1970年8月10日バージニア州ハンプトンはハンプトン・コロシアム公演を皮切りに,9月19日ニューヨーク州はニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン公演まで行われた1970年第二次北米ツアーを行ったレッド・ツェッペリン.

 本音源は,この北米ツアーから,ツアー中盤に当たる 8月31日ウィスコンシン州はミルウォーキーのミルウォーキー・アリーナ公演を,オーディエンス収録した 『 Milwaukee 1970 (Gift CDR) 』 で,商品を 2組購入すると貰えるギフト・アイテムとして配布されていたもの.

 この北米ツアーからは,有名なブートレッグとして,9月4日カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラム公演をオーディエンス収録した 『 Live On Blueberry Hill (No Label) 』 や,9月19日の千秋楽,且つ,レッド・ツェッペリンとして,初のマディソン・スクエア・ガーデン公演の 2回のショーを収録した 『 Madison Square Garden 1970 (No Label) 』等がリリースされており,名演も多いツアーで,今回の 『 Milwaukee 1970 (Gift CDR) 』 も,ショーの前半部分のみのオーディエンス録音で,曲間カットはあり,音像は若干遠いものの,音質的には優れており 『 Live On Blueberry Hill (No Label) 』 に並ぶもの.

 全体的に,この時期は,ロバート・プラントのハイ・トーン・ヴォーカルも含めて,勢いのある素晴らしい演奏を行っています.因みにメーカー情報にあるように,ロバート・プラントのスタジオ・テイクと同じようなスキャットが入り,ジミー・ペイジのギター・ソロが中途半端に終了してしまう "Immigrant Song" は,レア,"Dazed And Confused" も,1973年以降のように長い演奏ではなく,コンパクトに纏められており,10分に及ぶ "Bring It On Home" での,ジミー・ペイジと,ジョン・ボーナムとの掛け合いや,この時期しか演奏されていない "Bron-Yr-Aur" 等,聴き所満載.

 メーカー情報では
 『1970年北米ツアー中盤の8月31日、ミルウォーキー公演を高音質オーディエンス録音で約55分収録。
 ショウの前半部のみの録音で、この音源はここまでしか存在していませんが、オーディエンス録音としては、屈指のクオリティを誇る名音源です。

 1時間に満たない中途半端な内容ながら、ブート初期から各レーベルより音盤化されていることからわかる通り、その高いレベルの質感は最高レベルのもの。
 特に今回はPRESENCEがアップロードした「MASTER>DAT」音源をピッチ補正し収録しており、イコライズ感を感じさせない、オンでクリアネスに満ちたその圧巻のサウンドは、まさに「ファンマスト」と断言できる最強のものです。原音の半音の約50%速いピッチを修正。この音源の世界最良のヴァージョンを楽しむことが出来ます。ごくたまに発見されるアナログノイズを除去すれば、絶対にプレスCDが相応しい高品質ソース。

 最初の Immigrant Song の1分40秒台でテープ劣化がありますが、それ以外は曲中の微細なカット、そしてテープ残量を気にした曲間カット以外、殆ど欠点らしいものがありません。
 この絶妙な音の距離感とワイドかつオンなリッチなサウンドで聴けるこの時期のツェッペリンのライヴはまさに圧巻。
 Immigrant Song や Heartbreaker に代表される絶好調プラントの独特の歌い回しの数々はこの日の魅力でもあります。
 Dazed and Confused の 9:18でリフの途中でペイジが何らかのトラブルか、いったん手をとめ、弾き直し次第にまた復調していく様も非常にリアル。全体を支配するドライブ感に満ちた演奏は聴き応え満点。1枚ものでも十分な満足感が味わえるタイトルです。

 (コンサートの内容は下記の「Live File」の文章でご確認ください。)
 ツアー中盤にあたる8月31日のミルウォーキー公演だが、当初は8月26日に予定されていたようだ。
 「Immigrant Song」は勢い溢れたギターソロがまだまだ続きそうなところで、ロバート・プラントがスタジオ・テイクと同じようなスキャットをいれてしまうため、それを聴いたジミー・ペイジがすぐさま反応してしまい、リフに戻ってしまうのが何とも面白く、プラントはギターソロをまるで聴かずに雰囲気だけでスキャットを入れているように感じてしまう。
 そのスキャットだけでなく「Heartbreaker」における最後の "go away heartbreaker" のファルセットも強烈だし、「Since I've Been Loving You」の後半の伸びも素晴らしく、この日のプラントも絶好調と言った感じだ。
 「Since I've Been Loving You」が "This is the number form Led Zeppelin III" と紹介されていることから、既にこの時点で3枚目のアルバムタイトルは決まっていたことが伺える。
 この公演は残念ながら最初の7曲しか陽の目を見ていない。

Milwaukee 1970 (Gift CDR)
 
 Live At Milwaukee Arena,Milwaukee,WI,USA 31st August 1970
  1. Intro.
  2. Immigrant Song
  3. Heartbreaker
  4. Dazed And Confused
  5. Bring It On Home
  6. That's The Way
  7. Bron-Yr-Aur
  8. Since I've Been Loving You
  TOTAL TIME (55:27)

 Immigrant Song 
 
 Dazed And Confused 
 
 Bron-Yr-Aur 
 
 Since I've Been Loving You 
 

[参考]
1970 North American Tour Dates [Summer]
 August
  10 Hampton Roads Coliseum,Hampton,VA,USA
  15 Yale Bowl,New Haven,CT,USA
  17 Hampton Roads Coliseum,Hampton,VA,USA
  19 Municipal Auditorium,Kansas City,KS,USA
  20 State Fair Coliseum,Oklahoma City,OK,USA
  21 Assembly Center,Tulsa,OK,USA
  22 Tarrant County Convention Center,Fort Worth,TX,USA
  25 Nashville Municipal Auditorium,Nashville,TN,USA
  26 Public Auditorium,Cleveland,OH,USA
  28 Olympia Stadium,Detroit,MI,USA
  29 Man-Pop Festival,Winnipeg Arena,Winnipeg,MB,CANADA
  31 Milwaukee Arena,Milwaukee,WI,USA

 September
  01 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  02 Oakland Coliseum,Oakland,CA,USA
  03 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  04 The Forum,Inglewood,CA,USA
  05 Neal S. Blaisdell Arena,Honolulu,HI,USA
  06 Neal S. Blaisdell Arena,Honolulu,HI,USA
  09 Boston Garden,Boston,MA,USA
  19 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
     ⇒ [2 Shows]

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Pb (No Label)
 
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