何時もに比較すると売れ行きは悪いようではありますが,実は,3月央に LIGHTHOUSE から,商品化に先立って,既にピッチ補正済の音源がギフト・アイテム 『 Copenhagen 1970 Master (Gift CDR) 』 として希望者に配布されていたのですよ.(笑)

 最近,良くありがちな状況です.(笑)
 ギフト・アイテムで,ピッチ補正盤を出してしまうと,商品盤は,プレスと音のトリートメントしか無くなるのですが,でも商品を出すと言うのは,余程,自信があるからなのでしょうか.

 メーカー情報では
 『今週のZEPリリースは1970年から71年にかけてのハイパー・パフォーマンスを捉えたマニア狂喜の音源が目白押し。そのトップバッターは70年2月28日のコペンハーゲン。
 そう、ZEPのライブ史上、唯一の別のグループ名を名乗って行われた伝説のライブ。事の発端は戦前に作られたドイツの飛行船を実用化したフェルディナント・フォン・ツェッペリンの子孫、エヴァ・フォン・ツェッペリンがレッド・ツェッペリンというグループ名は由緒あるツェッペリン家名の無断借用である、コペンハーゲンでもツェッペリンを名乗るなら訴えるとコンサート前にクレームを通達したことでした。

 確かにZEPのファースト・アルバムのジャケ写は爆発するヒンデンブルク号でしたし、ZEP=飛行船という宣伝イメージも作られています。それ以上に1970年にもなると大人気となたZEPの台頭によって、このような言いがかりがまかり通ってしまったのでしょう。
 いつの時代にも、どこの世界にもクレーマーというのはいるものです。しかも「子孫」という関係がまた微妙。要するに商標登録レベルの問題ではなかったのですが、注目を浴び始めたバンドが同じ名前を使っていたことがお気に召さなかったということかと思われます。
 このはた迷惑なクレームに対し、とりあえずコペンハーゲン公演を円滑に行うためプロモーターのクロード・ノブスと相談した結果が、この日だけ別のグループ名を使うというもの。そこで考え付いたのがノブスの名前をとった「ザ・ノブス」でした。しかも一週間後には彼の本拠地であるモントルー(サウンドボード録音と極上オーディエンスでおなじみ)でのライブも控えている。そこでユーモア交じりに「ザ・ノブス」というバンド名を名乗ることになりました。
 
 コペンハーゲンでのノブス・コンサートですが、蓋を開けてみれば70年ZEPらしさ全開のフルパワー・パフォーマンス。おまけに鮮度の優れたオーディエンス録音が存在することでマニアには昔から有名なもの。演奏の音像や臨場感などもなかなかのバランスであり、2月から3月にかけてのヨーロッパ・ツアーを捉えた音源の中では、先のモントルーに次いで音質の優れたオーディエンス録音だと言えるでしょう。
 ショー序盤の二曲、「We're Gonna Groove」と「I Can't Quit You Baby」が収録されていないのが玉に瑕ではあるものの、「Dazed And Confused」からしてこの時期ならではのウルトラZEPパフォーマンスが炸裂。特にプラントのスクリーム・ボイスときたら、本当に凄まじい。
 面白いのは、これだけ壮絶な演奏を前にしておいて、オーディエンスがちっとも盛り上がっていない事。この後の盛り上がりとの変化があまりにも極端なのですが、音源から察するに、コペンハーゲンの人たちは演奏が長い「Dazed And~」を好まなかったのかもしれません。この曲が終わった後でプラントがオーディエンスに「元気かい?」と何度も語り掛けているのもマニアには有名な場面ですが、この時点では白けていると例えても間違いではない臨場感。
 しかし、次の「Heartbreaker」で打って変わったような激しい盛り上がり。やはりコペンハーゲンの人たちがZEPに何を求めていたのかは明白でしょう。それでもなお「White Summer」になると退屈してきたのか、テーパーの周りでデンマーク語が飛び交うのが解りやすい。このことからも察せられるように、かなりアウェイな状況でのステージだったことが伺えますが、それでもリリースどころか録音すらされていなかった「Since I've Been Loving You」では極上のZEPブルースが聴かれます。

 そして「How Many More Times」からは凄まじいまでの爆裂演奏。
 まだこの時期は「Whole Lotta Love」がストレートに演奏されていた時期ですので、メドレー展開は「How Many~」のもの。これらの壮絶な演奏を前に、コペンハーゲンのオーディエンスは大熱狂(盛り上がりすぎて何だかよく解らない場面まであるほど)。
 プラントを始めとして、この盛り上がりにはZEPとしても感じ入るものがあったのでしょう、アンコールでは一か月前のロイヤル・アルバート・ホールの時以来となるロックンロール・カバーが豪勢に登場します。これがまた素晴らしい同時に、ZEPから盛り上がったコペンハーゲンのオーディエンスに対する感謝の現れであるかのように映る場面でした。
 先にも申しましたように、過去にもいくつかのアイテムがリリースされてきたザ・ノブス・コンサート。今回は近年流通するマスター・テープ(録音はミカエル・モラーなる人物)を元にしたバージョンからの収録はもちろんですが、おそらくは過去のアイテムがすべて見落としていたであろう、全体を通して不安定なペースで下がっていたピッチの狂いを徹底的に見直し、おまけに徹底したアジャスト(「Dazed And~」の1:01で入るノイズなども削除)を施したことです。既に好評を博していたギフト・バージョンからさらなるアッパーな状態へと進化し、リスニング上のストレスが一掃されたベスト・バージョンとして限定のプレスCDにてリリースされます!』

The Nobs - Copemhagen 1970 (No Label)
 
 Live At K.B.Hallen,Copenhagen,DENMARK 28th February 1970

 Disc 1
  1. Dazed And Confused
  2. Heartbreaker
  3. White Summer - Black Mountain Side
  4. Since I've Been Loving You
  5. Organ Solo - Thank You
  6. Moby Dick
  TOTAL TIME (69:09)

 Disc 2
  1. How Many More Times
  2. Whole Lotta Love
  3. Communication Breakdown
  4. C'mon Everybody
  5. Something Else
  6. Bring It On Home
  7. Long Tall Sally
  TOTAL TIME (57:10)

 Dazed And Confused
 
 Since I've Been Loving You
 
 Whole Lotta Love
 

[参考]
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1970 Tour Dates
January
 07 Town Hall,Birmingham,UK
 08 Colston Hall,Bristol,UK
 09 Royal Albert Hall,London,UK
 13 The Guildhall,Portsmouth,UK
 15 City Hall,Newcastle,UK
 16 City Hall,Sheffield,UK
 24 Leeds University,Leeds,UK

February
 17 Usher Hall,Edinburgh,Scotland,UK
 23 Kulttuuritalo,Helsinki,FINLAND
 25 Konserthuset,Goteborg,SWEDEN
 26 Konserthuset,Stockholm,SWEDEN
 28 K. B. Hallen,Copenhagen,DENMARK

March
 07 Montreux Casino,Montreux,SWITZERLAND
 08 Circus Krone Bau,Munich,,GERMANY
 09 Konzerthaus,Vienna,AUSTRIA
 10 Musikhalle,Hamburg,,GERMANY
 11 Musikhalle,Hamburg,,GERMANY
 12 Rheinhalle,Dusseldorf,GERMANY

 The Nobs! (T70CD-1,2)
 
 Dancing With The Snow Queen (Baby Face 9602)
 

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Live On Blueberry Hill (No Label)
 
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Pb (No Label)